達成感?実プレイ?何の事です?

対応レベル:6〜8



導入

ある用事で山奥に来ていたPC一行はその帰路で道に迷ってしまう。
日が暮れそうになった頃、PCは山中で蛮族の美少女と出会う。
少女はマリサと名乗る。彼女は片言の共通語しか喋れないが態度は友好的。
このあたりは獣が出るから、と彼女はPCを自分の村へと案内してくれる。
もし彼女を信用しなかったらそのまま行き倒れてシナリオ終了
マリサ(人間、女、15歳)
冒険者技能:レンジャー5、ファイター3
健康的な小麦色の肌をした蛮族の美少女。清らかな心の持ち主。

蛮族の村

マリサが暮らしているのは人口100人足らずの小さな村。
主産業は狩猟で、外との関わりは年に何度か交易商人が訪れる程度らしい。
彼女が帰ってくると何人もの蛮族が出迎える。
雰囲気からすると心配されていた様子だが、彼女は笑って手を振る。
蛮族たちはPCの姿を見るとわずかに不安そうにする。
注意して見れば、村に若い男がほとんどいないことに気づく。
マリサは族長の元に一行を案内すると再び村の外へ去っていく。
明日になったら彼女が街への道を教えてくれるらしい。

年老いた族長はマリサの意見に従い、PCを村の空いた小屋に泊めてくれる。
村の住民はややPCを警戒しているようだが、基本的には善良そうな人々。
PCが腹をすかせている様子なら何人かが食糧を分け与えに来る。
村を出歩くなら好きにしていいが、村人の雰囲気は妙に暗い。
村の広場には真新しい血の痕があり、墓地にも最近何人か埋葬された形跡がある。
なお大半の村人は部族独自の言葉しか離せないため意思疎通は不可能。
古代語魔法タングを使うなら会話はできるが、村人は事情を話そうとはしない。

族長からの依頼

その夜、族長が密かにPCに接触してくる。
族長は「どうか我々の窮状を救って下され」と悲痛な表情で訴える。

話によるとこの村は、というかマリサは暗黒司祭に狙われているらしい。
数日前に突如この村にやって来た暗黒司祭の一団は彼女を邪神への生贄に求めた。
マリサは部族の未来を担う希望であり、邪神の生贄などにされるわけにはいかなかった。
しかし最近は外の世界に出て行く者が増え、村に残っている若い男は少ない。
わずかに残っていた戦士階級の男たちも見せしめとして皆殺しにされた。
連中の実力は恐るべきものであり、並みの戦士ではとても歯が立たない。
族長はPCの身のこなしから実力のある冒険者だと見抜いていたのだった。

暗黒司祭は2日後の満月の夜に生贄の儀式を実行するという。
そして明日の夜がマリサの身柄を引き渡す期限だった。
もし明日までに彼女を引き渡さなければ暗黒司祭によって村は焼き払われてしまう。
マリサはそれに対し、村に迷惑をかけないよう、ただ一人で戦うつもりだった……。

族長はPCがこの村にやって来たのは部族の守護神の導きに違いないと語る。
「あの子のため、村のため、どうか暗黒司祭と戦って下され」と族長は地面に頭を擦り付ける。
報酬には村にある限りの財産を出すという(金額にして1万ガメル程度)。
この依頼を受け入れないならシナリオ終了

暗黒司祭との戦い

PCが暗黒司祭との戦いを承服したなら、マリサはPCの手を取って喜ぶ。
彼女は暗黒司祭グループとの戦いのため村の周辺にいくつかのトラップを仕掛けていた。
それを利用すれば暗黒司祭との戦いが多少は楽になる。
夜の約束の時間までに作戦を立て、暗黒司祭が来た時点で戦闘開始。

暗黒司祭側の戦力は暗黒司祭を含め10人。これをすべて撃破すればPCたちの勝利。
トラップを利用して分断するなどすれば有利に戦うことが可能。
なお生贄にする必要があるので、マリサに対してダメージ攻撃がなされることはない。
暗黒司祭(人間、男)
冒険者技能:ダークプリースト8、ファイター6
狂信的ファラリス信者で死ぬまで戦う。
暗黒司祭の愛人(ダークエルフ、女)
冒険者技能:シャーマン6、ダークプリースト3、ファイター3
暗黒司祭に忠誠を誓っており降伏はしない。
暗黒神官(人間、男)×8人
完全版P249の司祭(3レベル)のデータを使う。
量産型の手下。分が悪くなったら適当なところで逃げ出す。

