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なんかabout-16.1-3からの続き




●2015.2.15 カネがないなら


なんか新しいソフト、欲しいんだけどね。
前にも書いたけど高くて買えない現状。

景観作成3DCGであるVueはいまバージョン11だって、ここで問題なのはバージョンがいくつかあるのだが、かつていちばん安かったEaselというのがなくなって、その上にあったESPRITが現在の下位バージョン。 ESPRITは2万7千円するEaselより倍以上高い版。
これは、ちょっと買えませんわ。
Vue5Easelでも店頭で一万一千円を無理して買ったのに。
その後の6Easelはアップグレードしたもので値段不明。 忘れた。


背景を描くのに便利なのだが、6のままだと出来ることも限られる。 まあ下位バージョンである以上、今でもそうだけど。
バージョンが若いと不具合もあるし、他のソフトとの連携も弱いのが困る。
メインに使うShadeも新しくしたいのだが、どうもこの全体的に十年くらい前の環境で止まってる。 それが最新OSで動くってのがスゴいとも言えるが。

で、新しいのが買えないならどうするかというと、今までは何とか既存の機能を工夫して使おうという結論。
今思ってるのがその姿勢、既存の機能で我慢をしばらく継続しようと。

まず比較的、安定して動作するメイン3DCGソフトShadeで背景の山まで作りたい。
そのためには山に貼るテクスチャが欲しいが、文字などが入らない航空写真は手に入りづらい。 素材で売ってるようだが、タダで作れないものか。
そーゆーときにVueが便利と気づいた。
手順を言うと低い地形にプリセットの地面を貼って、強い影が出ないようこれまたプリセットの曇天で上から撮影、その画像をShadeの山に貼ればいい。
他にもいろんな地面が造れるので、それこそ工夫次第。




あとは過去に買った素材データを改めてみたりする。
十年ほど前にはコンテンツパラダイスというサイトが日本語版出していて、そこで素材が買えたが今じゃ撤退、英語わからんからそれっきり買ってない。
既に買った素材データを改めて見ると、なかなか使いでがある。
試しに「フレンチ家屋」みたいなデータを引っ張りだし、Wavefront OBJ形式をVueに読み込み、たくさんあるテクスチャを根気よく貼る作業したら、いい感じだったのでパノラマ撮影した。


パノラマにすればShadeの背景に便利だからだけど、このパノラマは他にもいろんな手段で造れる。
自分が撮影した360度カバーした複数写真から作るのはPhotoshopElementsの得意とするところだし、過去に買った空素材も使える。
空は撮影しておけば、一枚を上下反転でつなげ、それを左右反転でつなげれば360度全方位の背景になる。 上下、つまり地球でいえば北極南極は収縮して変な絵になるので、そこは何もない部分にするのだが。

あといろんなCG利用したとて、最後にできるのは静止画なのだから、レタッチでどうにでもなるという考え方も。
たとえばコレ↓


雑だがVueのプリセット樹木を撮影、色をかえて指先ツールでいじれば五分でキノコ雲に。
爆発もそんな感じで造れるゆうか、過去にそれで動画もやったし。
それとやはりVueだが、とにかく樹木でも植えこみでも撮影してそれをPhotoshopElementsのパターンスタンプにすることもできる。
ちなみにShadeでコーヒー豆つくって撮影、これをパターン取り込んで描いたのがこちら↓

たとえば背景の街にあるポスターに描くコーヒー豆、という程度ならこれでじゅーぶん。

繰り返すが最終的に静止画なのだから、植生とか3Dソフト側ではなく、PhotoshopElements側でなんとかすることもできる。
基本的にShadeは地形とか植生は苦手で、それを後から描けばよくね? という。
とゆか炎、光線、霧、雲などなど、ほとんどの効果が苦手なんでレタッチは基本です元々。

まーこんな感じでやりくりするんだけど。
例えば手持ちのShade11Basicってぶっちゃけ1920×1080のHDにさえ対応してないのでやっぱ限界があったり。
逆に最初に持ってたiShade(事実上のバージョン4)のほうが縦横4000まで対応していたよな確か。 なんでスペック下げた?
とりまShadeで作ったモデルをVue側で入力してレンダリングするか? そうだとしてもマシンパワーの問題が出たりする。
ソフトウェアもハードウェアも力不足を感じるなーというのが正直な。

まあそんなこんなの話でした。






最近観た映画



●トゥームレイダー

インディー・ジョーンズシリーズ、ハムナプトラシリーズ観たんで何となくの流れで。
HULUには何故か字幕版しかないけどまあいいや。

この作品、いちどテレビ放送で観ていると思ったのだが、視聴し始めて思ったのは「初めて観る映画」ということ。
しかし中盤の振り子で倒される情けない魔神像で既視だとわかった。
あとはラスト謎の古代機械で確信。
観たことはあるんだいちおう・・つか記憶では「テレビで観た」となっていたので逆に安心した。

トゥームレイダーの思い出といえば、かなり昔のiMacにバンドルされていたんだっけ、あるいは雑誌付録のCDにあったのかも。
iMacなんて初代リビジョンBでさえVRAM6メガくらい? iMacDV以降でも頑張って16くらいで、あくまでも入門用PCであることに違いなく、たいしたグラフィックは選択できないし、そもそも体験版トゥームレイダーなんでステージ限定、それも難しいからひとつかふたつ部屋くらいしか攻略できず。
でもこんだけで、キャラクターは理解できた。

映画で観るとララ・クロフト財団だっけ? よくわからんが屋敷から出陣して遺跡におもむき、二丁拳銃で大暴れする話みたいなものか。
まースプリガン的な話だと思うが、インディー・ジョーンズがかなり個性的なキャラ作りできてたんで差別化は難しい世界なのに、頑張って人に覚えてもらう人物像をこさえたのはエラいかも。
※いまぐぐって調べたが、とくに財団とは書いてなかった。 単なる屋敷住まいの模様。
ビジュアル的にはさほど似ていないアンジェリーナ・ジョリー(相変わらず覚えにくく、アンジョリーナ・ジェリーと書きそうになる)が、いわゆるつけ胸までしてゲームキャラを演じているのだが、クリソツである必要はないので充分合格かと。
まーしかし、代表作ともいえるこの作品も、もう十五年か・・感慨深い。

