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Viva! Ubuntu Magazine vo.6



WineでWindows/DVD系アプリの稼働にチャレンジ


まだまだマルチメディア系、特にビデオ分野が弱いと言われるLinux。
今回の特集では、その弱い部分を補完するために、大量に存在するWindowsのアプリケーションをUbuntuで稼動させる方策について探って行きたいと思います。

それを実現する手段の一つとして、Wineというツールを用いてみましょう。エミュレータというジャンルに分類されているこのツールですが、Wineという名の由来である"WINE" Is Not an Emulatorの略の通り、他のエミュレータとは一線を画しています。
一般のエミュレーション・ソフトとは違い、Windows のプログラムごとに Wine プログラムを実行し、UNIX の実行形式に変換し動作させると言う形式を取っているんですね。

色々と限られた時間の中でテストしてみたのですが、一筋縄ではいきません。やはり。
日本語入力が必要なエディタ、ワープロ類は、ちゃんと立ち上がり、英文字の入力ならば全く問題ないのですが、日本語入力時に文字変換がうまく行かず、解決法がネットに数多く掲載はされているのですが、4台中2台はダメ。
OKの2台は、うまく入力できたと思ったら、入力中にコケてしまう状態でとても実用的とは言えませんでした。
まぁ、エディタ、ワープロはUbuntuでも十分使えているので、わざわざwine上で動作させなくてもいいのではないかと、ここは一つキッパリと割り切りましょう。

マルチメディア系で、しかも日本語の入力の必要がないアプリケーション、さらにはDVD系のアプリケーションを今回は選んでみました。Windowsでは定番ともなっている、人気のDVD Decrypterと、DVDshrink、VSO DivxToDVDです。

結果を先に申し上げますと、DVDshrink、DivxToDVDはすんなりと、DVD Decrypterは設定をいくつか変えることで動作させることができました。

DVDshrinkもDVD Decrypterも、Ubuntuのwine上で、実際にDVDのバックアップを作ることができましたし、DivxToDVDでは動画ファイルからDVD化することができました。これら3つのソフトはWindowsXP上と遜色ないスピードで稼働させることができました。

このwine、実際に使えるアプリケーションの範囲は限定されるようですが、環境を整えることによって、いくつかのアプリケーションは実用レベルで実働させる事ができそうです。

それでは、実際に稼動させてみましょう。Viva! Ubuntu!!


(1)DVDshrinkをUbuntu上で稼働させてみる



<図1:Synapticパッケージ・マネージャでwineを検索、インストール>

まずはwineのセットアップです。
パネルメニューから、「システム」-「システム管理」-「Synapticパッケージ・マネージャ」を起動。
「wine」というワードで検索をかけて、検索結果一覧から「wine」を選択して、適用ボタンをクリックすれば、自動的にダウンロード&インストールされます。


<図2:wineのアプリ&関連ツール>

wineのセットアップが終わると、パネルメニューの「アプリケーション」-「アクセサリ」の中に、wine関連のメニューが3つ追加されています。この中では「Wine File」が重要なメニューで、図4で出てくるファイル・マネージャの役割を果たします。


<図4:wineのファイルマネージャ>

さて、今回試してみたアプリケーションは下記からダウンロード可能です。(2007.4.27現在)
DVDshrink: http://howto.yakan.net/dvd/down.html
DVD Decrypter: http://www.nihongoka.com/monooki.html
DivxToDVD: http://cowscorpion.com/dl/DivxToDVD.html

WebからWindowsのアプリケーションのインストーラーをダウンロードしたら、このファイルマネージャを用いて開く事になります。何だかこのインタフェース、Windows3.1を思い出してしまいますね。
ダウンロードしたファイルをホーム・ディレクトリに一例として「WinAppli」というフォルダの中に保存しておきます。
ホームディレクトリに保存する理由は、wineのファイルマネージャを立ち上げた時、最初に開くのがubuntuのホーム・ディレクトリであるため、ファイルが探しやすいからです。

