ここは某巨大掲示板のSS職人であるチョ ゲバラのエロSSの保管庫です。現在、君の名は、ソードアート・オンライン、ラブプラス、けいおん、とある魔術の禁書目録、ペルソナ4、To LOVEる とらぶるのエロ小説が保管されています。

 もう暦の上では秋であるにもかかわらず、連日の猛暑日が続いていた。
 スカイブルーの空には、雲一つなく風一つなく。
 燦々と輝く太陽は地上を容赦なく照らしつけ、アスファルトから陽炎がもやもやと揺らめいていた。気温はぐんぐんと上がり続け、午後を過ぎた時点で、摂氏三十度を超えようとする勢いを見せていた。
 最先端の科学が結集したここ学園都市でも、残暑の厳しさには勝てないのだ。
 そんな殺人的な炎天下の中、ある自動販売機の前を、迷子の小熊のように行ったり来たりと不審な行動を取る少女がいた。
 御坂美琴だった。
 名門私立、常盤台中学の制服を着用したその少女は、茶色の髪を肩まで伸ばし、やや勝気そうではあるが整った顔立ちをしており、少々胸が控えめなことを除けば、紛れもなくハイレベルな美少女であった。
 非凡なところは、その外見だけではない。
 彼女はここ学園都市に七人しかいない超能力者の第三位であり、超電磁砲と呼べば知らぬものなどいない超有名人でもあった。
 さて、そんな有名人は、なにやらゴニョゴニョと独りごちていた。
「べつに私が買わなくったって、あの馬鹿が買っておけばいいだけの話なんだから。でも……アイツが用意してなかったらそれはそれで困るし……」
 うーん、と唸りながら更に行ったり来たり。
「男はそういうことには気を使わない子が多いから、女の方がちゃんと気を付けろって書いてあったわけだし……やっぱり私が買っといた方が……って、そ、それじゃあ、まるで私が最初からそんなことをするつもりだったみたいじゃないのよ! じょ、冗談じゃないわ! 私はそんなことするつもりなんてこれっぽっちもないんだからねッ!」
 で、突然前髪から青白い燐光をバチバチと言わせながら、自動販売機に向かってガーッと怒りだした。
 かなり危ない人だった。
「……で、でも、万が一ってこともあるかもしれないし……そうなったらやっぱり困るし……う、うーん……」
 そして、また最初にループした。
 こんなことが、かれこれ一時間ほど続けられていた。まるで人生の分岐点でも迎えたかのような悩みようだった。常盤台中学が誇る超能力者を、これほどに悩ます自動販売機の正体とはいったいなにか?
「だいたいエッチしたいんだったら避妊具くらい用意しとくのが男の礼儀ってもんでしょうがっ! そんなことすら考えないで女の子にだけリスクを背負わせようとするなんて最低よッ!」
 コンドームの自動販売機だった。
「あう……ッ!」
 流石に声が大きすぎたと思い至り、美琴はキョロキョロと不審者丸出しで周りを見渡した。誰もいないことを確認してホッと一息。気を取り直して、再び人生のハードルのごとく鎮座する自動販売機と対峙した。
 話は昨日に遡る。

 
 初体験の場所ランキング。

 一位、相手(自分)の部屋…………50%
 二位、ラブホテル……………………30%
 三位、その他…………………………10%
 
 
 その情報をインターネットで見つけた時、美琴は思わず膝を叩いた。
(相手(自分)の部屋が50%か……まぁ、常識的な範囲よね。つーか、なに!? その他の学校や公園って回答はっ! そんなところでしてるのがバレたら退学だっつーのよッ!)  
 べつに自分のことでもないのに、茶髪の少女はなぜか激しい憤りを見せていた。
(まったく……いったいどんだけさかってんのかしらね。初めてなのにそんなところでするのなんて論外よ。でも、自分の部屋とかっていっても、うちは寮だし黒子だっているんだから……やっぱり無理よね。いきなり、ラ、ラブホテルってのもなんかアレだし。となると……アイツの家でってことになるのかしら?)
 妄想中……妄想中……。
 カーッ! と少女の整った顔が真っ赤に茹であがる。
「なっ、なに考えてんのよ! そりゃ明日はあの馬鹿の部屋に遊びに行くことになってるけど、べ、べつにそういうことをするって決まってるわけじゃないんだからッ!」
 あの馬鹿とは、なんだかよくわからない内に付き合うことになった彼女の恋人――上条当麻のことだ。
 正式にというか一応交際を始めて、まだ一ヶ月にも満たない。本来ならラブラブのもっとも甘酸っぱい時期なのだろうが、二人っきりになる時間がなかなか取れず、オマケに私生活を見せたがらない上条に業を煮やした美琴は、先日半ば強引に部屋に遊びに行く約束を取り付けたのだ。
(そ、そうよ。だいたいまだそういうことするのは早すぎるわよ。キ、キスだってまだしてないんだし……。私はそこいら辺にいるような尻の軽い女じゃないんだから。もしも、あの馬鹿が調子に乗ってそんなことを迫ってきやがったら、はっきりと言ってやるわよ!)
 学校が終わってダッシュで場末のネット喫茶に飛び込んでから、かれこれ四時間が過ぎようとしていた。『初体験.com』に投稿されている、『私の初体験エピソード』を飲まず食わずで漁るように熟読していた美琴は、そう結論を出した。
(なんつーか、結局時間の無駄だったわね。ま、まぁ、ほんのすこーしだけなら参考にならなかったこともなかったけど。ふー……し、しかし、暑いわね……。いったいここの空調はどうなってんのかしら?)
 生々しい体験談を読んだせいなのかか、美琴の身体は不自然なくらい熱く火照っていた。平均体温を二、三度ほどオーバーするくらいの勢いだった。
 そろそろ門限も近いので帰ろうかと席を立ったところで、彼女の瞳にふと気になる単語が映った。
 『避妊』
「――ッ!」
 初体験エピソードにあまりにも夢中になりすぎていて、美琴はとても大切なことを忘れていたと痛感した。
(わ、私にはべつに関係ない話なんだけど、ついでだからこれをちょっと見てから帰ろうかしら……)
 美琴は、『知っておきたい避妊の基礎知識』と表示されているメニューを素早くクリックした。
 