内容的にはキーアイテムの争奪戦みたいな、わりと失敗しにくい題材を描いているが、それにしてももう一度観るまでストーリー忘れていたので薄いかも。
ゆうてもこうした映画は筋を覚えるのではなく、印象的なシーンをつなげて記憶にとどめる方式が普通。 つまりインパクトも薄いのかもしれない。
意外っちゃ意外だけど、異文明をさほど雑に扱わない作品で、例えば現地の人々は何もかもお見通しである的な演出が時々ある。 要は最低限の敬意は払ってあるのが珍しいというか、墓荒らし要素が高いのでバランスとってるのかも。
ララ・クロフトは天才考古学者の娘にしてはやることが考古学離れしているが、ゲームなどではちゃんと設定があるのだろうか。
何を考えて冒険を繰り返すのかがよくわからんキャラではある。
でもまあ全体的に、普通に楽しめる水準であるとも思っている。

だがしかし、どうもハッキリ「こいつは傑作だ!」と断言できない何かがあるんだよな・・・。
細かいこと言ったらキリがないが、観て損するほど酷い映画ではないし、二作目も観たいと思ったのでよし。


●トゥームレイダー2

せっかくだから二作目も視聴。
アクション満載のシリーズだが、ふたつ観ると問題点もわかってきた。

まず前作から引っかかっていたのがルール不明な点で、敵組織が屋敷に押し入ってきたが、撃っていいのかどうかよくわからないことになっていて、むろん派手に発泡はしているんだけど、最後は殴り倒してキーアイテムはとられてみんな撤退していったみたいな。
これがインディー・ジョーンズシリーズやハムナプトラシリーズだと、敵の戦闘員はポンポン死んでいって、中には相当酷い死に方もあったり、またジョーンズ親子が直接手を下すこともあり、逆に安心して楽しめたのだが・・・。
トゥームレイダーのララ・クロフトは敵を撃っていいのか、遺跡や街でピョンピョンアクションするのが役目ではないのかという疑問が早い段階ではわからずモヤモヤ。
結果的にこの二作目でかなりの敵を銃で倒していて、ああやっちゃっていいんだとプレイヤーでもないのにやっと安心した。

あとはいろいろ間抜けすぎるところがあって、それが映画独特の「ニヤリ」につながらない欠点も。
これまたインディー・ジョーンズで例えるが、あれも相当に間抜けだが、観客がニヤリとなる至高の瞬間でもあったわけで、そーゆー楽しみ方ができる間抜けではなく、トゥームレイダーのは単にセンスが欠けていただけみたいな。 敵の首領、ララのナイフ投げでアレ死んじゃってるよな、その後誰かが組織を引き継いだらしいが・・・最後に言い残した取引場所にもうひとつの敵組織がのこのこ現れて、アイツラの情報収集力どんだけ無いんだよと思う。
何となく、全体的にのどかなんである。

内容的には頑張ってるというか、インディー・ジョーンズシリーズの最初で聖櫃やっちゃったから、扱うべき題材はやっぱパンドラの箱だよなという納得力がある。
中身は疫病であろうということで、悪の組織が中国の、街ど真ん中に研究所置いてるあたり、なーんか過去に観たような気もして、もしかするとテレビ放送観たのかもだが、あまり記憶を追求する気にはならなかった。
あとはなんだか順路をたどるような感じにアフリカの遺跡で敵組織や番人と張り合うと。
洞窟の中、重力が定まっていないというアイデアはなかなかだが、こーゆー時こそさっきまで得意気に使っていたCGで表現すればいいのにな・・みたいな物足りなさも。
最後に悲劇的な結末だが、どうもこの「なんでだよ」みたいな感じもあったり。

それなりに楽しんだが、やっぱり傑作という感想はなかった。
原作ゲームの魅力はたぶん、あまり再現できてないのかもしれない。


●スコーピオン・キング

ハムナプトラシリーズのスピンオフ、という認識があった作品で、それはまあ間違いではなかった。
俳優さんが同じなのか知らんが、あのシリーズのスコーピオン・キングと似た顔だったし。

はじまってすぐ驚いたのが、コレ前にも観たことあるわ〜という点。
それもかなり鮮明に各シーン覚えていて、どうやらタイトルだけを失念していた模様。 わざわざ借りた覚えないんでテレビ放送観たのだろう。
内容的にはインディー・ジョーンズからスター・ウォーズ、コナンシリーズ(バーバリアンの方 子供探偵ではない)のパロディが多く登場するB級アクションみたいな。
ランボー3の洞窟アクションのパロディもあるし、毒蛇ルーレットみたいな展開も。
逆に懐かしい雰囲気で、80年代はこんな映画がちょくちょく存在していたのをどうしても思い出す、というか既にコナン・ザ・グレートの各シーンと脳内でごっちゃになっているくらいの親和感。 ま、逆に言えば絵が旧いってことでもあるけど。
レッドソニアとかもう誰も覚えていない感じだと思うけど、わりと嫌いじゃないというか好きですねこのジャンル。
その結果、なかなか良い塩梅な作品になっているとは思う。

やや残念なのは、5000年前というなーんもない(考証しようにも資料がない)時代を扱っていることで、まあここはコナンシリーズっぽい雰囲気狙いだろうね。
いちおう中国が先進国で、ソドムとゴモラがある的なムリクリ設定は用意されていて、あまりツッコむのは野暮なのだろう。
あとはハムナプトラシリーズのスピンオフとしてはずいぶん低予算みたいで、モンスターとかほとんど出ない。
戦闘シーンも大人数が出ないんで、やはりそこも80年代映画を思わせる絵になっている。
それと強い者が王になるという都市国家(ソドムとゴモラのどっちか)なのに、敵の王はそんなに強かったか? という感想も。
またスコーピオン・キングことマサイアスが戦う動機はしっかり描いているが、もちっと強調したほうが楽しめるかと。
どのへんで義侠心が芽生えたのかとか、わかりやすーくして欲しいというのは贅沢だろうか。
最後はなんでケンカしてんだよ、となってくるから。
そんな点を大目に見れば、定番でなおかつ及第点みたいな作品だと言える。

ただハムナプトラ2の、あの凶悪&醜悪なスコーピオン・キングと同一人物なの? という疑問は盛大に湧いて出る。
ともあれけっこう印象深い映画なんで、なかなか良かった。
タイトルくらいはしっかり覚えておこう今後は。


