没案、未整理ネタなど〜ジークヒルデ

 一時考えていて没にした設定や細部を修正中のネタ、保留中の世界設定や冗談混じりの小ネタなど、決定稿として上げられないもの。


VasterClaws


神々の忘れられた物語(神界)


 〜読み取られる事なき文字にて刻まれた古代の石碑の、考古学者によって解読された文献から幾つかの抜粋〜

「始まりの歌」(神界以前)


 かつて世は閉じられていた
 古より「人」が世界を支えていた
 天に神が、地に精霊が生まれる前の事
 アルス(大地)の子らが編み出した「科学」が世を統べていた
 人が、アルスの子、フィアの主が世界を治めていた

 古より昔の事、アイルは人を愛し
 アイルの友は風(アイル)に祈りを捧げた
 古より昔の事、アルスは人を抱き
 アルスの子は大地(アルス)を称えた

 古より昔の事、ウォーダは人に恵みを与え
 ウォーテ(ウォーダの子)は水(ウォーダ)を畏れ、感謝を抱いた
 古より昔の事、フィアは人を傷つけ、その富を奪い去り、力を与え
 フィアス(フィアの主)は炎(フィア)を恐れ、崇め…そしてその力を受け取った

 古より昔の事、ルーシェは人に道を示し
 ルーミィ(ルーシェの徒)は光(ルーシェ)を敬い、祭殿を築いた
 古より昔の事、ニューシェは人を迷わせ
 ニュシェス(ニューシェの眷属)は夜(ニューシェ)を怖れ、その闇を打ち払った

 人の子ら…アルスの子、ウォーダの子、アイルの友、フィアの主がこの世を支配した

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「興亡」(神界の財宝)


双子界…鏡に映る影の如く、片方が消えれば片方も消える理。

文明の行き着いた先、大崩壊の時に現れた「神族」
森羅万象の属性を持ち、老いる事無く、長きに渡り生き続ける種族

それぞれの属性毎に氏族を作り、最も力ある者が長となる。

人々は彼らの司を「神」と呼び、神族の者を「神の眷属」として崇め、その信仰こそが神族の強大な力を支えた。


「神」たちは時を経て弱り、その力を失った時、同族の最も力ある者に自らの力と位を継承させ
最も有名な存在は裁き手たる闇神ヴォードと護り手たる光神ルーファス、そして万物の源たる地神エルデア

闇神たるヴォードの支配は宇宙空間……転じては全ての時空を統べる者
「ヴォードの裁きを受ける」とは即ち、冥府への道を辿る事


闇を司る一族で最も力に溢れ、神族中でも比類なき強い力を持つヴォードを縛り得る者は存在せず
他の神々が年月と共に衰え代を替えるも、ヴォードのみは初代闇神の座に君臨し続けた

月日が如何に流れようとヴォードの力を受け継ぎ得る者は現れず、ヴォードの身は歳月に衰える事無く、年を経て変わるは精神のみ。
己が精神が時に倦み衰える時、ヴォードは常に新たな自我(魂)を作り出し、自らの内で力と記憶そして位の継承を行った


光を司る一族の長、ルーファスは秩序をこよなく愛し、故に「護り手」として知られる様に

光神族の支配は全ての熱量(エネルギー)に及び、転じては生ある全てを統べる者
全ての始まりから生命を統べる光神族の長に他の全ての属性の神族は敬意を捧げ、従っていた。


光神は光を、闇神は闇を、光は動を、闇は静を、動は即ち正、静は即ち負、正は即ち命、負は即ち無、命は即ち生、無は即ち死……
両者の統べる全ての熱量は表裏であり、その間に善悪は介在しないもの

しかし幾度代を替えようとも依然として争い合い、ある時は公然と、ある時は隠然と熾烈な戦いを繰り広げ

やがてルーファスが光神族四代目の司の座に就き、仮初めとは言え、光と闇の争いは終止符が打たれる事に


ヴォードとその眷属は陰の世界へと退き、全ての属性を従えたルーファスは主神としての座を確立し
人々の間で闇神への信仰は薄れ行き、光への盲信と夜の魔王への恐怖が取って代わる事に

