目次
はじめに 弾いているけれど、聴いてない 1
第1章 なぜ、聴く力が大事なのか 13
プロの「耳」 13
自分の演奏をチェックする 17
他人と合わせるために 20
良い感覚と判断力が「聴く力」を育む 22
聴くことのアクチュアリティ 24
第2章 聴く力が読譜を豊かにする 30
歌うように弾くために 30
楽譜の情報をキャッチする耳のありかた 33
「音色」と想像力 36
音の三要素への着眼 40
ニュアンス表現のノウハウ 43
第3章 聴くことは歌うこと 50
聴いていれば歌える―積極的な聴き方 50
インナー・イアーとサイレント・シンギング 53
弾いているけど、聴いていない 56
内的聴覚をつける 61
音楽的思考としての音符 63
第4章 耳から音符をとらえる 67
多様な聴取力―ジャンルを超えて 67
リズムのお国柄 72
雅楽の学習法 75
子どもの耳―アメリカで経験したこと 79
先生の役割 84
「耳コピ」の内的聴覚 88
第5章 ソルフェージュと「聴く力」 93
ソルフェージュの成績が良くても 93
絶対音感 98
フランスの事情―「フォルマシオン・ミュジカル」 105
オーラルトレーニングのメソッド「〈音楽家の耳〉トレーニング」 110
感覚をとらえる難しさ エリザベト音楽大学とイタリア・テル二音楽院の実践から 116
第6章 ニュアンスをつくるもの 122
理想の音―バランスのとりかた 122
曲想表現の工夫―オルガン、チェンバロの場合 126
休符を極める 129
純正調の空気を感じる 132
「音楽の耳」改造計画―サウンド全体を聴く耳 138
聴く力と環境 142
第7章 「わかる」と「聴ける」 145
聞こえても、わからない 145
「わかる」ということ 147
「わかる力」は慣れから 149
第8章 相互作用 156
「ピアノは友達」 156
退屈・刺激・覚醒 161
相互作用があるレッスン 165
第9章 アンサンブル体験で耳を開く 168
セッションに学ぶ―塩谷哲の場合 168
気づきの連弾 172
プロとの共演を楽しむ 174
初めての室内楽でパニック 179
耳が開く瞬間 183
クローズドスキルとオープンスキル―運動心理学から 189
テンポが変えられない子どもたち 195
他者のテンポに合わせること 197
プロセスを楽しむ 201
おわりに 自分の音を聴く、その彼方に 205
あとがき 209
参考文献&音源(CD)&URL