ウィザードリィ・メモ - NPC(CDS)
以下の内容は、Wizardry Crusaders of the Dark Savant に付属している Playmaster's Guide の記述をほぼそのままコピーしたものです。

目次

ノンプレイヤーキャラクター NPC

忘れられた惑星の住民たち

 ロスト・ガーディアを旅する間に、パーティーはそこに住むすべての(あるいは一部の)集団、すなわちNPCたちと出会うことになります。彼らは、アストラル・ドミナの謎を探索する旅の最中に、ある者は友人として、またある者は敵としてあなたの前に現れるでしょう。

 キャラクターと同じように、NPCにも命があり、味方や敵をもち、考えや人格をそなえ、長所や短所もあります。またあなたと同様に、NPCにはすばらしい記憶力もあります。もちろん野心や目的も持っています。あなたがキャラクターを自由に動かすように、NPCは自分の行動を自分で管理しています。

UMPANI(アンパニ)

 アンパニは銀河系を広く旅して、そこで獲得した製品を売買しています。銀河系を通じて、彼らは公正で信頼のおける商売人と認められています。彼らのネットワークはおそろしく広く宇宙貿易業の大半を牛耳っているといわれています。アンパニは、また軍事的な種族でもあり銀河系内でも最大規模の軍事力をもっていると考えられています。



T'RANG(ティーラング)

 ティーラングはクモに似た生き物で、恐ろしく悪辣です。アンパニとは完全に商売敵であり、一般的に評判は悪く、金しだいでどんなことでもやります。
 完璧に信頼できる種族ではないにもかかわらず、ティーラングは銀河系内でアンパニに優るとも劣らないほどの貿易ネットワークを支配しています。ティーラングは求めているものを得るためなら手段を選ばず、どれほど汚いやりくちでも、とにかく請け負ったことは必ずやり遂げます。



MUNK(ムンク)

 ムンクはたくましい体格で、錬金術とマーシャル・アーツに秀でている種族です。彼らは二つの正反対の派閥に分裂しています。一方は“よい”集団で、これはロスト・ガーディアの神聖な伝統を維持しようとする集団です。もう一方は“暗い森”の集団で、こちらはほとんど無法者同然の生活をしています。ムンクはすべてダーンの冒涜的信仰の信者たちに対して猛烈な嫌悪感を抱いています。



DANE(ダーン)

 ムンクのずんぐりした体格と対照的なのが、神秘的な修行僧のダーンです。彼らの外見はスリムで非常にか弱そうですが、ひとたびその腕が振るわれると恐るべき呪文が紡ぎ出されます。このため、彼らの土地を旅する者は、たいていダーンのことは避けて通ります。彼らにとっては、精神が常に最優先で肉体は二の次です。精神の中には魔法と洞察の無限の可能性が拡がっていると彼らは信じています。ダーンはすべて、ムンクの冒涜的信仰の信者たちに対して猛烈な嫌悪感を抱いています。



GORN(ゴーン)

 身体は筋骨隆々、その上白兵戦に秀でているゴーンは、ロスト・ガーディアの原住民の中では最強の軍事集団です。彼らは自分たちの種族に対して、徹底した忠誠を誓うことで知られています。たとえ他の種族と一緒にいても、私生活に関してはかたく口を閉ざし決して話そうとはしません。とりわけ、彼らの秘密の城の位置に関しての機密度は高く、それが存在していることこそ知られていますが、ゴーン自身はその名すら口にすることはなく、いまだに誰一人その位置を確かめたものはいません。それに関しては、当然ゴーンの軍事力もなんらかの役割を果たしているのでしょう。ゴーンはムンクとダーンの領土内の森にすんでいます。この二つの種族が惑星を分裂させるような戦争を起こさないのは、ひとえにその間に強い軍事力を持つゴーンが存在しているからです。



RATTKIN(ラツキン)

 ラツキンはロスト・ガーディア中の森や町を縄張りにする、不用心な旅人を襲う山賊です。基本的には盗賊ですが、時には略奪した物の買い手を探すこともあります。うわさでは、金のためにスパイ行為に手を出しているともいわれています。そのやせた体格と恐るべき足の速さ、さらには道徳心の欠如をもってすれば、ラツキン以上にこういった仕事に向いている種族はないでしょう。



HELAZOIDS(ヘラゾイド)

 ロスト・ガーディアの原住民の中でも、もっとも不可思議な種族がヘラゾイドです。風変わりなフライングマシンに乗って鳥と共に空を飛ぶその姿は、常に様々な想像の対象となっています。そのフライングマシンは魔法と幻覚のしわざと信じるものもいますが、その存在を認め、ただ、いかなる取り決めによってこのユニークな乗物との共生関係が生じたのかを不思議に思うものもいます。滅多に見られることはなく、種族に関する情報、現在どの程度の数が存在しているのかなどもまったくわかっていません。また、ヘラゾイドが集団生活をおくっているという証拠も、今のところ存在しません。



