葉鍵キャラを政治家に見立て葉鍵国を統べる仮想政界「葉鍵政界」の派生wikiです。葉鍵板を参考に、99%のネタと1%の知性で盛り上げ楽しんでいきましょう。(元は葉鍵政期スレのまとめwiki的位置づけでしたが、現在は三次創作サイトの方向に突き進んでいます。)


 12月17日、LB県LB市フリーダムビルディングで新党魁の来ヶ谷唯湖がリトルバスターズ系議員を招いて
パーティーを開いた。参加者は次の通り。

西園美魚(杏さん党鍵地区代表)
二木佳奈多(眠主党政策調査会長)
神北小毬(うぐぅ民主党総務会長)
棗恭介(リトバス社会大衆党委員長)
来ヶ谷唯湖(新党魁)

唯湖「諸君、パーティーにようこそ」

美魚「どうも、招いていただきありがとうございます」
恭介「俺まで招かれていいのかな?」
唯湖「そこは別格扱い、というヤツだ。それにこういう話をするときは恭介氏を通しておけば、
   何かと都合がいいからな。…では、案内しよう」

 唯湖は四人をビルの中へと案内する。

佳奈多「次期国会の開催直前になって、こんなパーティーを開催して、何がしたいんですか」
唯湖「まあ、招待状にも書いた通り、キナ臭い雰囲気がそこかしこに漂っているからな。この際、
   腹を割って話し合って、穏便に落としどころを付けられれば、と思ったんだ。その手始めに
   リトルバスターズの友好を確認し合おう、とな。全面戦争などということは御免蒙るからな。
   …もっとも諸君にその気があれば、私としてはいつでも受けて立つし、それはそれで腕が鳴るがな」
美魚「いいえ…私達としてはそのような意図は全くありません」
恭介「同感だな。俺も全面戦争は勘弁して欲しい。お前が出張ると天地が引っくり返るという相場だからな。
   俺もいい年だ。もう荒事は勘弁してもらいたいぜ」

 五人は言葉の端々にとげとげしさが現れ、唯湖の言う通りキナ臭い雰囲気を漂わせながら、
廊下といくつかの部屋をくぐり抜け、裏庭まで辿り着く。

唯湖「では、リトルバスターズの将来に乾杯、葉鍵の将来に乾杯!」

佳奈多「…一体何のつもりなのかしらね」
恭介「俺と一緒で次の行動の予測のできない奴だからな。まあ、ここは美味しくいただかせて貰おうじゃないか。
   来ヶ谷の家のピタヤは美味いって評判だぜ?」
小毬「そうだよ。このクッキーも美味しいよ。あ、こっちのキャンディーも」

 小毬は早速、皿の上に持ってある果物やお菓子に手を出し始める。

唯湖「そのピタヤは、今、そこの木から取ってきたばかりだからな。喜んで貰えて何よりだ」
佳奈多「………」

 小毬の振る舞いでいつしか緊張が打ち解け、五人でひとしきりお菓子や果物を囲み続ける。

19 :ホームパーティー (2/8):2008/12/19(金) 04:28:43
 やがて、皿の上が空になると、唯湖がおもむろに口を割る。

唯湖「ポーカーでもやろうか」
佳奈多「何ですか、いきなり」
恭介「おいおい…これはまた脈絡が無いな」
美魚「失礼ですが、脈絡の無さは恭介さんも似たようなものだと思います」
唯湖「何、我が党の集会や勉強会のときも、終わった後に来栖川女史を中心にしてゲームをするのが日課でな」
小毬「ふぇ、リトバスみたいで楽しそうだね」
唯湖「楽しい、だと?そんな遊びの次元ではない。日進月歩、いや秒進分歩の現代社会に適応すべく、あらゆる種類の
   順境逆境に立ち向かう訓練だ。一勝一敗に命がかかっているのだぞ」
恭介「お前が言うと本当にそう思えてくるから困る。で、例によって何か賭けるのか?それとも罰ゲームか?」
佳奈多「言っておきますけど、現金を賭けるのでしたら、見逃しませんよ」

