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まえがき
如月優が生きていたらというIFルートの近親モノです。

交通事故で重傷を負い、長く辛いリハビリから回復はしたけれど
その影響で引き篭もりがちな弟を元気付けるためアイドルになった千早。
それがふとした出来事から愛欲に溺れていく姉と弟にはその先どういう
未来が待っているのだろう?というお話です。

ここから本文


気が付いたのは全くの偶然だった。

脱衣場で下着を脱いだ後、落としたシュシュを拾おうと屈んだ目の前、
棚に積まれたタオルの間にキラリと光ったモノ。
それは小さなデジタルカメラで、モニターに点灯した「REC」という
赤い文字が録画状態を示していた。
映像を確かめるのは後回しにして、電源を切ったカメラをタオルに包み
戸棚の一番上に押し込んでおく。

持ち主とその目的は考えるまでもなかった。
だけど盗撮という行為に対して怒りを感じるより、幼いと思っていた
弟が女性の裸に興味を抱くようになったことに感慨があった。
交通事故の大怪我から一命を取り留めて以来、甘やかし過ぎたせいか
5年生まで(中学2年で私に初潮が来るまで)お風呂が一緒だった。
母親から一人で入るように言われた時、その理由が分らず拗ねていた
弟がこんな事をするようになったのだから。

そんな事を考えながら湯船に浸かっていると、カメラを回収にきた
弟の気配がして、慌てる姿を想像してつい笑ってしまう。
お風呂を出たあとどうやって問い詰めてあげようかしら。
私もアイドルという仕事である以上、変な映像を残す危険性だけは
しっかり注意しなければならないけれど、私の体なんて中学生から
そう変わってないから見応えなんてないのだけれど。



映像は思った以上に鮮明で生々しかった。
無人の脱衣場に明りが点き、入ってきた私が淡々と衣服を脱いで
無造作に下着も外して裸になっていく。
我ながら色気も何もあったものではないけれど、下から見上げる
自分のお尻が妙に大きく見えるのが滑稽に感じてしまう。
カメラに背中を向けていたせいで体の前側、胸や下半身はほとんど
写っておらず大切な部分は陰になっていてよく見えない。
こんな映像(というか痩せた自分の裸身)にどれほど価値があるのか
分らないけれど、男の子はこういうものでも興奮するのだろうか?

その疑問は弟に直接聞くことにして、両親が寝静まるのを見計らい
弟を部屋に呼び出したけど、カメラが無くなっていたことで発覚を
悟っていた弟は神妙だった。

「どうして呼んだか分っているわね。説明してちょうだい」
「……ごめんなさい」
「謝るのじゃなく説明してって言ったのだけれど?」
「ごめんなさい、ほんの出来心で……その」

恥ずかしいのか顔を伏せたまま震える弟を見て悪戯心がわく。

「お姉ちゃんの裸が見たかったの?」

小さく頷く。

「お姉ちゃんの裸なんて見てどうするつもりだったの?」

これには無反応。

「女性の裸に興味があったから?」

ぴくりと小さく震える。

「黙っていちゃ分らないでしょ、ちゃんと答えないと……」

そういってカメラに手を伸ばす。
中学の入学祝いに貰ったカメラが弟の宝物なのは分っている。
こんなことが親にばれたら没収どころじゃ済まないだろう。

「言うから! 正直に言うから内緒にしててよ!!」
「そう……じゃあ話してちょうだい」
「あのね、この前学校で女の人のあそこを見たって子がいたの。
もじゃもじゃでビラビラがグロくて気持ち悪いっていってて、
でも僕にはそれが信じられなくて……」
「それで私の体で確かめようと? そう、分ったわ」

とは言ったものの、弟の答えはあまりにも予想外過ぎた。
私自身、自分のその部分をよく観察したこともないのだけれど
グロいだの気持ち悪いだの言われるのは心外だった。

「人の体を気持ち悪いなんていうのは感心できないわね。
だからそういうことは信じなくていいし、真似するのもだめよ」
「う、うん……」
「個人差だってあるのだし、人それぞれ個性もあるのだし。
実際のことは優が大人になれば分ることなのだから」

神妙に頷く弟を見て、お説教はもう充分だとカメラを返す。

「今この場でデータを消しなさい、そうしたら無かったことにするから」
「……お姉ちゃんは見た?」
「残念ながら優の見たかったものは写ってなかったわ」

私の貧相な体はともかく、女の子の全裸は中学生男子に刺激的すぎる。
名残惜しそうな顔はしても食い下がるような愚かな弟では無かった。
問題の映像を削除し、データが空になった事を私に示した。

「よろしい、二度とこういうことはしちゃだめよ」
「分ったよお姉ちゃん」
「どうしても裸が見たいなら、今度一緒にお風呂に入ろうか?」
「ほ、ほんとに?」
「ええ。ただしお父さんとお母さんがいない時にね」

優となら今でも一緒にお風呂に入るのは構わないけれど
二人が揃って家を空けることなど滅多にあるものではない。
その滅多にない機会が、ほんの1週間ばかり後に訪れてしまった。



レッスンを終え帰宅した時には両親はもう出かけたあとだった。
親戚にご不幸があったとのことで、今日がお通夜で明日の葬儀を
終えてから帰ってくるらしい。母親が作り置いた夕食を済ませて
洗い物をしながら例の約束をどうしたものかと考える。

空約束のつもりはなく、一緒にお風呂に入るのは構わない。
3年ぶりとはいってもまだ幼さの残る弟に裸を見られるのは
別に恥ずかしいとも思わない。
問題は彼が本当に見たい部分のことだった。
体の構造上、見せようとしなければ見えないその部分を
姉の私が性教育目的とはいえ見せていいものだろうか?

