2009年夏 横浜の片隅に生まれた小さな森がありました。つながりの森は、人と人とのつながりの中で新しいものを生み出そうとする人たちが暮らす場所。人々はその場所を「Y150ヒルサイド・つながりの森」と呼び、歌い、作り、育て、奏で、走り、語り、そして笑いました。このページは、そんな「つながりの森」の住民達の語りを後世に残し、新たなつながりの森へとつなげていくために作られました。

「横浜でハチミツを採って、「まち」を味わってしまおう!」と、
Hama Boom Boom!プロジェクトを展開された岡田さん。
8月11日から17日までの一週間、竹の海原でブース出展を行うとともに、
ミツバチツアーも開催されました。
また、芸術麦酒製造構想プロジェクトと連携したハチミツビールの「HACHEY(ハッチー)」など、
多くのコラボレーション企画も生み出しました。



―まちなかでの養蜂などオモロイことを通じて環境やコミュニティ、
食など様々なことを実感するというとても面白いプロジェクトですよね。
私も、岡田さんのプロジェクトを通して、街の中で養蜂ができるのかぁ!ということを初めて知りました。
このような面白いプロジェクトが生まれたきっかけはどのようなものだったのですか?

以前、BankART schoolという講座で北沢猛先生が京浜臨海部の発表をされたことがあったのですが、
分野ごと別々に課題の解決策を考えるのではなく、
最初にまちをつくるビジョンを立てて、そこからバックキャスティングで施策を作る、
ある目的だけに偏らないまちづくりを行う、という内容のもので、その考えに深く共感しました。
その後、北沢先生のスクールUDCYに参加し、「オヤジニア」というものを提案しました。
「環境施策」など特定の分野の課題解決を目的にするのではなく、とにかく「楽しむこと」を目的にする。
オヤジパワーで楽しんでしまおう!
楽しんでいるうちに、自分たちのまちに目を向けたり、課題に気づいていくきっかけができる。
それが、「オヤジニア」でした。
そんな時、UDCYでY150ヒルサイドの紹介があり、
自分が考えたプロジェクトを実際にヒルサイドでやってみよう!と思い参加することになりました。

―「楽しむこと」が目的。素敵ですね。
でも、そうすると、最初、岡田さんが考えられていたのは
「Hama Boom Boom!プロジェクト」じゃなかったのですか。

はい。最初は、いくつか候補案があって、
ヒルサイドでどのような出展をしようか、決まっていなかったのです。
実際にヒルサイドでどのようなプロジェクトをしようかと考えたとき、
個人的に、銀座ミツバチプロジェクトに関わっていました経験もあり、
「芸術麦酒製造構想」の緒賀さんたちとも盛り上がったこともあり、
「ミツバチ」をキイワードにしたHama Boom Boom!プロジェクトを出展することに決めました。



―Hama Boom Boom!プロジェクトでは、
芸術麦酒製造構想さんとのハチミツビールづくりをはじめ、
様々な方とコラボレーションをされていましたね。

そうですね。「芸術麦酒製造構想」の緒賀さんとは、
ヒルサイドのプログラムの初回、1月の若葉台西中の体育館で出会いました。
イギリスのハチミツビール「ミード」がビールの起源だという話で盛り上がって、
じゃあつくってみようか!ということになって。
5月には、「メイドイン ヨコハマsongsコンサート」の西さんの歌づくりワークショップで、
「ミツバチ」、「ハマポーク」、「ハマウイング」の3つについて、
それぞれ見学に行き、歌をつくるというものだったのですが、それともコラボレーションさせていただきました。
西さんの紹介でNHKの取材を受けたこともありました。
とにかく、人を介して他の人とつながる、ということがとても多かったです。
Hama Boom Boom!のブースを手伝ってくれた学生さんたちも人のつながりの紹介でしたし、
万国橋SOKOで知人と話していたところにたまたま霧笛楼の今平シェフが別件でいらしていて
お話をしたところ、ハチミツの話で盛り上がった。
今平シェフは食育に熱心だそうで、Hama Boom Boom!のハチミツを使いたいといってくださったのです。
そんなつながりで、ヒルサイド会場で、食育や地産地消の話をしていただきました。
ブース出展をした一週間よりもプロセスの段階がとても重要だったと感じています。

―ヒルサイドで得た成果を一言でいうと、どのようなものでしょうか。

本当にたくさんの「つながり」を得られたと思います。
「つながろう」と思っていなかったから「つながれた」のかもしれません。
とにかくオモロイことをしたい!と思って進めていて、実現のためにはたくさんの人の協力が必要だった。
あとは、色々忙しい中だったのでとにかく様々な人に「助けてー」と言っていた。
つながらざるを得ない状況を作っていたということもあるでしょうか。(笑)



―たくさんの「つながり」を生んだHama Boom Boom!プロジェクト。
今後はどのような「つながり」が生まれていくのでしょうか?

既にいくつかの拠点で、「ミツバチ」「ハチミツ」をキイワードとした取り組みが始まっています。
どれも中心となる人物や舞台となるまちは違っていて、やっている内容も違っています。
それぞれの特徴にあわせて、ハチミツを採って商店街を活性化したり、養蜂を学んだり、生態系を研究したり…。
でも、どれも「ミツバチ」「ハチミツ」というキイワードでつながっています。
このキイワードで、全く違う分野の人同士、まち同士がつながれたら面白いな、と思います。
私たちにとって、「ミツバチ」や「ハチミツ」を広めることは目的ではないのです。
組織の継続を目的にしてしまうと、うまくいかなくなる。
だから、「オモロイことをすること」こそが、目的なのです。
この目的を愚直に追えたら良いな、と思います。
また、今回のプロジェクトを通じて、
「新しい人と出会うことで、その人の方向性が変わっていく」面白さを感じました。
Hama Boom Boom!は何かを目指すのではなく、
何かの共通点、「インターチェンジ」になれたら良いなと思うのです。
今後もさらに様々な人がつながったり、
プロジェクトを展開していける「きっかけ」「触媒」になれたら良いと考えています。


その後の気になる活動は、こちらをチェック!
◇Hama Boom Boom!プロジェクトのブログ◇
http://www.hamaboomboom.com/

<了>

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