 閑話休題。
(でも50%だし……ん? ちょっと待てよ……ってことは、えっ? 二分の一の確率ってことなの!? つまり二度相手の部屋に遊びに行けば、一度は必ずそうなっちゃうってわけ!?)
 炎天下の中で悩みすぎたせいなのか、美琴の思考がありえない方向に飛躍していく。
(それはいくらなんでもまずいわよ! この年齢で、あ、あ、赤ちゃんとかできちゃったら困るッ! こっちにだって色々と人生プランがあったりするんだからね!)
 とか思いつつも、上条の赤ちゃんを抱いている自分の姿を想像し、目眩にも似た陶酔を覚えた。子供は最低でも二人以上は欲しい。できれば都内に庭付きのマイホームで、ペットに犬を飼いたい。などなど、色々と妄想が深まっていく。
(な、な、なに考えてんのよ私はーッ!)
 美琴はくしゃくしゃーっ! と頭を掻き毟ってすぐに我を取り戻した。
 とても暑かった。
 彼女の額から滴る汗が頬を伝い、顎先からポタリと地面に落下した。
(お、おちつけ美琴。馬鹿なことを考えている暇はないんだから。いつまでもこんなところで時間を潰しているわけにはいかないわ)
 もう約束の時間をかなり押しているのだ、早急に決断する必要があった。
(…………よしっ)
 美琴の双眸の奥に力強い光が宿った。
(こ、こ、こんなものを使うつもりなんてまったくないんだけどね。その、あ、あれよ……そ、そう! ちょうど通り道で偶然売ってたから、ちょっとした好奇心というか、たんなる気まぐれで買って行くだけの話なんだから)
 かなり無理筋の動機づけではあるが、美琴はコンドームの購入を決意した。
 さて、そのコンドームの自動販売機はかなりの大型で、一見するとタバコの自動販売機に似ていた。販売している種類も実に豊富で、全部で四十種類以上に及ぶ。
「…………つーか、なんでこんなに種類が多いわけ?」
 いざ購入すると決めたはいいのだが、この中からいったいなにをチョイスすればいいのか、美琴にはさっぱり見当がつかなかった。
(もしかして、ア、アレのサイズに合うものじゃないと駄目だったりするのかしら? でも、アイツのアレの大きさなんて私が知るわけないし……どうすんのよ?)
 美琴は腕を組んで暫しのシンキングタイム。
 チーン。
 整いました。
(あーっ、もうめんどくさいっ! めぼしいのを適当に見繕っていけばいいいわよ!)
 こうして世にも珍しい女子中学生によるコンドームの大人買いが始まった。
 ちなみにコンドームは一つ千円と少々割高だった。学園都市では、学業に関係のない嗜好品などには税をかけてもよし、とする風潮があるため、避妊具などには100%以上の課税がかけられているのだ。
 美琴は本当に適当にボタンを押していき、あっという間に投入した万札を使い切った。大量の戦利品を確認する。どれを買えばよかったのかさっぱりだったので、とりあえず可愛らしいパッケージのものばかりを選んでみた。彼女は可愛い小物が大好きなのだ。
(あっ、このウサギの結構可愛いじゃない。なんでウサギなのか意味不明だけど。おっ、これもなかなかいいわね……って、こんなことやってる場合じゃなかった!)
 誰かに見つかる前にさっさとこんな所からはおさらばしよう、と美琴が急いでブツを回収しているところで、携帯電話がメロディーを奏でた。『Real Force』のヴァイオリンの音色は、上条だけに設定した着信音だった。
(な、なによ……こんな時に……)
 ドギマギしながら美琴は携帯にでた。
「もしもし……」
『上条だけど。遅いなーと思って電話したんだけど。なにやってんの?』
 もちろんコンドームを買うかどうか迷っていて遅れたとは話せない。なんとか上手くごまかす必要があった。
「なにって……ちょ、ちょっとヤボ用があったからもんだから遅れちゃったのよ」
『なんのヤボ用よ?』
「……ヤボ用はヤボ用よ」
『だからなによ?』
「……な、なんだっていいでしょ! 女の子は色々と手間がかかるもんなのよ。それくらい少しは察しなさいよね馬鹿ッ!」
 咄嗟に上手い言い訳が思い浮かばなかったので、美琴は逆ギレで逃げることにした。
『ふーん、まぁいいけど。それで、どこにいんの? なんだったら迎えに行くけど』
「い、いいわよそんなのっ。もう近くまで来てるから、あと少しくらいしたら着くわよ」
『近くって、どこよ?』
「べ、べつにどこでもいいじゃないのよっ! つーか、なんでそんなに根掘り葉掘り訊いてくるわけ!?」
 美琴は携帯に向けてガーッと怒鳴った。
『いや、お前がどこでなにをしてるのか気になるからさ』
「えっ! き、気になるんだ……?」
『そりゃ気になるだろ。彼女なんだから』
 上条は普段から淡白というか、あまり自分に関心がないのでは、と美琴は少々心配になることがあったで、気にかけてもらえるのは素直に嬉しかった。特に、『彼女』という言葉の響きが素晴らしい。
「ふ、ふーん、まぁ、あれよ……。本当に大した用事じゃないわよ。すぐに行くから部屋でおとなしく待ってなさいよね。その……怒鳴ったりして……ゴメンなさい」
「全然気にしてないから。ところで御坂さん、ずっとお訊きしたかったんですけど。そんなに大量にコンドームを買ってどうするおつもりなんでしょうか?」
「――ッ?」
 美琴は、血の気が引いた真っ青な顔で後ろを振り向いた。携帯電話からではなく、背後から上条の声が聞こえてきたのだ。
 ニヤニヤとこちら眺めているツンツン頭の男を発見した。
「うがああぁぁっ!!」
 茶髪の少女は、血を吐くような悲鳴を絞りあげた。
「ななな、なんでアンタがここにいんのよぉぉーーッ!!」
「コンビニに行くついでに外でお前が来るのを待ってようかなー、と思って近くまで来てみたら、自動販売機の前をウロチョロしている怪しい人物を発見したんだよ。で、なにをしてるのか暫く隠れて観察することにしたら、その怪しい人物は、なんとこんなに大量にコンドームを買いだしてしまったっつーわけ」
 衝撃の事実が明らかとなった。
 よりにもよってこの少年に全部見られてしまった、と思い知った美琴は、世界が音もなく崩れていくような錯覚を覚えた。もう膝が立っていられないくらいガクガクと震えてくる。
「あわわわわ……」
 で、次の瞬間、
「お、おいっ! どこに行くんだ御坂! 逃げんなぁぁぁぁーっ!」
 美琴は、メタルのレアモンスターのように脱兎の如く逃げだした。