「お姉ちゃん、お風呂沸いたから先入るね」
「待って優、一人で入るの?」
「……そうだけど」
「お姉ちゃんも一緒に入るから、先入ってて」
「……いいの、本当に?」
「先週約束したでしょ、一緒に入ろうって」
「う、うん……」


流石に湯船に二人は少し窮屈で、足を絡めるように向かいあうと
弟は恥ずかしそうに目を逸らしてしまう。

「せっかく一緒に入ったのに、見なくてもいいの?」
「お姉ちゃんは恥ずかしくないの?」
「別に優なら平気よ。だから遠慮しなくていいわ」
「う、うん……」

胸を見られる視線のくすぐったさを我慢していると
徐々に弟の表情が和らいでいく。

「やっぱりお姉ちゃん、綺麗だね」
「えっ? そ、そうかしら。でも少し物足りないでしょ」
「そんなことないよ。綺麗だしバランスもすごくいいし」
「ありがとう、優にそういってもらえると自信がもてるわ」

そんなやり取りでリラックスして世間話をしているうちに
茹ってきたので、せっかくだから背中の流しっこをしようと
湯船を出た時、弟の目が私の下半身に釘付けになった。

「ねえ、お姉ちゃんってまだ生えてなかったの?」
「これは違うの、グラビア撮影の時に勧められて春香と一緒に
脱毛してみたのよ」
「そうなんだ……でも毛が無いほうが綺麗に見えるかな」
「そうかしら。もともとモジャモジャでもなかったのだけれど」
「僕もちゃんと生えてくるのかな」
「心配しなくて大丈夫。でもモジャモジャなのはちょっと嫌かな」
「じゃあ僕も剃るよ」
「その時はお姉ちゃんが剃ってあげるわ」

そんな軽口を叩いてみせたのは成長真っ盛りの優のものを見て
怯んだのを隠すためだった。小指程の可愛らしいおちんちんが
いつのまにか男の性器として完成に近づいていたのから。

「ねえ、また機会があったら一緒に入っていい?」
「いいけど今日みたいにな時だけよ」
「うん……そうだよね」
「今日は満足できた?」
「お姉ちゃん、見せてもらうのはやっぱりダメ?」
「……い、いいわ。着替えたらお姉ちゃんの部屋に来て」

あとで思えば、満足なんて言葉はいうべきではなかった。
弟が本当に見たいものは分かっていたけれど、その時はまだ
決心がついていなかったのだから。
でも切羽詰った表情で迫られるととてもNOは言えなかった。



部屋に戻るとバスタオルを巻いただけの格好で髪を乾かしながら
今からの事を考えてみる。

今更羞恥心は問題ないし、実の弟と性に触れることも抵抗はない。
別に悪いことではなく、いずれ必要になる事を教えるだけだから。
それより優の初めてを独占でき、二人だけの秘密を作るのだと考えて
ようやく決心がついた。
あえて部屋の明かりはそのままに、ベッドに座って優を待つ。
ほどなくドアがノックされ、優が顔をのぞかせる。

「お姉ちゃん、もういい?」
「ええ、入っていいわよ」

パジャマ姿の優は入るなり私の格好に気付いて立ち止まった。

「どうしたの? こっちまで来なさい」
「う、うん……」

恥ずかしいのか顔をそむけるように近づいてベッドに座る。

「ねえ、本当にいいの?」
「いまさら何を言ってるのよ。恥ずかしいならやめるわよ?」
「……み、見たい」
「じゃあ始めましょう。優、前の床に座って」

優を待つ間にどういう格好で見せるか考えていた。
座った姿勢から上体を倒して仰向けになり軽く足を開く。
これだと視線を合わせることがないからじっくり落ち着いて
観察することができるはず。

「さあどうぞ」
「うん……」

やがて気配がして、足の内側に彼が入ってきたのが気配で分かる。
私からも優が見えないから、あとはただ目を閉じて優が私の性器を
観察し終わるのを待つだけ……のはずだった。

足の内側に伝わる彼の体温、あそこにぶつけられる荒い吐息。
注がれる視線にすら圧力を感じてしまい、心拍数が跳ね上がる。
ただ見せるだけと思っていたのに、見せるだけでも立派な性行為と
成り得ると気付いた時にはもう手遅れだった。

「お姉ちゃんのここ、すごく綺麗だね」
「そ、そうかしら。変な感じはしない?」
「全然そんなことはないよ。でも男と比べると複雑な感じがする」

素直な感想を述べているだけだろうけど、太ももや性器のすぐそばに
優の顔があると思うだけで疼くような感覚が広がっていくし、吐息が
触れた部分は熱気が体の奥にまで伝わってくるみたい。
くすぐったくて、それでいてやるせない、なんだかもどかしい感じ。
それが快感の端くれとはまだ気づくわけもない。

