いはゆる刮舌三返といふは、水を口にふくみて、舌をこそげこそげすること、三返するなり、三刮にはあらず。血いでばまさにやむべし、といふにこころうべし。よくよく刮舌すべしといふことは、三千威儀経?云、浄口者、嚼楊枝・漱口・刮舌。しかあれば、楊枝は、仏祖ならびに仏祖児孫の、護持しきたれるところなり。 『正法眼蔵』「洗面」巻