ここは某巨大掲示板のSS職人であるチョ ゲバラのエロSSの保管庫です。現在、君の名は、ソードアート・オンライン、ラブプラス、けいおん、とある魔術の禁書目録、ペルソナ4、To LOVEる とらぶるのエロ小説が保管されています。

 大地を照らす猛烈な陽光にも少し陰りが見え始めたとは言え、まだまだ熱い日は続く今日この頃。私達けいおん部にとっても熱いイベントが待っている季節の始まりだった。なのにこうして暢気にお茶を飲んでいていいのだろうか、と私は少し心配になり溜息をついた。
「どうしたんだよ澪、元気ないな?」
 私の溜息を耳ざとく聞いてそう話しかけてきたのは田井中律。私の幼馴染というか、まぁ腐れ縁ってやつだ。けいおん部のドラム担当であり、いちおう部長だったりする。
「澪ちゃんどこか具合でも悪いの?」
 本当に心配そうな色が篭った声でそう言ったのは平沢唯。彼女はギター担当兼ムードメーカーだ。
「いや、そういうんじゃなくて……」
「まぁ大変、どうする、保健室に行く?」
 私の言葉を遮ってそう言ったのはキーボード担当の琴吹柚。通称ムギ。彼女はけいおん部の補給を一手に担っている。詳しくは知らないがかなりのお嬢様らしい。
 おっと申し遅れたましたが、私の名前は秋山澪。ベースを担当している。なぜギターでなくベースなのかと聞かれたら、恥ずかしいから、としか答えようがない。私は目立ったり人に注目されたりすることが大の苦手なのだ。
「じゃなくてっ! 文化祭も近いのにこんなことやってて本当にいいのかなって思ったんだよ!」
 けいおん部は文化祭でライブをすることが一応決まっている。なのに放課後部室に集まって練習もせず、みんなで暢気にお茶を飲んでいていいのだろうか? 私でなくとも少しは心配になるものだろう。
「あははは、まぁまぁそう焦らないで澪ちゃん。練習は後でちゃんとするからさ」
 舌足らずな口調で唯は言った。
「そうだぞ澪。焦ったってなんの解決にもならないんだぞ」
「ふふふ、さぁ、澪さんケーキどうぞ」
 これだ。結局またこのパターンになってしまう。みんなのこの楽観的で図太いところは私にも少し分けて欲しいものだ。
「後からするって言うけど、結局、いつも何もしないじゃないか」
 そんなことを言いつつも私はケーキをぱくつく。美味しい……。ムギが家から持ってくるケーキやお茶はかなり高級品のようで、本当に美味しいのだ。ああ、なんだかんだ言ってもこのまったりとした緩い空気が好きなんだな、と私は実感してしまった。
「なんだ、あんまり元気がないから、私はてっきり彼氏と上手くいってないのかと思ったよ」
 あっ! バ、バカ、律の奴! みんなには内緒だってあれほど言っておいたのに!
「「えええぇぇーー!!」」
 唯とムギがみごとにハモル。
「澪ちゃんって彼氏いたの?!」
「そうだったの! どんな人どんな人?」
 ううぅぅ、こうなるからイヤだったのに!
「ふっふーん、澪の彼氏はねー」
「コラーッ! お前は余計なことを言うんじゃないっ!」
 すかさず私は律の両頬をキューっと抓りあげ、その軽すぎる口を塞いだ。こいつだけはこいつだけは!
「ええー、澪ちゃんの彼氏のこと聞きたいーっ」
「私も聞きたいです。恋人って、普段はどんなことするの?」
 唯は好奇心いっぱいの瞳をキラキラとさせ、ムギは頬を紅く染めてなぜか呼気が荒々しい。
 はわわわわ、な、何でこんなことになってしまったんだ?!
「そ、そうだぞ澪。もうこうなったら洗いざらい全部白状するんだ!」
 強力な援軍を得た律は、私の攻撃を必死で防御しながらニヤケ顔でそんなことを言う。
「全部お前のせいだろーっ!」
 いずれは彼氏のことを話さなくてはいけないとは思ってはいたのだが、できればもう少しだけそっとしておいて欲しかったのに……。
 私の彼は幼馴染だ。もう十年以上の付き合いになる。付き合いと言ってもそれは幼馴染としての付き合いで十年以上ということで、恋人の関係になったのはつい最近の出来事だった。あれは忘れもしない夏休みの終わりに、私は彼から告白された。涙が出そうになるほど嬉しかった。なぜなら彼は私の初恋の人だったから。彼は物心つく前からずっとそばにいて、気が付くと私は恋の病に罹っていたのだ。それもかなり重度の。
 そんなこんなで私は被告人よろしく、三人の女検察官から根掘り葉掘りとチクチク取調べを受けることになった。何でこんなことに……。
「――で澪ったら、そんなことしたんだよ」
「あははははは」
 三人の笑いが合唱される。
「澪ちゃんってそんな頃から彼氏さんのこと好きだったんだねー」
「そうそう、本人は隠してるつもりなんだけど、もうバレバレでさー」
「…………」
「それじゃー澪さんの彼氏って幼馴染なのよね?」
「家がお隣さんなんだよ。なっ、澪」
「…………」
 キィー! バカ律めっ! 言わなくてもいいことをベラベラとー!
「で、私が幼稚園の頃に……いや、小学校だったっけ? まぁ、とにかくそんな頃に二人と知り合ったわけ」
「でも、幼馴染で恋人になるなんて、何だか素敵よねー。それで澪さんの彼氏ってどんな人なの?」
「ああ、アイツはね――」
「こ、この話はもう言いだろっ!! 大体お前がだなーっ!」
「わぁー、や、やめろー、ぼ、暴力反対……」
 こうなったら全ての元凶の息の根を止めて、私も死んでやる!
「澪ちゃんっ!!」
 唯にしてはかなり珍しい真剣な声色に私は戸惑った。
「そ、それで、彼氏さんと、キ、キッスとかはもうしたの?」
 音楽室兼部室がサーっと凍りつくのと同時に、三つの好奇心旺盛な視線の刃が私の身体にズバズバと命中した。
「キキキキ、キスゥーー!!」
 はわわわわ、キ、キスってあの唇と唇の、ににに、肉体的接触?! ちょ、ちょっとだけ想像してみる……。まず見詰め合って、それから抱き合って、そして、く、唇と唇が…………プシュー……私はブラックアウトした。
「み、澪ちゃん!?」
「まぁ大変、大丈夫!」
「フムフム、この感じじゃー、まだ何もしてないみたいだな。まぁ澪だからしょうがないか。しかしアイツも意外に奥手だな……」

 
 制服から部屋着に着替えて一息つくと私はベットに横になり、さっきまでの学校でのやりとりを思い浮かべて大きく嘆息した。
 恋人っていったいどんなことをするのだろうか? 