「ねえ、そろそろいいかしら」
「待って、もう少し……」
「いいけれど。そんなに見ていて飽きない?」
「うん。見てるだけでも凄くドキドキしてくるし」

それは私も同じだけれど、姉の威厳のためにも黙っておく。

「お姉ちゃん、ちょっと触ってもいい?」
「えっ?」
「見るだけだと中がよく分からないから」

思いがけない言葉に思考がついていかず言葉がでない。
それを拒否ではないと勝手に解釈したらしい。
優の手でそっとあそこが開かれる。

「中も綺麗……」

それだけいうと、あとは荒い吐息が剥き出しの性器にぶつけられる。

「だめ、もうおしまい」
「ちゃんと教えてよ、見ただけじゃよく分からないから」
「教えるって……」
「赤ちゃんが生まれてくるとことか」
「それはここ、膣というの。入口があるの分かる?」
「うん……すごく小さい穴だけど」
「その上におしっこの出る穴があるの。これで分かった?」
「ねえ、もしかしておしっこでた?」
「どうしてそんなこというのよ」
「だってお姉ちゃんのここ、濡れててなんかぬるぬるしてる」
「馬鹿なこといわないの、粘膜を保護するために湿っているだけよ」
「ふーん、そうなんだ」
「分かったらもうおしまい」

目的を果たして満足した弟は素直に離れて立ち上がった。

「お姉ちゃん、ありがとう。もう寝るね」
「待ちなさい」

出ていこうとする弟を制止し、背中を向けてバスタオルをほどく。

「な、なんで脱ぐの?」
「着替えるだけよ。ベッドに座って待ってなさい」
「……ど、どうするの?」

ショーツを履き、素肌の上にシャツを羽織ると優の前に正座して。

「今度は私が見る番でしょ?」



別に男性器を見たいわけでは無かった。
ただ自分のを見られた上に”濡れている”と言われたことが癪で
弟に何かやり返そうと思っただけだった。
ともかく私にも見る権利があり、それは発育を確かめるだめだと
自分に言い聞かせながらいざ向き合ってみれば。
お風呂でちらっと見ただけでショックを受けたように
記憶にある可愛いかったおちんちんはすっかり変貌していた。

握っても余るほど長く太い男性器はおへそにつくほど反り返り、
根元にはうっすらだけど陰毛が生えかけている。
これがまだ成長途中だとしたら、もっと大きくなるのだろうか?

「ねえ……もういい?」
「何言ってるの、自分だってじっくり見ていたくせに」
「だってじろじろ見られたら恥ずかしいし、鼻息がくすぐったいよ」
「私だって同じだったのだから我慢しなさい」

指先で触れた感触は滑らかなのに、弾力の奥には骨があるような固さ。
そして膨らんだ先端に少しだけ皮を押しのけてピンク色の柔らかそうな
部分が顔を覗かせている。
それがきつそうに見え、剥いたら楽になるかと握り締めて動かすと
優の頼りない悲鳴に手を止めた。

「ごめん、痛かった?」
「ううん……痛くはないけど変な感じ」
「そうなの、でも凄いのね、こんなに固くなるなんて」
「ねえお姉ちゃん、さっきのもう一度してみて」
「大丈夫なの?」
「うん、平気……」

やはりきつかったのだと誤解した私はできるだけ柔らかく握って
優の表情を確かめながらゆっくり小刻みに動かしてみる。
目をつぶり、半開きの口から溜息のような吐息がもれている。
それが苦痛ではなさそうだと見て右手の動きを増していく。

「……い、いい」
「なに、優?」
「す、すごく気持ちいいよ、お姉ちゃんの手」
「気持ちいいって……」

自分の行為が何を意味するか、無知ゆえに気付かなかった。
そしてその代償はそれから数秒後に味わうことになる。

「お姉ちゃん、だめ! とめて」

悲痛な叫びに驚いたときには遅かった。
右手の中でおちんちんがびくびく震えたかと思うと
根元で膨れ上がった何かが駆け上がり、先端で弾けた。

反射的に目を閉じた私の顔に生温かい飛沫がふりかかり、
額から鼻筋を伝ってとろとろ流れていく。
それは一度で終わらなかった。
瞼を叩いた二度目のそれが頬に流れ、唇にとんだ三度目は
青臭い刺激臭を鼻に伝えながら唇を伝って舌に届く。
最後の脈動は勢いがなく、どろりと流れ出た液体が
握り締めたままの右手の中にしみこんでいく。

これは……射精だ。
かつて性教育で習った、文字だけの知識。
それを実の弟で、自らの手で射精にいたらしめてしまった。
大きな溜息をついた優がベッドに倒れこんだあとも
私は呆然としたまま動けなかった。
顔にかかった精液が口の中に流れたのを半ば無意識のまま、
唾液と一緒にごくりと飲み込んでしまう。
左手で顔を拭い、指先についた白い液体をじっと見る。
半透明でとろみのある液体。

ああ、優はもう子供ではない。大人の男になったんだ……

視線を落とすと、首筋から滴り落ちた精液が乳房の膨らみを伝い
おへそのしたまで流れていく。



射精で消耗したのか、ベッドに倒れたままの優をそのままにして
一階に降りて鏡を見ながら顔についた精液をティッシュで拭い取る。
それから飛沫が飛んだシャツとパンツを脱いでざっと水洗いしてから
洗濯機に放り込むとお風呂に入ってシャワーを浴びた。
パジャマに着替え、お湯で絞ったタオルをもって部屋に戻ると
まだ優はベッドに寝たままだった。
既に下半身は勢いを失って小さくなっていたけれど、こびりついた
精液をタオルで拭っているうち意識を取り戻した優が身じろぎをする。