「さて、なんで中学生がこんなものを買ったのか、ちゃんと説明してもらおうか」
「……わ、私は知らないわよ。誰かべつの人が買ったのを忘れて行ったんじゃないの?」
「嘘付け。お前が貴重な福沢諭吉を惜しげもなく自販機に投入しているところを、上条さんはしっかりと確認してるんですよ」
「うっ……」
 あの後、あっさりと上条に捕まってしまった美琴は、そのまま部屋に連行され尋問を受けていた。テーブルの上には、証拠品である大量のコンドームが並べられていた。
 今にして思えば、本当になぜこんなに購入してしまったのだろうか、と思わないでもなかった。ちょっぴり先走りすぎちまったかな、と反省もしていた。仮に、あくまでも仮にの話だが。もし、そんな雰囲気になったりしたら、その時にでも上条に買わせに行かせればよかっただけの話なのだ。
「べ、べつに買ったっていいじゃないっ! なに!? 中学生がこういうものを買ったらいけないって条例や規制や法律でもあるわけ?」
「いや、そんな法律はべつにないけど。問題は、俺の家に来る前にこんなにコンドームを買って、いったいなにをするつもりだったのかってことなわけで」
 上条がはニヤけた表情で追求の手を緩めない。
「な、なにって……は、はんっ! つーか、アンタまさか、私が、そ、そういうことを期待してこんなものを買ってきたとか思ってんの? 馬鹿じゃないの。そんなこと私が思うわけないでしょ!」
「じゃあ、なんでコンドームなんか買ってきたんだよ?」
「そ、それは……ちょっと間違えただけよ……」
「なにをどう間違えたらコンドームを買うことになるんだよ? しかもこんな大量に」
「うっさいわねッ!! 間違えたって言ってんだからもうどうだっていいでしょ! そんなもんさっさと捨てちゃいなさいよっ!」
 出火しそうなほど顔を真っ赤に染めた美琴は、ツーンと唇を尖らせプンスカモード。折角、初めて上条の部屋に遊びに来たというのに、これではなにもかもが台無しだった。もう自分で穴を掘って飛び込んで、そこに永住してしまいたい心境だった。
「そんなに怒るなって。ちょっとからかいすぎたな。謝るよ。ごめんごめん」
 上条はテーブルの上のコンドームを一つ手に取ると、やや神妙な顔つきになって話を続けた。
「まぁ、しかしだ。もったいないし捨てる必要はないんじゃないか。つーか……折角だから試しに使ってみるか?」
「……えっ? な、なに言ってんの?」
「だから、一緒にこれを使ってみないかって言ってんのよ?」
 むんぎゅっと鷲掴みにされたような強い圧力が、美琴の心臓に加えられた。 
(い、一緒に使うってどいういうことなのよ? えっ、ちょ、もしかして……エ、エッチを誘われちゃってるの? ……いやいやいやっ、これはきっと孔明の罠よっ! そうやって勘違いさせといて、また私をせせら笑う気なんだわ! 騙されるな美琴ッ!)
 美琴はふぁさっと茶髪をかき上げ、上条に挑戦的な眼差しを向けた。
「はぁ〜? さ、さっぱり意味がわかんないわねー。いったいなにをどうしたいのか、はっきり言ってみたらどうなのよ?」
「ようするにセックスしようってことだ」
「はあああぁぁっ!? アアア、アンタ、いったいなに言ってんのよッ!!」
「お前がはっきり言え、って言ったんだろ」
「そ、それはそうだけど……で、でも、もっとオブラートに包んだものの言い方ってもんがあるでしょうがッ!」
「オブラート……ってことは、交尾しよう……いやっ、合体のほうがいいのか……?」
 上条は、くだらないことを真剣に悩み始める。
(この展開はいったいなんなのよ! こ、こんなの完全に不意打ちじゃないのよ! コ、コイツ……どこまで本気なのかしら……?)
 美琴はごくりと生唾を飲むと、いつしか正座になって上条を見詰めた。
「わかったぞ御坂、これならどうだ。拝啓、秋の色も深くなり大変過ごしやすい季節になってまりましたが〜〜」
「ノンノンノン! そんなんじゃ駄目よ! ムードもへったくれもあったもんじゃないわッ!」
「じゃあどうしろっていうんだよ? そもそもコンドームを買ってきたのはお前の方なんだぞ?」
「うっ……だから、それは間違えたって言ってんじゃないのよ。まぁ、それはいいわ。そ、そうね……本当にそういうことがしたいんだったら、もっと誠心誠意お願いしてみたらいいんじゃないかしら。例えば土下座してみるとか」
 美琴とて本気で上条に土下座をさせたいわけではなかった。が、まだ現時点でも担がれている可能性が否定できないので、この無理難題でどういう反応を示すのか確かめたかったのだ。
 しかし上条は、
「セックスさせてください御坂サマ。どうかお願い致します」
 と、0.2秒で見事な土下座を完成させ、床におでこを擦りつける勢いのお願いをして見せた。
「アンタにはプライドってもんがないのかッ!」
「美琴センセー……セックスがしたいです」
「安西先生みたいに言うな!」
 どうやらこの男が本気だということはわかったが、いささか話が性急すぎるのではないか、と美琴は困惑してしまう。こういうことに関する経験値がゼロの彼女の頭では、状況の変化の速さについていけないのだ。
「急にそんなこと言われても、こ、困るわよ……。だ、だって初めてだし、まだこんな真昼間だし、キ、キスとかだって……まだしてないんだから……」  
 しかし、これほど熱烈に求められて悪い気がするわけではなかった。これでもう少しだけでもムードってものを考えてくれれば、と美琴は切実に思う。
「わかった。じゃあ今からキスしよう。で、その後のことは風のむくまま気の向くままってことで」
「ちょ、なに勝手に決めてんのよっ!」
「キスはいいだろ? つーか、なに? もしかして御坂さんともあろうお方が、キスくらいでびびってんのかなー?」
「はあぁぁ? び、びびってないわよっ!」
「嘘つけ。びびってんじゃん。コンドームは買えてもキスはできないお子様ってわけだ」
「だからそれは間違えたっつってんでしょうがーっ! い、いいわよ。キスくらいいくらでもしてやるわよ。アンタの好きにしたらいいじゃないのよっ!」
 そう言い放った瞬間、しまったーっ! と美琴は敵の術中に自分が嵌ったことを悟った。
「はい言いましたーっ! 今、好きにしろって言いましたよ! しっかりと言質を取りましたからーっ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! キスのことよ! 好きにしていいのはキスだけなんだからねっ!」
「わかってるって。じゃあ上条さんは好きにさせてもらいますから」
 上条は美琴のすぐ隣に移動し、優しく肩を抱き寄せた。
「あっ……」
 ビクゥッ! と彼女は身体を弾けさせた。
 交差する二つの視線。
 上条の真剣な眼差しに、茶髪の少女はあっけなく心を射抜かれた。ぽーっと頬が熱くなり、胸のドキドキが急加速していく。
「御坂、目をつぶって」
 言われるがまま素直に、美琴は淡く潤んだ瞳を閉じた。
「ちゅっ……」
 そして、ファーストキス。
 ただ数瞬、触れ合うだけの優しいキスだった。
「んっ……はぁ……」
 美琴は、微熱がこもった吐息をゆっくりと漏らした。唇に残った痺れるような微かな感触。まるで夢の世界で微睡んでいるかのような心地よさだった。もう少しでも気を抜くと、ふにゃっと顔がだらしなく緩んでしまいそうになった。
(しちゃった……しちゃったよ……)
「御坂……?」
(キスしちゃった……エヘヘ……)
「おーい、御坂さーん」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫に決まってんでしょ……」
「んじゃ、もう一回」
「……いいわよ。勝手にすればいいじゃない」
 再び男女の唇が重なった。
「むちゅっ……ちゅっ……」
 セカンドキスは、小鳥のようにちゅっちゅっと繰り返し唇を重ね合わせた。
(なにこれ……? キス……ヤバイくらい気持ちいい……これ……好きすぎる……)
 もはや言葉は必要ではなかった。
 離れた唇同士が、再び磁石のよう惹かれ合う。
「ちゅっ……ちゅっ……んっ、ちゅちゅっ……」
 美琴と上条は、想いが昂ぶるままにお互いを求め合った。それは、いつしかディープなものへと変化していく。
「ちゅぴっ、ちゅちゅっ……ちゅぱぁ、んん……っ、ちゅぱぁ……ちゅっ」
 上条の生温かい舌が口内に侵入してきた。美琴は彼の上着をギュッと掴み、静かにそれを受け入れた。歯を、歯茎を、口腔粘膜を、ねっとりと丹念に蹂躙されても、不快感などまるでない。むしろ痺れるような興奮を覚えた。
「んっ、んん……っ! れろれろ……ぴちゅっ、ぬりゅ……ちゅぱぁ、ちゅぱぁ……」
 奥で怯えていた美琴の舌に、生温かいものがちょんちょんとノックした。美琴は恐る恐る自分のそれを絡ませた。朱舌と朱舌が淫らな合体を果たし、複雑に絡み合い、混じり合い、口内を舞台に卑猥なダンスを踊りだした。
「れろれろ、ぬちゅっ……ちゅぱぁ、ん……っ、ふぁむっ、むちゅちゅっ、れろんれろん」
 初めての大人のキス。
 はしたないとは思いつつも、くちゅくちゅと唾液を交換しながら舌を動かし続けた。美琴は、全身から力が抜けていくような恍惚感に酔いしれた。
(だ、だめぇ……あ、頭が……クラクラして……もう、なにも考えられない……)
 蕩けるような快感に理性の箍は外れ、美琴はただ貪欲にいやらしい螺旋を描き続けた。口腔内で拡がる上条の唾液を味わっていると、そうせざるを得ないほど気持ちが追い込まれてしまうのだ。
「んっ、んっ、ちゅるちゅる、ぬちゅちゅっ……ぷはぁっ、ああ……っ、はぁはぁ……はぁ……はぁ……」
 優に五分間は続いたと思われる大人のキスが終わりを迎えた。
 貪り合った男女の唇の間に、キラキラと銀糸が音もなく舞い落ちた。
 美琴は縋りつくように上条の身体に寄り添いながら、獣のように呼気を荒らげた。口角からは二人分の涎を垂らし、のぼせあがった脳内を休ませようとした。
 が、彼女はそのまま床に押し倒されてしまった。
「きゃああっ!」
「御坂……いいよな?」
 そのまま上条が茶髪の少女の身体の上に伸し掛る。
「い、いやっ……だ、だめぇ……あっ、ちょ、はうぅっ! ス、ストップ! ストップ!」
 美琴は、両手で大きなバッテンを作って一時中断を要求した。
「……なに?」
「……あ、汗かいてるからシャワーだけでも浴びさせて……お願い……」
 頬を上気させた少女は、搾り出すような声で懇願した。