 唯湖は皿を厨房に運びながら、話し始める。

唯湖「そうだな。こういうのはどうだ?最下位者に他の四人のうち三人が靴を投げる。残り一人がその靴を
   銃で撃ち落すんだ。もちろん、靴でなく弾が対象者に命中する危険もある。これでどうだ」
小毬「ふぇ、それってもしかして」
恭介「もしかしなくても、話題のアレだろ。まあ、このタイミングで罰ゲームという時点で予想はついていたが」
美魚「お約束というものです」
佳奈多「また随分ふざけた罰ゲームですね」
唯湖「言っただろう。一勝一敗に命がかかっている、と」
恭介「まあ、受けてやろうじゃないの。久々にこういうノリもいいと思うぞ」
唯湖「ハッハッハ、それでこそ恭介氏だ」

 恭介が応じたことで、なし崩し的にポーカー(罰ゲーム:某ブートキャンプ)の開催が決定する。

唯湖「最初は私がディーラーをしよう」

 唯湖はディーラーボタン代わりにと茶陶を自分の席の前に置く。それを受けて、小毬がスモール・ブラインドを、
恭介がビッグ・ブラインドをベットする。

美魚「これは随分と風変わりなお茶碗ですね」
佳奈多「…でも、明らかに素人の出来でしょう、これは」
唯湖「これは水瀬(秋子)女史からの頂き物だ。最近焼き物を始めたそうでな。今回の落選を機に、政界を引退して
   焼き物に没頭するそうだ…と言っても、例のジャム作りは続けるだろうがな」
四人「…」

 唯湖がカードを切って、四人に二枚ずつ配っていく。

唯湖「では、プリフロップだ」

 プリフロップが終わると、一枚カードを横に置き、三枚カードを出して、表にする。出されたのは、ハートの5、ダイヤの8、スペードの9。
 その後、フロップが終わると、次は一枚カードを横に置き、一枚カードを表にする。出されたのはダイヤの6。
 ターンの途中、美魚がフォールドする。また一枚カードを横に置き、一枚カードを表にする。出されたのはクラブのJ。
 小毬がフォールドし、佳奈多と恭介が残る。

唯湖「ショーダウン」

 佳奈多はハートの3とスペードの8。恭介はハートの2とクラブのK。

唯湖「ワンペアの8。二木女史の勝ち」
恭介「…まあ、こんなもんか」
佳奈多「………」

20 :ホームパーティー (3/8):2008/12/19(金) 04:29:44
恭介「さ、次行こう。次は神北がディーラーだな?」
小毬「ふぇ?私がディーラー?」
唯湖「…いや、当面私がディーラーをする。当分は四人で勝負するがいい」
小毬「ふぇ?」
佳奈多「なるほど、勝負しなければ最下位になることはない、ということですか」
唯湖「いや、諸君には少しウォーミングアップのための時間を与えようと思ってな。今のうちに慣れておくがいい」
恭介「ウォーミングアップの時間か。まあ、ありがたく頂戴しておくぜ」
美魚(…恭介さん、二木さん、神北さん、わざわざウォーミングアップと言っているからには来ヶ谷さんは何か考えてるはずです。
気をつけたほうがいいと思いますが…)
佳奈多(分かってるわ。どんなトラップを仕掛けてるか見極めたほうが良さそうね)