 私達はべつに特別なことをしているわけではない。普通に会って普通に会話して普通に遊びに行って、思えば私達の関係は幼馴染の頃と何も変わっていないような気がする。私だって女の子なんだから、もっと彼に触れられたいし触れてみたいとも思う。でもそうしようとしても幼馴染の期間が長かった分だけ、なんだかものすごく気恥ずかしくて照れてしまのだ。
「キスか……」
 そっと唇に触れてみる。
 いずれは私も彼と……ダ、ダメだ、は、恥ずかしい! で、でも大切なファーストキスの相手は彼しか考えられないし、恥ずかしいけど、やっぱりキスしたいな……。そう言えば彼はキス初めてじゃなかったよな……しかも相手はあの律だし! 私とだってまだしたことないのにぃーっ! ああ、思い出すとまた腹が立ってきた。平常心、平常心。
 携帯電話の着信音に私はビクリと肩を震わせた。着信音で彼からのメールだとすぐにわかった。飛びつくように携帯電話を手にしてメールチェック。『おかえり』の文字だけ。
私はいつもどおり窓を開けて、向こう側の彼に声をかけた。
「た、ただいま」
「おかえり。今日も遅かったね」
 彼の家は私の家のお隣で、私達の部屋は丁度真向かいなのだ。
「うん、部活があったから」
「ああっ、文化祭でライブするんだったな。練習頑張ってるんだね」
 いや、結局今日も練習はしなかったんだけどね……。
「う、うん、まぁ、そ、そうなんだけど……」
「僕も澪の晴れ舞台はちゃんと見に行くから、チケット頂戴ね。桜高の文化祭ってすごい人気だから、チケットってプレミアもんなんだよねー」
「こ、来なくていいよっ!」
「えぇー、なんでよ?」
「だって、君に見られるの恥ずかしいし……」
「言うと思ったよ。駄目です。絶対にいきますからっ!」
「ううぅぅ……」
 君が来ると絶対に唯やムギが会わせろって大騒ぎするのに……。
「ふっふっふっ、漸く禁断の聖地に巡礼できる日が来るわけだな。僕がどれだけこの日を待ち望んでいたかと言うと、ピッコロがナッパに殺されて悟飯もやられそうになった寸前で、やっと悟空が到着した時のクリリンぐらい心境だよ」
 言ってる意味はよくわからないが、とにかく相当待っていたことだけはよく分かった。
「来るのはいいとしても、うちの学校でおかしなことしたら承知しないんだからなっ!」
「おかしなこと? そんなことしないよ」
 とか言いつつも彼は「ジョシコージョシコー」とえらく御機嫌の様子だ。
 なんだか無性に腹が立つ。
「ところで、今日もおじさんたち遅いの?」
「う、うん、多分遅くなるんじゃないかな」
 うちは両親共働きなので、夜は私ひとりになることがよくあるのだ。
「それじゃー、行っていい?」
「うん、いいよ」
 実を言うと家にひとりっきりなのは少し寂しいので、彼が来てくれるのは素直に嬉しい。彼とは家族ぐるみの付き合いなので、こういう日は私が彼の家に呼ばれて晩御飯を御馳走になったりすることもある。ちなみに私達の関係は双方の両親も知っている公認の仲なのだ。
 私は彼を出迎えるため玄関まで降りた。胸は痛いほどドキドキしていた。
 みんながおかしなこと言うから変に意識してしまってるじゃないかっ! でも……キ、キスか……したいかしたくないかで言えばやっぱり……したいかも……。はわわわ、ななな、何を考えているんだ私はっ! 
 そんなことを考えていると、がちゃりと玄関のドアが開いて彼がやって来た。
「オッス。あれ澪、顔赤いよ? どうしたの?」
「ええっ! 何でもないよ! 今日はなんだか暑いから! さ、先に私の部屋に行ってて、飲み物持って行くからっ!」
「ふーん、そっか。わかった」
 勝手知ったる我が家よろしく彼は二階へと上がっていく。
 私はリビングに行ってとりあえず深呼吸。鳴り止まない胸の鼓動を抑えようと努力するが一向に抑まらない。頭の中はキスのことでだけでぐるんぐるんになっていた。
 そ、そうだよ。恋人なんだから、キ、キスぐらいしたって問題ないんだよ。うん……キスぐらいしたって…………プシュー……わぁっ! ダメダメ、お、落ち着け私! 
 冷蔵庫に手をついてふらつく身体を立て直す。今のはちょっと危なかった。
 でもどうやってキスをするばいいのだろうか? キスしてって私からお願いするのか? はうっ! ム、ムリムリ! そんなこと恥ずかしすぎて言えないだろっ! はぁはぁはぁ、と、とにかくそれはできるだけ自然な成り行きに任せるとして、歯は磨いておかなくっちゃ……って待てよ、歯磨きしちゃうと私がキスを期待してたの彼にバレちゃうんじゃ?! はわわわわ、ど、どうしたらいいんだよっ!
 それから逡巡すること五分間。リビングと洗面所を何度も往復した末、やっぱり歯は磨いておこうと決意した。一本ずつ丹念に歯を綺麗にしてから、私は飲み物を用意して彼の待つ部屋に戻った。
「どうしたの澪、えらく遅かったね?」
「あっ、うん。ちょっと野暮用があって……」
 落ち着け、冷静になれ私! とにかく彼に気取られないようにできるだけ自然に振舞わなくっちゃ。
 私はさりげなくクッションを彼の横に移動させて、そこにちょこんと座った。
「そっか、おっきい方のトイレだったんだな」
「違うよっ!」
 まったく君はホントにデリカシーのない奴だな!
「ごめんごめん、冗談だって」
 もぉー! まったく君って奴は!
「でも怒った澪の顔も可愛いぞっ」
 バカじゃないのかっ! そんなこと言われて嬉しいわけが……まぁ、ちょっとは嬉しいけど……。
「そう言えば、けいおん部の他のメンバーの娘って面白いんだって?」
「唯とムギのことか? まぁ、ふたりとも変わってると言えば変わってるかな。大体何で君がそんなこと知ってるんだよ?」
「律から聞いた。それにふたりとも可愛いって」
「……まぁ、確かに可愛いけど……君には何の関係もない話だぞ」
 胸がざわめく。
 可愛かったらどうだと言うんだ? 君にはちゃんとした恋人がいるんだぞ。
「関係なくはないよ。澪がいつもお世話になってるんだから、僕からもちゃんと挨拶しておかないといけないだろ。ふふ、会うの楽しみだなー」
 と、ニヤニヤ顔で言う彼。
 なんだか本気で会わせたくなくなってきた。
「……君やっぱり文化祭来るの止めろ」
「ええぇぇー、だからなんでだよー!」
「そんな人の友達に色目使うようないやらしい男に来てもらっては困る」
「いつ僕が澪の友達に色目使ったんだよ?!」
「今すっごいいやらしい顔してたじゃないか! こーんな鼻の下伸ばして! 私の友達に変なことしたらただじゃ済まさないんだからなっ!」
「ハッハーン、なるほど、澪さんそれはヤキモチってやつですね」
 ななな、何っ?! 何てことを言うんだ君は!
「いつ私がヤキモチ焼いたんだよっ!!」
「僕は澪一筋なんだから、そんなこと心配しないで大丈夫だよ」
「だからヤキモチなんか焼いてないって言ってるだろ!」
「大好きだよ、澪」
「はうっっ!!」
 恥ずかしいこと言うの禁止禁止! ドキドキが止まんないだろ!
「どうしたの?」
「私も君のこと、ススス、スキだから……」 
「うん、知ってるよ」
 むー! 何で君はいつもそんなに余裕があるんだよ。ずるいぞ、インチキだ! それに言葉だけじゃなくって、もっと他にすることあるだろ。こっちはもう心の準備も済ませてるんだし、いつでも、キ、キスできるんだぞ! ド、ドンとこいだっ!
「えっと……どうしたのさっきからジーっと見詰めてきて、何かあった?」
「はうっっ! べ、別に何もないぞ! 何かして欲しいとか、そんなこと全然思ってないんだからな!」
 喉がカラカラになっていたことに気付き、私はジュースを口に含んだ。
「ふーん、ところで澪はキスしたいんだよな?」
 ブーっとジュースを噴いた。
「なななな、何をいきなり言ってるんだ君はっ!」
「違うの?」
「いつ私がそんなこと言ったんだよ!」
「でも律からメール着たけど。澪がキスしたがってるからしてやれって」
 バカ律めっ! また余計なことをっ!!
「そんなの律のいつものやつだろっ! 私はそんなことまったく思ってないぞっ!」
 ううぅぅ……また余計なことを言ってしまった……これもみんな律のせいだっ!