 カーテンが閉め切られた薄暗い部屋で、初心な男女の営みが始まろうとしていた。
 ドキッ、ドキッ、ドキッ。
 美琴はの慎ましい胸の内は、張り裂けそうなほどハイスピードで加速していた。
(これからエッチしちゃうんだ……。本当にこんなことになるなんて……ど、どうしよう……ちゃんとできるの、私?)
 とは思うものの、もう美琴に迷いはなかった。
 このツンツン頭の男に自分の一番大切なものを捧げても悔いはない、と。
 が、心配なことはあった。
 自分のこの未成熟な身体で、彼は満足してくれるだろうか? 
 やっぱり胸が大きい方がいいのではないだろうか? 
 と、美琴の胸中では、そんな不安な思いがぐるぐるとうずまいていた。 
(はぁ……せめてもう少しだけでいいから成長してくれてたら……)
 美琴は深々と嘆息した。
(で、でも……小さい方が好きな男の子もいるってどこかに書いてたの見たし……これだってれっきとした個性なんだから……。そ、そうよ! 小さいのだって個性よ! もしこれでなんか文句でも言いやがったら、ただじゃおかないんだからっ!)
 美琴がシャドウボクシングで見えない敵と戦い始めたところで、後方から上条の声が飛んできた。
「御坂、脱いだかー?」
「はうぅぅっ! い、いや、その……ま、まだ……」
「よろしければ、上条さんが優しく脱がして差し上げますけれども」
「それはいいって言ってんでしょ! もうちょっとだから待ってなさいよ!」
 服を脱ぎ終わるまでは絶対に見るな、と美琴は上条を後ろで待たせているのだ。振り向いてちょろっと確認してみる。彼は、すでに全裸になっていた。程よく筋肉質で均整がとれた体型しているのが、後ろ姿を見ただけでもよくわかった。
(なによ……案外かっこいい身体してるじゃない……)
 美琴は、その引き締まったヒップに釘付けになった。
 ドキッ、ドキッ、ドキッ。
 あらためてこれから初エッチをしてしまうのかと思うと、彼女の胸の鼓動はうるさいほどに高鳴っていく。
 美琴は、ブンブンブンとシャワーで湿った茶髪を振り回した。
(こ、こんなことやってる場合じゃないんだった! とりあえずおちつけ、私!)
 スーハースーハーと大きな深呼吸を繰り返して、美琴は気をおちつかせてみる。少しだけましになったような気がした。
(ええいっ! 女は度胸よ! もう今日あげるって決めたんだから!)
 美琴はバッシっと両頬を叩いて意を決すると、震える手でシャツのボタンを不器用に外し始めた。上着をゆっくりと脱ぎ捨て、スカートをそろそろと剥ぎ取り、ふらふらになりながら短パンをずり降ろして、下着だけの姿となった。露となったブラジャーとショーツは、万が一に備えて新品を用意してきた。上下はお揃いの綿100%の素材で、薄いピンク色の生地にサクランボやイチゴなど果物の絵柄が散りばめられている。実に可愛らしいデザインなのだが、
(やっぱり、ちょっと子供っぽかったかしら……)
 と、思わないでもなかった。
(でも、あんまり大人っぽい下着を着けてたら、なんか最初から期待してたみたいだったし……)
 コンドームを買ってきている時点で、それはあまり意味のない深慮だったとは気付きもしない美琴だった。恋する乙女は本当に盲目なのかも知れない。
「御坂さーん、もういいですかー?」
「だ、だから待てつってんでしょーがっ!」
「遅いよ。服脱ぐだけなのになんでこんなに時間がかかんのよ? もしかして、上条さんをじらすだけじらして魔性の女を演出してるとかかなんかっすか?」
「違うわよ! 本当にもうちょっとだから待ちなさいよね。まったく。がっついてんじゃないわよ……」
 さて、下着姿になってはみたが、これからどうしたものかと一時停止。
(やっぱり全部脱いだほうがいいのかしら? …………いやっ! そ、それは流石に無理ッ!)
 ここまでが限界だと判断した美琴は、上条のベットの中に潜り込み、
「……こっち向いてもいいわよ」
 と、消え入るようなか細い声で言った。
 上条が勢いよく振り向くと、下半身から生えた巨大な棒状の肉の塊がフルスイングされた。
「ぎゃああああああぁぁぁッ!!」
 美琴は、魂が慟哭するような悲鳴が張り上げた。あまりにも想像を超えたありえない物体が、突然網膜に飛び込んできたからだ。
「えっ、なになに?」
 上条には、なにがあったのかさっぱりわからない。
「あ、あうあう……あ、あ、あががが……」
 美琴は、もうまともに言葉を発せないほどショックを受けていた。
「おい、大丈夫か? いったいなにがあったんだよ?」
「そ、それは……」
「それ?」
「そ、そ、それはいったんなんなのよーッ!!」
 美琴は、世にも恐ろしいいきり立った物体を指差して絶叫した。
 ペニスである。
 それは、極太で臍まで反り上がるほどに巨大だった。逞しい肉の幹にはびっしりと禍々しいく血管が浮き出ており、赤紫色に染まった先端の肉キノコは、はち切れんばかりに膨れ上がっていた。もはや美琴の瞳には、殺戮するためだけの凶器としか映らなかった。
「まぁ、アレだよ……。つーか、あんまり指とか差さないでくれる」
「はうっ! い、いやっ、でも、そ、そんな……き、き、聞いてないわよ!」
「……事前に説明とかする必要があったのか?」
「そ、そういうわけじゃないけど……うっ、ううっ……」
 美琴は、頭を抱えて黙り込んだ。背筋には冷たいものが流れていた。
 噂話には聞いていた。
 固くなるものだ、と。
 大きくなるものだ、と。
 しかしだ。そうなるとはいっても、人間の身体の一部なのだから限度があるはずだ。常識的に考えてこのくらいが最大だろうな、と美琴は自分の膣のサイズも考慮し、ある程度の想定は用意していた。流石にこれ以上の大物が来るわけがないと楽観もしていた。が、実際の上条のペニスは、そんな想定の倍をあっさりと超えてきたではないか。これには常盤台中学が誇る超電磁砲も参った。身体の震えが止まらない。あの学園都市最強の一方通行と対峙した時ですら、美琴はこれほどの恐怖を感じはしなかった。もう一手目で、早くも投了の予感だった。
(無理よっ! 絶対に無理ッ!! そんなの入るわけないわ! アンタは私を殺す気か!? そんなの入れたら絶対に死ぬからッ!!)
「じゃあ、御坂の裸も見せてもらおうかな……」
「ちょ! ま、待ってっ! 本当に待って――きゃああっ!」
 身体をカードしていた布団が剥ぎ取られ、美琴は上条の目の前で半裸を晒してしまった。
「ごめん、御坂。もう我慢できないから」
「あんっ! や、やだっ……んんん――ッ!!」
 獣のように襲い掛かってきた上条に押し倒された美琴は、荒々しく唇を奪われた。
「ぬりゅっ、ぬちゅちゅ、むちゅっ……ぴちゅっ、ふぁあむ、れろれろ、ずりゅりゅっ」
 唇が繋がったと同時に朱舌が挿入され、強引にどろっと熱い粘液が口内に流し込まれてきた。唾液だ。どうやらこの男は、これを飲めというらしい。が、初めて生ペニスを見て気が動転していた美琴にとって、この行為はむしろ安心感を得るものだった。自分で思考することがまともにできない状態なので、強引にされてしまう方がなにもかも楽だった。 
 美琴は、恐る恐る熱した粘液を飲み込んだ。ガツンと胃が強烈に揺さぶられた。
「ずちゅっ、ずちゅちゅっ、ぬぷっ……んっ! ちゅっ、ちゅっ、にゅるる」
 飲んでは注入、飲んでは注入、と唾液を飲まされ続けた美琴は、すっかり発情スイッチがオンになってしまった。もう泥酔したかのように頭がクラクラだ。
「はぁああっ、はぁ、はぁ……あ、ああ……っ」
 長かった唾液の交換が終わりを告げた。
 口角からはしたなく涎を垂らした美琴は、ヘロヘロのお人形さん状態で視線を虚空にさ迷わせた。
 上条はその隙を逃さない。次のターゲットは胸だ。
「あっ! やんっ、だ、だめ……っ」
「うわー。柔らかいな……」
 美琴のなだらかな胸の膨らみは、ブラジャーごしに上条の手ですっぽりと包み込まれた。
「女の子の胸ってこんなに柔らかいもんなんだな」
 むぎゅむぎゅと乳房に刺激が加わった。
「こ、こらっ……そ、そんなにしたら……あんっ、い、いや……くうっ!」
 美琴はきゅっと人差し指の甲を噛み、乳房に拡がる不思議な感覚を忍び耐えた。
「つーか、これってどうやって外すの?」
 上条は、フラジャーの外し方がわからないようだ。
「…………ま、前に……ホックがあるから」
 美琴は火照らせた顔を横に向けて、ぼそりと言った。
 上条の手がフロントホックに移動する。