 そうして、しばらく四人で勝負した後、唯湖がそろそろディーラーを変えようと言い出す。
 茶陶が小毬の席に移る。

小毬「ふぇ、ふぇ〜〜」

 小毬は頼りなさそうに見えるが、学習能力は高い。先刻の唯湖の行動を見て、ラウンドをこなしていく。

小毬「ふぇ〜、ショーダウン」
美魚「また来ヶ谷さんの勝ちですね」
恭介「ああッ、ワンペアの9でいけると思ったのに、スリーカードか!」

 ひとたび唯湖が参加するや、急激に追い上げていく。その引き際と良い、勝負に出るタイミングといい、
まるで四人の手札が見えているような鮮やかさだ。

恭介「そろそろ俺がディーラーの番だな」

 ディーラーが恭介に替わって、しばらくして佳奈多が口を開く。

佳奈多「それにしても解せませんね。来ヶ谷さんは先程から、勝負に出るタイミングが出来すぎている。率直に言って、
    リバーになったら早々にフォールドするか、大きくレイズするかのどちらかですね。しかもショーダウンに持ち込んだ場合、
    必ず来ヶ谷さんが勝っています」
恭介「そういや、おかしいな。俺はショーダウンに持ち込んで、来ヶ谷に勝ったためしが無い」
小毬「ふぇ〜、私もいい役が出来たと思った時に限って、ゆいちゃんがすぐにフォールドしちゃうんだよね」
唯湖「何、これが一勝一敗に命を賭けるということだよ。諸君にはこの意味が分かるだろうか。
   …少しヒントをあげよう。諸君のうちの一人の手札はダイヤの2とスペードの9だ」

 四人は一瞬、互いに相手の顔を覗き合う。本当に唯湖が言ったのが誰かの手持ちのカードなら、
少なからず動揺が生じて、顔に表れる筈…もっとも、他の三人も、唯湖の言動を訝る表情のほうが
先行してしまって、端から見れば、同じように動揺しているとしか移らないが。
 実際、上のカードは恭介の手持ちのカードなのだが、そこは恭介、唯湖の言動を訝る表情は見せても
あからさまな動揺を表したりはしない。

21 :ホームパーティー (4/8):2008/12/19(金) 04:30:22
 そうこうしているうちに、ディーラーが美魚に替わる。

美魚「…ところで、今気付いたんですが、このトランプは」

 美魚がこう切り出したところで、唯湖の表情に微妙に変化が生じる。そこで、恭介が何かに気付いたようだ。

恭介「そうか、さっきから感じてた違和感の正体はそれか!」
小毬「ふぇ?それって?」
佳奈多「…まさか?」
美魚「このトランプ、やたらと傷が多いですね」
恭介「あ、それだ、ハートの4なんて、右上が盛大に破れてるじゃねえか」
佳奈多「クラブの6は、裏面の模様が酷くかすれてるわ」

 そう、麻雀風に言えば、これは、ガン牌ポーカーだ。

美魚「来ヶ谷さんは、この傷でみんなの手札を把握していたというわけですね」
唯湖「諸君、何のために私が最初にウォーミングアップの時間を置いたと思う?」
佳奈多「ガン牌だなんて、流石の私もこんな反則技をされるとは思いませんでしたよ」
唯湖「…キミは一勝一敗に命を賭ける、という意味を分かっているかね?」

 ここに至って、いよいよ皆、心を鬼にする。

恭介「フッ、そういうことか。上等だぜ。この程度でハンデになると思うなよ!!」
唯湖「恭介氏、その自信は良いが、根拠はあるのかね?何なら今ここでキミの手札を言ってあげようか?」
佳奈多「…それなら、私も来ヶ谷さんの手札のうちの一枚は分かりますよ?」

 さて、ディーラーが佳奈多に替わり、大詰めにして、ここからが本当の勝負という雰囲気になった。
 ここまで来れば、ゲスト四人も大体のカードの特徴は暗記している。
 といっても、それは条件が対等に近づくだけのことであって、唯湖との差が縮むわけではない。
 一位を目指すことが目的なら、四人のうちの一人をわざと勝たせることも出来る。

 だが、問題は最下位の罰ゲームだ。このままの流れで行けば、それは恭介となる。
 勝率で言えば、唯湖を別にして四人中トップだが、前半に唯湖相手に大きく張りすぎた
ダメージが響いているのだ。

 その状況が変わらないまま、最後の勝負となる。

唯湖「では、これで最後のラウンドにしよう。いいかね?」
佳奈多「…良いでしょう。では、配りますよ?」
恭介「よし、ここで一発逆転させてもらうぜ!」

 ここで、唯湖が一気に大きくレイズする。
 相手は恭介。佳奈多がショーダウンを宣言する。

22 :ホームパーティー (5/8):2008/12/19(金) 04:31:45
唯湖「何だと!?ストレート!?」

 唯湖の手持ちのカードはハートの2とダイヤのJ。
 恭介の手持ちのカードはクラブの5とダイヤの7。
 ボードはハートのA、クラブの4、スペードの6、ハートの8、スペードのJ。