既に夜の司が加護を祈られる事無く、闇への恐怖は更なる光を求め、全ての信仰は光へと集束
闇を友とせずに光を以って闇を退け、人にとって夜は再び恐怖に溢れるものとなり

自然に還り共に生きるはずの人間たち
「自然の代行者の完全なる支配による秩序」を望む光神の支配により、再び自然に逆らう道を選び始めた


かつて科学の力で自然を支配しようとした人間は敗れ、森羅万象の凝縮たる「精霊」が生まれた。
「精霊」そして「神族」は自然から切り離された人と自然の切なる祈りの中から生まれたもの
本来は人でもあり自然でもある両者の架け橋たる存在

彼らが「己が種族の司」を「神」とし、「自らが所詮は人たる」事を忘れ更なる「支配」を求めた時
それは既に滅びに向かう道

人は自然によって生み出され生かされる者、「神族」は自然界の力を受け継いだ者
自然の意志の代行者たるはずの神族は、その秩序をより完全な物としようとし、却って自然に逆らう事になる。


「支配を望む者」は、自らの望みに縛られ「支配を受ける」者
ヴォードは人や神々への支配を望まず、それ故にこそ「最強の神」として最後の最後まで神座に君臨し続ける事が出来た


自然は常に「在るがまま」にある事を求め、良くも悪しくも「支配」される事はない
大いなる恵みも天変地異も、全ては「在るがまま」であるが故に起こり得るもの

ある意味では光神に率いられる他の神々の本質が限りなく「人」であり
ヴォードは先ず人であり尚且つ自然により近い存在だったのかも知れぬ

神族は人であり、人は即ち自然の一部
光と闇の司の争いはその大いなる矛盾を体現していたのか


ヴォードは常に心の赴くまま振る舞い、敵として対峙すれば容赦なく相手を狩り、故に大いなる恐怖として伝えられた
なれど自らの意志で好み、争いを求める事はなかった

ヴォードの裁きを受ける者とは、即ちヴォードの領域を荒らし、気の赴くままその眷属を傷つける者、自らの欲に溺れ闇神を支配しようとする者たち
その末路は様々な伝説となって語り継がれた


光神の支配により闇神は人の信仰を無くし、地上での拠り処を失った

それぞれの属性に同化し自在に操る神族の力は、人々の信仰により支えられ影響を受ける

人界における殆どの信仰を失い、信じる者は僅かな民ばかりになった闇神は夜と陰に身を潜め
その名は神々の掟…光神の支配に背く者が僅かに口にするのみ。


闇神への信仰を捻じ曲げ、全ての信仰を己が者とした光神族
それが故に己が命運が定まったとは知らず

余りにも強大化した信仰は狂念へと変じ、更には光神の属性たる光にも影響を及ぼし、光神族は知らぬ間にその力を変質させる

光神のかつては清冽この上なかった力が瘴気を含み、自らの支配に溺れる様になった時、
他の神族たちは次々に光神への親愛の絆を断ち切り
様々な思惑が入り混じり、神界においても人界においても再び混乱が始まった。


混乱のさなか、ヴォードは自らの身で最後の転生を行い、光神との最後の戦いが行われる事になる。

人界の信仰を断ち切られて闇神族の力が弱められたとは言え、ヴォードが神族で最も強い存在である事は変わらず
荒れ狂う光神に対峙出来る者は彼の神を於いて存在しなかった。

誰一人赴く事のない時空で誰一人として知る事なき戦いが行われ
闇神ヴォードの刃の下に光神族最後の司神は消え去った

なれどあくまで人界の「浄化」を望む光神
その想いは光神の生み出した「聖龍」に受け継がれ、「神界の財宝」が発動する…。


光神族の支配の下に人間を管理し、より「清浄な世界」を築く為に生み出された「神界の財宝」……
光神ルーファスの意志の許、全ての神族の力を用いて作られた「終焉」の力は余りに強く
「生の破壊」と「静寂の命」を司る闇神と言えども滅し去る事叶わず


五柱の神が「財宝」の息づく「聖地」に赴き、残った神々の協力の元、方向性を変えた力をそれぞれの属性の祭殿に封印し直した

眠れる地神エルデアの意志を受け継ぐ砂霊ファーリィスと樹精フィルヴァールはリナークに、氷神シルフローアはフューリエンに、火精カーリラーシェはカーリアスに赴き、その地(祭殿)を治め…

闇神ヴォードはラグナケイブ……
「終焉」の潜む地に赴きかの地(聖殿)を治め、滅びの龍に呪を施した


古の言の葉は語る
再び「財宝」が目覚めたならば「神龍ヴァスター」……光神の妄念を宿した魔が倒されぬ限り、一度開かれた破滅への道は封じられる事はあり得ぬ理
しかしかの龍が倒されたならば、破滅への力は消え、人も魔物も己が道を歩む事になろう…と