「お……ねえちゃん?」
「優、気がついた?」
「うん、あの……僕どうなったの?」

不安そうな表情の弟がいとおしくてたまらず、そのまま寄り添うと
しっかりと抱きしめながらその耳元にささやいた。

「大丈夫よ、優。お姉ちゃんね、優のことが大好き」
「……う、うん。僕もお姉ちゃん、大好きだよ」
「今日はこのまま一緒に寝よっか」



目が覚めて真っ先に感じた温かさとくすぐったさ。
理由はすぐにわかった。
抱きしめたままの優が甘えるように胸に顔を埋めている。

「おはよう優、もう起きてたのね」
「お姉ちゃんおはよう」
「さあ、もう起きるわよ。朝ごはんの準備しなくちゃ」
「待って、もう少しだけ」

起き上がろうとした時、しがみつく弟の股間が太ももに当たる。
その固さに昨夜の出来事を思い出して赤面する私には構わず
抱きついた弟がもう一度顔を胸に埋める。

「お姉ちゃん、柔らかくていい匂いがする……」
「しょうがないわね、甘えん坊さん」

小さい時にはこんな風によく抱きしめたものだけど、あの時と違って
のしかかる体は重くて熱く、太ももにこすり付けられる固い感触が
私の体まで熱くする。

「お姉ちゃん……昨日のことだけど」
「なあに?」
「凄く気持ちよかった」
「……そう」
「こうしてると昨日みたいな感じになる」

弟の状態に気付いていないフリを装いながら、内心ではもどかしかった。
あと少し、ほんの5センチも上にずれたら当たるのに。

「胸、くすぐったいわ」
「ごめん……」
「ねえ優、顔見せて」

背中に回した手を腰にあて、ずりあがるよう催促する。
さりげなく足を開いて迎え入れる準備をして。

「あっ……」

熱くて固いのが当たった瞬間、つい声を出してしまった。
肉体的な刺激もそうだけど、いまの格好がまるでセックスそのもの
だと気付いたらとても平静を保てそうにない。
そんな私に気付いたのかどうか、弟の無邪気な視線が胸に向けられる。

「見ていい?」
「昨日見たでしょ」
「見たけど暗かったし……」
「見るだけよ」

パジャマのボタンを外し、だけど自分で肌蹴るのは恥ずかしくて
視線を反らすと後は弟が引き取った。
あらわになった乳房が外気の肌寒さを感じた瞬間、優が顔を埋めて
乳首が熱いものに包まれる。

「こら、見るだけって……んっ、だめよ優」

弟がそうすることは予想していたけれど、刺激は想像以上で
押し返そうにも力は入らず、変な声が出ないようにするので
精一杯だった。

優はそれを肯定と受け取ったらしく、左右の乳首を交互に咥えては
吸ったり舌でつついたりやりたい放題で、その間私は弟を抱きしめ
胸と下半身に与えられる刺激に翻弄されっぱなしだった。

その時、目覚ましのアラームが鳴り響き、驚いた優が動きを止める。
呆れたことに優は私のズボンを下ろそうとしかけていたようで
隙をついて押し返して体勢を入れ替えると優を見下ろした。

「何をしようとしたの?」
「ご、ごめん……こっちも見たくて」
「嘘ばっかり。胸も見るだけっていったくせに」

乳房は優の涎で濡れ光り、ところどころに吸い付いてできた
赤い痣までできている。

「悪い子ね、優は」

体をずらして太ももにまたがり、ズボンの盛り上がりに目をやる。

「エッチなこと、考えてたでしょ」
「……ち、違うよ」
「じゃあどうして脱がそうとしたの?」
「お、おねえちゃんも気持ちよくしようと……思って」
「……どうするつもりだったの?」

叱られた子犬のようにしょげかえる優のほっぺを軽くつまむと
怒っていないことを示そうと、体を倒してそっと唇をつける。

「そういうの、優にはまだ早いのだから」
「でも……お姉ちゃんは僕に、その」
「ここがこんなになっているからエッチな気持ちになるのでしょ」
ズボンに手を入れ探り当てると昨夜のように握り締めた。

「昨日みたいにしてあげる……」

優のパジャマも脱がせ、裸の上半身を密着させると
熱くて固いペニスをゆっくりしごきはじめた。


お互いの胸と腹に飛び散った精液をティッシュで拭い取ると
昨夜の分とまとめてビニール袋に入れて固く口を縛っておく。
そしてまだだるそうな優をせきたててベッドから追い出すと
シーツを外して洗濯機に放り込んだ。

本当はもう少しベッドの中で過ごしてもよかった。
実際、午前に予定している自主トレをやめようかとも思ったけれど
優との行為がエスカレートしそうなのが正直怖くもあった。
だからなんとか姉としての威厳を取り繕っておしまいにしたけれど
私の体ははっきり不満を訴えていた。
それを熱いシャワーで洗い流し、残った痕跡をきれいに片付けて
優との一夜を記憶の向こうに追いやろうとした。



一度きりで済ますにはあの夜の出来事は濃密過ぎた。

次の機会があればと内心では思っていても、二人きりになれる時間は
そうあるわけもなく、何より私自身が家にいる時間すら限られる。
だからといって親がいる時にするのは論外だった。
真面目で厳しい父母のこと、たとえそれが弟のためとはいえ
性的とも取れる関係を持っている事は絶対知られてはいけない。
それでも私はいけない事だと分っていても、弟が前を向いて
歩きだせるようになるなら関係をやめるつもりはなかった。


