顔に掻痒感を覚えて目が覚めるとおねぇが僕の顔を覗き込むように
して頬をつついているところだった。
「ん、あ、おねぇ」
「おはよっ、弘く〜ん」
学校が休みの日は昼すぎまで部屋から出てこない人なのに、今朝は
僕より先に起きたようだ。僕が寝坊しんだろうか?
「日曜なのに珍しいね。今何時。。。あれっ!」
「くすっ」
おねぇが意地悪そうに口角を上げている。
「あー、なんで僕縛られてるの!!しかも、裸じゃん」
僕の両腕は後ろ手に縛られ
「寝顔をね、みにているうちに、ちょーっと魔がさしったてゆーか」
「やめてよもー」
「だってぇー、最近お姉ちゃんと遊んでくれないじゃーん」
僕はおねぇが大好きだし、本当はこうやって遊ぶのも正直言えば最近は
悶々とした日々が続いていて、おねぇに遊んで欲しかったのは僕のほう
だった。姉は本当に僕の想像を超えることをして僕をゾクゾクさせてく
れるもの。
「ねぇ、カノジョでもできた?」
「っつー、いたててっ、おねぇ、やめて、潰れちゃう」
「小学生のころはあーんなに素直だったのに、中学生になった途端に
朝早いし夜も遅いし。。。」
中学になれば部活だってあるし、帰宅部の姉と時間が合わないのも仕
方ない。
「カノジョなんて、、、っん」
つかんでいた手を離し、そこからツメがなでるように腹に進み、へそ
の周りで円をえがく。
「カノジョなんて?」
さらにツメはわき腹を走り、僕の胸の周りにたどり着こうとしていた。
「・・・」
僕は声も出せない。
「カノジョなんてどうしたの?」
おねぇのツメは執拗に円を描き続ける。
「い・・・いないよ・・・んあふっ、っく・・・部活が・・」
「しってる〜。でも、部活はうそよね」
おねぇの空いていたほうの手が、硬さを確かめるようにそっと握り締
めてきた。
「・・・あっ」
無意識に声がでる。
「ふ〜ん、部活なんだぁ」
「はぁ、はぁ、っんく、あぁ、あぁ」
僕は上も下も攻められ、さらに「拘束されている」という事実も手伝って
早くも高みに上り詰めそうになっていた。
「うそでしょ」
おねぇは急に両手を僕から離した。
あと少しで届きそうになっていた頂を奪われ、僕は泣く寸前のように鼻の
奥がツーンとした。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、おねぇ、ひどい」
自分でも声が上ずっていることがわかる。視界も少し霞んでいるかもしれ
ない。
「そう?うそを言うよりいいんじゃない?」
「はぁ、はぁ、はぁ、、、はぁ、、、、はぁ、、っあぁぁっ!」」
少し落ち着いてきたと思った矢先、また姉の手がほんの少しだけ僕を再び
高みへいざない、、そして離れていった。
「な、、なんで、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、こんなこと、はぁ、するの?」
「お姉ちゃん、夕べみちゃったのよね〜」
その瞬間、僕の意識は一気に覚醒の方向へ向かい始めた。
「えっ、、あ、なにを?」
おねぇは、とても意地悪そうに笑いながら言ったのだ。
「弘くんさぁ、夕べ家の前で智くんキスしてたでしょ?」

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