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オーバーラン 高見運転士「次やったら辞めます」

日勤教育 電車区長に決意書

 兵庫県尼崎市のJR脱線事故で、死亡した高見隆二郎運転士(23)が昨年六月の片町線下狛(しもこま)駅(京都府精華町)でオーバーランの後、JR西日本京橋電車区の「日勤教育」を受けた際、「次回(ミスを)やったら乗務員をやめます」とする決意書を書かされていたことが二十五日、分かった。下狛駅付近では別の四十代の運転士が運転ミスを起こしており、電車区長が「リメンバー下狛」を合言葉にミス撲滅を号令。その直後のミスだっただけに、十三日間の日勤教育を受けさせられた高見運転士は同僚の運転士に「次がない。もう失敗は許されない」と話していたという。

 高見運転士は昨年六月八日、篠山口発木津行きの快速電車を運転中、下狛駅で百メートルのオーバーランを起こし、翌日から十三日間の「日勤」を命じられた。高見運転士は運転士になって約一カ月たったばかりだった。

 関係者によると、この際、高見運転士は十九回の反省文を書かされたうえ、決意書を書かされ、署名押印させられたという。日勤教育で決意書を書かされ、実際に運転士を“クビ”になった人もいるという。

 高見運転士がミスを犯す約一週間前の五月三十一日夜、四十代運転士が居眠りのため下狛駅の手前で電車を停車させるミスを起こし、車掌と口裏を合わせてミスを隠蔽(いんぺい)しようとしたが翌日に外部からの指摘で発覚。この運転士は一週間の出勤停止と約一カ月の「日勤」を受けた後、運転士資格を剥奪(はくだつ)され、別の電車区の車両修繕の部署に異動させられた。

 同社では、オーバーランや出発時刻の遅れなどのミスを犯した運転士らに対し、出勤停止で十万円、訓告や戒告処分で五万円をボーナス支給から一律カット。さらに運転士から別の部署に異動させられた場合は、さらに収入額が落ちるという。

 また、この運転士の隠蔽が発覚した日に京橋電車区の区長の人事異動が行われ、運転士らの口裏合わせに新区長が激怒。所属の運転士らに「絶対にミスをするな」と指示を出したという。

 高見運転士が今回の事故を起こす直前の伊丹駅でオーバーランした際、車掌(42)と相談して六十メートルを八メートルとする虚偽報告をしようとした行為が、四十代運転士の隠蔽工作と似ていることを指摘する関係者は「高見運転士は、先輩運転士が資格を剥奪されたことや決意書を書いた一年前のことを思いだし、運転士を降ろされることを恐れて極限の精神状態にあったのでは」と話している。

(産経新聞) - 5月25日16時4分更新
2006年08月10日(木) 12:21:17 Modified by umedango




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