●スコーピオン・キング2

続編があるのかスコーピオン・キング・・と観たのだが、実はレンタル店で3をみかけたような気もする。
そんな人気コンテンツの要素、あるかなあという疑問はさておいて。

今回はスコーピオン・キングことマサイアスの若いころだってさ、売りである人気レスラー「ザ・ロック」が登場しないんかい!
つかどんどん話が巻き戻ってるやん。
しかもウィキペディアで調べても詳細ないし、ビデオ映画として公開、という情報しか。
じゃあコレ、テレビ映画みたいなものか、ふーん。

まあでもそれなりに面白かったです。
途中、脚本が迷走しているようなところもあったけど、さほど矛盾はないというか、ファンタジーはホラ、自由だから。
でもまあ自由すぎていろいろアレですな、古代要素をつまみ食いしてるんだけど、最初の最初で五千年前に設定しちゃったから無理があるわけで。
あまりツッコむのは野暮だとは思うが、さすがに五千年前だと中国が先進国、というのも無理あるし、当時の言語なんて不明だし、シュメールもハンムラビ法典的な秩序もないし、なにより鉄器なんてあるのかという疑問も。 まあ定説では三千五百年前くらいとされているんだけど。
またギリシャ人のキャラクターがよくわからんが、向こうじゃわりとウケるのかも。
あとはかなーり古参な文明であるミノア文明が栄えた時代よりも旧いので、ミノタウロスとかいるのか、とも思えて。

前作とは違ってかなりモンスターが充実しているが、やっぱり着ぐるみっぽかったり、妙に量感のないCGだったりするがまあいいや。
いちおう建前はハムナプトラシリーズのスピンオフなのだから、それなりにファンタジー要素多めにしてほしかったので、単純に嬉しい。
たとえそれが雑なCGであっても。

中国人はこの手のファンタジー道中にはぜひとも欲しいキャラクターなんだけど、今回は最後で無双してたな、やっぱり中国拳法は強いということで。
それにしても繰り返すようだが、なんで五千年前に設定しちゃったかな〜せめて三千五百年前にしとけばいろいろ歴史や神話を絡めて楽しめるのに。
まあ最高の素材はローマなんだけど、歴史が詳細すぎて割り込む余地があまりないのだろうか・・・ポンペイ最後の日の舞台であるポンペイ都市など、けっこう歴史&物理で埋もれていたっぽいし、アレキサンダーの都市など全容さえつかめず、彼自信も後世でちゃっかり神話入りしてるし、やりようはあると思うが、やっぱりギリシャ文明あたりが扱いやすいかも。

まあ創作話だからほんとツッコミは野暮だというわけだが、マサイアスというキャラで語り続ける必要ああるのかなとは思う。
少しでも有名なキャラで通したほうがやりやすいってのはあるんだろうけどね、じっさいタイトルに釣られて観た自分が存在するわけだし。
あと観終わったあと、やはり首を傾げたのが過去に観たような気がするような、しないような・・・テレビ放送で観たっけコレ。
だとすると前作と違い、だいぶん印象が薄い作品ということになるのだが。

ま、いいか。
この手のB級ファンタジーは存在するだけで嬉しいので、今後も作り続けてほしいもの。


●ヘラクレス

一言でヘラクレスゆうてもいろいろありすぎて。
イタリアでは何度映画化されたかわからんくらいだそうだし、80年代でさえシュワルツェネッガー主演のがあった気がするし。

ここではザ・ロックつながりで2014年のヘラクレスをGEOで借りてきた次第。
つかザ・ロックではなくドウェイン・ジョンソンで通っているみたいで、まあプロレスラーより俳優本業になったのかなみたいな。
面白いのははるか超古代の神話時代ではなく、わりと最近の、歴史上のギリシャを舞台にしている点で、じゃあなんで神話のヘラクレスが・・・思ったら自称ヘラクレスで、言っちゃえばヘラクレス詐欺なんだよな、確かにヒーロー的な強さなんだけど。
でもってこの人、ザ・ロックだっけ・・・と思うくらい容姿が涼しくなっている。 ヒゲは暑苦しいが。
もしかしてこの自称ヘラクレスは別な俳優で、あとになって本物の、ザ・ロック演じるヘラクレスが降臨するのか? となったが。
そんなことはなくて。
ずいぶん穏やかな雰囲気になったがザ・ロックことドウェイン・ジョンソンそのものでした。

ドウェイン・ジョンソンはいちおう二メートル近い巨人で、人気筋肉俳優とプロレスラーの両面があることから、ハルク・ホーガンとアーノルド・シュワルツェネッガーの間くらいの立ち位置っぽい人になるのかな、最初は悪役だったがだんだんそれが似合わなくなる点などシュワルツェネッガーっぽいのだが。
それはいいとして、観てみると妙な感じの話運びになってくる。
どうやら史実にあるようなギリシャを舞台にしてヘラクレスは神話、というところまでは最初に思ったとおりだが、ヘラクレス神話が形成される過程を描いている模様。
主人公チームが傭兵やりながら、話を吹聴して現代人が知る例のヘラクレスというキャラクターが誕生するみたいな。
でもって内容があんがい面白い。

夢とかイメージシーンでしかモンスターが登場しないんだけど、傭兵たちのアホみたいな強さはファンタジー級で、その部分は単純に楽しめる。
いっぽうでギリシャ史劇、それも創作ものという一面もあり、そこでまた別な楽しみがある次第。
はたまた市民を強力な兵団に仕立てる仕事も見どころがあり、立派に育った彼らをみて我々観客も満足するのだが、それが後の災いに・・・という、けっこー盛り上げてくれる映画でした。 コイツが悪の根源か、と話を追っていき、その人物が高所から墜落死した時点で「あ、平和が戻った」と即理解できる単純さも良い。
前に観たスコーピオン・キング2のギリシャ人みたいなキャラもいたけど、今回はみーんなギリシャ人なので確か「アテネ人」という感じに。 しかも筆記者ではなく創作者という役回りで。

これまたスコーピオン・キングとの比較だけど、今回のヘラクレスは逆に、リアルな人間社会で神話が生まれる話なんで、時代設定を紀元前数百年くらいに設定できる。
つまり鉄器などが存在しうる時代で、他にも高度なギリシャ文明が映画に取り入れられるので、無茶なアクションのわりにバランスがいい。
途中、忘れられた人物がいたような気もするが、いろいろうまくまとめているなと思う。
歪んだ人物が少ないがそれまた王道みたいなストーリーだと思えば文句はない。

