「ん、んふぅ、おにいちゃぁん」
 郁巳がキスの合間に甘い声を漏らす。
 俺の手の中では、郁巳のチンチンがぴくんぴくんと脈打っていた。
「おにいちゃん、好きぃ」
 自分から俺の唇に唇を重ねてくる。
 俺と弟の郁巳は、小さい頃に両親を亡くし、施設で育ってきた。
 その頃からずっと一緒だったせいなのか、今ではこんな関係になってしまっている。
 俺達を引き取ってくれた父さんや母さんにバレたら…と少々不安があるが、
いとしい郁巳とエッチなことをするのはどうしてもやめられなかった。
「ごはんですよー」
 階下から義母さんが呼ぶ声がして、俺たちはわれに返った。
 そそくさと後片付けをして食卓へ向かう。

 食後の団欒のひと時。
 当たり前の風景なんだろうが、俺たち兄弟にとってはそのありがたみがよく分かっていた。
 テレビでは、芸能人が結婚宣言したとの話題が流れていた。
「小学校の頃、同じクラスの好きだった子と結婚するってみんなの前で言っちゃったなぁ」
 それを見ていた父さんが、誰ともなしにつぶやく。
「どうだ?お前たちにはそんな好きな子がいないのか?」
 俺と郁巳を見て父さんが聞いた。
「ボクは・・・おにいちゃんと結婚する!」
「ぶはっ」
 思わずむせてしまう。いきなり何を言い出すんだ。
「あらあら」
「ははは、そうかぁ」
 笑う父さんと母さん。
 俺は郁巳がヘンなことを漏らさないかと、背中に冷や汗が流れる。 
「ま、まったく、男の兄弟同士でそんなことできるかよ」

「いやいや、そうでもないぞ」
 父さんが微笑んで言った。
「母さんは俺の弟だからな」 えっちとその後

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