2009年夏 横浜の片隅に生まれた小さな森がありました。つながりの森は、人と人とのつながりの中で新しいものを生み出そうとする人たちが暮らす場所。人々はその場所を「Y150ヒルサイド・つながりの森」と呼び、歌い、作り、育て、奏で、走り、語り、そして笑いました。このページは、そんな「つながりの森」の住民達の語りを後世に残し、新たなつながりの森へとつなげていくために作られました。

関東学院大学の学生サークル「HEP」のメンバーである生野さんは、
サークルメンバーとともにスカベンジ(ゴミ拾い)の楽しさや、
環境に配慮した街づくりを、出展を通じて易しく楽しくメッセージしました。



―今回、2年にもわたるプロセスを経て、サークルメンバーとともに出展された訳ですが、
どんな苦労がありましたか?

出展にむけての準備は、本当に辛かったですね。
チームワークが取れず、メンバーが勝手に動き出したり、逆に全然動かなかったり。
主要メンバーにも関わらず、連絡が全くつかなくなったり、そのままドロップアウトしてしまったりと、
メンバーひとりひとりが無責任状態だったんですよね。

ある程度ルールを決めるようになってから、ようやくチームとして機能するようになりましたが、
当初、本当に悲惨な状況でした。

―そうだったんですか!しかし、期間中も結構な苦労があったと聞いていますが・・・。

毎日、合宿状態の上、3時就寝、6時起きで、ワークショップの景品作りをしていました。
その為、主要スタッフは現場でほとんど動けなかったのですが、
反面、一年生の子達がとてもよく働いてくれました。

―なるほど。苦労の中にも、成果が見えた訳ですね。

そうですね!
ホント、とにかく沢山の子ども達が参加してくれたおかげで、
メンバー同士の団結力は高まりました。

特に1年生や2年生といった、
これからの主役であるメンバー達にエンジンがかかった事は、
成果としてとても大きかったと思います。
当初は、3〜4年生が対応していたゴミ問題の解説なども、
充分、1〜2年生で担える手応えを得ました。

また、これまでサークルは、
一日だけの出展で、内輪盛り上がりになりがちだったのですが、
一週間という長丁場を経て、来場者を楽しませる喜びを知ることができた事は、
期待以上にサークルとして成長したと思っています。



―それは素晴らしいですね。苦労も報われたんじゃないですか?

いや、ホント、そうなんです。
参加したメンバーは、最初もうやりたくないと言っていたのに、
終わってから感動の涙を浮かべていたんですよ!
駅のホームで円陣を組んで、メンバーの半分以上のみんなが泣いていたんです。
まぁ、女性は意外とクールで、
泣いていたのはほとんど男の子でしたが、それだけ頑張ったって証拠ですね。

また、1年の子で「こんな夏休みって初めて!」と言ってくれた子が居ました。
「どういう事?」って聞いたら、ただ遊んだり、部活をするだけの夏でなくて、
苦労しながらも、協力して何か一つの事を達成したという経験が、
初めてだったらしくて、本当に嬉しそうな笑みを浮かべていたのが印象的でした。

―それは嬉しいですね。ちなみに、来場者の反応はどうだったんですか?

子ども達がゴミ分別の教え合いをしていたり、
大人達がゴミに関する、様々な質問を僕らにしてきてくれたりと、
「スカベンジ(ゴミ拾い)」の啓発という点について、
非常に成果があったと思います。

ゴミ分別ゲームを一生懸命頑張っている生徒達の姿を見て、
担任の先生が「学校でもこれだけ熱心にやってくれたら・・・」
とぼやいていたのが印象的でした。



―最後に、これからの展開について教えてください。

やった事を終わりにせず、
別の現場でどんどんやっていこうという気持ちは日増しに高まっています。
準備以上に、現場での経験がそうさせたのだと思います。
ただ、逆にY150に参加したメンバーとしなかったメンバーとで、
温度差が出来てしまったというのが課題となっています。

「ゴミを介したコミュニケーションサークル(ゴミュニケーションサークル)」
として、サークル全体として幅広い活動を展開していきたいと思っています。

<了>

【シヅカマサノリ】

フリーエリア

フリーエリア

メンバーのみ編集できます