 美琴は瞳を閉じて、全身をこわばらせた。
 刹那、穢れを知らない処女の生乳が外気に晒された。
「ああっ……は、恥ずかしい……」
 素晴らしいおっぱいだった。
 白磁の柔肌に僅かに隆起した美琴の乳房は、確かに手のひらサイズの慎ましさではあったが、瑞々しい健康的な美しさで輝いており、先端のピンク色はすでにツンと尖りを見せていた。
「なんて可愛いおっぱいなんだ……」
 上条の魔の手が、美琴の柔乳に忍び寄る。
「や、やっぱり駄目ッ!」
 そばにあった枕をひしっと抱き寄せ、美琴は生おっぱいをガードした。
「なんで隠すんだよ。もっとちゃんと見せて」
「ま、待って! 本当にちょっとタンマ!」
「一生のお願いだから揉ませて御坂!!」
「だ、だからタンマだって言ってんでしょ! って――ひいいいぃぃっ!」
 再び網膜に極悪な肉棒が映り込み、美琴は押し殺しすような悲鳴を上げた。ブルブルと身体を震わせ、更に力強く枕を抱きしめた。流石にこれでは一片の隙もない。
「わかった。じゃあ上条さんは、こちらから楽しませてもらうことにいたしますよ」
 上条は攻め手を変更し、ターゲットを果物柄の愛らしいショーツに狙いを定めた。
「馬鹿ッ!! そっちはもっと駄目に決まってんでしょうが!」
 美琴は真っ青な顔でショーツの防衛に当たろうとするが、
「隙ありーっ!」
 と、胸の防御力が薄くなった不意を突かれることとなった。
 枕を取り上げられた美琴は、とうとう無防備になった生乳を上条に鷲掴みにされてしまったのだ。
「そ、そんな……っ! 謀ったわねっ!」
「ハハハッ、その手は悪しゅうござった」
 未発達な乳房をすっぽりと覆った上条の十本の指達が、いやらしい運動を開始した。
「あああっ! そ、そんなに触ったら……はあ……はぁ……」
 美琴の胸の感度は非常に高性能だった。上条に一揉みされるごとに、全身がゾワゾワと粟立つような感覚に襲われた。自分で揉むのとは全く違う感覚だった。
「や、やだ……あっ……んん……っ!」
 想定外のペニスと胸への直接攻撃で錯乱中の美琴は、時折零れそうになる悩ましい声音を堪えようときゅっと下唇を噛んだ。
 弄ばれ続ける未熟な乳房は、彼女の興奮度に合わせて次第にその弾力性を増していく。これぞ女体の神秘。そうこうしている間に、とうとう先端のピンク色までもが餌食となってしまった。
「くううぅッ!! はぁ、はぁ……あっ、あっ、いやあぁんっ!」
 痺れを伴った鋭い感覚が、尖った肉勃起から全身に向けて迸った。美琴は堪らずおとがいを跳ね上げた。そこの敏感さは、冗談抜きで半端ではないのだ。
「ふふっ、可愛い声。センセー、こんなにびーちくがコリコリになっちゃってるぞ」
「ううっ、ば、ばかぁ……あっ、あっ、んん……っ!!」
 上条は執拗に未成熟な乳房を揉み続けながら、実に器用に乳首をもこねくり回した。本当にしつこかった。無垢な先端のピンク色は、散々に摘まれたり引っ張られたりを繰り返された後、ちゅぱっと口内に含まれた。
「むちゅっ……ちゅるちゅる、ちゅぱっ、ちゅぱっ、ちゅちゅーっ」
 捕食されてしまった美琴の乳頭は、上条の口内に潜んでいた軟体動物によってチロチロと舐め回され、挙句にちゅちゅちゅーっと激しく吸引される憂き目に合ってしまう。
「い、いやっ! そ、そんなところ吸うなーっ!」
 もはや聞く耳を持たない上条は、柔房を揉み揉みしながら乳首の味をゆっくりと堪能した。右に飽きたら左、左に飽きたら右へ、と縦横無尽に処女の乳首から母乳を吸い出す勢いで嬲り続けた。
(赤ちゃんみたいにいっぱい吸われちゃってる……ううっ、恥ずかしい……)
 だが、この行為は美琴を幸せな気持ちにした。自分の胸を一心不乱に吸引しているこの少年のことが、愛おしくて仕方がないのだ。これが女の本能と呼ぶべきものなのだろうか。まだ男を知らない清らかな処女とはいえ、授乳という行為は、母性がきゅんとくすぐられてしまうものであった。
「ちゅぱぁ、ちゅぱぁ、れろんれろん、ちゅちゅちゅーっ。ぷはぁ……御坂のおっぱいは美味しいな……」
 上条は、ようやくピンク乳首から口を離した。
「ううっ……バ、バカ……はぁ、はぁ……」
 美琴は、法悦の吐息を吐き出した。お腹の底からじゅわっと込み上げてきた熱い物で、新品のショーツがはしたなく濡れているのを知覚した。
「じゃあ、次はこっちな」
 上条は、ぐっしょりと恥ずかしく濡れたショーツを狙う。
「ちょ、ちょっと待ったーっ! そ、そこだけは本当に駄目っ!」
 美琴は最後の一枚の両端を弱々しい力で掴み、なんとか脱がされるのだけは阻止した。まさに危機一髪だった。
「この期に及んで往生際が悪いぞ。上条さんにお前の一番大切なところを見せてくれ」
「本当にそこは駄目なの……ううっ……」
「駄目じゃないでしょ。早く手をどけなさい」
「死んじゃうから……見られたら本当に死んじゃうから……」
 美琴は、もう泣きが入りそうだった。
「死なないって。見られたくらいで死ぬわけないですから。いいから早く見せなさい」
 ショーツの引っ張り合いが始まった。これはもう身体にまともに力が入らなくなってしまった美琴の分が圧倒的に悪かった。決して見られてはいけない三角州が、今すぐにでも露出しそうな勢いだ。
「わ、わかった! わかったから! 見てもいいからっ! だ、だから絶対に笑わないって約束して!」
「そんなの笑うわけないだろ。むしろ俺は褒めるよ。もう褒めまくるよ」
「それはそれでちょっと嫌だけど……絶対だかんね。絶対に笑ったりしたら駄目なんだから……」
「わかった。絶対に笑わないって約束するから。だから早く手をどけてちょーだい」
「ううっ……いいわよ……。もう好きにしなさいよっ!」
 美琴は、もうやぶれかぶれだった。
「よっしゃーっ! じゃあ、いくぞ……」
 濡れたショーツがゆっくりとずり下ろされ、ついに禁断の乙女の恥丘が上条の眼前に晒された。
「うわぁ……」
 上条は、思わず感嘆の声を上げた。 
(ああっ……見られてる……大切なところが見られてるよ……)
 美琴の恥丘には、ほんの僅かに産毛が生えているだけで、一本のちぢれ毛も繁茂していなかった。いわゆる、パイパンなのだ。若干肉が付いてぷくりと愛らしい土手が形成されているその丘からは、卑猥なクレパスがそのまんま簡単に直視できてしまう。なんとも悩ましい背徳の丘であった。
「えっと……もしかして剃ってきたの?」
「剃るわけないでしょッ!!」
 前髪から青白い光をバリバリと輝かせながら、美琴は怒鳴った。
「うおーっ、危ねッ! う、うそうそ、ちょっとした冗談だから怒るなって」
「ううっ……だから嫌だったのに……」
 いつまでたっても子供のような自分の下腹部は、美琴のちょっとしたコンプレックスだった。他のみんなは大抵はもう生えているのになぜ自分だけが……、と悩みもした。一度は真剣に医者に相談しようかとも考えた。もしも、このことが原因で上条に嫌われでもしたらと思うと、夜も眠れいないほどだったのだ。
「こんなこと気にしてたのか。お前は本当に馬鹿だな」
「こんなこととはなによ! 人と違うんだから気にするのが当たり前じゃない……」
「だから馬鹿なんだよ。そもそも人と比べるのが間違いなんだって。じゃあ例えばお前は、剛毛でボーボーの方がよかったのか?」
「うっ……それは嫌だけど……」
「そうだろ。世の中にはそんな剛毛で処理が大変な人だっているんだから、むしろおラッキーって思った方がいいんじゃねーの。生えてなくてよかったじゃん。色々な手間が省けてさ」
「へ、変じゃないの……?」
「全然変じゃないって。俺はどっちかっていうと、こっちの方が好きだよ。可愛いよ。彼女が生えてなくてよかったよ。つーか、パイパンサイコー」
 大好きな人にそんなことを言われてしまうと、美琴は胸のつかえがとれていくような思いがした。上条に受け入れてもらえたのだと思うことで、今まで悩んでいたのがなんだか馬鹿らしくもなってくる。目頭が熱くなった。
「おいっ、こんなことで泣くなって」
「泣いてないわよ……ううっ……」
 上条はちゅっちゅっと小鳥のようなキスで、美琴のご機嫌を取った。
(あっ、優しいキス……嬉しい……)
「どうだ。落ち着いたか?」
「ぐすっ……べ、べつに泣いてないんだからね……」
「はいはい。じゃあ、続きするからな」
 上条の手によって、美琴の両脚が左右にゆっくりと開かれ始める。
「えっ、そんな……っ! あっ、や、やだ……」