総じてかなり満足度の高いギリシャ映画でした。




●ビッケと神々の秘宝

2009年のニュースでドイツがビッケの実写映画つくったと聞いて以来、ずっと観たかったのがようやくGEOに登場!
と思ったらタイトルに副題ついているから二作目か・・・とガッカリもしたが、ともかく借りた。

ドイツってそんなに映画がうまい国じゃなくて、ぶっちゃけ日本と同レベルくらい。
予算も少なく、ウィキペディアによると製作費13億で巨額というからハリウッドに比べてエラく小さい。
でもそんなん問題じゃない、結論から言うとハリー・ポッターシリーズよりずっと面白いし、好きな作品になった。

世界的な人気があるビッケの映画化だが、伝えられているニュース画像やパッケージで一目瞭然、ビジュアルイメージは日本のテレビアニメ「小さなバイキング・ビッケ」が元になっているという、我々アニメを観て育った日本人には極めて嬉しい映画となっている。
それだけに、なんで日本で公開しない! という気持ちは強かったが。
単純にキャラクターのビジュアルを似せただけではなく、ビッケがアイデアを思いつくたびに登場する背後の星エフェクトまでも再現している。
要は人気童話ビッケの映画化というより、日本のテレビアニメ映画化にちかいニュアンス。
なんでそうなのかというと、どうやらくだんのアニメが日独共同制作だったからだそうな。
まあアニメーション製作はほとんどが日本だと思うが、向こうでも企画、放送、視聴という形でドイツの旧い人々に馴染みなわけかなるほど。

切れの良いハリウッド映画とか見慣れているとずいぶんもったりした作品にみえるが、それでも充分楽しさは伝わった。
やっぱりこの予算でも面白いもんは撮れるんだよ、誰かやろうと思ったら日本でも出来るんだよきっと、と希望がみえる話ではある。
予算といえば映画製作側と内容ともあんがい合致していて、登場する船がずいぶん小さいのだが、設定上「うちの船はちっこいから・・」ということで必然なわけか。
つかあの村がちっこいからこそ面白いんだろうね、タイトルも小さなバイキングだし。
ものっそ冴えなくて、しかも極めてダサい弱小バイキング村だけど、振る舞いはバイキングらしく・・というテーマだと思うが、今回は二作目で考える力は必要とか自分の行動を決めるのは誰かとか、そんな事を語っている。
過去に何度もビッケのアイデアに救われて、親分もそれは認めているのに、やっぱりバイキングらしくないということで末席なんだよなビッケは。
本人は「これでいいのか」と悩んでいるようだが、それはバカボンのパパに相談したほうが・・・話がズレた。

ヒロインの女の子がなかなかいいよね、可愛いというよりかなり美人で、とにかくいろいろやらかして活躍する。
本来だったらアマゾネス的な島の美女軍団のほうが見どころなのだが、あちらは基本的に立ち演技ばかりなのでどうも冴えない。 ヒロインのほうはビッケと同じくらいちっこいけど口は悪いし手癖も悪くてとにかく活劇する。 そのほうが魅力なんだなとことで、なんというか映画力みたいなものを実感した。
この前に観たスコーピオン・キング2のギリシャ人みたいなもんで、映画はやっぱおとなしい天使より、走っこい悪魔を描いたほうが映えるんだという。

低予算な映画は見慣れているが、そこで「雑な映画と丁寧な映画」という違いが生まれてくるわけで、ビッケはむっちゃ後者。
しかもコレ、ネットでしらべても詳細がわからないんだよねドイツ語版ウィキペディアでさえ。
こうなると「みんなが知らない宝物映画」という面もあるわけで、なかなか気に入っている。

ハリウッド超大作にくらべりゃいろいろ稚拙でも、大切にしたい映画ってあるじゃん、そんな感じで。
ホント、観れてよかったわ。


●ザ・ムーン

HULUにもあるが、あえてGyaO!で視聴。
理由は幾度も書いてるが、くだらない経緯でPC板のHULUにログインできないためで、ふだんはAppleTVアプリのHULU、つまりテレビで映画を観るが、ときには作業の合間にiMacで観たいこともあるわけ。
ザ・ムーンは劇映画ではないし、そんな気分になった。

内容的には何度も何度も繰り返し放送されてきたアポロ月着陸のドキュメンタリー。
それでも月着陸話は新しければ新しいほど充実しているのが基本なので、観る価値がある。
GyaO!は時々画質がいいが、今回はどうもHDではないっぽかった。 それでも新しいドキュメンタリーは画質がいい。
アポロ月着陸のドキュメンタリーだから当然のように旧いフッテージとか使っているものの補正技術が高くなってるのか、見慣れた映像が綺麗だったりする。

また宇宙飛行士のインタビューも、歳を重ねるごとにぶっちゃけてくるという法則がある・・わけではないが面白い話が聞けるもの。
ゆえにケッコー面白い映画なんだけど・・・。
内容の濃さを問えば、もっとスゴい番組があると思うよ。
何かに特化してこだわったドキュメンタリーもあった気がするし。

今回の映画「ザ・ムーン」は、漠然としたアポロ計画の全体像を語ってる感じ?
逆に今、必要なコンテンツかもね、月着陸ってなんだっけ・・と言い出しそうな世代が既にいるし。

言っちゃえば特になんかある作品ではなく、特に陰謀説とかはラストで真っ向から否定していて、劇映画でもないし、隠された真実を暴く的な盛り上がりもない。
単なる記録とインタビューで構成されたフツーのドキュメンタリーなんで、変な期待をするとガッカリするかも。
個人的には観て損のない映画だと思ったけど、もしかすると人を選ぶかも、ということ。

とまそんなわけ。


●ゴールデン・チャイルド

懐かしいタイトルがHULUに来てました。
ゴールデン・チャイルドか〜最初に観たのは記憶曖昧だがたぶんVHSレンタル。
十年くらい前にもテレビで観た気がするが、おそらく映画館では観ていない。
1986年の作品で、つまり90年前後には格安で各地の映画館にかかっていたはずだが、たぶん観たのはレンタルビデオと思う。

個人的には好きな映画なんだけどね、出来が悪すぎると主演のエディ・マーフィーが激怒したという逸話がある。
なにがそんなに気に入らないんだろうね、本人もよくわからないようだが。
まーそれはとりあえず置いておいて。

