(雨が上がり、虹が出る。とぼとぼと下校する千羽)
千羽 「あ〜、わたしの人生、終わったわ〜」
マミコン「元気を出して、千羽ちゃん。いつかは雨も上がるわ。ほら、綺麗な虹よ」
千羽 「ああ、そうね…ん?」
(千羽の周囲を、奇妙なモンスターが通り過ぎる)
(千羽の前にミヤマが立ちふさがる)
ミヤマ 「見つけたぞ…貴様か、ガク様を傷つけた虫けらは」
千羽 「あんた、誰!?」
マミコン「気をつけて、千羽ちゃん、あいつは、シーク団体の女幹部よ!」
ミヤマ 「魔法少女とか名乗っているらしいが…フッ、そのプロポーションでは、
少女というより幼女だな」
千羽 「うっせバカ! あたしだって好きで魔法少女やってんじゃねーんだよ!
香水の匂い、ぷんぷんさせちゃってバッカじゃねーの!」
ミヤマ 「な…なんという下品な言葉遣い!」
マミコン「千羽ちゃん、変身よ!」
千羽 「わかった!」
2人 「ドミノッピ! ザーラッピ! ザハット!」
(「キュルルルルン」と千羽はチャバネに変身)
チャバネ「悪を一匹見つけたら、三十匹はいると思え! 魔法少女チャバ…あ、あれ?」
(チャバネとマミコンが足をふらつかせ、倒れる)
チャバネ「なんなの…手足がしびれて、う、動けない…」
マミコン「わ、わたしもよ」
チャバネ「まさか、変身、失敗したとか?」
マミコン「そんなはずは…わかったわ! 匂いよ! 匂いで攻撃しているのよ!」
ミヤマ 「そう。よく気づいたな。私の魔法は嗅覚を攻撃する。
今、おまえたちの手足は、神経毒に冒され、自分の思い通りにならないのさ!」
チャバネ「そう…か…あの、香水の匂いは、そのカモフラージュ…」
ミヤマ 「その通り。おまえは、私に対面したその時点で、既に敗北していたのさ!」
チャバネ「く…くそ…」
ミヤマ 「ハハハ! 死にかけのゴキブリのように、手足をひくつかせ、這いつくばるその姿!
滑稽という以外、形容できないわね! さあ…とどめだ!」
(「シャリーン」とミヤマは剣を抜く)
マミコン「チャバネちゃん、体が動かないのなら、召漢術を使って!」
チャバネ「わ、わかった! 渋いの召喚するよ、魔法少女、チャバネ!」
(「ドン!」と現われたのは、ヴァイオリンを持ったコバチェビッチだった)
チャバネ「あなたは…昨日、赴任してきた、音楽の先生?」
コバチェ「そうデスカヤ。私はジェリコ・コバチェビッチ。あなたのお母さんとの約束を
果たすために、ロシアからこの極東の地へやってきたんでスカヤ」
チャバネ「ママとの、約束?」
ミヤマ 「くらえーっ!」
(「ドシュッドシュッ」とミヤマが剣でコバチェを攻撃)
コバチェ「ぐわーっ!」
チャバネ「おじさまが…おじさまが…おじさまの服が!」
コバチェ「いやーんでスカヤ!」
マミコン「あ、魔方陣に引っこんじゃった。なんのために出てきたのかしら」
チャバネ「おじさまの、ぱんちら! ぐはぁっ」
(「ぶばっ!」「ドクドクドク…」とチャバネの鼻から大量の鼻血)
マミコン「しっかりして、チャバネちゃん。鼻血が瀧のようよ! ああ、もう、鼻血で衣装が
血みどろの魔法少女なんて、見たことがないわ! 早く鼻血を拭いて!」
ミヤマ 「その前に、この刃で切り刻まれる定めさ! くら…えっ!?」
(「ザザザザザザザ!」と、はいつくばって走るチャバネ)
ミヤマ 「なんだ、このゴキブリのような素早い動きは!
わたしの魔法を受けて、どうして動けるんだ!」
チャバネ「ブッ…わだじのずがだをみでぎづがないのが? みろ!ごのだいりょうのばなぢを!
いま、わだじば…ばながづまっているのだ!」
マミコン「そうか! それで嗅覚の攻撃が、解除されたのね!」
ミヤマ 「なんだとー!?」
チャバネ「わだじのおじざまをばずがじめだむぐい…うげるがいい!」
ミヤマ 「召剣! ソード・オブ・レイン!」
(「ザザザザザ!」と剣の雨が降り注ぎ、「チャキーン!」とチャバネのステッキが弾き返される)
チャバネ「うわ、わ、あぶ、あぶねっ! ど、どごがらだじだのよ、ごのげん!」
マミコン「無数の剣が、体を守っている!」
ミヤマ 「フッ…嗅覚への攻撃を防いだくらいで、図に乗るなよ? 私の本当の武器は、
この剣…召剣術だ!」
(「チャキーン! チャキーン!」無数の剣がチャバネを襲う)
ミヤマ 「降りそそぐ剣と、剣の盾。見たか、この攻防一体の技を!
ガク様を傷つけた報い、おまえの体に刻んでやる!」
チャバネ「ぐっ、ぶぜぎぎれない…ごうげぎもできない…どうじだらいいの…?」
マミコン「チャバネちゃん、ステッキの重力を操作して!」
チャバネ「重力…? わ、わがっだ。ぐらえ、ヂャバネ・インパクド!」
(チャバネがステッキを振り回し、「グオオオオオ」ミヤマを吹き飛ばす。「ドカーン!」)
解説 「解説しよう、チャバネ・インパクトとは、ステッキの重さを限りなく軽くする事で、
スイングのスピードをアップし、打撃の際にステッキを重くすることで、
破壊力をアップする、チャバネの必殺技なのだ」
ミヤマ 「ぐわーっ!」