「僕はしたいよ……してみない?」
「ええっ! な、な、何を?!」
「だから、キスだよ。僕達の今の関係ってすごく居心地がいいけど、このら辺で一線を越えておかないと、なんだかズルズルと幼馴染の延長のままになりそうだし、僕は澪とちゃんとした恋人の関係になりたいんだよ」
 彼はまるで私の心の中の声を代弁してくれているようだった。素直に嬉しかった。同じ想いを共有していたなんて、私達はもしかしてラブラブってやつじゃないか。自然に頬が緩んでいく。
「き、君がどうしてもって言うなら、私はいいけど……」
「ホント?! ありがとう! それじゃー澪、その……するね」
 彼は私の肩にそっと手を置いた。視線が交差する。彼の澄んだ黒曜の瞳に、私は一瞬吸い込まれそうになってしまった。
 えっ! えっ! キスしちゃうのか?! とうとうキスしちゃうんだな!? は、恥ずかしいぃー! はうぅぅ、頭がクラクラしてきたぞ……。
「あの澪、眼をつぶってくれる?」
「あっ! う、うん、こうか……」
 瞳を閉じて彼がキスをしやすいように、顎を少しだけ上げた。もう心臓が口から出ちゃいそうなほどバックンバックン言っている。やっぱり歯磨きしておいてよかったな、と唇が重なる瞬間私はそう思った。
 柔らかな感触が唇に押し当たった。
 優しいファーストキス。
 唇が触れ合った時間は僅か数秒たらずだった。でもその数秒はまるで刻が停止したかのような永遠にも思えた。確かに感じる唇の微熱の残滓に胸はときめき、羞恥と歓喜が混じった複雑な感情に、私は押し潰されてしまいそうだった。
「しちゃったね……」
「う、うん……」
 し、しちゃった。ついにキスしちゃったよ。ああっ、ダ、ダメだ。は、恥ずかしくてもう君の顔が見られないよ……。
「は、初めてのキスが、君でよかった……」
「うん、僕も初めてのキスが澪でよかったよ」
 ん? 今聞き捨てならないことを言ったぞ。
「ちょっと待って……君は初めてじゃないだろ」
「えっ? ……何が?」
「キスだよキス。君は初めてのキスじゃないはずだぞ」
「えっと……初めてなんだけど……」
 むむっ、惚ける気だな!
「君のファーストキスは律じゃないかっ!」
「律!? 意味わかんないよ。いつ僕と律がキスしたのさ??」
「昔したじゃないかっ! 別に嘘なんかつかなくていいよ。私は君達がキスしている目の前にいたんだから」
「……まったく身に覚えがないんだけど? はっきり言って意味が分からないよ。やっとベルセルクの連載が再開したと思ったら全部見開きで、またすぐに休載になったぐらい意味わかんないよ」
 そんなこと言われても、いきなり鹿を射殺しに行くぐらい意味がわからない。
「そこまで白を切るなら言ってやるよ! あれは小学校二年生のころに私と律と君の三人でおままごとしていて、君たちふたりが夫婦役になって私が姑の役をしたことがあったろ!」
「そんなことあったかな……?」
「あったぞっ! だいたい私は姑の役なんか向いてなかったのに律に無理矢理やらされて、しかも嫁に嫌味を言ってイジメる設定だったんだ。しょうがないから私が姑の役になりきって嫁イビリをしてたら律の奴『あなたがいない時、澪婆が私のことをイジメるの』とか言って君にベタベタ甘えて! 挙句の果てに『ご飯にするお風呂にするそれとも、ア、タ、シ』とか私の目の前でイチャイチャし始めたと思ったら、『おままごととは言え今の時代はリアリティーが必要』とか言って律は君にキスを強要したんだ! そしたら何を思ったのか君もその気になったみたいで、律にチュってしたじゃないかっ!」
「そんな昔の話をまるで昨日のことのようによく覚えてるね……。思い出したらそんなこともあったような気もするけど、でもそれは小学生のころの話しだし、ノーカウントなんじゃないかな、常識的に考えて?」
「む、昔のことでも私にはショックだったんだっ!」
 あまりにもショックが大きくて、その晩私は熱が出て寝込んだのだ。以来おままごとは一度もしていない。
「ぷっ、ふふふっ」
「な、何が可笑しいんだ!?」
「だってそんな昔のことでヤキモチ焼くなんて、澪は可愛いなーって、ハハハ」
「バ、バカッ! だから私はヤキモチなんか焼いてないって言ってるだろっ! ただありのままの事実を話しただけだ!」
「フーン、澪はそんな昔から僕のことが好きだったんだなー」
「だ、だから、違うって言ってるだろっ!」
「でも、嬉しいよ。澪がそんな風に思ってくれていて。分かったよ。これからはもう絶対に澪以外の女の子とはキスしないから。これでいいでしょ、ねっ? ごめんね澪、許してくれる?」
 そういう約束をするなら、それはもういいかもしれないけど……。
「ま、まぁ、もう昔の話だしそれはいいけど……大体私は最初から別に気にしていた訳じゃないんだからな!」
「ありかとう澪、それじゃー、仲直りのキスしよっか?」
 ええっ! 仲直りのキス?! し、したいかも……。
「君がどうしてもしたいって言うならしても……んんっ!」
 言い終える前に唇を奪われてしまった。
 セカンドキスは力強くて情熱的なキス。
「んっ! んっ! んん……っ!!」
 生暖かいにゅるっとした感触。拉げた唇の隙間から彼の舌がお口の中に入ってきたのだ。私は驚きのあまりとっさに顔を背けようとしたが、逃げられないように後ろから頭を押さえつけられていてそれはできない。
 ちょっ、ま、待ってっ! そんなの、ダ、ダメッ! お口の中でにゅるにゅるって、ナ、ナニコレッ!? す、すごく変な感じだけど、身体から力が抜けていく……ああぁぁ……ヤ、ヤダ……ッ。
「ちゅつ、ちゅちゅっ、れろれろ、ぬりゅ、ちゅぴ、ちゅちゅちゅー」
 彼の舌は私の唇と歯茎の間に入り込んで我が物顔でちゅるちゅると舐めこそぎ、次の獲物を求めて更に奥へと侵入してくる。怯えて隠れていた私の舌はあっさり発見されてしまった。チョンチョンと舌先が触れてくる。逃げ場はない。またチョンチョン。私は茹だる頭を駆使して答えを導き出し、恐る恐るチョンチョンと返事を返した。
「んんっっ!! くちゅくちゅ、ぬりゅ、ちゅっ、ちゅちゅー、くちゅくちゅ」
 無防備な舌は不埒な侵入者に簡単に捕まってしまい、チュチューっと吸い出されて螺旋を描くように絡め取られてしまった。
 初めての大人のキスだった。
 頭の中はぽわーんとぼやけ、まるで夢の中の出来事のようだ。でもこれは夢ではない。夢なら身体はこんなに熱く火照ったりはしない。お口の中でじゅわっと拡がる彼の唾液の味はあまりにも甘美に満ちていて、気分はあっという間に最高潮に達してしまう。
「澪……舌、出してみて」
 私は言われるままにおずおずと舌を出した。するとはむっと怯えて震える舌は咥えられ、彼の口内でちゅるちゅるとしごかれてしまう。もう脳裏は真っ白に染まって何も思考できない。ただ彼の言葉だけがまるで強制力を持った呪文のように、私の耳の奥で鳴り響いていた。
「ひゃぁっ、いひゃぁ……れろれろ、ちゅちゅ、ひゃぁ、れろれろ、ちゅちゅちゅーっ」
 再度ぶちゅーっと重なり合う唇と唇。ものすごくエッチなキス。口内で複雑怪奇に絡まり合う舌と舌。それは淫靡すぎる肉帯の舞踏だった。
 いつしか私のほうからも積極的に彼の舌を求めてしまっていた。もう失神してしまいそうなほど恥ずかしのに、いやらしい舌の運動をどうしても止めることはできなかった。
 す、すごいエッチなキスしてる……エッチなキスしちゃってるよー! このキス、き、気持ちいい……ああっ、そ、そんな、もしかして私、濡れてきちゃってるの!? 私ものすごくエッチな気分になっちゃってる……これ以上されちゃったら、も、もうダメだろ……。
「んんっ! んっ! れろれろ、ぬりゅ、ちゅちゅ、んっ! んっ! ちゅちゅ、ぷはぁぁーっ! はぁはぁはぁ、はぁ……」
 長かった大人のキスは終わりを迎え、同化しそうなほど重なっていた唇同士が名残惜しげに別れを告げる。ふたつの舌を繋ぐ紅い糸ならぬ唾液の糸が、音もなくプツリと切れて消失した。熱い吐息が触れ合う距離のままで、私は呼気を荒げて不足した酸素を肺へと送り込んだ。
 彼が優しく抱きしめてきた。温かくて幸せな抱擁。大好きな彼の匂いが私の鼻腔を擽る。
「澪が欲しい……」
 ドッキーンっと大太鼓のように心臓が打ち鳴らされた。
 えっ! えっ! 欲しい?! ななな、何が欲しいのっ! ま、まさかっ!!