特筆すべきはふたつ。
まずはその特撮で、例えば空き缶ダンスなど現在のCGとくらべても遜色ないくらい動きがよく、また従来のストップモーションアニメよりも綺麗に撮れていた。
(これまでのモデルアニメーション作家は背景に平気で16ミリフィルムとか使ったりして画質はイマイチ)
サードがネズミから变化する場面や地獄の風景を横顔のアップから延々とカメラ引いて見せるとことかデーモンの描き方とか、とにかくその後のコンピュータグラフィックスと同じようなセンスで撮ってるのがスゴい。 なんならスコーピオン・キング2のミノタウロスよりもうまく描けているくらい。
今日はじめて気づいたがゴールデン・チャイルドのスタッフにフィル・ティペットが混じっており、つまりカクカクしたストップモーションアニメの弱点をゴーモーションで補ったと思われるわけ。

もうひとつはテーマ曲で、最初に観た時から脳内に定住しているくらい馴染みな曲。
なんか別な映画音楽に似ている気もするのだが思い出せず。
これだけでもインパクトある映画だと思うんだけどね〜。
また異常に軽くて調子がいいが、実はものすごい正義感のある主人公、というわかりやすいキャラもあんがい好きです。
なにがあっても悲壮感で沈まなくてすむから。

でもって馴染みの顔もいいよね、ぐぐったらヴィクター・ウォンという俳優さんだそうで、ジャッキー・チェンの映画に出ていてもおかしくない個性があるじーさん。
エキゾチックがブームだったのか、チベットに目を向けながらも最後はゴールデン・チャイルドをアメリカンなファッションで包んでしまう節操の無さも、現在では一周か二周して受け入れられる。

更に言うなら全てのシーンが印象的で、何年たっても忘れがたい作品。
ちょっとしたギャグも変な場面もわりと細かく覚えている。
確かにB級アクションで、何かと雑だしアホ映画だし、名作だとか言う気はないが。
にしても激怒するほど悪い作品ではないと思う。

とにかく懐かしいし、楽しめました。


●ヒックとドラゴン

いちどBlu-ray借りて観たが、HULUにあるんでせっかくだから観た。

いつかここで記述した作品だけに感想はまったく同じで、スゴい映画だと思う次第。
いろいろ試行錯誤した結果による高揚みたいなのが非常に充実してる感じで、なんつか達成感みたいなのが、自分は座って観ているだけなのに味わえる。
前にも書いたが小さくて弱っちいくせに向こうっ気が強く、人の話も聞かない全身が欠点のヒックという人物が、最後にはその多すぎる欠点の全てが自慢になるという過程もマジでよく出来ている。

人の言うことを聞かないのはオリジナルなアイデアがあるためだし、注意力がないのはより多くに気を取られるからで、小柄で弱そうだがドラゴンに乗せればいちばん速い、という具合に、欠点が全て長所にかわってゆく。
通常の動物よりは懐っこいドラゴンだが、それでも友人になるのは難しそうという微妙な感じも「触れるかも・・」という期待感につながってなーんか惹きつけられる。 つか劇中のバイキング村では凶悪無比と思われていて、ドラゴンの実態を知っているのはヒックと観客だけなんで妙な共感が生まれるし、それを解き明かしていく過程も楽し。

また映像的にも見どころがあり、なんせ2009年の時点で百五十億円くらい? 巨額でしかもベテラン集団ドリームワークスだから他のアニメ映画じゃなかなか到達できない領域に達している。
そんだけ予算あればデザインも凝れるしなにかと充実。
つか予算関係なく、単純に情に訴えて感動〜的な「内容の安さ」とは無縁に仕上がってるのがいい。
何を積み重ねて何を工夫して何を成し遂げたかちゃんと描く気があるから感動です。

ただ日本語版のいい加減さは相変わらずとゆうか、子供向けコンテンツに分類してるから今更修正できないんだろうね、ナイト・フューリーの名前がトゥースって・・・原語ではToothless、トゥースは歯でトゥースレスは歯無しだから逆やんか。
あとこれも前に書いたけど、冒頭とラストのナレーション、ペストとペットというダジャレもあるが、まーなんつか、トゥースにしてもペットにしても「元からセンスが悪い」部分だからいいか、と思えてきた。

とにかく何もかもが盛り上がるたいへんめでたい映画なのでよし、ということで。



●ヒックとドラゴン2

こちらは配信してないか、してても高いのでレンタルで。
ここがややこしいところで、iTunesStoreなどの配信ってやや高いけど、新作であればレンタル屋とかわらないし、あわてて返しに行く必要もないのでお得なのだが、日が経ったコンテンツはレンタル屋で百円くらいになり、いっぽうでHULUに来るかも・・と微妙な感じになってくる。 ヒックとドラゴン2はまだHULUなどに出てこない売れ線で、なおかつ時間は経っているのでレンタル屋で百円という「物理レンタルがお得」という立ち位置ある。

まあそれはどうでもいいや。
もう名作と断言してもいいだろう、ヒックとドラゴンの続編です。
まだまだ語るべき細部が多いので続編は必然だが、まーどう転んでも前作ほどの革命はおこせまい、という感じで観たらそのとおりであった。 あくまでも両方順序よく観る、という前提で価値がある作品か。
例えばドラゴンの燃える唾液とか、むろん生活で便利そうなアイテムだが、冒険でうまく活用できないか、という部分を続編でみせることができる。
またドラゴンライダーというジョブの、洗練された姿もみせてくれるのが続編の魅力。

なんといっても前作で多くの人が「あり?」と思った部分を今回、うまく見せたのがいい。
つまりヒックの母親はドラゴンにさらわれて死んだ、という話と、ヒックが解き明かしたドラゴンの生態とが矛盾する点。
ドラゴンってそんな凶暴な生物じゃないやん、じゃあ母親も生きてるんじゃ・・・となる。

内容的にはややガチャガチャしているというか、詰め込み過ぎはむしろ嬉しい種類の映画だからいいか。
しかし二作目観て、なーんか前作に遡った疑問が出てきたのだが、ナイト・フューリーがあの巨大なボス的とけっこう対等に戦えるってどうなんかね、一作目では長年続いていたバイキングとのドラゴン戦争、その元凶もまた巨大で絶対的なボスだったがみんなで戦って倒しているし、強さがハンパない。
世界観ゆうかパワーバランスいいのかなコレで、って思えてきたが、まあいいか。