万一にもPCが敗北してしまったらシナリオ失敗
暗黒司祭を打ち倒せば、蛮族たちは歓喜してマリサとPCの活躍を称える。
そして朝まで続く盛大な祝いの宴が始まる。

生贄の儀式

宴が終わるとマリサはPCに感謝を述べ、「これでちゃんとした生贄になれる」と素敵な笑顔を見せる。
なんと彼女はもともと近くに棲むドラゴン(部族の守護神)への生贄として育てられた人間だった。
そして今日がまさに伝統に定められた儀式の日。
マリサ本人を含め村の誰もがそれを当然の事として受け止めている。
そんなのはおかしいと説得しても、マリサらは不思議そうにするだけ。
彼らは10年に1度の守護神への生贄によって部族の繁栄があると信じていた。
何百年もそうしてきた伝統を、恩人とは言えよそ者の言葉で変えられるわけがない。

守護神のドラゴンは村の近くの洞窟にいるという。
そちらに向かうというならマリサが自ら案内してくれる。
生贄の儀式は満月の夜に近くの岩場で行われるので、日没前ならまだ食われる心配はない。
部族の守護神
完全版P214のレッサー・ドラゴン(10レベル)のデータを使う。
裏設定として「10年間この土地から離れられず、人間も襲えない」という呪いを受けている。
その呪いは10年ごとに生贄を捧げられることで更新され、半永久的に続く。
もし10年間生贄を捧げられなかったら呪いから解放され、怒りに任せて蛮族の村を襲う。
実はドラゴンは「もう生贄は必要ない」とこれまで何度も蛮族を説得している。
しかし蛮族側は「なんと優しい守護神なのだ。この身を捧げても惜しくない」と誤解している。
逆に凶暴な態度を見せると「守護神がお怒りだ」と生贄を捧げるのでずっと解放されないまま。

ドラゴンはPCが生贄を嫌がっている様子を見せると、狡猾にもそれを利用しようとする。
「生贄の儀式など愚かしいことだ」「私は部族の繁栄を願っている」などと心にもないことを饒舌に話す。
ただし、わざとらしい口調になるようGMがうまく演技すること。
古代語魔法のセンス・ライを使えば、ドラゴンの言葉に嘘があることを確認できる。

このドラゴンをどうするかはPCの判断に任せられる。
ただしドラゴンの本性を村人に知らせたとしても彼らは絶対に信じない。
これは信仰の問題なので、どれだけ論理的に話しても無駄。

冒険の結末

1.傍観した

特に何もしないなら、その夜に生贄の儀式が決行される。
満月の下、マリサは岩場に裸で横たわり、その周囲で篝火を焚いた蛮族たちが笛や太鼓で騒ぐ。
やがてドラゴンが飛来し、少女の肉体を噛み千切り咀嚼する。
ドラゴンは呪いが更新された怒りに咆哮し、蛮族はそれを喜びの声と受け取る。
その儀式を眺めるかどうかはPCの自由。
いずれにせよPCは感謝の声を背に街に帰還する。1000経験点

2.ドラゴンを倒した

本心を見抜いているかどうかに関わらず、ドラゴンと戦うことも可能。
洞窟内にいる間なら飛行もできないのでPCがやや有利に戦える。
念のためだが、ドラゴンも自衛のための戦いは許可されているので一方的な虐殺にはならない。
もしドラゴンを倒してしまったなら、それを知った蛮族は怒り狂う。
助けられた恩も忘れてPCに石を投げ、罵声を浴びせて村から追い払おうとする。
マリサは何も言わないがPCに軽蔑の眼差しを向け、神聖な死を奪われた悲しみに涙を流す。
蛮族に知られないうちに逃げ出すか、正直に事実を告白するかはPC次第。
ドラゴンの本心を知らないまま倒したのなら700経験点
ドラゴンの本心を見抜いて倒したのなら1000経験点
もし返り討ちにあったのなら500経験点。その場合もちろん儀式は決行される。

3.蛮族の説得に成功した

もしドラゴンに騙されるなどして生贄を出さないようにした場合、
ドラゴンの言葉も使ってうまく説得すればマリサたちは納得する。
しかし当然、ドラゴンは呪いから解き放たれ自由の身になってしまう。
狡猾なドラゴンはPCが村にいる間は手を出さず、遠くに去っていったのを確認して村を襲う。
蛮族たちは「守護神の怒りだ」と泣き喚きながら皆殺しにされていく。500経験点

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