「澪が欲しいんだ……」
 はうっっ! や、やっぱりそっちのことなのか?! ダダダ、ダメだろっ! そんなところまではまだ心の準備ができないよ! ムリムリッ! 絶対にムリだろっ!
「駄目かな?」
 しかし彼の真剣で真摯な眼差しは、私の心をたやすく貫いてくる。
 ど、どうしよう……そんな真剣な眼で求められたら、こ、断れないよ……。
 プシュー……目の前が真っ暗になる。
「澪?! 大丈夫か??」
「ひゃ、ひゃいぃ!」
 ギリギリのところで我を取り戻した。
 思えば彼とはずっと一緒だった。
 嬉しい時も、悲しい時も、楽しい時も、辛い時も、寂しい時も、彼はずっとそばにいてくれた。いっぱい喧嘩もしたけど同じ数だけ仲直りして、いつの間にか好きになってて、そして恋人になって……ああ、そうなのだ。最初から選択肢などなかったのだ。彼から求められて断る理由など、私には何もないのだから。
「は、初めてなんだから、優しくしないとダメなんだからな……」
 消え入るような言葉で私はそう言った。
「ホント?! 絶対に優しくするから! 愛してるよ、澪」
 はうっっ! 愛してるって初めて言われた! 愛してるって愛してるって……はああぁぁ……君はずるい奴だな。こうやってすぐに私を嬉しくさせるんだから……って言うか、なんだか君の術中に嵌っているような気がする……。
「澪……」
「ちょちょちょ、ちょっと待って! 服は自分で脱ぐからちょっと待って!」
「遠慮しないでいいから、僕が脱がしてあげるよ」
「遠慮なんかしてないよ! 脱がす禁止だから! 自分で脱ぐからアッチ向いてて!」
 彼は「わかった」と渋々後ろを向いて自分の服を脱ぎ始めた。
「私がいいって言うまでこっち見たらダメだからな!」
「わかった」
 彼はさっさと服を全部脱いで早くも全裸になってしまっていた。引き締まった彼のお尻が見えたので、私は慌てて目を逸らした。
 これからエッチしちゃうのか!? キスだけだって思ってたのに、まさかこんなことになるなんて思ってもいなかったよぉーっ! 怖い……怖くて身体の震えが止まらないよ。でも、君になら初めてをあげても絶対に後悔しないからな。私だって君のことを……あ、愛してるんだからなっ!
「澪、まだー?」
「も、もうちょっとだけ待って!」
 とりあえず深呼吸をして気を落ち着かせる。 
 そしてありったけの勇気を振り絞って、私は身に着けていた部屋着を脱いで下着だけの姿になった。今日の下着は上下お揃いのピンクの縞々ショーツとブラジャー。この間彼が「縞々は男のロマン」と言っていたので、思い切って購入したのだ。ちなみにこれとは別にブルーの縞々も所持している。どの辺りがロマンなのかはさっぱりわからないが、私も結構お気に入りだっりする。
「もーいーかーい?」
「マダだっ!」
 さすがに彼と一緒の部屋で全裸になる勇気は残っていなかった。もう今日だけで一生分の勇気を使い果たしてしまいそうな勢いだ。心なしか彼の呼気がさっきよりも荒々しくなっているような気がする。これ以上待たせると暴動が起きてしまいそうなので、私は下着姿で布団の中に潜り込んだ。
「こっち向いて、いいぞ……」
 彼に声を掛けてから私はさっと頭も布団の中に潜り込ませる。ここからでは何も見えないが、気配で彼が近づい来ているのはわかる。そして、ゆっくりと布団が捲られ彼とご対面。視線が交差する。同時にとても大事なことを忘れていたことに気付いた。
「あ、あの、で、電気消して……」
「駄目」
「な、何でだよーっ!」
「電気消したら澪の身体が見れないでしょ」
 ううぅぅ……見られたくないのにぃー!
「ふふ、澪、緊張してる?」
「そそそそ、そんなことにゃいぞっ!」 
 呂律が上手く回らない。意味なく猫語を使ってしまった。
「僕も緊張してるよ。僕も初めてだから上手くできないかもしれないけど、痛かったりしたらちゃんと言っていいからね」
「う、うん……わかった……」
 本当にずるいぞ。こんな時だけ優しくして……嬉しいけど……。
「それじゃー澪の身体見るね」
 彼は布団を全部剥ぎ取ろうとする。
「ああっ、こ、これはダメだろーっ!」
 布団はあっけなく奪われてしまい、私は下着姿を彼の目前に晒してしまった。
「あんっ、お、お願い! み、見ないで……」
 私はベットの上で自分の身体を抱きしめるようにして丸くなった。
「おおー、縞々だーっ! 可愛いなーコンチクショー! よく似合ってるよ」 
「ホ、ホントか……?!」
 すっごく恥ずかしいけど可愛いって言って貰えた! う、嬉しい……やっぱり君が好きな下着を選んでホントによかったよ。
「本当だよ。脱がすのが勿体無いぐらいだよ」
 ううぅぅ……やっぱりこれも脱がなきゃいけないんだよな……。
「それだけは、ま、待ってくれ、もうちょっとだけ心の準備を……キャーーッッ!!」
 突然とんでもない物が網膜に映りこみ、私は思わず悲鳴をあげてしまった。
 あのとんでもなく大きな物体はナンデスカ?? ままま、まさか、アレが噂に名高い……オ、オチンチンなのか!? 
「駄目だよ澪。そんな大きな声出したらっ」
「はうっ! ご、ごめん……」
 でもでも、そ、それはいくらなんでも大きすぎだろっ! こんなのさすがに聞いてないよ! いくらなんでもそれは絶対に入りませんからっ! 
「どうしたの?」
「あ、あの、それはもっと小さくすることはできませんか?」
 敬語を使わなければいけないぐらい私は精神的に追い込まれていた。
「それって、これ?」
 お腹に張り付くぐらい硬くなって直立しているオチンチンがぶんっと揺れる。
「ひゃぁあっっ!」
「ごめんごめん、怖かったか。うーん、そうだな……これはあんまり僕の意思とは関係ないから、小さくするのはちょっと無理かな」
 ダ、ダメなのか……それではいったいどうすれば……。
「むしろ、もっと大きくなるかも」
「もっと大きくなっちゃうのデスカッ!」
 ムリムリムリ、絶対にムリだろ! それ以上大きくなっちゃったら死んじゃうよっ!
「大丈夫だよ。大きくなると言ってもちょっとだけだから、心配しないで。すごく優しくするから、ねっ」
「ううぅぅ……絶対だぞ! 絶対に優しくしないとダメなんだからなっ!」
「わかってるって。澪は寝てるだけでいいからね。後は全部僕がするから」
 彼は私に覆いかぶさりって、ちゅっと優しくキスをしてきた。
「ホントに可愛いよ、澪。それじゃーおっぱい見るね」
「ああっ……ううぅぅ……」
 彼は私の背中に手を回して、器用にブラジャーのホックを外した。そしてカップがずらされブラジャーは剥ぎ取られてしまい、ふたつの乳房が勢いよくポヨンと飛び出して外気に触れた。
「ちょ、おまっ! す、すっげーっ! 澪のおっぱいはやっぱりすごかったんだな!」
「あんっ! ダ、ダメだろっ!」
 私は咄嗟に双乳を両手で隠そうとしたが、その前に彼がものすごい早業で乳房を鷲掴みにしてきた。五指は柔肉の中に埋まりムギュムギュっといやらしく蠢く。先端の桜色は不本意にも次第に硬くなり尖っていった。
「うわー、すっごい柔らかいなー。指がおっぱいの中に勝手に沈んでいっちゃうよ。澪のおっぱいすっごく気持ちいいよ」
「あっ、やん……っ、んんっ、はぁはぁ、あっ、ああぁぁ……」
 哀れな胸の膨らみは十本の指によって何度も何度も捏ね繰り回され、その形を無軌道に変形させた。
 私だって健康な女の子なんだから、その……自分で自分の胸を触ってみたりとか、ひとりで、エ、エッチなことをしたことだってある……あるさ、そりゃっ! 女の子だってエッチな気分になる時ぐらいあるんだ! ずーっと待ってたのに、なかなか告白してくれなかった彼が悪いんだ! 
