這箇は是れ三尺の黒蚖蛇。昔日、霊山に在っては金波羅華となり、また少林に在っては五葉となる。或る時んば龍と化して乾坤を呑却し、或る時んば宝剣となって殺活自在。即今、師命を奉じて予が手裏に落在す。恰も蚊子の鉄牛を咬むに似たり。然りと雖も任に当たっては他に譲り難し。乞う満堂の龍象、試みに法戦一場せんことを。開口闍黎、説破を挙せよ、看ん。 『昭和改訂曹洞宗行持軌範』「首座法座」項