そして機会はほどなくして訪れた。

いつもは学校が終わるとそのまま仕事に直行するのだけれど
急に予定が変わり着替えを取りに戻る必要があった。
ゆっくりする余裕はないけれど短時間でも気兼ねせずに優と
触れ合えるのなら文句はなかった。

驚かせようと足音を忍ばせ2階に上がりそっとドアを開く。
ヘッドホンをつけ机に向う弟の肩越しに覗き込んだとき
気配に気付いた弟が慌ててパソコンを閉じて振り向いた。

「お、お姉ちゃん……どうして」
「着替えを取りに戻ってきたの。それより今、何見てたの?」
「な、なんでもないよ」
「なんでもないなら開いて見せて」


さっき一瞬見えた肌色から大体の予想はついていたけれど
実際の映像はその予想を遥かに超えていた。
全裸の男女が逆向きに絡み合い、それぞれの性器を口で……
反射的に画面を閉じて弟に向き直る。

「優にはまだ早いわね。興味があるのは分るけど」
「……ごめん」
「一人だからってこういうのばかり見ているのはダメよ」
「わかってるよ。でも……」
「この前のこと?」

弟が言いたい事はよく分っていた。私だってそうなのだから。
どうすべきかも知っている。私だってそうしたいのだから。

「だったらまたしてあげようか?」

上からの物言いは姉として、主導権を持つため必要だった。
あくまで不憫な弟のためにしてあげるという建前。
この時の私にはまだそれが必要だった。
カーテンを閉じて部屋を暗くすると弟のベッドに座る。

「ほら、優。きなさい」
「いいの、本当に?」
「余り時間がないから……ズボン、脱ぎなさい」

一度は萎れかけていたおちんちんが、脱いだ瞬間からむくむくと
勃起して目の前にそびえるのを見て私の下半身も疼いてしまう。
手を伸ばしてそっと握ると、びくびくと脈打つ熱い肉の固まり。

「男の子って元気ね……隣に座りって」

並んで座った優の背中を左手で抱え、右手でペニスを持つ。
ゆっくり、感触を確かめながら上下に動かし始めると
それだけで優の吐息が乱れ、そんな反応が可愛く思える。

「気持ちいい?」
「んっ、いいよ……お姉ちゃんの手、すべすべで」
「加減はどう、こんな感じでいいのかしら」
「いいよ……もう少し強く握って」

薄暗い部屋に熱気がこもりはじめ、優の荒い吐息につられて
私の息も弾んでくる。

「んっ、ねえ……ちょっと待って」
「どうしたの、優?」
「お姉ちゃんの胸……触っていい?」
「いいわ。優が脱がしてちょうだい」

ぎこちない手つきでボタンが外され、ブラウスを肌蹴ると
待ちかねたように優の手がブラの上から乳房を包み込む。
力加減がまだ分らないのか、ブラが擦れて少し痛い。

「優、それも外して」
「いいの?」
「外せたら、優がしたいことしていいわ」

からかう口調が気に触ったのか、優は怒った表情を見せると
乱暴な仕草でブラウスを剥ぎ取り、スリップも脱がせられる。
ついで両手が背中に回されあっというまにブラも外された。
勝ち誇った顔に頷いて見せると、優はいつもの甘えた表情に
戻って胸に顔を埋めてくる。

「ふぁっ……」
「気持ちいい、お姉ちゃん」
「んっ、そんなこといわなくていいから」
「どうして? 声も顔も気持ちよさそうだよ?」
「いいから……」

その頭をそっと抱きしめると、もう一度右手を伸ばす。
弟の口と舌で乳首を啄ばまれながら、懸命に快感を堪え
右手を動かすのに集中する。

そんなに長い時間はかからなかった。
先に快感に負けたのは優の方で、体がびくびくと跳ね始め
胸への愛撫が途切れはじめる。

「あっ、だめ、出そう……」
「待って。今だしちゃ」

手探りでベッドの上をさぐり、さっき脱がされたスリップを
掴むとペニスを握った手の上から包み込む。
その直後、びくんと跳ねて右手の中で優が果てたのが分った。



時計を見れば既に予定の時間を大きく過ぎている。
脱ぎ散らかした衣類を拾い集めると、ベッドに倒れこんだ優に
行ってくるからと声だけかけて1階に下りた。

洗面台の鏡に映る自分の胸には優が残した赤い小さな跡と
唾液にまみれて濡れ光る尖った乳首。
それを見ながら右手に握ったスリップを拡げると、べっとり残った
精液に鼻を近づけ、青臭い塩素のような匂いを深々と嗅ぎ取った。
胸だけでなく下半身までじくじくと疼くのを感じてしまうと
時間が気になりつつもその変態的な行為がとめられない。
それでもなんとか行為を止めると、付着した精液を洗面台で
洗い流して洗濯機に放り込んでおく。

タクシーを飛ばしてもレッスンには間に合わなかった。

初めての遅刻、そして遅れた理由も嘘で誤魔化したのに
誰も私を責めなかったし、私の胸も痛まなかった。



平均して週に一度の機会が限界だった。
寂しがり屋の弟のためにもう少しペースをあげたかったけれど
無理をすればきっとどこかで綻びがでてしまう。
私たちの関係は絶対知られるわけにいかないから、自重と用心が
なにより大事だと自分に言い聞かせる。