 唯湖はカードの傷から、クラブの5をスペードの2と見誤っていたのだ。

唯湖「そんな、確かにそれはスペードの2の筈だぞ?」
美魚「確かに、その引っ掻き傷はスペードの2についてた傷ですね」

 唯湖の読み間違いに、他の三人も驚く。

唯湖「そうか、新しく傷を付けてスペードの2に見せかけたと言うのか」
美魚「…恭介さん、一矢報いましたね」
小毬「やったね、きょーすけさん」

 恭介が新しく傷を付けたのだ。それも他の四人に気付かれないように。
 とは言え、トータル得点では、最後にスッたとは言え、唯湖のトップと恭介のビリである。

 恭介は、最後の手段とばかりに、敢えて唯湖の神経を逆なでするようなイントネーションで、澄ましながら言った。

恭介「フッ、結局最下位になったが…最後に来ヶ谷の鼻を明かしたことで面目は保てたな。得点では負けたが、
   勝負では俺の勝ち…というわけだ」

 得点トップを勝ち取ったとは言え、唯湖にはこの上ない屈辱だ。

唯湖「そうだな。しかし、例のゲームの標的にされるのは嫌だろう?」
恭介「当たり前だぁ!」
唯湖「では、特別に一騎打ちをしようか。これで私が負ければ、罰ゲームは免除。ただし私が勝てば罰ゲームに加え、
   一日メイドをして貰おう。
   …そうだ。私が負ければ、私のほうで何か一つ罰ゲームを受けてもいいぞ」
恭介「よし、それなら…そうだ、今期国会の初登院時にビキニアーマーで登院する、というのはどうだ?」
唯湖「よし、良いだろう。では一騎打ちだ。ワンチャンスだぞ」

 唯湖はカードにポーカーで使わなかったジョーカーを混ぜ、背中に回して切って、右手と左手に一枚ずつ握る。

恭介「ルールを説明してくれ」
唯湖「単純だ。右手のトランプと左手のトランプ。どちらがジョーカーかを当てれば恭介氏の勝ち、外せば私の勝ちだ。
   公正を期するために、反対の手のカードも公開しよう。それで良いか?」
恭介「よし、乗ってやるぜ!ここからが真のミッションだ!」

 見事なまでに乗せられているのは唯湖のほうだ。「真のミッション」と語るとおり、ここからが恭介の真骨頂が
発揮される時だというのに!

唯湖「では、まず、公正のために両手に確かに一枚ずつしかないことを確かめて欲しい」
恭介「確かに一枚ずつだな、二枚重ねて誤魔化してる、ってことはないわけだ」

 他の三人は、思わぬラストギャンブルに唾を飲み込み、沈黙する。

23 :ホームパーティー (6/8):2008/12/19(金) 04:32:37
 恭介はしばし、唯湖の両手のカードを見比べる。
 右手には、際立った特徴は無いカード。傷や汚れ、印刷のかすれなどは確認できない。
 左手のカードはよく見ると傷がある。

美魚「確か、左手のカードは…」

 ふと、美魚が左手のカードをどこかで見たことがあるようなことを言う。
 もし、ゲーム中で登場したのなら、それはジョーカーではありえない。

唯湖「ほう。恭介氏は右手のカードを疑っているのか?」

 美魚の反応だけで決めるのは早計だ。もっと、慎重に左手のカードの傷を観察する。
 すると、恭介の記憶に、これとよく似た傷が浮かぶ。それは先刻の手札にあった、ダイヤの7だ。

小毬(うん、ダイヤの7だね)
恭介(よし、これで勝った…待てよ?)

