『祥司と陽平』第2部



----第1レース(1)----
ビデオの撮影で疲れてしまった祥司は家に帰るとすぐに寝てしまった。
チャララーチャララー
「ん?」携帯の着メロだ。
「あっ、陽平だ。」さっき帰り際に電話番号教えてもらったんだよね、確か。
でも、メアド教えてなかったな…
「もしもし。」
「あっ、祥司?」
「うん、陽平?」一応聞いてみた。
「そうだよ、明日は学校休みだけど、暇?」ちょっとドキッとした。
「うん!暇だよ」
「良かった、そしたら12時に○○駅に来て!」○○駅は、さっき車で送ってもらった駅だ。
「わかったぁ、楽しみだなぁ。」そういうと陽平は
「楽しみにしてろよw気持ち良い事いっぱいしてやるから」
「?」
「まぁ、楽しみにしててくれ。それじゃあな。」
「うん、明日ね!」
ボクは少し疑問に思いながらケータイの受話器ボタンを押して、電話を切った
----第1レース(2)----
朝起きるといつもどおり朝食を食べ12時までの時間をどのように過ごそうか考えていた。
「昨日撮ったビデオってやっぱり売られるのかな〜」
昨日のことを思い出して恥ずかしくなって顔が真っ赤になっていた。
気付くと11時30分だ。
「あっ、寝ちゃってたんだ!急がないと。」
急いで祥司は出かける準備をして家を飛び出した。
○○駅までは徒歩20分。ちょうど○○駅に付く頃には12時だ。
「はぁはぁ…」
駅に着いたら既に陽平が待っていた。
「はぁはぁ…待った?」
「いや、待たないけど…走ってこなくても良かったのに」
「だって遅れちゃうもん〜。」
「さぁ、行こうか。」陽平はすぐに歩き出した
「あぁ、待ってー」ボクは陽平を追いかけた。
すると陽平が
「ねぇ、手つながない?」
ボクは顔を真っ赤にして
「良いよ」と小さい声で言った。
陽平の大きな手がボクの手を包み込むようにつないだ。
なんだかものすごく安心した気持ちになった。
タグ

編集にはIDが必要です