結論から言って、先に言ったように前作ほどスゴい作品ではないが、相対的な話であって、映画全体、あるいはアニメ全般で考えると、やはり群を抜いてスゴい映画。
ベイマックスと並んで骨のある男子向けアニメと言ってもいい。
このシリーズは信頼できる! ということはもう間違いがない。
まー展開が重すぎで、コレ子供向けにはどうよ、って思えるけどね。


ちな三作目も製作予定だそうだが、内容はだいたい想像がつく。
リーサル・ウェポンからハムナプトラシリーズに至るまでほとんど、続編が進んだ時点に東洋風を加味して中国人大活躍となるので、ヒックとドラゴンなら中国拳法はもちろん、細長い東洋龍が出てくるに違いない。



●モンスターVSエイリアン

長いことHULUのマイリストに入っていたのをこのたび視聴。
順序で言うとじつはヒックとドラゴンの次となる。

なぜ急に観る気になったかというと、映画解説者の町山智浩氏が褒めていたから。
子供にせがまれて仕方なく観たら親のほうが潜在的なターゲットであるタイプの映画だった、というパターンみたいな解説だったような。

町山解説って審査基準がユルいし何でも褒めるんで注意が必要だが、話を聞けば感心しただけか、ホントに楽しんだかわかる。 今回のモンスターVSエイリアンは怪獣映画類が好きな大人が喜ぶタイプのコメディ。
まずどっからツッコめばいいんだろうね、途中のモンスター紹介動画は完全に過去のモンスター映画のパロディで、その動画内では・・・まずボブはどーみても「ブロブ(旧い方)」だし、コックローチ博士はハエ男だし、ミッシング・リンクは大アマゾンの半魚人だし、インセクトサウルスはゴジラ・・と思わせておいて後になりモスラと判明。

またこれも町山解説で別な話により知ったのだが、怪獣が街をかじるというのは旧い特撮ファンの知識だそうな。
なんでも911以前の子供たちは自国が攻撃される、というリアリティがわからないので、日本の怪獣特撮を輸入する場合に、なんで怪獣が街にやってくるかという説明が必要になり、英語に吹き替えるさいに「怪獣が街を食べてる!」というセリフを入れたそうな。
その分析がどこまで真実かはわからないがともかく、怪獣が街を食べるのは旧いアメリカ映画ファンの認識で、それをわざわざ入れてる段階で子供向けに見せかけたオヤジ向け映画ではないかと。
むろん現在ではアメリカのファンも日本怪獣映画の真実を知っているので、つまりは怪獣が街を食べるのはギャグとなっている次第。

例をあげたらきりないが、細かいところまで面白く、何もかもがパロディな構造になっている。
巨大化したスーザンが注射器を投げ返すのは、なんのパロディだっけ、かなり旧い白黒映画の予告編で観た場面だ。
大統領が宇宙ロボットと会話しようとして演奏するあたりもおかしく、普通に考えれば未知との遭遇ではなくインディペンデンス・デイ的な状況だとわからんか、みたいに笑える。
ちなそこからの全面戦争は、ふとトニーたけざき作品「岸和田博士の科学的愛情」を連想させた。 あの人のマンガを映像化すればあんなノリかなあ・・と。
大量のクローンが行進するところはなんだろうね、スター・ウォーズ/クローンの攻撃かな? あの作品よく覚えてないんでよくわからないが。 ギャラクサーの元ネタはわからねど、ガメラ対宇宙怪獣バイラスとかちょっと入っているかも。
また典型的なタコ型宇宙人でもある。
それと「本気でUFO信じていない観測所勤務」の連中、なんてコールした? 自分たちのコードネームをレッドドワーフとか言ってなかったか? そーゆーところで「コイツらマジに有事を考えてなかっただろ」とわかってしまう。

スーザンたちモンスターの活躍も楽しく、実はスーザンにスゲえパワーがあるとだんだん判明するのもいい。
後で考えると、エリア51など自力で脱出できたんだ、と気づかされるが、あの超パワーの活躍はスーパーマンや超人ハルクの魅力と同じ。 サンフランシスコに巨大ロボットが侵攻するというのはパロディを超えて、この後の「パシフィック・リム」や「GODZILLA 2014」とあわせて、ひとつの伝統を生み出している的な。

ただ絵的には翌年の「ヒックとドラゴン」より予算が上とは思えないとこもある。
ヒックとドラゴンってホントにライティングを工夫して自然に見せるようにしているんだなーと感心してしまった。
ホントにこれは、面白いもん、好きなもんを足していけば面白い映画になるという好例です。


●クォ・ヴァディス

ハリウッド超大作とか古代史劇とか好んで観ていると、自然と目に入るクォ・ヴァディスを借りて観た。
どんな話かな〜思ったらネロの大火あたりでした、これは面白い。

ネロといえば「ザ・ローマ 帝国の興亡」の第一話だっけ、あの役者さんの怪演も良かったが。
今回ゆうか、1951年の映画というから古典ですねもはや・・このネロもなかなかいい感じ。
病的な雰囲気を出していて、話に聞く「暴君ネロ」とはやや違う路線でうまくまとまったような。
ただ当時(映画史のほう)の風習なのか、超大作は三時間くらい、という法則があるらしく、時々退屈。
ムリに引き伸ばした感じが時々あるが、たぶん映画館で画面を眺める的なニーズがあったのだろうと勝手に想像している。

話も面白いんだが、実を言うとメインであるマーカスとリジアのメロドラマ部分はけっこう退屈だったりする。
それよかペトロニウスと奴隷女のほうが観ていて面白いし、彼らの最後はなかなか感動的であった・・・が、ペトロニウスが今際の際にスゲえ余計な事を話して筆記者に記録させるあたりはもう笑えて笑えて仕方ない。 あの暴君ネロに対し、これほど痛烈な言葉があるか、という見事な文章だった。 あーゆー為政者に「あんたのやりかた間違っとる」言っても効果ないんだよね、いやあるけどダメージは大きくない。 それよかもっと痛い言葉があるんだと思い知った。