 それはまぁ、置いておくとして。とにかく彼に胸を揉まれるのは自分でするのとはまったく違うのだ。その……何と言うか……全然、き、気持ちいいのだ! 少々乱暴な手つきがかえって新鮮で、乳房の中で生成された魅惑の快感が脊髄を疾駆して脳内を沸騰させた。
「い、いやぁ、はぁはぁ、あっ、んっ、んんっ、はぁはぁ、ああっ、くうぅぅっっ!!」
 勃起した乳首を指腹でキューっと摘まれてしまい、凍えるように私の身体はプルプルと震えた。迸る快感が官能の矢となって快楽神経に命中する。私は頤を反らして漏れそうになるエッチな声を必死に押し殺した。
「澪の乳首コリコリって硬くなってる。気持ちよくなってくれてるんだね。ふふ、それじゃー、いただきます」
 彼はまるで赤ちゃんみたいに可憐な乳首に吸い付いてきた。
「はああっ、ヤ、ヤダッ、そんなところ、な、舐めるのは、あんっ、やぁ、ああっ、はうぅぅ……」
「ちゅぱぁ、ちゅぱぁ、れろれろ、ちゅちゅーっ、れろんれろん、ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅちゅちゅーーっ」
 削り取るようにザラつく舌腹で舐め回されたかと思うと、チュチューっと強く吸引されてしまう私の可哀想な乳頭。同時に乳房を揉みしだくいやらしい指の動きにも、まるで搾乳するかのような強い力が次第に込められていく。
「澪のおっぱい美味しい! ちゅぱ、ちゅぱ、本当に美味しいよ! ちゅちゅー、れろれろ」
 そんなにしても母乳は絶対に出ないんだぞ。ううぅぅ……だいたい美味しいってなんなんだ……本当に味なんかするのか……? 
 彼は右乳首をふやけるまで好きなだけいたぶると、片方だけでは飽き足らず今度は左乳首に吸い付いて甘噛みしてきた。
「そ、そっちも?! ああんっ、んんっ、んっ、はぁはぁはぁ、そ、そんな両方も舐めたらダメだろっ!」
 そんなことを言いつつも私の身体は実に正直な反応をしていた。胸の愛撫だけでショーツがジワリと濡れてしまっていたのだ。正確にはキスをしている時からなのだが、それはまぁどうでもいいだろう。
 ヤ、ヤダ……すごいことになっちゃってる……?? こ、こんなに……どど、どうしよう?! こんなのバレちゃったらきっとエッチな娘だって思われちゃうよっ!
 バレてしまう瞬間はあっさりと訪れた。
 一心不乱に乳房を揉んでいた彼の右手がスルスルと私のお腹を伝って、迷わずショーツの中に滑り込んできたのだ。
「あああっ! やんっ、あっ、そそそ、そんなところ、さ、触っちゃっ! んんん……っ!」
「うわぁ……熱い……、澪のココすっごく熱くてヌルヌルになってるよ」
「バ、バカッ! そ、そんなこと言うな……っ!」
「そっか、澪はおっぱい吸われるのがそんなに気持ちよかったんだねー」
「はうっ! し、知らないそんなこと! ああっ! やっ、あっ、ああぁぁ……」 
 ショーツの中に侵入した彼の手は肉のクレパスに沿って上下に動き、私の一番大切な部分を優しく摩擦していく。処女口からは壊れた蛇口のように、大量の愛蜜が止め処なく溢れ出していた。
「はうっ! そ、そんなところ触ったらダメなのに……ひゃぁぁっ! そ、そこは、ああああっっ!!」
 包皮をひん捲られ丸裸にされたクリトリスに彼の指が触れた刹那、ビリビリと電流のように迸る肉悦が血液を逆流する。私はもうとても声を我慢することができず、エッチな嬌声を張り上げてしまった。ショーツの中からくちゅくちゅと淫靡な水音が部屋に響いていた。
「ヤ、ヤダ、エ、エッチな音が……ううぅぅ、やぁんっ、んっ、はぁあ、あんっ! ああっ! い、いやぁ……」 
 正直ひとりでする時とは比べ物にならないぐらい私は興奮していた。顔から火が噴出しそうなほど恥ずかしいのに、身体がおかしくなってしまったのかと思うぐらいエッチな蜜が溢れて止まらないのだ。彼はすごくエッチだけど私の身体のことを考えて、すごく優しく扱ってくれているのがよくわかる。それが堪らなく嬉しくて仕方がなかった。
「すごいな……どんどん濡れてくる。手がふやけちゃいそうだよ。澪はココが気持ちいいんだね。入れるよ……力抜いて……」
 エッチな涎を垂らす処女口の周りを丹念にマッサージしていた指が、とうとう膣内に挿入されてしまった。
「ああっ! そ、そんなところに、ゆゆ、指入れちゃ……はううぅっ! あ、あああ…… ヤ、ヤダ……ッ!」
 私の身体は異物の挿入に敏感に反応してビクンと弾け跳んだ。
 怖かったのでココにはひとりでするの時も自分の指を入れたことはなかった。だから彼の指が初めての挿入。私は痺れる足の爪先をキュっと折り曲げて、お腹の中を震わせる奇妙な感覚に悶え耐えた。
「はむはむって、澪のココすごく締め付けてくるよ。こんなに狭いんだね……ちゃんと入るかな……?」
 ナ、ナニコレ?! 指がお腹の中でくにくにって……ああっ、こんな感覚初めて……はぁはぁ……ああっっ! おかしくなっちゃう! もうこれ以上されたら絶対におかしくなっちゃうよぉーっ!
「おっぱい寂しがってるね。こっちも吸ってあげるね」
 そう言って彼はムチューっと乳首に吸い付きながら指で柔膣を掻き回してくる。
 上下を同時に愛撫された私は限界寸前へと追い込まれた。
 ぶわっと全身から吹き出る汗。
 キーンと高音で劈く耳鳴り。
 バチバチと網膜に瞬く閃光。
 脳細胞が焼き切られるかのような錯覚を覚えた刹那、私はめくるめく絶頂の波に飲み込まれた。
「はあぁっ!! ンン…………ッッ!! くぅっっ! はあぁぁぁっっ!!」
 そ、そんな……イっちゃった……指だけでイっちゃったよ……君が見てるのに……。み、見ないで……今すっごくエッチな顔してるから、み、見ないで……。
「澪の膣内がブルブルって震えてる。イっちゃったんだね。ふふ、イッた時の澪の顔すっごく可愛かったよ」
「ワーーッッ!! 聞こえない聞こえない聞こえない。何も聞こないぞーっ!」
「パンツもお漏らししちゃったみたいになったったね。気持ち悪いからこれも脱いじゃおうね」
 ええっ! パンツ脱ぐって?! そ、それだけはダメだろーっ!
