片面2層DVDを1枚のDVDにバックアップするK9Copy

前号では、WindowsアプリであるDVDshrinkをwineによってUbuntu7.04上で稼働させてみたわけですが、片面2層DVDを1枚のDVDに圧縮してバックアップできるツールは、実はLinuxにもあります。
「Synapticパッケージ・マネージャ」で検索してみると、2007.4.25現在で、バージョンは、1.1.1-beta2。K9Copyのホームページからダウンロードできるソースのバージョンが同時点で1.1.1-3ですから、比較的最近のものを入手することができます。

頭にKという文字がつくアプリと言えば、KDEのアプリケーション。
1Mそこそこのファイルサイズなのですが、DVDshrinkと同じ感覚でDVDのバックアップができました。

ところで、片面1層DVDの容量は4.7GBで「DVD5」、片面2層DVDは倍の9.4GBということで「DVD9」、それでアプリ名に「9」が入っているんですね。

さて、K9Copyのホームページに記載されているアプリケーションの特長は次のとおりです。

1、ビデオ映像は記録可能な4.7GbDVDディスクに収まるように圧縮されます。
2、DVDへの書き込みにも対応
3、ISOイメージとしての保存も可能
4、音声や字幕の言語を選択してコピー可能
5、タイトルプレビューにも対応（ビデオのみ）
6、オリジナルメニューを残したまま保存することも可能

設定時に、場合によってはアプリが落ちてしまうこともありますが、充分に実用として使えると思います。
では、早速、機能を見ていきましょう！ Viva! Ubuntu!!

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１、アプリケーションの入手とインストール

<図1:Synapticパッケージ・マネージャで「K9Copy」を入手>

アプリケーションの入手とインストールは毎度おなじみのSynapticパッケージ・マネージャで、「K9Copy」で検索。
ダウンロードとインストールは関連するツールであるvampsも含めて自動でやってくれます。


<図2:K9Copyを立ち上げDVDを開く>

アプリはパネルメニューの「サウンドとビデオ」の一覧に入っています。
K9Copyを立ち上げて、バックアップしたいDVD Videoディスクを挿入し、左上にあるフォルダアイコンをクリックすると、ディスクの内容が階層構造で表示されます。
この中でバックアップをとりたい映像のチャプタにチェックを入れて選択します。


<図3:音声、字幕の言語の選択>

右端に縦にメニューが３つある中で、「Selection」を選択すると、
言語と字幕を選ぶ画面が現れます。ここで必要なものだけにチェックを入れることで、不要な言語のものを削除することもできます。


<図4:DVDのサイズなどの設定>

上部メニューアイコンの右から３番目にレンチのアイコンがありますが、クリックすることで設定画面がでます。
DVDの項目を選んだのが上の画像です。

「Output directory」でファイルの出力先を選択。ディスクにしばらくファイルを残しておきたい時には、出力先を変えておいた方がいいでしょう。次回にこのアプリを用いる際に、ファイルが上書きされてしまいますので。

「DVD Size」で、どのサイズに映像を収めるかを選択。デフォルトでは片面１層に収まるようになっています。


<図5:MPEG-4ファイルとして圧縮する場合の設定>

MPEG-4の設定画面を開いてみると、デフォルトのコーデックは、Xvidになっています。
あとは、lavc MPEG-4、x264というフリーのコーデックが入っており、選択できるようになっています。
コーデックは、MEncorderの設定画面で追加可能です。


<図6:バックアップの開始、残り時間は実際には15分ほど>

図２をご覧いただくと、上部の「Output device」が「ISO image」になっています。（これがデフォルトです）
これにより、バックアップファイルはISOイメージファイルとして出力されます。

一方、図３のように、「Output device」をDVDドライブに指定しておくと、次の図７のようにDVD形式で出力されます。

上部アイコンの左から４番目の「DVD」と書かれているアイコンをクリックすると、バックアップが始まります。
左から３番目の「MPEG-4」と書かれているアイコンのクリックで、図８のように、MPEG-4に圧縮した動画データとして出力されます。

Elapsed Timeすなわち残り時間が表示されるのですが、ドライブによっては、正しく表示されず、画面のように９時間などと表示されて一瞬アセりますが、ご心配なく。カウントダウンが急速に進み、片面２層のディスクが、実際には15分ほどでバックアップが完了しました。


<図7:完成したDVD形式のファイル>


<図8:イメージファイル(iso)として保存することも可能>

ISOイメージファイルとして、またはMPEG-4形式で出力する場合、開始ボタンをクリックすると、このように保存先を聞いてきますので好みの場所に保存することができます。
ちなみに、vol.6にも書きましたが、vlcメディアプレーヤーでは、ISOイメージファイルのまま再生することも可能なので便利です。

日本語化はまだ出来ていないこのアプリですが、設定項目も少なく、とてもシンプルですので、使いやすいのではないでしょうか？

それでは、Ubuntu環境でも充分使えるマルチメディア環境をぜひお楽しみください。
Viva! Ubuntu!!

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