2009年夏 横浜の片隅に生まれた小さな森がありました。つながりの森は、人と人とのつながりの中で新しいものを生み出そうとする人たちが暮らす場所。人々はその場所を「Y150ヒルサイド・つながりの森」と呼び、歌い、作り、育て、奏で、走り、語り、そして笑いました。このページは、そんな「つながりの森」の住民達の語りを後世に残し、新たなつながりの森へとつなげていくために作られました。

サポスタsa-yaのブログ 【最終回】は、Y150ヒルサイド閉幕。でも市民創発は終わらない。です。

ヒルサイド閉幕前日・・・

この原稿は、Y150閉幕前日の9月26日午後8時30分に書いています。
長く思えた86日間という期間を経て、Y150ヒルサイド「つながりの森」が幕を閉じるまで残り24時間となりました。

市民参加ってなんだろう?
これまでの150年ってなんだったんだろう?
これからの150年ってどうなるんだろう?
私達の子供達はどんな風に150年後を迎えるのだろう?

そんなことを長い時間かけて考え続けたつながりの森の住民達ですが、会期が終わろうとしている今でもその答えを持ってはいません。
ヒルサイドが終わり、つながりの森の住民達が「答え」の代わりに残していったもの。
それは、ただひとつ「種から芽吹いた芽」だけなのです。

「コンセプトがわからない。」

ヒルサイドのことを書いた来場者のブログを見ていて、時折目にしたのがこの言葉でした。
イベントとしては致命的に思える言葉ですが、実際につながりの森の住民達を見ていて、
「ヒルサイドに現れているその多様性こそがコンセプトではないか。」
そんな風に思い至りました。

300名から始まった創発メンバーを、暇を持て余した人間の集まりと見るのは大きな間違いです。

普通のサラリーマン、普通の主婦、普通の学生、工場で働く若者、失業中にも関わらず参加し続けてくれた方、障害のある体を杖で支えて来場者の笑顔を写真に撮り続けた方、帰りのバスの中で「これから入院中の主人に自分の出展ブースに訪れてくれた人たちのことを報告しにいくんですよ。」と嬉しそうに話してくれた高齢のご婦人・・・

そんなどこにでもいる人たちが、1年半とそして86日間という長い時間をかけて「つながりの森」という1つの場所を形作り、たくさんの来場者の笑顔を生み出したこと。
勿論、多額の事業費や150周年協会やプロデューサーズオフィスをはじめとした裏方側の尽力があることを差し引いても、なんだか私には奇跡のように思えて仕方がありません。

「多様性」そして「つながり」
ヒルサイドで何度も目にしたこの2つの言葉。
私には、これこそがつながりの森の住民達が残していった「芽」そのものに思えます。

その芽はどうしたら玉楠のような大きな木に育つのか?
その答えを得るために、行政にも「創発」が必要とされているような気がします。

この芽は、過剰な肥料が必要な「弱い芽」ではどうやらなさそうです。
なぜならY150に関わった市民達は、すでに「これからの150年」に向かって進み始めていますから。

創発メンバーからは「次につなげていこう!」という声がたくさん聞こえますし、「次を考えるためのミーティング」を有志で行うことも予定されています。
Y150を契機に発足した地域SNS「ハマっち!」およびイベント投稿サイト「市民でつくるイベントナビ」も、有志によりY150終了後も維持していくにはどうしたらよいかという検討を開始しています。
探せばほかにも色々とあるのかもしれない、そんな「きざし」に、育とうとしている芽の強い生命力を感じるのは私だけでしょうか。

「イベントは滑走路だ。ここから皆さんには大きく羽ばたいて行って欲しい。」
閉幕式で小川プロデューサーが言ったこの言葉のままに、市民・行政・企業それぞれがそれぞれの「配置」につき、これからの150年を作っていく・・・単なる「お祭り」だけではないY150の意味は、そういうスタートライン作りにこそあったのだろうと思います。

そう考えると、最初に書いた「長く思えた86日間という期間を経て、Y150ヒルサイド「つながりの森」が幕を閉じるまで残り24時間となりました。」というのは間違いですね。

長く思えた86日間という期間を経て、Y150ヒルサイド「つながりの森」が次の150年への一歩を踏み出すまで残り24時間となりました。

が正しい書き方のようです。

どうぞ応援して下さい。
そして機会があればあなたも「まぜて♪」と言ってみて下さい。

つながりの森住民一同、心よりお待ちしております。



【サポートスタッフ 通称:サポスタ、SS】
Y150ヒルサイド「市民創発プロジェクト」を支援するために、横浜市役所職員有志で結成されたお助け集団。
若葉台西中で行われた創発支援プログラムでは、テーブルファシリテーターをしたり、1年前イベントその他で行われた創発カフェではワークショップバリスタになったり、一部のメンバーは、畑を耕し始めたり(笑)するなど八面六臂の大活躍集団。
基本的には、市民が企画・運営する個々の創発プロジェクトではなく、ヒルサイド全体へのコミットが中心だが、人によりその関わり合い方は色々である。
8月からは、ヒルサイドにて「創発ガイド」を実施。創発メンバーと来場者とのつながり促進、ヒルサイドのホスピタリティアップを目指して活動しました!

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