家に入るときちんと鍵をかけてから優の待つ居間に行くと
挨拶もそこそこ、優の手で服が脱がされまずは胸の愛撫。
最初こそ無我夢中の優に揉まれて吸われるだけだったのが
回数を重ねるごと彼の愛撫は巧妙になっていく。
指先が乳房を撫でるように這い、さんざん焦らされた挙句
ようやく触れた乳首からすぐ離れてしまう。
何も感じていないふりでそっぽをむくと、今度は手のひらに
包まれゆっくり揉まれはじめる。
漏れそうな声を溜息でごまかし、下半身に力をいれて快感の波を
やり過ごそうとすれば何気ない手つきでふとももが撫でられ
今度こそ声が止められない。

とはいえ弟もそう余裕があるわけではなく、揉み始めてすぐ
空いている方に顔をよせてそっと乳首が口に含まれて。
そうして優のしたいようにやらせたら今度は私の番。

手を伸ばせば、確かめるまでもない股間の状態。
ズボンに手をいれガチガチに固くなったペニスをまさぐりながら
胸に吸い付く優の頭をそっと抱き寄せる。
隙を見て優の手が太ももから奥に滑り込もうとするのを
かわしながらズボンをずらして本格的にしごき始めると
あっさりと快感に負けた弟が乳首から口を離し喘ぎ始める。
優の反応を見ながら手の動きを早め
タイミングを見計らって脱いだ下着で受け止める準備。

「お姉ちゃん、出る!」

切ない叫びの直後、手の中で優のペニスがびくびくと跳ね
精液が私の下着にたっぷり放たれて行為が果てる。
ソファーに沈んだ弟を置いて洗面所に立つと、シャツをひろげて
青臭い刺激臭を嗅ぐのがいつしか癖になっていた。
それから自分もパンツを脱ぐとシャツについた精液と一緒に
ぬるぬるを洗い流して洗濯機に放り込む。
片づけを済ませると一休みする暇も無く着替えて仕事に出かける、
それが決まったパターンになった。



欲求に飽き足らない人間の性(さが)そのままに
回数を重ね行為に慣れた私達は、いつしか感覚を麻痺させてしまい
ただ快感を求めることが関係の理由になり始めていた。

たとえば。
乾いた手で強く擦ると痛いといわれ、それならばと最初は
唾をたらしてみたのがベビーオイルを経て最後はそれ用の
ローションを使うようになったこととか。

アイドル・如月千早がファンの男の子に求められて関係を
重ねてしまうという擬似的なシチュエーションにしてみたり。
そういう時、弟は決まって私の下半身を攻めようとした。

「優、そこはだめよ」
「どうしてだめなの?」
「どうしてもよ」
「お姉ちゃんは僕のを触るくせに」
「男と女は違うの」
「どう違うのさ」
「シャワーも浴びてないのだからダメ。それより片付けないと」

ふくれっ面で後片付けを始める優。
彼の気持ちは分かる気がするけれど、胸はともかく汗ばんだままの
下半身を委ねるのは流石に抵抗があった。

「じゃあお姉ちゃん行ってくるから。ちゃんと換気しておいて」
「……分ってるよ」

しょげる優が気の毒になり、踵を返して後からぎゅっと抱きしめる。

「優に触らせたくないわけじゃないの、それは分って」
「……」

その言葉に偽りはなかったけれど、エスカレートしつつある行為に
対するブレーキとしてまだ一応は機能していた。
だけど初めて優と関係を持ったあの夜のように二人きりになる
時があったとしたら、その時にもブレーキは働くのだろうか?



週に1度、ときには2度。
放課後の関係が始まった日の夜にしたのをきっかけに
優との関係と同じようにオナニーも習慣になっていった。

それまでにも好奇心が高じてしてみたことはあったけれど
快楽を意図して行ったそれは今までのとまるで違っていた。
あの夜、疲れているのにベッドに入ってもなかなか寝付けず
昼間の行為を思い返すと、熱くて固いペニスの感触だけでなく
刺激的な精液の匂いまでが脳裏に蘇った気がして気づいたら
指で性器をまさぐっていた。

くちゅくちゅ音がするほど濡れたあそこを弟に見せただけでなく
その手に触れられ、奥まで覗きこまれた事も思い出すとさらに
粘っこい液体があとからあとから溢れ出し、夢中になって動かす
指を膣に挿入した途端、頭が真っ白に弾けて絶頂してしまった。

オナニーの快感を知ってしまえば恥じらいも禁忌も忘れてしまい
どうすればもっと気持ちいいかだけを考えるようになる。
その結果、昼間に見た優の性器を思い出し、行為を反芻しながら
声が漏れそうな口は手のひらでふさぎ、優に見られ、優に触られ、
優に責められるのを想像しながら指を動かし続ける。

変態じみた想像で頭もあそこもぐちゃぐちゃに煮えたぎらせたあと
布団を被ってふーふーと荒い息を鎮めながら、決まった浮かぶ
罪悪感に苛まれながら快感を反芻するのがやめられない。
それ以来オナニーは優との行為の延長になり、想像の中で私と優は
実際にはできない行為も平気で行うようになっていく。
終わった後に自己嫌悪に陥ったりもしたけれど、心のもやもやを
すっきりと発散できるのがメリットなのだと自分に言い聞かせ
心のストレッチのようなものだと割り切るようにした。

自分でするのでもこんなに気持ちいい事を人にしてもらえれば
どれほどの快感になるのか、考えると少し怖いくらいであり
それが優の求めに対するブレーキにもなっていた。

だけどそれは思った以上に脆いものだった。



放課後の行為の際、胸だけは好きなようにさせていたけれど
下半身に手が伸びてくるたび柔らかく押さえながら言葉で
はっきりダメだと伝えている。
弟の欲求が日増しに高まっていくのは分っていたけれど
自分がそうさせていることも、私が拒否することがそれを
煽っていることもよく分っていなかった。