DVDshrinkは圧縮されていますので、右クリックで現れるメニューから「ここに展開」で解凍しておきます。

このファイルマネージャの右側のペインには「.anthy」から始まってずらっとファイルが並んでいます。この「.」が頭についたフォルダは隠しフォルダと呼ばれる設定ファイルなどが格納されたものです。スクロールしていくと、「WinAppli」というフォルダが見つかると思います。これを開いてみると、先ほどダウンロードしておいたexeファイルが見つかることでしょう。

では、「dvdshrink32_jp_setup.exe」をダブルクリックしてみましょう。
Windowsのアプリケーションのインストールと全く同じ手順で、インストールが行われます。


<図5:wineファイルマネージャから、DVDshrinkのインストーラーを起動>

インストールが完了すると、デスクトップに、アイコンが現れます。


<図6:デスクトップに現れたアイコン>

このアイコンをダブルクリックすることで起動できます。
もちろん、wineのファイルマネージャである「Wine File」からでも、
また、パネルメニューの「アプリケーション」にも追加されていますので、ここからでも起動することができます。


<図7:DVDshrinkを起動>

はい、この通り、起動できました。


<図8:DVDドライブを認識>

アプリの左上の「ディスクを開く」をクリックすると、ちゃんとDVDドライブを認識しています。


<図9:DVDディスクも認識>

ディスクを挿入すると、DVDディスクの中身を認識しています。
上部の緑色の「ファイルサイズ状況表示バー」にはファイル容量を、左側にはDVDの構造、右側には圧縮の設定に関する情報がビデオ、音声、字幕について表示されています。
4.7GBを超える容量の場合、片面1層のDVDディスクに収まるように自動的に設定がされます。

上部のメニューから「バックアップ」をクリックすると、エンコード&オーサリングが始まります。


<図7:エンコード開始>

約3.7GBの容量のDVDディスクのエンコードが8分17秒で終了しました。


<図8:Windowsと変わらない速さでエンコード終了>

保存されたフォルダ「VIDEO_TS」を開いてみると、この通りうまくバックアップすることができました。
あらかじめMPEG-2のコーデックがインストールされていれば、VOBファイルがサムネイルで表示され、このファイルを開くことで動画プレイヤーで再生することも可能です。


<図7:VIDEO_TSフォルダの中を覗いてみる>

完成した「VIDEO_TS」のフォルダごと、k3bなどのライティングソフトで書き込み可能なDVDディスクに焼くことで、家庭用のDVDプレイヤーでも再生可能なバックアップを作成することができました。(メニューなどディスク内の構成は変わりますが・・・)

このDVD Shrinkは前述のように片面2層のDVDを片面1層の書き込み可能なディスクに圧縮してバックアップをする事ができる事が大きな特徴ですが、「再編集」モードで、メニューや特典映像を削除してメインムービーだけをバックアップしたり、他言語の字幕、音声の内、不要な言語のものを削除したり、さらには複数のDVDから1枚のディスクにバックアップしたりと豊富な編集をすることもできるようになっています。


(2)DVD Decrypterを稼働させてみる


DVD Decrypterアプリケーションの入手先
http://www.nihongoka.com/monooki.html

もうひとつのDVDバックアップソフトとして定番となっているのが、DVD Decrypter。
こちらはDVD Shrinkのような圧縮バックアップ機能はありませんが、片面1層のDVDをまるごとコピーし、書き込みまで行う事が可能です。
また、「FILE」モードでは、「VIDEO_TS」というDVD形式のファイルを抽出を。
「ISO READ」モードでは、イメージ(iso)ファイルとして抽出することができます。

インストールは、DVD Shrinkと同じ要領で行い、すんなりと行うことができました。
しかし、起動はできるのですが、DVDドライブを認識してくれません。

この問題をクリアする為には、3点の下準備が必要でした。
参考にさせていただいたのは「Ubuntu Linux DVD Shrink, DVD Decrypter Guide」というサイトです。

まとめると次のようになります。

DVD Decrypterをwine上で稼働させるための3つの準備

1、wineを「windows NT4.0」で動かす
2、あらかじめDVDディスクを挿入しておく
3、「Wine Configuration」ツールで、ドライブを認識させる