ヴォードの光神を倒した刃は神龍ヴァスターの内に封印され
神なる龍は相反する光と闇の属性を共に抱きながら眠りに就いた

ラグナケイブとは忘れられた言葉で「終焉の祠」の謂


「神界の財宝」に端を発する争いと混乱が止まった時、既に神々は殆どが力を使い果たし、この世から姿を消しさった

光神族・火神族は既に無く、眠り続ける地神は目覚める事無く
様々な種に分岐した水神族の流れは辿れず、闇神族も人の姿を留め得ぬばかりに薄れ往き
信仰による支えを失った後に持てる全ての力(ヴェリス)を使い果したヴォードにも転生の為の魂(ゴースト)を新たに作る力は無く…


かくて数千年を超える栄華を誇った神族は消え行き、僅かな名残が人の言い伝えに残るばかりとなったのである

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Vazial Saga


西の国の四天王(大戦時設定・細部要修正)


大戦中、反帝国軍を率いて戦い、後(大戦末期)には独立勢力として独立国家体制を作り上げた四人の指導者。
「碧空のアヴァル(黄砂の闘神)」、「白の龍王シリオン(双刀の龍神)」、「紅の聖女アシュラ」、「黒の歌人グロリア」
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碧空のアヴァル

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白の龍王シリオン

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紅の聖女アシュラ

アシュラ・レイ 別称:紅の聖女、白の妖姫

 元帝国領、北部地方第28地区(後の司啓)に生まれる。
 柔らかな白い髪と鮮やかな深紅の瞳、激しい気性とスペシャルクラスの超能力の持ち主。
 その能力は「過去、遠距離など視界外の事物を視る」等、時空間に関わるものと「精神波の送受信、他者の精神に介入する」等、人に関わる物に大別される。
 念動などの物理的影響力は一切持たない。
 幼少時に特殊能力者としての資質に目覚めて修練を重ね10代になるまでに一通りの制御を身に付け、僅か10歳にして地方代表指導者に選ばれた天才少女。
 帝国名誉貴族エクセル・セストの非公式の血脈

 代表就任後は、同じく地方代表として活躍していたシリオン・セスト、アヴァル・ラス、グロリア・ギルファートたちと親交を深める。
 大戦末期、第18地区(後の迦沼)を拠点として活動していたが、同地区で行われた激戦と最終兵器発動の中で消息を絶つ。

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黒の歌人グロリア

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西国四天王遊び(小ネタ)


 大戦終結後から神暦開始直前までの間、子供たちの間で流行った遊び。
 西国四天王を模したヒーロー、ヒロインとなり、キャラクター毎に気障な決め台詞と派手な決めポーズ、意味不明な必殺技などがある。
 要するに所謂「勇者ごっこ」、「戦隊ごっこ」の類である。

 ちなみに実際の「西の四天王」には、特にこれといった決め台詞やポーズというものは存在していない

 神王育成機関の施設内でも、周囲の大人の目を盗んで密かに遊ぶ者もいたらしい。
 シャラとシアン、その他の神王候補者たち数名も幼少時から頻繁にこれで遊んでいたという。
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女神の庭(紺華・要整理)

紺華の聖域

 紺華には「女神の戯れ」と呼ばれる花が集められた聖域が存在する。
 元々の名は「青月華」、蕾の色は深い藍色、咲き始めの花弁は鮮やかな青で時が経つに従い淡い空色の花になり、最後には白へと変わって散っていく。
 精神安定作用がある為、本来ならば薬草としての価値も高い。
 元は西暦時代の遺伝子実験で生み出された種が神暦の初期辺りから更に変異を繰り返し、所々に点在する様になったと見られているが、シャラが第16神国の統治者となった時には自生しているものは既に殆ど姿を消しかけていた。

 シャラの治世の始めに神国中から青月華が集められて1箇所に移植され、以降、その地は許された少数の者によって管理される「聖域」となった。
 青月華は「女神の戯れ」と呼ばれ、「かつてこの地を治め、やがて天に昇った女神からの贈り物」として伝えられる様になる。
 紺華の伝説では「女神の戯れ」は空色に変わった時、心の底から望む願いを一つだけ叶えるといわれている。
 一面に青月華の咲く「女神の庭」はこの世界の時間から切り離され、時に天上の女神が訪れ、憩う地として信仰され、更には「神」の心に叶い世を去った者の魂もこの地にて憩いを得る事が出来ると伝えられている。
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宿命の紡ぎ手たち(リヴァス・要整理)