 美琴は膝頭に力を込めて必死の抵抗してみたが、それも無駄な努力だった。両脚はあっけなくご開帳され、ついに彼女のもっとも大切な場所が露となった。
「これが御坂タンのオマンコか……やっぱりここもすごい綺麗だな」
 満開に咲き乱れた処女花は、甘酸っぱい芳香を放つ蜜を帯びてしっとりと濡れそぼっており、汚れのない清らかな美しさと、男を一撃で惑わす蠱惑な魔力のようなものを備えていた。
「あああ……っ、み、見ないで……」
 くぱぁーと可憐な薄い肉ビラが開かれると、新鮮すぎるフレッシュピンクの肉粘膜が露出された。包皮を纏った真珠のような陰核と、米粒くらいの大きさのオシッコを出す窪みが確認できる。ぱくぱくと息継ぎをする処女口からは、とろりと淫靡な涎が垂れ流れており、まるで男の訪問を今か今かと待ち望んでいるかのようだった。
「じゃあ、いただきます……」
 上条は両手を合わせると、そのあまりにも可憐で男を知らない美琴のオマンコにしゃぶりついた。
「ひゃああっ! こ、こらーっ! そんなところ舐めるなーっ!」
 ただ猛然と飢えた野獣のようになって、上条は卑猥な肉のクレパスに沿って舌を這わせまくった。
「汚いからっ……そこは汚いからっ! ん……っ! あっ、あんっ、いやあぁぁっ!」
 ざらつく舌腹が秘部を往復するたびに、未知の鋭い感覚が美琴の背筋を駆け抜けた。足先がじんじんと痺れ、全身の毛穴から玉の汗が噴き出していく。
「ぺろぺろ、ちゅぴっ、むちゅっちゅっ、れろれろれろ……」
「んん――ッ! そ、そこはっ……あっ、あっ、ああんっ! そ、そこは駄目ーッ! ひゃあああっ!」
 クリトリスの包皮がぺろんとひんめくられ、指腹でキューッとされてしまったのだ。
 美琴は裸体を激しく仰け反らせ、感極まった嬌声を張り上げた。 
「そっか。御坂はここが好きなんだな」
 そして、赤く充血した肉真珠は、上条の口内にちゅぱっと含まれる。即座に舌先が乱舞し、甘く歯が立てられた。
「そ、そんなところ噛むなーっ! くうう……っ、はにゃああぁぁーっ!」
 美琴の脳天にズバッズバッと官能の矢がクリティカルヒット。処女口からは、大量の愛蜜がぶちゅぶちゅと泡を吹いて溢れ出した。
「御坂のオマンコはすごいな。お漏らししたみたいにぐちょぐちょになってるぞ」
「はぁ、はぁ……いやぁ……もう、許して……」
「大丈夫、心配するな。今から綺麗にしてやるからな」
 上条はぶちゅーっと美琴の処女口のファーストキスを奪い取り、いやらしい吸引音を立てながら甘酸っぱい処女蜜を情け容赦なく吸い込み嚥下していく。
「ちゅちゅちゅーっ、ずちゅっ、ずりゅりゅっ、むちゅちゅーっ」
(う、うそぉぉーっ! 飲まれてる……アレを飲まれちゃってるの!?)
 あまりにもショッキングな出来事だった。
 自分のそんなところの粘液を飲まれてしまうなど、美琴はまったく想定していなかったのだ。
「いやあぁぁっ! そ、そんなの恥ずかしいから! あっ、あっ、んんっ! はぁあああっ!」
 美琴は、自分の股ぐらに顔を埋めた上条のツンツン頭をがしっと掴み、背筋を弓なりに反らせて煩悶した。
「ぷはぁー……。これだけ濡れてたらもう大丈夫かな」
「はぁ……はぁ……えっ?」
 結局、上条に気が済むまで愛液を飲まれてしまった美琴は、虫の息でぐったりとベットの上に横たわった。上条がなにか作業をしているのに気付いた。コンドームを付けているのだと直感する。ドッキーン! と彼女は、心臓に杭が打たれるような衝撃を受けた。
(ついにしちゃうんだ……。ど、どうしよう……あんな大きいのが本当に入っちゃうわけ!? ああっ……母さん、助けて……)
「じゃあ、いまからするから。御坂、できるだけ力を抜いててくれるか?」
 上条が股の間に下半身を潜り込ませてきた。ゴムに包まれた直立不動の極悪ペニスを目撃ドキュン。
「――ッ!?」
 美琴は凍りついた。
(ちょ! なんでさっきよりも大きくなっちゃってんのよーっ! もうそれは絶対に無理よっ!)
 あまりの異常事態に、美琴はあんぐりと顎が外れそうなほど大口を開けて放心状態。
「おーい、御坂さん。大丈夫ですかー?」
「えっ、な、なになに? ここはどこ? 私は誰?」
 精神的なショックが強すぎたのであろうか。美琴は冗談抜きで一瞬だけ記憶が飛んでしまっていた。
「マジで大丈夫か……?」
「ダダダ、ダイジョウブダイジョウブ……」
「……じゃあ入れるからな。できるだけ力を抜いて」
 巨大な肉棒の先端が、唾液とラブジュースでぐっちょりと濡れた処女口にあてがわれた。
「ああ……っ! は、初めてなんだから。優しくしないと駄目なんだからね」
「わかってる。優しくするから。じゃあ、いくぞ」
 両脚をM字に開脚したものすごい恥ずかしい格好で、美琴は生まれて初めてのペニスを受け入れようとしていた。
(か、神様……ッ!)
 上条の腰に力が込められた。
 ズブブブ……。
 肥大化した亀頭のサイズに合わせて、処女口が限界いっぱいまで拡がっていく。
 灼熱の硬棒は、まとわりついてくる無数の膣襞を掻き分け、未開通の処女道をゆっくりと突き進んだ。
「い、痛いッ! あっ、つうぅぅっ……ひぎいいぃぃっ!」
 肉が引き裂かれていく激痛に顔を歪ませながらも、美琴は愛する人の物を受け入れようと必死で耐えた。額から脂汗がじわりと滲み出た。
「すごいきついな。御坂、もっと力を抜いて……」
「んん……っ! あああっ、はぁはぁ……痛……ッ!」
 順調に前進していたペニスが、不意に動きを停止した。
「はぁ、はぁ……えっ? は、入ったの?」
「いや、まだ半分くらいしか入ってないけど」
 これだけ痛い思いをしたのにそれだけかよ! と美琴は絶望のあまりがっくりとうなだれた。
「なにかがつっかえてるみたいだから、ちょっと強くしないと駄目っぽいんだよ」
 どうやらペニスは、処女膜に遮られて動きを止めたようだ。
「それでなんだけど。どうする?」
「……ど、どうするって?」
「今日はもうやめとくか? なんかかなり痛そうにしてるし」
「えっ、でも……男の子って、ア、アレを出さないと気持ちよくならないんじゃないの?」
 オチンチンは一度大きくなったら射精しなければ元には戻らない、と美琴の性知識ではそう認識されている。
「うん。それはそうなんだけど。こっちのことは気にしないでいいよ。お前の泣いてる顔を見てるのも辛いからな」
 本当にヤバイくらい痛いし、死ぬほど恥ずかしかった。想定を遥かに上回るペニスが来て狼狽もした。しかし、それ以上に、自分の全てを捧げたい! と美琴は心の底から願ってもいたのだった。 
 上条の優しさに触れた今、彼女のその想いはより確固なものとなった。こうなったら身体が壊れてでも絶対に受け入れてやるんだから! と美琴は不退転の決意を固めた。これはもう女の意地だった。
「……そ、そんなの駄目よ。ここまでしたんだから、ちゃんと最後までして欲しい」
「いや、無理しなくてもいいんだぞ。また次の機会だってあるんだし」
「無理なんかしてないわよ。いったい私を誰だと思ってんのよ。こんなのいくらだって我慢できるんだから。私だって……ア、アンタのことを気持よくしてあげられるんだからねっ!」
 双眸に強い意思の光を湛えて、美琴は上条に向かって言い切った。
「……わかった。お前がそこまで言うんだったら最後までするよ。でも、本当に我慢できなくなったらちゃんと言うんだぞ」
 上条は若干の逡巡の後に、美琴の唇に優しいキスをしてから言った
(もうっ! そんなに優しくされちゃうと泣いちゃうだろ!)
「一気に行くぞ……」
 ペニスの侵攻が再開される。
 処女膜に力強い圧力が加えられた。
「はあううっ! あっ、ああっ! いっ……やっ、くううぅっ!」
 美琴は茶髪をブンブンと激しく振り回し、掻きむしるようにシーツをぎゅっと握りしめた。嵐のような柔膣の中で処女膜は、ミシミシと断末魔のような悲鳴を上げていた。
 そして、極太のペニスに更なる力が込められた刹那、負荷に耐えかねた処女膜がついに破れた。  
 美琴は、処女を喪失した。
「いやああああぁぁぁぁぁーーーッッ!!」
 ジャックナイフが突き刺さったような激痛が下腹部に迸り、美琴は肺腑から抉り出すような絶叫を放った。
 処女膜を突き破った肉棒は、火花が散るような勢いで膣粘膜を摩擦して、一気に膣奥まで挿入を果たした。一片の隙間もなく結合された淫肉と淫肉の隙間から、一筋の純潔の証が零れ落ちた。
「入った……。御坂、全部入ったぞ」
「あっ、ああ……は、入ってる……」