何気に楽しませてくれるのがウルススとクロトンの対決が、明らかに用意されている点。
ヘラクレスか? と思わせるリジアの護衛ウルススの登場と、無敵の殺し屋クロトンの登場と試合での無敵っぷり、そしてリジアを尾行しようとするマーカスが「護衛にクロトンを雇おう」と言ったところからはじまる期待感はハンパない。

あとこの映画じつはキリスト映画だったんだね。
ネロの時代じゃややズレるのだが、間違いなくキリスト映画かと。
コンスタンティンがローマをキリスト教国家にする以前、最初の弾圧がはじまったころなんだけど、イエスの代理としてペテロが登場するし、マーカスが信仰にめざめる的ないい話となっている。

長くて観るのたいへんだったが、後半はあんがい一気に流れた感じ。
後になってから長尺映画名物「インターミッション」が無かったこと気づいたくらい。
テレビがまだ普及していない時代にこんな贅沢な、しかもカラーの映画を観れたってすごい体験だなしかし。
ぶっちゃけベン・ハーほど名作ではないと思うが、とにかく観て損のない作品だった。


●ベイマックス

映画館で観て以来、ひさしぶりに借りて観た。
しっかしTSUTAYAって最近、高くね? まあ一年ちょいしか経っていないのは確かだが、それにしても300円以上してなかったかと。 伝票あまり見ないんでじっさいの値段わからんがそんな感じ。
これだったら500円のiTunesStoreとあまり変わらないような・・・と思ったので、元をとる意味で特典映像もたっぷり観ました。

ヒックとドラゴンのところでも言ったけど、アレとコレは骨のある男子向けアニメと思っている。
だがしかし特典映像によるとマイクロボットは当初、キャラハン教授の発明だったみたい。 アレをヒロが開発した現行の脚本にして正解ですね、むっちゃ正解。
なにしろこの映画のメイン敵はマイクロボットだから、それを開発したのはヒロであるべき。
兄弟が揃って仲間たちと楽しく開発していた頃の、最盛期な自分自身が開発したマイクロボットと戦う脚本はつまり、「過去の自分に勝てるか?」というテーマを含んでいて、そこが骨のあるストーリーだと思う。
普通は勝てない最盛期の自身を超えてスーパーヒーローになる話になった。
結果的に。

とにかく何もかもよく練った映画で、単純に映像でいえば架空のサンフランソウキョウとゆー街の、ディティール造りこみもスゴいし、主人公のキャラもいい。 これまたヒックとドラゴンと並べて考えると、あっちは欠点だらけの埋もれた人材なのに対し、ヒロは有望なのに慢心して天狗になってるという違いがいい。 どっちもいい、ということで。
これまた特典映像でわかるんだけど、ビッグヒーロー6含めたメインキャラ達は、従来の映画で言うスクリーンテスト的なこともしたそうな。 ドアから入ってきてテーブル前の椅子に座ってくださーい、という事をやって、それぞれの人物がどんな動作をするか、考え方の違いなどを明確にしてスタッフに伝えたようだった。
ちなその映像みるとマトモなのはタダシくらいで、ヒロは(子供だから普通かもしれないが)かなり横着で行儀が悪いことが判明した。 むろんベイマックスのドジっ子属性もここで明確に。

あと映画館で二回観たから三回目になるのだが、なんでベイマックスがサンフランシスコ大橋からわざとらしく落ちてみせたのかがようやく分かった。 ジェットコースター的なスリルで高揚するのが、ヒロの健康にいいと判断したからなのかなるほど。
またストーリーの大きな流れもよく出来ていて、途中までヒロと怪人は同じような目的で戦っているが、途中でその間違いに気づいたヒロが方向修正、そこで真のヒーローになり、最後の決戦になだれ込むという。
彼ら戦隊ヒーローの力は科学であり、考察力というのもいい。
なんか勝てそうにないけど・・方法はあるはず、という方向性で戦う。
まあ王道やな、だがそれが有り難い。

とにかく傑作中の傑作として、自分の記憶回路にメモリーされた映画。



●キング・オブ・キングス

あった〜。
数多のキリスト映画観てきたが、なかなか観れないこのタイトルがTSUTAYAにあった。
けっこう大作みたいなんだけどね、なぜ置いていないんだという感じだったが、ようやく一安心。

例によって三時間近くあるんで、三回ほどに分けて観ました。
ふむふむ、なかなか変わったキリスト映画ですな。
原作である四つの福音書が断片的なんでストーリーはすべてのキリスト映画が創作しているんだけど。
バラバをこのように使ったキリスト映画はあまり例がないのでは・・・。
ゆうても出来がいい話ではなく、バラバが反乱軍のリーダーなわけないじゃんと、あまり根拠ないけど思ってしまう。
バラバはピラト総督がイエスを裁くさい、「ここに殺人者バラバがいる、イエスとバラバ、どちらか恩赦してやろう」と言って、民衆がバラバを選んだ、というエピソードに登場し、映画によってはマッドマックスの野盗のようなケダモノだったり、あるいは配役なしで進行することもある人物。
しいて言えば「サン・オブ・ゴッド」がバラバの使い方うまかったな、武力でローマに対抗することを望むユダヤ人のひとりで、平和論者のイエスに失望したくらいの、大軍団のリーダーというほどではない立ち位置。

うまくないといえば、全体的にそうかな、例えばイエスのご一行が早い段階でエルサレムに来て、活動するためにまた離れるという部分、クライマックスであるはずのエルサレム入城がまったく盛り上がらなくなってしまう。
これまたうまかったのが「サン・オブ・ゴッド」でみんなが椰子の葉を振りかざす中、嬉しそうに行進するロバに乗ったイエスの場面は、その後の展開を思えば楽しかった信者たちとの最後の思い出となり、いろんな想いで胸がいっぱいになる名シーンだった。
でもこのキング・オブ・キングスでは、何度も来ているんだよねイエスは。 ゆえに感動がないというか。

イエス・キリスト自身はわりと良かった。
まあコレは身体的な話だが、ちょい目が青すぎてユダヤ人らしくないなー思ったのと、もちっと人間らしくしたほうが、というくらいで、なかなか悪くないイエスだった。
対して洗礼者ヨハネはもちっとワイルド系が良かったかな、いや贅沢を言っているのは承知で。
そ〜考えると偉大な生涯の物語でチャールトン・ヘストンがヨハネ演じたのは良かったな、ラクダの皮を着て革の帯、イナゴ喰ってるなどのワイルド描写がある洗礼者ヨハネにふさわしい風格だった。
繰り返すが贅沢を言った場合の話であり、この映画のヨハネもそう悪くはなかった。