 わざわざ、先刻の恭介の手札に表れたカードを出してくるとは、話が出来すぎている。

恭介「流石来ヶ谷だ、味な真似をするもんだ」
唯湖「ほう、左手のカードは『ダイヤの7』ではないと確信できるわけか?
   …おっと、少し口を滑らせてしまったか」

恭介「そうだとも、左手をダイヤの7じゃないと思わせる、罠だな、これは!」

 恭介が唯湖の左手のカードに手を伸ばす。









唯湖「何?」

 唯湖の手元に残ったのは左手のカードだった。
 そして、恭介が引いたのは唯湖の左手のカードと見せかけて、右手のカード、
 それはたしかにジョーカーだった。

小毬・佳奈多・美魚「!?」

恭介「さて、約束どおり、左手のカードも見せてもらおうじゃないか」
唯湖「…」

唯湖は黙って、左手のカードを差し出す。それは、ハートのQ。

唯湖「何故、このトラップを見破った?」
恭介「ハートのQの傷は横に伸ばせばダイヤの7の傷そっくりになる。つまり、偽装が効くというわけだ」
唯湖「そうか。私より一歩先を見透かしていた、というわけか。」
恭介「そこがお前の限界って奴さ」
唯湖「クックック…ハッハッハッハッハ!やはり恭介氏には敵わぬな。あるいは一騎打ちを申し出た時点で
   私が負けていたのかも知れん。約束通り、罰ゲームは無しとしよう。次期国会の初召集日を
   楽しみにしているがいい」

 唯湖は高笑いしながら、席を立って、応接室に入る。恭介もそれについていく。
 三人は恭介の鮮やかな逆転劇に、恭介の底知れなさを改めて痛感するしかなかった。

24 :ホームパーティー (7/8):2008/12/19(金) 04:33:47
唯湖「さて、ようやく本題だ。知ってのとおり、総選挙の結果、新保守が壊滅したものの、伝統保守、
   左派、自由主義、宗教系の諸派が分立、最大規模の自由主義グループも我が会派、うぐ民党、眠主党、
   ことみん新党から左派を除くと、半数に達しなくなる。このままでは、長岡政権の二の舞になってしまう」

 全員が応接室のソファーに座ると、唯湖が本題を切り出す。先ほどとは違った緊迫感が場を支配する。

小毬「確かに少数与党になると、政権運営が不安定になっちゃうよね」
唯湖「そこで、私達としては、左派右派の別なく、個人の自由を尊重する勢力が広く連帯し、個人の自由を実現させる
   政権を確立することを考えねばならないと思う」
美魚「失礼ながら、左派や右派を盛んに自由の敵と攻撃し、連帯を破壊してきたのは来ヶ谷さん自身ではありませんか?」
恭介「全くだ。今まで散々火遊びをやってきたのはどこの誰だ?」
唯湖「私は連帯を破壊しようとしているのではない。既存の左派や右派の矛盾を指摘し、正そうとしているまでだ」
美魚「確かに私達の政治的立場には、来ヶ谷さんの指摘するような矛盾を抱えているかも知れません。ですが、
   それをもって、古典的自由主義への回帰を正当化する理由にはならないと考えています。そもそも、
   杏さん党の掲げる同人主義自体がまだ完成されたものではありません」

 さっそく、唯湖と美魚が火花を散らし始める。そこで、佳奈多が割って入る。

佳奈多「確かに来ヶ谷さんの政治的立場には問題が多すぎます。程度の差はあるにせよ、葉鍵自由同盟という会派にも
    同様のことが言えます。しかし、今問題なのは、葉鍵自由同盟と同数で第一会派の葉鍵社民・食福連合です。
    確かに、連合の言う通り、福祉政策は拡大を図っていかなければいけませんが、連合は復古主義路線を急速に
    強化しており、警戒の必要があります」
小毬「葉鍵社民・食福連合が保守化して、りんちゃんはどうするつもりなんだろう?」
唯湖「まあ、それは本人が決めるしかあるまい。鈴君はあれで今までもトラブルを乗り越えてきたのだからな。
   ともあれ、連合が復古主義を進め、家族制度の問題などで、個人の活動の自由を危機に晒す政策を
   示してくる可能性は高い」
美魚「ただ、連合は同人主義にとっての直接的な脅威である二次元関係の規制には一貫して批判的立場を取っています。
   あくまで連合は現実の性道徳上の問題と、二次元表現の問題は別問題として扱うという立場に立っていると
   見られます。それ故、私達としてもむげに無視できない事情もあります」

 葉鍵社民・食福連合は旧保守的な路線は公芽衣党やうぐ民党古河派に近いが、二次元関係の規制に関しては、
公芽衣党や古河派と違い、批判的立場を取っている。その点で、旧保守的道徳論と齟齬が生じると映っている
面がある。
 佳奈多は眠主党左派勢力であるが、葉鍵社民・食福連合の復古主義に不満を持っており、その点で
経済左派勢力を伝統保守派と杏さん党などのリベラル的な左派に引き離すのに使えるというわけだ。

