旧い洋館の主は見目麗しい残念系
横田市立安須間第一高等学校、3−B所属の女子高校生。母がロシア系のドイツ人。
本名は"キルシェ"(由来は『der Kirchenbaum』=独語で『桜の木』)。
アルビノめいた透けるように色白の肌と高い鼻、肩甲骨の下まであるソバージュの白い金髪がトレードマーク。
八岐吏正宗たち"バスターズ"が依頼を受けた活動中に発見した、澤野市近辺の森の奥の古びた洋館に引篭もっていた女子高生。
女子高生を名乗ってはいるものの、日本人離れした外見から実際の年齢は不明(戸籍上は18歳『としている』)。
正宗たちに出会ってから一高へと通うようになった。
整った顔つきとスレンダーな日本人離れしたスタイルの良さで、見た目は『ヨーロッパの女性モデル』と言っても通るほどの美貌。
同クラスのデイジーが外見の割にかなり日本人ナイズされているのに対し、『まさに外国人』と言わんばかりに浮世離れした言動も散見され、
いつも焦点の合わない瞳でぽーっとしており、『天然外国人美少女枠(?)』として彼女を詳しく知らない一部の人間から期待されている。
しかし、会話の端々で拾ってくる、
最新の深夜アニメやアニソンに何故かやたら詳しかったり、男性同士の恋愛や同性愛に異常に興味を示したり、
いわゆる腐女子的素養があるらしく、彼女と親しい人間によって
「とりあえず知らない人間の前ではあまり喋るな」といつも釘を刺されている。
とくに好きなことに関しては語り出したらうんざりするほど長い上、文節分けも改行すらしない。
実際、ぽーっとしている時は周りに興味が無い時であり、極端に興味が無いのに場にいなければならない状況になると
寝る。
しかも場所を問わずに寝る癖があるので(自宅でも雑魚寝する癖がついているため)、立ったまま寝たりと芸幅が広い。
特に前夜に寝不足の場合は目の下に濃い目のクマが出来る事から、その確率は高くなる傾向がある。
人並み異常に優れた異常嗅覚を持ち、各種フレグランスの香りを始めとするあらゆる匂いを嗅ぎ分ける(特に血液の臭いに非常に敏感)。
また特技として、人間の体から分泌されるフェロモンの香りを嗅ぎ分け、その人の今の気分や傾向を大まかに当てる事も出来る。
ただ、鼻を近付かせて匂いを嗅ぎ取る行為は恥ずかしい、と本人が感じているため、人前で滅多に披露される事は無い。
体育の授業を体育館内で行う物以外は徹底して見学で通しており、体操服で端のほうで体育座りをしている姿をよく見かける。
これは彼女の生来持っている色素異常に伴う行動制限であり、直射日光下での運動をなるべく避けた方が良い、という彼女の主治医の判断によるものである。
また、特定金属アレルギーを持っており、銀製品に対して肌がかぶれるなどの皮膚異常を発することがある。
身体的理由の一部も含め、一高でも1、2を争うフリーダムな扱いの人物であり、気が向いたら学校に来るし、気が向かなければ学校に来ない。
生徒会長の龍門寺薫子によれば特異な外見の彼女を活かす為、学校のプロモーション活動がある場合には強制的に参加してもらう、
という教員代表と本人との間での特待生交渉があった上でそれを黙認している、いわゆる『芸能人枠』というような扱いとなっている事を発表している。
ちなみに彼女をモデルに起用した校外用のパンフ作成は、問い合わせが殺到するという異例の事態が発生したため、極秘に製作が進められている模様。
校内ではよく火神とデイジーと話しており、3人とも長身という事もあって『一高の3大タワー女』と陰で囁かれている。
神子島刹那は
喜屋武火神(ヤンキー南国系)と彼女(フリーダム北欧系)とデイジー・ハートマン(大和撫子アメリカ人)、3人の揃っている3−Eを
『万国ビックリ博覧会』と評した。
好物は各種フルーツジュース。果肉の入っていない物を特に好む。
ニンニクが嫌いだが、その香気が耐えられないほどキツいらしい。
また、水に慣れ親しんだ経験が殆ど無い事から、浮き方がわからないという理由で重度のカナヅチである。
『血』について(設定上のネタバレを含みます)
- 上述の通り、匂いを初めとする『他者の血液』に対して過敏に反応する。持って生まれた病的な物であり、流れる血を見ると舐めてみたいという衝動が抑えられなくなるのだという。
- 自身では異常な行為という認識はあるらしく、なるべく血を見ない様に極力自身では気を払っている、らしい(傍からはそんな風には見えない)。
- 他者の血液は、経口摂取によって彼女の肉体に多少の変化を起こす(覚醒剤の類のようなもの)。
- 実際に他者の血を舐めとる事でほぼ確実に、強制的に後述する『夜間飛行』状態を引き起こす。
- 血液量で持続時間には差異があるが、大体カッターナイフで誤って指を切って出血した量ぐらいで約5分間持続する。
- 強制的な『夜間飛行』は副作用としてへたり込むほどの強い疲労を感じる。
- 自分の血液ではその効果は発揮されない。
- 彼女によれば必ず摂取しなければならないものでもなく、血を飲むか飲まないかでちょっと体調が不便になる程度のものらしい。
- ただ栄養と同じようなものなので、体調を崩すほどに体が欲してる時はどうにかして飲まなければならない、という。
- 極限まで摂取しない状態になると大変凶暴になり、コミュニケーションを取る事すら難しくなる。
『夜』について(設定上のネタバレを含みます)
- 彼女は逢魔ヶ刻〜夜になると『夜間飛行』と呼ばれる特殊な状態に陥る。
- 人体血液に特別な反応を示す特殊体質の彼女にのみ備わっているものであり、家族も同じような体質なのかは不明。
- ちょっとした躁状態を想起させるほど、普段よりも酷く快活になり、雄弁に物事を語るようになる。ただ、ハイになるだけなので実害があるわけではない。
- 赤みがかっていた瞳が桜色に輝くようになり(『桜色の炎』と呼ばれる)、夜の時間が深くなる毎にその色は濃さを増していく。
- 丑三つ時(午前2時頃)をピークとして輝きの色は薄くなっていき、6時前頃には完全に消える。
- 夜にも関わらず昼間よりも良く物を見る事が出来る。
- 両眼に目を合わせられると、彼女の言葉に逆らえなくなってしまう(但し個人差があり、一部利かない人間もいる)。
- その膂力は容易くブロック塀を貫通する火神の正拳に匹敵する。
- 重力を無視して壁や天井を垂直に歩く事が出来る。
- 高く跳ぶ事は出来るが飛ぶ事は出来ない。蝙蝠や狼、霧に姿を変えたりする事は出来ない。
- 夜になってもカナヅチが改善されるわけではなく、全く泳げない。
- ちなみに彼女の持つ『夜間飛行』状態は、一高においては正宗しか知らない。