サロメエピソードも盛り込んでるけど、あんがい違和感がないのに驚いた。
異常性が際立つエピソードなんだけど、この映画ではサロメを、いわゆるお嬢様として描いていて、母ヘロデアの罪を咎めたヨハネに興味をいだき、不遜で恐れ入らない彼を子供じみた邪心で殺させたみたいな感じで、ヘロデ王の「生首なんかどうするんだ」という疑問はほとんどの観客が昔から抱いていたことなんだけど、「みたいの」という一言ですんでしまう、悪い意味での無邪気さ。
でもなんか納得〜となった。
それまではコイツ、サタンだろ、ぜったいサタンの化身だろ! と思っていたが、なるほどこんな単純なことだのかと、うっかり信じそうになってしまう。

ところで二度ばかし「うまくない」と言ったが、実を言うとこの映画全体が「うまくない」とも言える。
大部分、ナレーションで進行するキリスト映画は他にもあるが、それほど構成がうまくない。
ゆえに傑作とは言いがたいが、なんつても大予算で巨大セットに大群衆エキストラ、映画として別な見どころにあふれている。
だからかなり楽しみました。
なんつても同じ原作を別なスタッフ・キャストで・・というのは非常に面白い。
キリスト映画は映画作家的に腕の見せ所であり、これらを比較してあーでもないこーでもない言うのは観客からしても最高の娯楽、ゆえにそうとう堪能した。

ホント、キリスト映画に大作なしなどと言ってた過去の自分を恥じたい。


●ブラック・レイン

HULUで好きなときに観れるって有り難い。
この映画、何度観てもサイコーです。

どこから語ろうかな、まず1989年に登場したこの映画がどんなものであったか、からいくか。
かなり、衝撃的な作品でした。
というのも海外、例えばハリウッドなどの大作映画はクールである、というのが常識だった時代(じっさいどーだかは別として)、こんだけダサカッコイイ映画が、シルベスター・スタローン以外に撮れるとは誰も思ってなかった。
もうオープニングからして渋すぎで、あんなブルースっぽい楽曲がテーマ曲ってのも従来のヒット映画になかったのでは。
執念と根性で泥まみれになりながら戦う刑事の姿は、ほとんど日本の刑事ドラマ。
言葉どおり文字通り、泥臭いんである。

むろん日本が舞台になることにより発覚した諸々もある。
まあ創作した部分とロケ部分にわかれるが、逆にロケ部分を予算かけずに撮ったところで、ハリウッドの「映画力」が明らかになって日本の映像作家はたじろいだのではなかろうか。 海外ロケやセットを組んだところが立派なのは当たり前で、普通にロケした部分で実力が浮き彫りになるから。
というのも、けっこう最近まで言っていた人がいるんだが、日本で映画撮ってもこちらの家屋や街並み、果ては日本人そのものが映えなくて絵としてパッとしないから仕方ないよ〜という意見が、この頃はかなーり横行していた。
そんな言い訳が、ブラック・レインの登場で通用しなくなった的な。

友情・努力・勝利という、実はハリウッド映画でも定番なテーマが、ここまでプンプンと男臭く描けるのかという驚きも。
つまづいてもつまづいても諦めず立ち上がる主人公の姿に、けっこうマジで感動しまくり。
そして松田優作はじめガッツ石松、ホタテマンなど豪華出演陣も魅力。 大部分死んじゃうけど。
なによりブレードランナーで有名になったリドリー・スコット監督の、徹底した絵作りがスゴい。
基本的に海外が描く「謎アジア」なんだけど、現実の大阪がまるで創作したかのようなファンタジー空間に。
撮影中は大量導入した散水車で道路に水まいて雰囲気出したというから気合が入っている。
むろん地下駐車場のシーンなど、あんな日本ねえよw というところも逆に気に入っている。
作品全体が良ければ、変なところも好意的にみれる。

そいや壁に「ころせ」とか書いてあったな、リドリー・スコット監督がアニオタだとは思わないが、AKIRAくらいは観ている可能性がある。 まー時代が近いせいもあるだろが、似ている箇所がないわけではないので。

キャラクターも魅力で、後悔している汚職警官であるマイケル・ダグラスのど根性は素晴らしいし、何気に有能なアンディ・ガルシア刑事も良い。 むろん高倉健警部補も。
冒頭のクレージーなバイクチェイスも素晴らしいし、格闘シーンも意外っちゃアレだけど、盛り上がった。
最後のバトルシーンからラストへの展開もマジ泣けます。

映画館で二度ほど観たのかな、記憶曖昧だけど。
その後VHSレンタルで何度も観て、テレビ放送も観て、DVDレンタルも観て、よく知ってるつもりがHULU版だと字幕がちょい違ってけっこう新鮮に鑑賞できた。 VHS→DVDのときもやや変更あったっけ?
そーやって繰り返し観ている作品だが、最初の・・有楽町だっけ? 劇場で観たときにしか体験できなかったこともあった。
なんか70ミリ上映だったっけ、ぶっちゃけ35ミリフィルムで撮った映画を70ミリにブローアップして映画館にかけているだけなんだろうけど。 とにかく有楽町あたりのでかい劇場、冒頭のバイクレースシーン。
柱がたくさん並んでいる向こうをバイクが走り、カメラは車かなんかに積んでこちらを走っているわけだが、その音響がスゴく、リアルな風切音が体験できたのはその劇場のサウンドだけ。

サラウンド内臓のビデオデッキやテレビを使っても、やはり物理的にスピーカーはふたつ、これは家庭で再現するのが難しいっぽい。 今回はヘッドホンで聴いたが、まー印象的にはいちばん近いかな。
目の前を柱が横切るたびボッ!とすごい風圧、音圧を感じられれば正解だと思うんだけど。

この映画以降、「海外映画も日本ドラマみたいに泥臭いの、けっこう多い」と気づかされた。
むろんこれほどヒット作でこんだけ染みる映画はかなり希少であるが、遡って考えればリーサル・ウェポンもそうだったし、刑事アクションはそんな感じのよくあったかも。
80年代、多くの映画がレンタル店に並んだが、未だに残っているコンテンツはそれなりの理由があるんだーと再確認。

改めて良い映画だなと感心した次第。



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