 息苦しいほど圧迫感。確かに感じる男根の脈動。幸せだった。世界で一番愛する人に自分の大切な物を捧げることができた歓びに、美琴は感動すらしていた。
「うっ……ううっ……うぇーん」
 で、とうとうマジ泣きしてしまった。
「お、おい……大丈夫か? 痛いのか?」
 上条がオロオロしながら聞いた。
「ううっ……ぐすっ……そ、そうよ、すごく痛かったんだから。全部アンタのせいなんだからね。ちゃんと責任取らないと駄目なんだから……ううっ……」
「ごめんな。ちゃんと責任取るから。大好きだぞ、美琴」
「な、な、なに調子のいいこと言っちゃってくれてんのよ! もうっ!」
 美琴はぷいっと顔を横に背け、つーんと唇を尖らせた。精一杯の怒ったふりだ。内心では、そのまま上条をがばーっと抱きしめて、ベットの上をゴロゴロゴローと転がり回りたいくらいロックンロールな心境だった。
「美琴」
「な、なによ……?」
「動いてもいいか?」
「す、好きにしなさいよ。でも、あんまり激しいのは駄目なんだからね……」
「わかった。できるだけ優しくするから」
 ゆっくりとピストン運動が開始された。
 ゴムをまとった剛直が、傷ついた膣道をぎこちなく前後した。
「はぁ、はぁ……はぁ……んっ!」
 亀頭の出っ張り部分までペニスが引き抜かれ、ズボッと根元まで挿入。
 また引き抜かれ、ズボッと根元まで挿入。
 まるで胎内を熱串で掻き回されているような感覚に、美琴は戸惑いを隠せなかった。
(私……エッチしてるんだ……す、すごい。もうお腹の中がめちゃくちゃでわけわかんないわよっ!)
 生まれて初めてのセックスに、とてもじゃないが頭も身体もついていけなのだ。ちょうど薄膜が裂けた部分を擦られると、まだかなりの痛みが迸った。
「美琴……すごい気持ちいいよ」
 上条の腰の運動に合わせて、安物のベットがギシギシと軋んだ。
「い、いやっ……痛いっ! あんっ、はぁ、はぁ……ああっ」
 初めてのペニスを受け入れながら、美琴はなぜかあの日のことを思いだしていた。
 学園都市最強の超能力者に、たった一人で立ち向かった無謀な少年のことを。
 ボロボロに傷つき命すら危うい状況なりながらも、最後まで戦ってくれた不屈の少年のことを。
 頼んでもいないのに、妹達を呪われた運命から救いだしてくれた馬鹿でお節介な少年のことを。
 苦痛はむしろ本望だった。
 自身も傷を背負うことで、あの日の少年への恩返しができているような気がする。美琴の胸の内は、やすらぎにも似た穏やかな満足感で包まれていた。
「んっ! 痛っ……はぁ、はぁ……あっ、あっ、はぁんっ!」
 やや不器用だった上条の腰の動きが、次第に規則正しく小慣れたものに変化していく。 
 肉棒の挿入にもキレが増し、亀頭の先端が子宮のお口にタイミングよく当たり始めた。
「そ、そこは……んん……っ! あっ、あっ、あんっ、はううっ!」
 美琴のか細かった嬌声に、徐々に甘い音色が混じり始めた。子宮の入り口付近を刺激されてしまうと、自然にエッチな声が漏れてしまうのだ。少しづつ破瓜の痛みは薄れていき、なんだかよくわからない利尿感のような感覚がお腹の中で急速に高まっていく。
「可愛い声。もしかしてセンセーは、ここがいいのかなー?」
 ズボッ、ズボッ、ズボッ。
 的確に子宮口を狙い定めた三連突き。
「ひやあああっ! あっ、あんっ! そこ、駄目ッ! あっあっ、あああっ!」
 快感。
 この剥き出しの感覚の招待は快感なのだと、美琴の茹だった脳内がようやく認識を示した。
(う、嘘……? は、初めてのエッチなのに、もしかして気持ちよくなっちゃてるの!?)
 初めては痛いものだという固定観念があったので、まさか初めてで気持ちよくなるなんて夢にも思ってもいなかった。どうやら上条との身体の相性は、抜群のようだった。
「よしっ、だんだんとコツがわかってきたぞ。御坂はここが好きなんだな。すごい勢いで絞め付けてくるもんな」
「はぁ、はぁ……そ、そんなことないっ! んん……っ! いやっ、あんっ! あっ、あっ、あんっ! くううぅぅっ!」
 男を受け入れたばかりの初心な子宮に、こってりと念入りな淫激が継続された。本当にしつこかった。ペニスの挿入には捻りが加えられ、コークスクリューのように抉り込んでくる。これには流石の超電磁砲も参った。もうまともに能力の制御できず、危険な青白い燐光が美琴の前髪からバリバリと放出された。
「ちょっ、美琴さん! バチバチ言っちゃっててかなり危ないんですけど!」
「アンタが、お、奥ばっかりするからっ! はぁはぁ……んんっ、はあぁぁっ! も、もう駄目ぇーっ! 奥がーっ! 奥がぁぁぁーっ! 」
「わかった。なにも我慢しなくていいんだぞ。俺が全部受け止めてやるからな」
 汗ばんだ男女の裸体がねっちょりと密着し、美琴の手のひらサイズの乳房が、上条の逞しい胸板で押し潰された。
 上条の右手の異能の力――幻想殺しによって、制御不能に陥っていた美琴のビリビリは、嘘のように掻き消えた。
「むちゅっ、むちゅちゅーっ、れろれろれろ……んんっ! ぬちゅっ、ぴちゅっ、れろれろれろ、ちゅちゅ……っ」
 愛し合う二人はそのまま熱烈な抱擁を交わし、唇と唇を乱暴に合体させた。後は、我を忘れて舌を絡ませ合い、夢中になって唾液を交換した。
(こ、このキス……気持ちよすぎる……。ああっ……も、もうなにも考えられない……)
 繋がったままするディープキスのあまりの快美感に、美琴の理性は完全に崩壊した。ただ愛欲を求める一匹の牝となり、肉悦のボルテージを最高潮にまで上昇させた。
 ズボッ! ズボッ! ズボッ!
 鋼鉄のように硬くなった剛直が、潤った膣道を烈火のごとく強襲した。
「はぁああんっ! あんっ! あっ、あっ、あんっ! ひゃあぁぁぁぁっ!」
 美琴は、なりふり構わない嬌声を張り上げ悶絶した
 結合部からは、ぶちゅぶちゅと淫猥な水音が奏でられ、膣内から大量の白濁の本気汁が掻き出された。純血が混じった美琴のそれは、上条の陰毛や陰嚢にべっとりへばり付き、自身の愛らしいアナルにまで飛び散っていた。
「ふああぁぁっ! こ、怖いッ! な、なに!? はぁはぁっ、んん……っ!」
 膣奥に刻み込まれる弩級の快感に耐えかねた美琴は、上条の腰に両脚をがしっと巻き付けた。
 秘技、『だいしゅきホールド』である。
「くううっ! も、もう駄目だ……ッ!」
 フィナーレに向けてラストスパートが開始された。
「んんひぃぃぃっ!! 当麻ーーっ!! しゅきーっ! 大しゅきーっ! 死んじゃうくらいしゅきぃぃーーっ!!」
 極限まで肥大化したペニスの渾身の連撃を、美琴は奇妙な蠕動を起こし始めた柔膣で焦がれるように一途に咥え込んだ。
 もう堪らなかった。
 この熱さが。
 この硬さが。
 この逞しさが。
 キーンとどこかで耳鳴りが聞こえた。
 喉はカラカラに渇き、満身が燃え上がるように熱を帯びていく。
(な、なにこれ!? 身体が変になっちゃってるっ!? ど、どこかに飛んで行っちゃいそうだよぉぉーっ!)
 それは、涅槃へと誘われる悦楽の飛翔感。
「あああっ!! 美琴ッ!! イ、イクぞっ! うわあああぁぁっっ!!」
 最後の力を振り絞って膣奥に打ち放たれペニスが、ピタリと停止して雄叫びを上げた。
 どぴゅぴゅっ! ぶちゅぶちゅぴゅっぴゅっ! ずぴゅどぴゅぶちゅちゅーっ!
「ふにゃあああああぁぁぁぁーーッ!!」
 ビクッ! ビクッ! と膣内で何度も繰り返して射精を行う剛直の呻きを厳然と知覚しながら、美琴は瀑布のようなエクスタシーの波に飲み込まれた。
 しばらくの間、男女は、狂おしいほどにお互いの身体を抱きしめ合いながら、獣のように呼気を荒げていた。
「美琴、大丈夫か?」
「はぁ……はぁ……はにゃぁぁ……」
 頭の中が真っ白に染まり、美琴の思考はまったく覚束ない。ただ事後の余韻に浸りながら、疲れ切った四肢に力を込めることしかできなかった。
 美琴はオナニーで何度か絶頂を経験したことはあったが、セックスでのそれはまったくのべつものだった。満たされるのだ。身体もちろんのこと心までもが。これは、自慰では決して得られることができない悦びだった。
 幸せだった。これまでの人生の中で一番の至福の瞬間だった。愛する人と一つになることの素晴らしさを、美琴は嫌というほどに実感していた。
「ふにゃぁぁ……と、当麻……」
「どうした?」
「……キス」
 涙と涎で汚れたはしたないアクメ顔で、美琴はキスのおねだりをした。