25 :ホームパーティー (8/8):2008/12/19(金) 04:34:38
唯湖「同人活動の自由への脅威は直接的な表現規制の脅威だけではない。また、同人主義の理論は、
   新しい共同体秩序の形成を要求する以上、伝統的な共同体秩序の維持を唱える思想とは必然的に対立するだろう。
   私達の立場から言えば、どのような共同体秩序を形成するか、または形成しないかは成員の
   自由意志に委ねるべき、ということになるが」
佳奈多「少なくとも私達としては、復古主義路線を急速に進める葉鍵社民・食福連合との連立は
    現時点では受け入れられないですね。
    葉鍵自由同盟に関しては、問題の多い会派ですが、現在は比較的穏健な来栖川・美坂両氏が実権を
    握っています。今後、少なくとも福祉政策に関しては最低所得保障の導入、特別会計整理分の
    福祉予算への移転………など、拡大の方向で動くでしょう」
恭介「しかし、葉鍵自由同盟では極端な放任主義になってしまうのは同じだな」
唯湖「ただ、佳奈多君の言う通り、私個人はともかく、葉鍵自由同盟の主力は、急進的な政府機構の解体は
   主張していない。したがって、福祉の拡大、表現の自由の保護、その他の個人の社会的活動の自由の拡大、
   これを今後の政権樹立に向けた、私達の基本的路線としていくことはできないだろうか」
美魚「それらの点に関する限り、私自身も大きな異議はありません。ただ、党内には経済左派路線を重視し、
   葉鍵社民・食福連合との協調を推進する勢力も存在しますので…後は、私のほうで党に話を回します」
唯湖「ありがたい、よろしく頼むぞ。それで、うぐ民党はどうするつもりだ?」
小毬「ふぇ〜、うぐ民党も一気に少数政党になるし、長岡さんも落選しちゃうし、政権どころじゃないよ」
唯湖「しかし、篠塚女史は既に来栖川女史と接触しているし、月宮女史は水瀬(名雪)女史や美坂女史と
   接触し、白チーズとも交流を始めている。キミも本格的に活動を始めるべきではないかね?」
恭介「それにしても、うぐ民の凋落は想定外だったな。俺たちがうぐ民打倒のための本格的活動に入る前に
   自滅して、超野党連合の存在意義は何だったんだって話だな!」
唯湖「しかし、今後超野党連合2つはどうするんだ?加盟している政党が与党入りする可能性は高いぞ?」
恭介「まあ、それは今後のお楽しみだな」
佳奈多「とりあえず、うぐ民党と対立する意味が大幅に薄くなったのは確かね。眠主党としては今後は、
    葉鍵社民・食福連合と公芽衣党が要注意対象、葉鍵自由同盟との連携もやむなし、ね」
小毬「ふぇ〜、私はどうしたらいいんだろう?連立構想とか考えたことがないよ」
佳奈多「まあ、いざとなったら、私達が眠主党中央に連立を取り次いでもいいけど」
小毬「ほわぁ?本当にそれで良いのかな?」
佳奈多「それであなたさえ良ければ」
唯湖「…これで、一応御三方の理解は得られたということか。その点は感謝したい」
美魚「そうですね。葉鍵社民・食福連合の保守化を逆手にとって纏め上げた、という印象が否めませんが…」
恭介「まあ、見事に来ヶ谷に丸め込まれたというわけだ」
唯湖「丸め込んだとは聞こえが悪いな。それに、葉鍵社民・食福連合が復古主義路線を押し出さなければ、
   私達も連合に警戒する必要などなかったのだがな」
恭介「それもそうか」
唯湖「しかし、鈴君と真人少年は葉鍵社民・食福連合の保守化をどう思っているんだろうな」
恭介「また、本人に会ったときにでも聞かない限り分からんな」

唯湖「…では、そろそろディナーを運んでくるか。失礼」

唯湖は席を立ち上がり、厨房へと向かっていった。

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