「ねぇあそぼー?」
「やだ、僕勉強するんだから。兄さん一人で遊んでなよ」
弟弘毅にシッシと追い払われる兄蘭。
「むー、そんな事言ったらお兄ちゃんグレちゃうよー?」
はむ…
「ひあ!もうバカ兄貴!!耳噛むなよ」
「えー?でも気持ち良いんでしょ?」
ペロリと耳の裏をなめる。小さな悲鳴を上げる弘毅。
蘭はとても満足げに耳をなめ、その度に声が上がっている。
「も…もういい加減に」
「遊んでくれたらお菓子買ってあげるんだけどなぁ」
蘭の耳元の囁きに弘毅の耳がピクリと動いた。
お菓子に目が無いのだ。
「じゃあ…クッキーで手うってあげる」
「ほんと?だから弘ちゃん大好き!」
弘毅首元に蘭が抱きついた。

「で?何して遊ぶの?」
「考えてない♪」
「はぁ?!」
「だって弘ちゃんに触れてるだけで幸せだもーん!」
弟のあいた口が塞がらない様子なんて気にせず蘭は抱きつき続けていた。
これじゃあどっちが弟か分かったものじゃない。
「それに弘ちゃんどこ触っても反応返ってくるから楽しいし」
手の甲を指が伝う。予想通り体がピクッと動くのを蘭は楽しんでいる。
(なるほど、つまりはオモチャって訳。そうはいくか!)
くるりと蘭に向かい会うとわき腹をくすぐる。
「ひゃ!あははは!!」
くすぐりから逃げようと蘭がベッドに倒れこむ。もちろん逃さない。
蘭の息が絶え絶えになるまでそれを楽しむとくすぐりを解いた
「これに懲りたらふざけてないでちゃんと考える!追い出すよ?」
(全く何やってんだか…あれ?)
パサリ。気が付くと弘毅はベッドの上。蘭の腕の中だ。
「つーかまえたー!」
「や!ちょっと!」
手の動きに合わせてピクピクと反応する体。
蘭、反撃開始だ。

「もう!ちょっと兄さん!」
弘毅が声を荒げる。それに驚いた空きに腕からすり抜けた。
息は先ほどの自分のように絶え絶えだ。
唯一違うといえばその吐息には艶がある所だろうか。
そんな事を蘭は考えていた。
「ちゃんとしないと本気で追い出すよ!」
「むー。楽しかったんだけどなぁ」
「兄さん!!」
弘毅の目は本気だ。ここで反論すれば本当に追い出されるだろう。
(しょうがない、今日はここまでかな。まあゆっくり教えていけば良い)
「分かった。じゃあ何してあそぼっかー?」

弘毅が本当の事を知った時、どうなるだろうか。
自分が何をされ、それがどんな意味を持っているのか…
だけどそれを知るのはもう逃れられなくなってから。

調教は

始まっている。

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