私は、コラム
#3044で、「イスラエルは、パレスティナ問題を解決しようとも解決できるとももはや思っていません。イスラエル領域内での自爆テロや、イスラエル領域内へのロケット等の打ち込みさえなくなればそれでよいと思っているのです」と記したところです。
(以上、
http://blog.ohtan.net/archives/51321768.htmlより)
イスラエルは、基本的にユダヤ教徒の国ではあっても、その国民の大部分はもともと建国当初から世俗的な人々です。
しかも、彼らは一層世俗化しつつあります。
これに対し、パレスティナ人はハマスの隆盛ぶりを見てもお分かりのように、イスラム教原理主義化しつつあります。イスラム教は、そもそも原理主義的な宗教であり、何もなくてもその原理主義的傾向を強めていくというやっかいな代物です。
ヨルダン川西岸も多かれ少なかれそうですが、とりわけガザは、パレスティナ以外のアラブ世界に逃げることができないところの、パレスティナ人の巨大な難民収容所になっていて、全世界からの施し物で命を長らえている・・ガザ住民に至っては、3分の2が国連によって「難民」に認定されている・・という閉塞状況の下、イスラム原理主義化が進行しているわけです。
このような、いわば牢獄のような環境下で過去10年間にガザ地区で人口が40%近くも増える
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7891434.stm
という無責任ぶりにも、現在のパレスティナ人の倒錯の度合いのひどさが伺えます。
パレスティナ以外のアラブ諸国、とりわけエジプトとヨルダンが国境をパレスティナ人に対して開放し、難民収容所状況を解消する(コラム
#3062で紹介したジョン・ボルトンの3カ国オプションを参照)という決断を下し、パレスティナ住民(とりわけガザ住民)に改心(回心?)を促さない限り、「不幸の連鎖」はいつまでも続くでしょう。それまでは、「解決手段」など見あたりません。
イスラエル国民の大部分は、従ってイスラエルの主要政党は、まさにパレスティナ「問題」を「解決」しないという「解決手段」を、見通しうる将来にかけて追求する決意を固めている、と言ってよいでしょう(コラム#省略)。
(以上、
http://blog.ohtan.net/archives/51334010.htmlより)