NPCとの遭遇

 森に入っていくと、パーティーに近づいてくるものたちがいます。今まで見たこともない者たちだからといって、すぐさま攻撃をかけるのは軽率なことです。もしかすると、彼らはなにか情報を持っているかもしれないのです。そして、その存在はあなたの目的を達成するために絶対に必要なものかもしれません。
 最初に会った時点では、NPCはあなたのパーティーを好きでも嫌いでもない、中立の立場にあるかもしれません。一方、かなり激しい敵意を抱いていることもありますし、寛大な友情を示す場合もあります。これは個々のキャラクター、およびパーティー全体の状態によって異なってきます。丁重に挨拶するか横柄に見下すかで、相手の態度も変わってくるでしょう。
 基本的にはNPCとの遭遇では三つのオプションのうちどれかを選ぶことができます。「TRUCE(休戦)」と「FIGHT(戦闘)」と「LEAVE(立ち去る)」です。しかしお互いに知り合い、休戦オプションを使ってうまく交渉を進めてゆけば、パーティーに対するNPCの信頼が高まり、使えるオプションも増えます。もちろん、そうならない場合もあります。

Pause(ポーズ) - 事態の進行を遅らせる

 NPCと会って話したり、彼らの話を聞くときに、今後の参考としてノートをとりたくなることもあるでしょう。そのような時は、スペースバーを押すとNPCの話が止まったままになります。もう一度スペースバーを押すか、マウスのボタンをクリックすると会話が再開されます。

交渉の技術

 まだ面識の浅いNPCの信頼を得るためには、一度または数度にわたっての交渉が必要です。交渉というのは、相手の気持ちを“信用できない”という状態から“信用できる”という状態に移行させる試みで、パーティーが他所者扱いされないためにはこれが決め手になります。

まず交渉の席につく

 説得力があって威勢のよいキャラクターは、すぐさまNPCに好感をもたれます。外交役の技量が高くないと、交渉には多少余計に時間がかかることになります。
 交渉は、僧やビショップやロードなど、外交術のスキルを身につけたキャラクターが休戦を受け入れ、相手方のパーティーのリーダーに挨拶をするところから始まります。交渉の場面では、外交役は四つのオプションを使うことができます。

勝算を増す

BRIBE (賄賂):
 交渉を成功させるために、交渉の前に相手のリーダーのポケットにひそかに入れる現金、これが賄賂です。これまで他のパーティーとの交渉を行ってきたあなたのパーティーのリーダーは、どの程度の金額を渡せば交渉がうまくいくかを判断し、その額を相手に渡します。時には、この賄賂はかなり高くつくこともあります。実際の交渉(平和的にしろ、力ずくにしろ)は賄賂を渡した後に始まりますが、場合によってはもっと賄賂が必要になることもあります。

GIVE (贈答):
 賄賂と同じように、相手になにかアイテムをプレゼントしても交渉の成功率が高くなります。賄賂の場合は渡すのは金でしたが、贈答はあなたのパーティーの持っているアイテムを相手に渡すことになります。贈答が終わった後に実際の交渉が始まります(平和的にしろ、力ずくにしろ)。

交渉

PEACE (平和的交渉):
 交渉の正道は、キャラクターの外交術とパーソナリティーに頼って、他のグループとの良い関係の構築を目指すことです。賄賂や贈答、さらにチャームのような魔法の呪文は、この平和的交渉の成功の確率を増す可能性を持っています。

FORCE (脅迫的交渉):
 外交役ののどが涸れ、手持ちの金もわずかなときには、情報を手に入れるための手段も限られてきます。「痛い目にあいたくなきゃ、知ってることを全部はいちまいな!」というおなじみのセリフの登場です。この手段を使う場合、それが成功するかどうかは、あなたと相手のパーティーどちらが強いかにかかってきます。ただし、たとえこれが成功して情報が得られたとしても、これ以降相手のパーティーはあなたがたに対してかなり悪い印象を持つことになるでしょう。

 交渉がうまくいけば、NPCはあなたの味方となり、情報や体験談やアイテムなどを提供してくれるでしょう。一方、相手が怒ってしまった場合は立ち去ったり、攻撃をかけてくることもあります。
 すべての生き物と友達になり友好関係を結ぶというのは理想的です。しかしながら、ロスト・ガーディアの原住民の間の政治的な関係を考えると、これはかなり難しいといわざるを得ないでしょう。努力にもかかわらず交渉がうまくいかないときは、相手を脅すか、すでに友好関係を築いた者たちの情報のみを頼りにするしかないでしょう。