「ヤ、ヤダーーッッ!!」
 半分まで脱がされそうになっていた縞々ショーツの防衛に、私は間一髪でなんとか成功した。
「これだけは、ダメなんだぞっ!! はぁはぁ……」
 絶頂の余韻が冷めやらぬ身体で、がっしとショーツの両端を握って死守する健気な私。
「えーっと、でも脱がないとできないし……いや、厳密には横にずらせばできなくはないけど、でもそれだとBGMに『今日の日はさよなら』が流れるくらい不自然と言うか何と言うか……」
 意味はわからないけど、『翼をください』が流れるのはまだ許せるような気がした。
「ヤダッッ! これを脱いじゃったら全部見えちゃううだろ!」
「うーん……」
 私の頑なな抵抗に彼も少々戸惑っている様子だった。
 私としてもここまできて些か無茶な注文をしているのは理解している。だがこちらにも止むに止まれぬ事情というものがあるのだ。
 実は……何と言うか、その……私のデリケートな部分には、け、毛が生えてないのだ! 夏合宿の時にさりげなくみんながどうなっているのか拝見させて貰ったのだが、全員ちゃんと生えていた。もしかすると唯だけは仲間だって信じてたのに……一番フサフサだった……。何で私だけ子供の頃のままでツルツルなんだよ! こんなの恥ずかしくて誰にも見せれないだろ!
「やっぱり澪の裸をちゃんと見てみたい。初めての想い出に澪の身体をずっと覚えておきたいんだよ。それでも駄目?」
 そういう風に言われると悪い気はしないけど……やっぱり恥ずかしいからヤダッ。
「後一枚だけだから、頑張って脱いでみようよ、ねっ?」
「あっ! コ、コラーッ! ダ、ダメだって言ってるのにぃー!」
 暫くの間、縞々パンツの引っ張り合いが続く。彼は意地でも私の大切な場所を観賞するつもりのようだ。
「もぉー! わ、わかったよ! 脱ぐよ! 脱いでもいいけど、一つだけ約束しろ!」
「なになに?」
「見ても絶対に笑わないって約束しろ!」
「そんなの、笑うわけないでしょ。約束するよ。絶対に笑わないから」
「ううぅぅ……ぜ、絶対なんだからな……」
 私はショーツから手を離して、そのまま顔を両手で覆い隠した。
 身に着けていた最後の縞々がゆっくりと脱がされ、私はとうとう生まれたままの姿になってしまった。
「綺麗だよ、澪。そっか、やっぱりパイパンだったんだな。こんなの気にしなくてよかったのに」
「パ、パイパン? 何だそれ……?」
「澪みたいに陰毛が生えていない女の子のことだよ。こっちのほうが可愛いから好きだって男の方が多いと思うよ」
「ホ、ホントか? 変じゃないか……?」
「全然変じゃないよ。可愛いよ。割れ目が丸見えですごくエッチだし」
 フーっと大切な場所に息が吹きかけられる。
「あんっ! や、やめろーっ!」
「それじゃー全部見るよ」
「やっ! ダメッ! やああんっ!!」
 あんっ! そんな、脚を開いたら全部見えちゃうだろっ! そこは今すごいことになってるのにぃー!
 両方の膝頭を掴まれ無理矢理M字に開脚されそうになってしまった私は、必死に太股に力を込めて抵抗するが、所詮は無駄な努力でしかなかった。むしろ彼を悦ばせただけだったのかもしれない。太股はプルプルと震えながら静かに開いて、私の一番大切な部分を彼の目の前に曝け出してしまった。
「うわー……ココも毛が生えてなくてすっごく綺麗だよ。澪のオマンコってこんな形してるんだね。ふふ、ピクピクって痙攣しててすごく可愛い」
「あうぅぅ…………」
 見られちゃった……一番大切な場所見られちゃったよ……もうお嫁に行けない……。
「えーっと、それじゃー舐めていい?」
「ダメに決まってるだろっ!!」
 大切な部分を両手で防御して、それだけは絶対に拒否した。
 もしこんなところを舐めてきたら舌噛んで死んでやる!
「わ、わかった……舐めないから安心して」
 さすがの彼も私の気迫に押されたようだ。
「こんなに濡れてたら大丈夫だよね……。それじゃー澪の初めて貰うからね」
 ああぁぁ……とうとうエッチしちゃうんだね……お母さんごめんなさい……でも私は絶対に後悔しないから……って、そ、そそそんなっ! オ、オチンチンさっきよりも大きくなっちゃってるよ?!! こんなのどう考えてもサイズが合わないだろっ! 
「ホホホ、ホントに入れちゃうのか……?!」
「うん、優しくするから力抜いてごらん……」
 限界まで肥大化したオチンチンが処女口にくちゅりと音を立てて接触した。すごく熱くてすごく硬くて、こんな物がお腹の中に入ってくるのかと思うと、もう怖くて逃げ出したくらいだった。でも身体は金縛りにでもあったかのように動かない。心臓は乱舞するように大暴れして、緊張のあまり喉がカラカラに渇いた。
 彼の腰に力が篭りオチンチンがゆっくりと膣内に挿入された。
「はぁぁっ! うう……っ!」
 が、亀頭の先っぽだけが膣内に入ったかと思うと、次の瞬間つるんと滑って外に出た。彼はもう一度オチンチンを膣内に挿入しようと試みるが、また同じように滑って入らなかった。
「あれっ? 入らないな……ごめんね、もう少しだけ力抜いてみて?」
「うん……」
 言われたとおりできるだけ身体の力を抜いてみる。
 再び接触する生殖器同士。
 ぐぐっとオチンチンが膣内へと押し込まれてくる感覚。
「ああぁっ! んん……っ!」
 だがやはりオチンチンは膣内に入らなかった。
「うーん……」
「私が悪いのか……?」
 自分の身体がどこかおかしいのかと酷く心配になる。すごく怖いしすごく恥ずかしいけど、せっかくここまできたのだから、今日彼に私の全てを捧げたかったのに。ショックで涙が出そうになる……。
「いや、澪は全然悪くないよ。心配しないで」
 そう言って彼は私の頭をなでなでしてくれた。現金なものでそれだけですごく安心できた。自分でもちょっと単純だなと思わないでもない。
「体位を変えみよっか。ちょっとうつ伏せに寝てくれる?」
「えっ? こ、こうか……?」
 ごろんと身体を反転させ、彼にお尻を向けて寝転がった。
「そうそう。あと枕取ってくれる?」
 何をするのかよくわからないまま枕を彼に手渡す。彼はその枕を私のお腹の下に敷いた。
すると私はお尻をちょっとだけ突き出した恥ずかしい格好になった。 
 ここで私はとんでもない事実に気付いた。この格好だとお尻の穴が丸見えになってしまうではないか!
「澪はお尻も可愛いな……」
「あーん、やっぱり! バ、バカーッ! そ、そんなところ見るなー!」
 尻肉をがっしっと鷲掴みにされて左右に開かれ、絶対に見られてはいけない恥ずかしい穴をじっくり視姦されてしまった。一生の不覚だ。私は四肢をパタパタとさせて抵抗した。
「ごめんごめん、暴れないで。もう絶対に見ないから。それじゃー入れるから力抜いてみて。この体位ならきっと上手くいくと思うから」
 ホントに君だけは恥ずかしいことばっかりして……絶対に責任取れよな……。
 くちゅりと音を立ててオチンチンが処女口に宛がわれた。この体勢だと彼の顔が見えないのでちょっと不安だっが、ひとつになるためにはこれくらい我慢しなければいけない。
 そして、オチンチンは静かに膣内へと埋没していった。
「ああっ! んっ! くううぅぅ……っ!」
 さっきまでとは明らかに違う感覚。加熱した鉄串のような物が膣肉を引き裂いて、膣奥へと押し込まれてくるのがよくわかる。オチンチンが処女道を少し進むたびに、ズキズキと例えようのない痛みが下腹部に集中した。
「やんっ! いたっ……んっ! はぁはぁ、ああぁぁ……いたいっ!」
「大丈夫? 今度は上手くいきそうだよ。もうちょっとだけ我慢してね」
 彼はオチンチンの角度を上手く調節し、更に力を込めて柔膣に突き立ててきた。懸命に彼の物の飲み込もうと限界まで拡張される処女口。柔膣は次第に官能的な圧迫感によって支配されていった。
「あんっ! いたっ! ああっ……はぁはぁ、いたいっ! んん……っ、やっ、ああああっ!」
 亀頭の先が膣内の薄膜に接触する。オチンチンの挿入は止まらない。圧力が掛った処女膜はその形を変形させて、オチンチンの侵入を阻もうと死力を尽くした。だが、更なる力が彼の腰に込められた刹那、処女膜は呆気なく破れオチンチンは未開の膣道を一気に突き抜けた。
 この瞬間、私は大切な処女を喪失した。
「くうぅっ! ああ……っ! ああああっっ!!」
 亀頭は膣奥へと到達して子宮をぐぐっと押し上げた。
「はあぁぁっ! は、入った……全部入ったよ……すごい、はぁはぁ、なんだか感動するよ……」
 私も心の底から感動していた。双眸から歓喜の涙が滂沱と溢れてくる。もちろん多少はじんじんと膣内に激痛が奔るからでもあるが、それ以上に彼に初めてを捧げることができた歓びの方が遥かに上だった。なんだか自分が無性に誇らしい。膣内をこれでもかというほど圧迫する激覚が、これほど幸せに感じるとは思いもよらなかった。
「はぁはぁ、ああっ、はぁ、はぁ、やんっ、ま、まだ、動いちゃ……」
「痛い……大丈夫?」
「……うん、大丈夫だけど……ちょっとだけ待って……」
 幸せだけどやはり痛いものは痛い。あと少しだけ慣れるまで待って貰わないと無理っぽい。
「それじゃー痛くなくなるおまじないしてあげるよ」
 おまじない? なんだそれ?