そもそも私は男女の性欲の違いすら分っていなかった。

普段のおとなしさに似合わず、そのたび執拗に求めてくる弟が
その日に限って何もしてこなかった。
言葉には出さなかったけれど怪訝な顔でもしたのだろう。

「いつもみたいにしたほうが良かった?」
「な、何をいっているの」
「物足りなかった?」
「いいから、ほら。片付けたらいってくるわよ」

そしてその夜。
いつものように下着の中に手を忍ばせたその瞬間。

「やっぱり物足りなかったんだ」
「なっ、優! どうして」
「だって、いつもした夜はオナニーしてるでしょ」
「……し、してないから」

掛け布団がめくられて見られたくない痴態が晒される。

「僕が手伝ってあげる。いつもしてもらうばっかりだから」
「だめよ、まだ下で起きてるから」
「大丈夫、もう寝てるよ。それにすぐ済むから」

弟の言葉通りだった。
自分でする時より遥かに早く、頭が真っ白になる絶頂を迎え
終わった後しばらくは身動き一つできなかった。
その間に弟は濡れた股間をティッシュで拭ってくれて、下着まで
直すと布団をかけて部屋を出て行った。

次の日、親がいるときの行為を咎めて注意はしたけれど
もう一度同じことをされて止められる自信はまるでなかった。



風呂あがり、バスタオルを体に巻いただけで2階にあがる。
母親は台所で洗い物中、父親は出張で今夜は帰ってこない。
制限時間は短いけれど今はそれで充分だった。

「優……お風呂入ったら?」
「うん、あと少しだけ」
「何見てるの?」

弟の見ているパソコン画面を肩越しに覗き込むと
すぐに手が伸びてきてバスタオルを潜ってくる。

「あったかい、それにもう濡れてる」
「ち、違うわよ。ちゃんと拭いてないだけだから」

しばらくは肌色の多い画面を黙って見つめているのけれど
その間にも弟の手は動きを止めず、指が中に入ってくる頃には
体が崩れそうになってしまう。

椅子がくるりと回され、無造作にバスタオルが解かれる。
あそこを触ったまま胸に吸い付いてくる弟の頭を抱きしめる。
目を閉じ、乳首と性器同時に与えられる快感に酔いながら
漏れそうな喘ぎを吐息でごまかしながらその時を待つ。

「すごい、もうこんなにぐちゅぐちゅだよ」
「やっ……そんなこといわないで」
「気持ちいいからこんないっぱい濡れるんでしょ?」
「そう、そうよ。優がよくしてくれるから」



放課後の関係が私から優にしてあげる行為だとしたら
お風呂上りは私が優にしてもらう、新たな習慣だった。

きっかけは偶然だった。
お風呂上りの格好のまま、何の気なしに優の部屋に立ち寄って
それを私の誘いだと思った優が無防備のあそこに手を伸ばした。
不意打ちの愛撫に思わず声を出してしまい、それが階下に
聞えたのではとうろたえている間にバスタオルが解かれて
あとはもうされるがままだった。

「……もう、駄目だっていっているのに」
「ごめんなさい。でも……いつも僕がされるばっかりだから」
「それでお姉ちゃんのことを気持ちよくしてくれたの?」
「うん」
「ありがとう、すごくよかったわ」

頭を撫で、それからそっと抱きしめて頬にキスをしたのは
咎める気はないという意思表示のつもりだった。
慌しい短時間の愛撫なのに、一人でするときより何倍も
気持ちよかったのは事実だったから。
それがばれてはいけない状況でするスリルのせいだとしても。

あとで聞いたところでは、放課後する時に自分も触りたいのに
私が綺麗でないと拒否するのがきっかけらしかった。
お風呂上りなら問題ないのと、無防備な私の姿が誘っているよう
見えて衝動的に動いたということらしい。

慌しい愛撫が終わると、バスタオルを拾って乳房についた唾液と
ぬるぬるの下半身をざっと拭い取る。

「もっとゆっくりできたらなぁ。あの時みたいに」
「……ああいうのはそうそう無いと思うけど」
「時間があればもっと気持ちよくしてあげられるのに」
「あの……動画みたいなこと?」
「うん、そうだよ」

無邪気な瞳が私に向けられる。
優は旺盛な好奇心からそれを望んでいるのだろうけど
例の動画で見たお互いの性器を口で愛撫しあうという
信じ難い行為はセックスそのものより衝撃だった。

この前のように二人きりになれば弟が求めてくるのは明らかで、
私はそうなることに恐れを抱いていた。
優のいう通りあれがもっと気持ちいいことなら、私はもう己の
欲望をコントロールできなくなるかもしれない。
頭では分っていても、体の疼きはいつまでたっても収まらず
夜になるたび快楽を求めるよう熱を帯びていく。



ゆっくりできる時間が欲しいと思いながら、アイドルの仕事は
ますます忙しくなり放課後の時間も確保しづらくなる。
無理しないでと弟は言ってくれるけど、できるだけの努力は続け
どうしても足りない時はお風呂上りの短い時間を代わりにあてた。