 美琴は枕に顔を埋めて、白桃のような可愛いお尻を晒しながら悶絶していた。
「いやー。しかし、センセーが、そんなに上条さんのことを好きだったなんて知りませんでしたよ」
 美琴は上条の手によって、いいように料理されていた。
「こんな風にぎゅーってしてきて、好きー好きー! って。イク時の美琴タン、すっげー可愛かったなー」
 行為が終わって少し冷静になってみると、初めてなのにエクスタシーに達してしまった挙句に、なんだか無意識の内にトンデモないことを口走っていたことを思い出してしまった。
 美琴はもう恥ずかしすぎて、まともに上条の顔を見ることができなくなった。もし今上条と顔を合わせてしまったら、常識的に考えて死ぬ、と彼女は自己分析していた。
「ねーねー、美琴タン聞いてる? 死んじゃうくらいしゅきーっ! って、もうお願いだから当麻の赤ちゃん孕ませてーっ! って言ってたよね」
「そんなこと言ってないわよ! 捏造すんなごるらぁぁぁぁーッ!!」
 上条と顔を合わせたら死ぬので、美琴はまったくあらぬ方向を向いて怒声を張り上げた。で、またすぐ枕にぼふっと顔を埋める。
(調子に乗り腐りやがってこんガキャァァーーッ! だ、だって本当に気持ちよかったんだから仕方ないじゃないのよっ! なに!? 初めてで気持ちよくなったらなにか問題でもあるわけ!?)
「ちょっ、御坂さん! またバチバチして危ないですからっ!」
「うっさい!」
 もうどうにでもなりとばかりに、美琴は能力を暴走させた。
「わ、わかったから! ごめんなさい! もう絶対にからかったりしませんですから!」
 上条は、結構マジでビビっていた。
(まったくもうっ! デリカシーの欠片もないんだから!)
 最初はかなり痛かったのだけど、後になるともうヤバイくらい気持ちよかったのは事実だった。膣内では、まだ上条のペニスが入っているような感覚が残っていた。これは、ちょっと嵌ってしまうかもしれないな、と美琴は複雑な心境に陥ってしまった。
 不意に、上条はどうだったのだろうか? と美琴は気になった。自分一人だけでこんなにも気持ちよくなっておいて彼が満足していなかったとしたら、それはものすごく情けない話だと思った。
「……そ、それで……アンタは、その……き、気持ちよかったの?」
「ん? 美琴の膣内、めっさ気持ちよかったぞ。さっきいっぱい出てたの見せてやったろ」
 コンドームの中に残されていたゼリー状に固形した上条の精液を思い出し、美琴はぞわぞわと裸体に鳥肌を立たせた。万が一にでもあの白濁が自分のお腹の中に直で射精されていたらと思うと、もう身体の震えが止まらなかった。武者震いであった。
(な、なに考えてんのよ! あんなのをお腹の中に出しちゃったら絶対に赤ちゃんできちゃうわよっ! あ、あんなすっごいもんが……)
 美琴はカーッと首元まで顔面を紅潮させると、ベットの上で両足をバタバタと暴れさせた。
「おーい、大丈夫ですかー?」
「はうっ! な、なによ! べつにお腹の中で出して欲しかっただなんてこれっぽっちも思ってないんだからねッ!」
「えっ? お腹の中がなんだって?」
「な、なんでもないわよ馬鹿ッ!」
 とにかく上条に満足してもらえたのがわかり、美琴はホッと胸を撫で下ろした。
「ふーん。まぁ、いいけど。さてと、それじゃあ一緒のお風呂でも入ろうか」
「はああぁぁぁ!? ななな、なんで一緒にお風呂に入らなくっちゃいけないのよ!」
「だって汗かいたし。普通終わったら風呂ぐらい入るだろ」
「だ、だからなんで一緒に入るのよ! べつべつに入ればいいでしょ!」
「せっかくだから一緒に入ればいいじゃん。上条さんがお前の身体を隅々まで洗ってやるぞ。素手で」
 上条と一緒に湯船に入っている自分の姿を想像し、美琴は鼻血を噴射させそうなほどの興奮を覚えた。
「む、無理よっ! 一緒になんか入れるわけないでしょ!」
 顔を合わせただけでも死ぬのに、お風呂になんか一緒に入れるわけがなかった。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃん。もうエッチまでしたんだから」
「それでも無理なもんは無理なのよ! ――って、こ、こらーっ! な、なんで胸を触ってくるのよ!」
「そんなことばっかり言う子は、もうおしおきするからね。ほーら、美琴はおっぱいモミモミされるの好きだもんねー」
「いやっ! だ、駄目……あんっ! あっ……も、もう、やだっ……あんっ、やめて……」
 小ぶりだが超敏感な乳房と乳首を揉み揉みキューッとされてしまい、美琴はたちまち奥底で淫悦の炎を燻らせた。
「本当に嫌なのかなー? 美琴、本当にやめていいの? 本当にやめちゃうよ?」
「あっ……はぁ……はぁ……い、いや……やめちゃ……いや……」
 美琴は甘い吐息を漏らしながら、息も絶え絶えに本音を吐露した。
 愛し合う男女はそのまま二回戦に突入し、長い行為の後に、一緒にお風呂に入ることになった。

このページへのコメント

素晴らしい作品ですな。

1
Posted by マゴク 2012年11月18日(日) 04:44:14 返信

ふぅ……
次回作も大変期待して裸で待機してます

3
Posted by さばお 2012年01月04日(水) 09:28:42 返信

すみません、これだけは言わせて下さい。
ありがとうございます!!

1
Posted by ワニヤマ 2011年09月07日(水) 00:57:40 返信

ふぅ・・最高だ

1
Posted by   2011年08月03日(水) 18:25:32 返信

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