「リ−テ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル……」
「もう、いいよっ!」
 もぉー! こんな時にまでツッコませて! しかも君が突っ込んでる癖に!
「ぷっ、ふふふ、もう、ホントに君だけはバカなんだから、ふふふ、クスクスクス」
「ごめん。ふふ、ハハハ」
 なぜかツボに嵌って笑いがとまらない。少しだけ緊張が解けると、まるでおまじないが利いたかのように、膣内の痛みが嘘のように緩和していく。
「動いていいぞ……」
「本当に大丈夫か? 別に無理しなくていいんだぞ」
「多分、大丈夫だと思う……でも、優しくだぞ……激しいのはダメなんだからな」
「わかった、痛かったら我慢しないでいつでも言っていいからね」
 私がコクリと頷くと、彼はソロソロと抽送を始めた。
 後ろからズンズンと腰を突かれ、オチンチンがズボズボと膣道を出入りする。やはりまだ痛みは完全には治まらず、処女膜があった場所をオチンチンが通過するたびに、チクチクと痺れるような痛みが奔る。だが我慢できないほどではない。それよりも何よりも膣奥に矛先が突き当たるたびに、えも言われぬ激感が短剣となって脳内にグサグサと突き刺さった。
「ああっ、やぁんっ! あっ、あっ、あっ、はぁはぁ、んん……っ、くうぅぅっっ!」
 気が付くとシーツを掻き毟るように両手に力が篭っていた。この内臓を丸ごと揺さぶるような激感は快感なのだ、と経験不足の身体は徐々に認識し始める。未発達の膣道は恥ずかしいほどに潤い始め、オチンチンの抜き差しの潤滑油の役割を果していた。
「ああっ、気持ちいい、澪の膣内、熱くて凸凹してて、すごく気持ちいいよ! はぁはぁはぁ、気持ちいい……ううっ!」
 繰り返される抽送の速度が次第に加速して、タイミングよく私のお尻に彼の腰が打ちつけられる。
「ヤ、ヤダ……そんな……あっ! やぁんっ、あんっ! あんっ! はうぅ……そんなにしたら、ダ、ダメッ!」
 私はエッチな声で叫んでしまうが、もうどうしようもなかった。それほど初めてのセックスで感じてしまっていたのだ。オチンチンが膣肉をゴリゴリと摩擦して膣奥に打ち込まれるたびに、目の前には無数の星が流れて落ちる。天秤は痛感から快感へと一気に傾き、全身から玉の汗が滝のように流れ柔肌に滴った。
「そんなにキューって締め付けたら、もう出ちゃうよ。はぁはぁ、あっ、駄目だ! 気持ちよすぎる!」
 彼の体重が私に圧し掛かり全身が密着したかと思うと、後ろから伸びてきた両手でふたつの乳房は鷲掴みにされてしまい、まるで蕎麦を打つように捏ね上げられたしまった。同時にピストン運動は小刻みで短いストロークへと移行され、素早くリズミカルに亀頭が子宮口をピンポイントに攪拌してきた。
「はぁううっ! ひゃぁぁっ、ああ……っ、あんっ! そ、そこはっ! ああっ、いやぁっ! んっ、ううっ、くうぅぅっっ! あああぁぁ……」
 痺れるように切なく激しくうねって大歓びする子宮。その歓びは瞬時に満身へと伝播して、肉悦の奔流となって毛細血管にまで行き渡る。解き放たれ官能の獣が私の奥底で高々と雄たけびをあげた。
 ナ、ナニコレ?! こ、こんな感覚初めて! 何でこんなにも気持ちいいんだよ! 初めてのエッチなのにこんなに乱れちゃって、絶対エッチな娘だって彼に思われちゃってるよぉーっ! でもでも、も、もうムリだろーっ! 全身が気持ちよくって、もうどこかに飛んで行っちゃいそうだよぉー!
「もう我慢できない! 澪、イクよ! 全部膣内に出しちゃうよぉー!」
 そ、そんな! 膣内に出しちゃったら、あ、赤ちゃんできちゃうだろ! そんなの絶対にダメに決まってるだろぉーっ!
「膣内に出しちゃっていいよね! 何も言わないと本当に澪の膣内に全部出しちゃうよ!」
「あああ……っ、だ、だ、出してぇー! 全部、膣内に出してぇーーっ!」
 口から発せられた言葉は、考えていたこととはまったく正反対の言葉だった。なぜこんなことを口走ってしまったのか、自分でも皆目検討がつかない。ただ頚部を風船のように膨れ上がらせた子宮だけが、きゅんきゅんと疼いて新鮮な精液の到来を待ち望んでいるかのようだった。
「わかったよ! いっぱい澪の膣内に射精するからねっ!」
「あああっ! いやぁぁぁっっ!!」
 彼は上体を起こしてがっしっと私の腰を掴んで持ち上げる。後で知ったのだが後背位という名前の体位らしい。お尻だけをツンっと上げたまるで動物のようなものすごく恥ずかしい格好にされてしまい、そのままマシンガンのような激しいピストンが蕩けきった柔膣に叩き込まれた。
「あああっ! やぁっ! はぁうぅぅ、あっあっ、あんっ! あんっ! ヤダッ! ヤ、ヤダーッ! ら、らめぇーっ! も、もう、らめらのぉーっ!!」
 お尻の肉が拉げるほど腰を打ちつけられ、パァーンパァーンと淫らな快音が部屋に木霊する。私は黒髪を振り回して、悦楽の瀑布となって襲い掛かってくる強烈な快美感に悶え悦んだ。アドレナリンが全快に放出された脳内はぐらんぐらんと揺さぶられ、今まで感じたことのない射尿感よりも何十倍も強大な媚感が、激震となって満身を総毛立たせて打ち震わせた。
「あああっ! イクよぉー! 澪、一緒に、一緒にイこうっ! ああああっっ!!」
 ぶちゅぶちゅちゅ! ずぴゅどぴゅぴゅ! ぶちゅぶちゅずぴゅぴゅぅーっ!!
