美少女が主人公で犯られちゃうゲームを作ろうWiki2 - ロリ魔女 キャロルの求める仕事
「はぁ……。どこかに楽して大金を稼げる仕事はないのですかねぇ……」

 キャロルはこの日も失敗に終わった仕事を思い出しながら、夕焼けに染まる道を歩いていた。
 悠々自適なニート生活を送るはずが、何を間違ったのか最近は毎日まじめに働く日々だ。
 理想と現実のギャップに、ついため息が出てしまう。

「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん。お金にお困りかい?」

 不意に脇から声をかけられた。
 中年の、どこにでもいそうな冴えない男性が、建物の入り口に立っていた。

「何ですか、おじさんがお金をくれるんですか?」
「いやいや、いい仕事を紹介してあげようと思ってね」
「ホントですか? 嘘だったらハリセンボン飲ませますよ?」
「ああ、別に構わないとも。この仕事は絶対お嬢ちゃんのお眼鏡に適うはずだ」
 自信満々な男の返事に、キャロルの興味がそそられる。
 無意識に身を乗り出していく。
「まずはお嬢ちゃんがこのロイヤルコンニャクゼリーを4000Gで買うんだ」

 キャロルは眉根を寄せる。
 一般的なゼリーの値段は、せいぜい50Gというところだ。
 男の言った価格はゼリーひとつにしては高すぎるし、第一ゼリーを買ってもキャロルは儲からない。

「仕事を紹介してくれるんではなかったのですか?」
「まあ、もうちょっと聞いてくれ。もちろん、ただ買ってそこで終わりってわけじゃないさ」

 男は自信ありげに口元をゆがめる。

「実はこの値段はゼリーと会員権合わせてのものなんだ。
 ゼリーを買うと同時に、お嬢ちゃんは『ナニワ正会』に入会するんだ。
 会員になれば、ここで会員価格の3000Gでロイヤルコンニャクゼリーを購入できる。
 そして、お嬢ちゃんも俺と同じように誰かにゼリーを売ることができる。
 つまり……」
「……?」
「ひとり入会させるごとに、お嬢ちゃんは1000G儲けるって寸法だ!
 たった4人に買ってもらうだけで、元が取れる。
(注:会員権とセットじゃないといけないので、キャロルが買ったのは売れない)
 もっとたくさん勧誘すれば、やればやるだけ儲かるんだ!」
「な、なるほど、ひとりで1000Gですか……」

 キャロルは今までやった売り子の仕事を思い出した。
 一日中働いても貰えるのは1500Gといったところだ。
 それに比べればひどく魅力的な話に思えた。

「しかもそれだけじゃないぜ?
 お嬢ちゃんが入会させた人が他の人を入会させれば、
 なんとお嬢ちゃんにも会からボーナスとして1000Gが支払われるんだ」
「そ、それって、ボクが何もしなくても貰えるですか?」
「ああ、優秀な販売員をスカウトした報酬だからな。
 ただ、お嬢ちゃんが早く勧誘しないと、他の人の誘いで会に入ってしまうかもなぁ。
 そしたら当然、お嬢ちゃんのボーナスもなしだ」
「わかりました! 買うですっ!」

 次の日。
 キャロルはロイヤルコンニャクゼリーを持って、近所のおばちゃんの家に来ていた。

「――つまり、絶対儲かるのですよ!」
「キャロルちゃんがそこまで言うなら、ひとつ買っちゃおうかねぇ」
「ホントですか!
 ありがとうございます。
 ぜひ他のみんなにも勧めてください」

 おばちゃんはキャロルの勧誘に肯いてくれた。
 わずか10分話しただけで1000G。
 しかもおばちゃんが他の人を誘えば、その人数×1000Gが貰えるのだ。
 まだ元は取っていないとはいえ、他の仕事に比べて非常に簡単で稼げる。
 もっとこれで金を稼ごう――キャロルは顔をだらしなくニヤつかせながら、心の中でつぶやいた。
 そして……。



 キャロルは部屋に積まれた大量のロイヤルコンニャクゼリーを見た。
 自然と頬が緩んでしまう。

「ふふっ。ついつい借金までしてたくさん買ってしまいました。」

 金貨のプールに飛び込む未来を夢想して、幼げな少女は幸せな笑みをこぼすのだった。



------------------------ 『キャロルの求める仕事』>>10-11のあとがき

メガテンの小説だかで、ねずみ講を使って魔界で金儲けってのがあったなぁ……。
みんな知ってると思うけど、人口は有限なのでこの商売システムはいずれ破綻します。
詳しくは「マルチ商法」「ねずみ講」で検索してください。
近い将来、業者が夜逃げしてキャロルはゼリーと借金を抱えて途方にくれます……。
でもキャロルは懲りずに、そのうちまた楽して儲けようとして騙されそうな気がする。
ゲームでねずみ講を入れる場合、やり方によっては儲けるようにしてもいいと思うけど、
たとえ自分が儲けても、損した知り合いからの評価は下がるんだろうな。


てけえしさんのロリ魔女からキャロル(18)に勝手に出演してもらいました。