世界の力と知識の器たるヴェイ・ルースと彼を守る力の織りなす魂について

ヴェイ

 神暦の始まる前から久しくリヴァスの辿る様々な道筋を見つめ続け、遥かな未来に「リヴァスの魔法王」が誕生する事を予見する。
 以来、様々な可能性を持つ未来を辿り、取るべき「最善」の道がその時空にある事を確信、自らの身と引き替えにしても世界を「トゥ・ルース」の王として存在する未来へとつなげようとする。
 その行動は宇宙をも含めた「滅亡」へと続く分岐から、「世界の運命」を外す事が目的となっている。
 ゆったりとした口調で話す上に相手の全称号を略さず呼ぶ為、神王同士で話す時にはかなり時間がかかる事もある。
 「お早うございます。 今日は良いお天気ですね(早朝、庭で頭上を横切った渡り鳥に)」
 「覇帝ソウリュウ殿、これはこれはお久しぶりですね。 お国の皆様はお変わりはありませんでしょうか?(神王集会でソウリュウと再会時に)」
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トゥルー

 魔鏡の実体化した存在で、ヴェイの精神(意思)を守る為に存在する人格。
 魔力の扱いに長けており、常に冷静で怜悧、感情の起伏は殆ど見られない。
 口調は常に丁寧で機能重視な説明文的(?)。
 「たとえヴェイ自身が倒れるとしても、未来を繋がねばなりません。 それが彼の願いなのです」

 現実(物理)世界に現れる時は、半ば実体化した黒髪の「魔法王」の面影を持つ影として出現。
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ファウル

 魔鏡の実体化した存在で、ヴェイの存在(身体)を守る為に存在する人格。
 並外れた戦闘能力に加え、巨大な自信と贔屓目に見ても傍若無人な態度から洗脳時以外の外交等には適さない。
 「ふん、我輩がいる限り、お前らのごとき雑魚がヴェイに手出し出来る訳があるまいよ」
 現実(物理)世界に現れる時は、褐色の髪の「????」の面影を持つ影として出現。

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龍戒のニ龍(玉座の双龍)(要詳細整理)


 龍戒の神王城の玉座を飾る一抱えほどの大きさを持つ二体の龍。
 玉座に絡み付く形になっているのは瑠璃を彫り刻んだ「瑠璃龍」で神王の「権力」を表し、玉座の許に横たわるのは翡翠を彫って作られた「翠龍」で神王の「永遠の命」を示す。

 玉座の間は謁見の為の場所だが、それとは別に瑠璃龍の用途は孤独と過剰なストレスを満喫した時のソウリュウが酒杯を投げ付けて壊す為の台として使われている事が多い。
 その折、翠龍が何を聞いていたのかを語る者はいない。

 神暦290年代に入って皇国が分裂した頃、玉座の間から翠龍は姿を消した。

 後日、易爻の城にて翠龍の姿を見た者がいるという噂が密かに流れ、戦乱に紛れそれもいつの間にか消えて行った。

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幾つかの肖像画(断片・要詳細整理)

 神暦の「神王」たちについて神暦後に発掘された各国史書断片や後世の研究者たちによる評論抜粋など

天使たちの守護王


 シャリ国神王ルイ・シャミオン、通称沙彌(シャミ)は独特の風貌を持った神王として知られている。
 褐色の髪をした中肉中背、取り立てて美男でもなければ醜男でもないありきたりの、むしろ貧相とも呼べる容姿であり、褐色の目は異様に鋭く、鷲鼻と尖った顎、引き締まった口元と相まって酷薄にすら見えかねない。
 しかし常に浮んでいる諧謔的な笑みと、瞳に湛えられたどことなくとぼけた光がそれを和らげ、時にはある種の優しささえ感じられたと言う。
 一説には小鳥の顔をした猛禽、羊の皮を被った狼とも言われているかの神王は、自ら爪を畳み、牙を折っていたのかもしれない。
                                      ――神暦記論考「第三十五章 天使の舞う国シャリ」より抜粋――
2009年04月17日(金) 20:47:14 Modified by sterraaria




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