 ピタリと子宮口に先端を突き刺したままオチンチンは破裂し、灼熱のスペルマが膣内に何度も何度も繰り返して射精された。
「くひいぃぃっっ!! いやぁーっ! はぁああっ! あああああっっ!」
 突然底なしの落とし穴に嵌ったかのような墜落感を感じた刹那、私は圧倒的なまでのエクスタシーの彼方へと昇天した。
 う、うそ……初めてのエッチで、イ、イっちゃった……?? こんなにすごいの初めてだぞ……、ああっ、まだ膣内でいっぱい出てる……オチンチンがブルブル震えて……すごく幸せ……。
「ああっ……はぁ、はぁ、はぁ……すごく気持ちよかったよ、澪……」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はうぅぅ……」
 繋がったまま後ろから抱きしめられ、私達はベットに倒れこんで一緒に酸素を補充した。
 膣内の強い脈動を感じながら恍惚の至福感に陶酔した私は、瞼を閉じてそのまま魅惑のまどろみに蕩けるように落ちていった。
 シーツには一輪の純潔の薔薇が咲き誇っていた。

「ごめん澪……もう一回……」
「えっ……!? くうううぅぅっっ!!」
 繋がったまま私は半回転させられ仰向けに寝転がる。絶頂したばかりの敏感すぎる柔膣が捩れて、私は声にならない悲鳴をあげてしまった。
「たりないよ……もっと、澪が欲しいんだ……だから、ごめん……」
「そ、そんな……今はムリだからっ! すっごく敏感で、お、おかしくなっちゃいそうだから、ああああっっ! やぁん! ダ、ダメェーーッ!!」
 彼は私の言うことを無視してピストン運動を開始した。
 両脚をカエルのようにかばっと開かれた恥ずかしい格好で、私は犯されてしまった。ちなみにこれは正常位と言うらしい。
「澪、気持ちいいよ! はぁはぁ、ううっ! あっ! 気持ちいい……はぁはぁ」
「いやぁーっ! あんっ! あんっ! ヤ、ヤダッ! あああっ、はぁはぁ、すごいことになってるからーっ! あっ! あっ! んんっ、ダ、ダメなのにぃーっ!」
 今の私はもうホントにすごいことになっているのだ。一度絶頂してしまったせいで、お腹の中の感覚は何倍も鋭く何倍も気持ちがいい。
「ごめん……すぐに終わらせるから。もうちょっとだけ我慢して!」
 やぁーん、ダ、ダメだって言ってるのにぃー! こんなことされちゃったらもうお腹の中壊れちゃうよぉー! もうホントにムリッ! やんっ、おかしく、お、おかしくなっちゃうよぉーっっ!
 結合部から私と彼の混合されたエッチな粘液が抽送によって押し出され、ぶちゅぶちゅと淫音を奏でて吹き溢れた。
「あああっ! あんっ! あんっ! やぁああ……はぁはぁはぁ、ああっ! やんっ! あっ! あっ! あっ!」
 ゴツゴツと幾度も子宮に衝撃が加えられ、いつしか満身を揺さぶる淫悦に私は完全に我を失った。ホントにおかしくなってしまったのだ。膣肉は激しく蠕動してズボズボを繰り返すオチンチンをがっちりと咥え込み、私は欲情の虜となってピストン運動を悦んで受け入れた。
「あんっ! あんっ! ああっ! ギュ、ギュってしてぇーっ! お願いぃー! どっかに飛んでいっちゃいそうだから、ギュってしてぇー!」
 彼は強く抱きしめてくれた。お互い汗まみれの身体を密着させて、ただひたすらに快楽を貪り合う。
「澪ーっ! 好きだー! 大好きだー!」
「私も、好きぃー! 好きーっ! 大好きぃーっ!!」 
 身体を密着させたままピストン運動は光速で連打され、火花が散るほど幼い膣道を摩擦した。お腹の中でぶぶぶと変な音が鳴り始める。子宮が唸っているのだ。精液を渇望する子宮が小刻みな振動を繰り返して、射精の瞬間を今か今かと待ち望む。私の限界はもうすぐそこだった。
「ら、らめぇー! やらぁ、やらぁぁー! イグゥーーッ! イっひゃうよぉーーっっ!」
「僕もイクよぉー! 一緒にイこう! 出すよぉー! 膣内に出すよぉーーっ! ああああっっ!」
 ずぴゅぴゅ! ぶちゅぶちゅちゅ! どぴゅぴゅぴゅうっ!!
 本日二度目の膣内射精が粛々と行われた。
 私は四肢をがっしっと彼の身体に巻きつけて、吐き出される精液を全てその身で受け止めながら、涅槃の彼方へと飛翔した。
「やらぁ! やらぁぁ! くうぅぅっっ、ああああぁぁっっ!!」
 痙攣する子宮口が亀頭に吸い付いて、チュチューと吸引して精液を子宮内へと送り込む。子宮は新鮮な子種汁でいっぱいに膨れ上がり、狂おしいほどに歓喜して蠢動する。
 もう限界だった。身体はいうことは利かず、私は大の字になってベットに横になる。彼も同じように力尽き、獣のように呼気を荒げて優しく私を抱きしめてくる。
「ごめんね澪……大丈夫だった……?」
 大丈夫じゃないだろ……! もうヘトヘトで声も出せないんだぞ……君って奴はまったく……。
「澪、大丈夫?」
「……ス……して……」
「ん? 何ていったの?」
「もういいから、キスして……」
 最後の力を振り絞って私は彼に要求した。
 罰だからな! 私がいいって言うまでずっとキスするんだぞ!
 彼は無言で私の唇を塞ぐ。
 私達は繋がったまま夢中になってキスをした。激しく切なく愛しく、飽きるまでただ唇を重ね合わせることに没頭する。唇が離れたのはそれから一時間後だった。
 

「今日は随分とお機嫌じゃないか? 何かいいことでもあったのか、澪?」
 放課後、文化祭も近いというのに練習もしないでいつものティータイムの時間に、律がそんなことを聞いてきた。
「い、いいこと?! ななな、何を言ってるんだ! いいことなんかこれっぽっちも全然ないぞっ!」
「でもさっきから澪ちゃん、ずっとニヤニヤしてたよね?」
 唯までそんなこと言うのか! 昨日のことは絶対に秘密にしなきゃいけないのに!
「そうよねー。お腹のあたり摩りながら、すごーく幸せそうな顔してたわよねー」
 はうっ! まだお腹の中にオチンチンが入ってるような感覚が残ってて、すごく幸せなんだからしょうがないだろ! 
「あやしいな……何があった、吐け!」
「だから何もないって言ってるだろっ!」
 こういう時の律はなぜか勘が鋭いから始末が悪い。
「まさか、昨日アイツと……」
「はわわわ!!」
「アイツって澪ちゃんの彼氏さん?!」
「うそっ! 澪さん彼氏さんと何かあったの!?」
 何でまた今日もこんな話になるんだよ!
「昨日アイツとしたんだろ! 白状しろ、澪!」
 しかも、何でこんなにあっさりとばれちゃうんだよ!
「ええーっ! 澪ちゃん、し、しちゃったの??」
「そうなの澪さん!? 女の子と男の子でもそれはそれでいいかも……」
「ししし、してないっ! エッチなことなんかこれぽっちもしてないぞっ! 前からしても入らなかったから後ろからしたとかすごく優しくしてくれて初めてなのに気持ちよくなっちゃったとかそんなこと全然ないんだからなっ!!」 
 はっ?! 今、とんでもないことを口走ってしまったのような気が……。
「えーっと……したって、キスのことだったんだけど、まさか澪……エ、エッチしちゃったのか?!」
 ブルブルと身体を震わせて聞いてくる律。
「すごいよ澪ちゃん! 大人の階段を上っちゃったんだねっ!」
 顔を紅潮させて興奮している唯。
「澪さん、素敵です!!」
 なぜか恍惚の表情のムギ。
「ワーワーワー聞こえない聞こえない聞こえない……」
 私は目と耳を塞いで現実から逃避する。
 放課後の音楽室はいつにも増して姦しく、差し込む陽光が陰るまで静まることはなかった。
 もうじき暑かった夏が終わる。この夏はいっぱい大切な想い出ができた。人はその想いを胸に秘め明日に向かって歩いていくのだ。私達は歩く。この人生と言う名の道を。そして必ず成功させよう。私達の初ライブを。まだ少し心配だけど大丈夫だ。みんなで力を合わせてばきっとうまくいくはずだ。夏より暑い秋がもうすぐそこまで来ているのだから。
「コラーッ、澪!! 勝手に適当なこと言って終わらせようとするんじゃない! 全部話すまで今日は絶対に帰さないからな!」
「ししし、しつこいぞ、バカ律!!」

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