『科学の社会史』（廣重徹）

目次

まえがき　ⅰ

序章　社会のなかの科学

第1章　日本における近代科学の基礎工事
　1　外国人教師・留学生・東京大学
　2　何のための自然科学
　3　試験研究機関の創設
　4　国家と大学
　5　産業の発展と科学
　6　第一次世界大戦前夜の日本の科学　
第2章　科学の制度化
　1　社会的制度としての科学
　2　産業革命と科学
　3　科学・技術の教育―フランスとドイツ
　4　科学・技術の教育―イギリスとアメリカ
　5　研究機関の拡大
　6　科学の職業団体
　7　科学の世紀
　8　国家と科学
　9　第一次世界大戦のインパクト
　10　世界と日本
第3章　第一次大戦のインパクト
　1　戦争への対応
　2　産業の発展
　3　理化学研究所
　4　高等教育機関の拡大
　5　動員への端緒
第4章　資源局と日本学術振興会
　1　昭和の科学
　2　恐慌から”非常時財政”へ
　3　動員への伏線
　4　研究体制の実状
　5　”学術振興運動”
　6　日本科学史上の学振の位置
第5章　総力戦体制へ向けて
　1　国粋主義的反動
　2　文化統制の強化
　3　”科学的精神”
　4　国防と災害
　5　植民地科学
　6　国家総動員法
第6章　科学技術新体制
　1　文部省科学研究費
　2　生産力拡充と軍の機械化
　3　科学動員計画要綱
　4　科学者・技術者の反応
　5　新体制をめざして
　6　科学技術新体制確立要綱
第7章　科学者・技術者の教育
　1　昭和初期の学制改革論
　2　揺れる大学
　3　理工系の膨張
　4　動員をめざす教育改革
　5　教育の非常体制
第8章　科学動員の終局　
　1　占領地の科学
　2　情報と技術の交流
　3　動員の停滞
　4　決戦体制
　5　敗戦
　6　後に遺したもの
第9章　科学の体制化
　1　大恐慌と科学
　2　ソ連とナチスのインパクト
　3　科学の動員
　4　原子力をめぐる角逐
　5　戦後構造の形成
　6　戦後構造の拡大
第10章　日本学術会議の成立　
　1　戦前・戦中への批判
　2　学術体制刷新の胎動
　3　科学渉外連絡会と学術研究体制世話人会
　4　学術体制刷新委員会
　5　アカデミズムとテクノクラシー
　6　学術会議の発足
第11章　経済成長と科学
　1　再建と科学技術
　2　自立から成長へ
　3　所得倍増と科学技術
　4　科学技術10年計画の実行
　5　基礎科学の受けた利益
　6　対外膨張と科学・技術
第12章　期待から幻滅へ
　1　成長の60年代
　2　研究投資の引き締め
　3　体制批判の台頭
　4　科学への問い
　5　70年代の科学政策
終章　これからの科学

年表

解説（吉岡斉）（岩波現代文庫版下巻より）
1 物理学を志した廣重徹
2 科学史研究者への「転向」
3 廣重徹の科学史研究の2つの重点領域
4 なぜ学説史と社会史は交差しなかったか
5 科学の体制化論とその思想的含意
6 『科学の社会史』の意義と限界
7 戦後日本の科学技術体制の構造上の特性
8 科学技術体制の三極構造
9 研究費大国となった日本
10 総合科学技術会議の歴史的意味
11 科学技術基本計画の思想
12 廣重徹から何を継承するか

失敗の研究