チャイルド本社の月刊絵本(おはなしチャイルド、チャイルドブックアップル)を中心に紹介。


表紙:おはなしチャイルドリクエストシリーズ(チャイルド本社)

さいしゅうれっしゃのあとで
作:市川宣子(いちかわのぶこ)
絵:柿本幸造(かきもとこうぞう)
チャイルド本社
おはなしチャイルド 1994年11月号(第236号)

季節を運ぶ臨時列車

秋の終わりの夜。山の奥の小さな駅で、えきちょうさんは今日の最終列車を見送りました。ところが列車が近づいてくる音がします。駅に止まった列車を、えきちょうさんが見てみると…。

カンテラ(表紙のえきちょうさんが持っているもの)って、このごろの駅ではあまり見かけないと思いますが、どうでしょうか。

私は、人でごった返している夜のホームで、駅員さんが車掌さんに、列車の閉じめ合図で使っていたのを見たぐらいです。

カンテラもそうですが、駅の造りなどからも、どこかのローカル線にある駅のような、そんな風に思えてきます。煙突つきのストーブなんかもそう。

このストーブ、セリフはなくても、やかんやコーヒーとともに季節と時間の流れを語って、お話を盛り上げてくれますね。

駅に入ってくる列車は、ちょっと変わっています。列車を順に追ってみると、だんだん冬が深まっているように見えてしまいます。

どの列車も春には折り返してくるようですが、最後に駅を出た列車も、やっぱり春をのせてくるのかな。何をのせてくるのかな。ストーブで暖をとりたくなるお話ですが、まだまだ先の春も思い出してしまいました。

ハードカバー

さいしゅうれっしゃのあとで
作:市川宣子(いちかわのぶこ)
絵:柿本幸造(かきもとこうぞう)
ひさかたチャイルド
ISBN:978-4-89325-297-5

関連本

  • たのしいおはなし101話(チャイルド本社、ISBN:978-4-8054-2079-9):さいしゅうれっ車のあとで

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