早速、3つの下準備をしておきましょう。



「システム」-「設定」の中には2つのメニューができていますが、「Wine Configuration」がwineの動作に関する設定画面となっていますので、開いてみましょう。
下の方に、「Windowsバージョン」とありますので、「Windows NT 4.0」をリストから選び、適用かOKをクリック。


<wine関連の設定ツール「Wine Configuration」の画面>



次に「ドライブ」タブを選択。「自動検出(D)」をクリック。
ここで、「/media/cd-rom0 」という名目でドライブが認識されることを確認できたら、適用かOKをクリックします。

以上で下準備は終了です。アプリケーションを起動させてみましょう。




「Log」ウィンドウに表示されている、黄色いアラートは、最初の起動の時とOSが変わっていると表示しています。
下の方で、パラメーターが正しくないと赤の×でアラートを出していますが、結果的にDVDドライブを検出してくれています。

この状態で、DVDディスクからイメージファイル(ISO)のリッピング、FILEモードでの「VIDEO_TS」の抽出をWindowsと変わらないスピードで行う事ができました。

ちなみに、Ubuntuでの動画再生ソフトの定番の一つである、VLCメディア・プレーヤーを用いれば、抽出したISOファイルのままで、再生することが可能です。
Windows環境ですと、ISOファイルをいちいちDaemon Toolなどを使って仮想ディスクとしてマウントしてから再生していましたので、これはとても便利です。

UbuntuでDVDディスクをバックアップするネイティブなアプリとしては、「dvd:::rip」というものがあります。
ブログの記事「DVDをリッピング dvd:::rip」で紹介している通り、リッピングにかなり時間がかかります。
上記の方法であれば、とても高速にバックアップが可能ですね。

注意事項


以上の紹介したDVD Shrink、DVD Decrypterは、これらのコピープロテクトを解除してデータを抽出することができるアプリケーションです。
市販やレンタルされているDVDには、ほぼ全てCSSなどのコピープロテクトがかかっており、これをバックアップすること自体が法的にグレーとされています。
また、以上ご紹介した内容は、筆者が実際に試した事実に基づいて書いておりますが、環境によっては動作されない可能性もあります。これにより、システムに損傷を与える可能性もあると思います。試される場合には、あくまでも自己責任ということでお願いします。間違った認識、書きたりない点などありましたらご指摘いただければ幸いです。


(3)VSO DivxToDVDで動画データをDVDビデオ形式に変換する


VSO DivxToDVDは、動画ファイルを、とても簡単な操作でDVDビデオに変換できるソフトとして人気があります。
DivXはもちろん、XvidなどのAVIファイル、MOV,MPEG,VOB,MPEG4,WMVなど、広範囲な動画データに対応しています。

DivxToDVDアプリケーションの入手先
http://cowscorpion.com/dl/DivxToDVD.html

こちらも、DVD Shrinkと同様の手順で、アプリケーションのインストールを行います。





インストールが終了し、アプリケーションを立ち上げると、たった1枚だけのシンプルな画面が現れます。

1、変換したいファイルを、「ソースファイル」で指定します。
2、「出力先フォルダ」でDVD形式のフォルダをどこに出力するかを指定します。
3、「アスペクト比」「映像方式」は自動だと、元の動画ファイルに形式のままになります。
  「映像方式」は日本の映像形式であるNTSCに指定した方がいいでしょう。

以上の3つを指定するだけと、超簡単。

あとは、「変換」ボタンをクリックするだけ。

「プレビュー表示」にチェックを入れておけば変換中の動画をプレビューすることができます。

「VIDEO_TS」が完成したら、Ubuntuに搭載の、Gnome Bakerや、k3bなどのDVD対応のライティングソフトで書き込みすれば、DVDビデオ形式のディスクが完成です。


補足


wineの関連ファイルは、ホームディレクトリに隠しフォルダである「.wine」の配下に格納されます。
これを見る為には、ファイル・ブラウザの「表示(V)」から「隠しファイルを表示する(H)」を選びます。




この中の「drive_c」が、WindowsのCドライブに相当し、この配下にプログラムファイル、Windowsのシステムに相当するファイル類が格納されています。


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2007年04月28日(土) 13:28:32 Modified by ubun2

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