親がいる時は絶対駄目だといっておきながら、我慢できないときは
両親の動向を見計らっては優の部屋に忍んでいく。
深夜に両親が二階の子供部屋にあがってくることは滅多にないけれど
風呂上りの私がバスタオルを解いた全裸で乳房を吸われたり
あそこを愛撫されている姿や、弟のペニスを握って射精させる姿を
見られるわけにいかず、用心が欠かせないから行為に集中しきれない。

「大丈夫だよ、上がってきたらすぐわかるから」
「だけど夢中になっていると足音とか聞き逃すでしょ?」
「その辺もちゃんと考えてあるんだ」

そういいながら優が何やらパソコンを操作すると、いつも見ている
エッチな動画が小さくなり、代わりに違う映像が開いた。

「これ、うちの階段じゃない?」
「そう。それと階段にも仕掛けがあるんだ。ちょっと見てて」

階段を下りる背中が画面に映し出され、階段の下で回れ右をした弟が
画面に向かって合図を送るとパソコンからメロディが鳴る。
どういう仕組かはわからないけれど、私と違い機械に強く器用な
弟のことだから間違いはなさそうだった。

「ね、階段を上がる時にアラーム音が鳴るようにしてあるんだ」
「これを優が……すごいのね」
「それよりお母さん、いまお風呂に入ったみたい」

母親はゆっくり入浴するから、今から20分は行為に没頭できる。
そうと分れば現金なもので、その夜はベッドに体を横たえると
裸で抱き合いながらお互いの性器を愛撫しあい、私が満足すると
同時に優もたっぷり射精する。
そのまま余韻に浸っていたいけれどそうもいかない。
お腹に飛び散った精液を手早くティッシュで拭き取ると
ベッドから降りてバスタオルを体に巻きつける。

「でも……やっぱり時間は欲しいよね」
「優はこの前見た動画みたいなこと、してみたい?」
「うん、してあげたい。お姉ちゃんは?」
「時間があれば、ね」
「その時はお姉ちゃんもしてくれる?」

何を、とは聞くまでもなかった。
そのことは少し前から私の中にあって、ブレーキがなければ
今夜にでもしていたかもしれなかった。

「お姉ちゃんに考えがあるの。それが上手くいけば、ね?」



「ディナー付きホテル宿泊券?」
「事務所でいただいたの。他に希望者もいなくて」
「一流ホテルのスイーツなんて豪勢だけど、ほんとうにいいのか?」
「ええ、少し早いけれど二人の結婚記念日にと思って」

小道具に使ったのは事務所でもらった何かの賞品かプレゼントで
使用日が限られていたせいで貰い手がいなかったもの。
両親の予定と希望さえ合えばと持ち帰ったけれど、見合わせた顔を
綻ばせたのを見て私は作戦の成功を確信した。

「ありがとう千早、せっかくだから使わせてもらうよ」
「ご飯と優の面倒はお願いしていいわね」
「もちろんよ、ゆっくり楽しんできて」

その間、私達もゆっくり楽しむのだから……心の中でそう呟いた。


そしてその当日。
レッスンを終えると急いで着替えを済ませスタジオを飛び出した。
帰る途中、駅前のデパ地下でお弁当を二つ買い足早に家に向かう。
段取りには随分苦労したし、生理がきそうでやきもきもしたけれど
二人きりの時間を無事に迎えられたのは幸いだった。
私の帰りを待ちわびている優のこと、いつものように帰宅してすぐ
求めてくるかもしれないけれど、今夜なら受け入れてもいいと思い
ドアを開けると出迎えにも出てこない。

お風呂掃除をしていたのはいいとして、なぜ今頃?
奮発したお弁当をおいしそうに食べてくれたのはいいとして
食後にコーヒーを淹れはじめたのには拍子抜けしてしまう。
さすがに私から「しないの?」などと聞くわけにいかなくても
平静を装えたのはリビングに移動したところまでだった。

「今日はおとなしいのね」
「う、うん……そういうわけじゃないんだけど」
「じゃあどういうわけ?」

優はしばらくもじもじしてからそっと私の手を握りしめた。

「あのさ……今までお姉ちゃんに色々負担をかけてたと思うんだ」
「負担だなんて思ったことなんてないわ」
「でも、ああいうやり方は本当じゃないんだって」
「今までしたことが間違っているってこと?」
「違うよ。でも間違っているとしたらそれは僕の方だから」

優が何をいいたいのかは分らないけれど、少なくとも何かに
思いつめているらしいのだけは分った。

「お姉ちゃんは付き合っている人とか……いないよね」
「そ、それは当然でしょ」
「じゃあ好きな人は? その、恋愛的な意味で」
「それもいないし、もしいたとしても恋愛する気はないわ」

繋いだ手にぎゅっと力がこめられる。
優は何かを伝えようとしているに違いない、何か大事なことを。

「ぼ、僕はお姉ちゃんが好きだ」

その夜初めて優とまっすぐ見つめあった。

「だから僕がお姉ちゃんの恋人になりたい」

あまりにストレート過ぎて愛の告白とは思わなかったとしても
最初に言ったことと繋げてみて優の言いたかったことが分った。
だとしたら私がいうべきことは一つしかない。

「私も優が好きよ、だから恋人同士になりましょう」
「……!!」

優の喜ぶ顔があまりにも眩しすぎたので、少しからかおうとして
目を閉じ唇を突き出してみた。

「お、お姉ちゃん?」
「恋人なんでしょ、こういうのは男の子がリードするものよ」
「わかった……」

小鳥のように唇を触れ合わせるだけなのは”恋人”として初めて
交わすキスには少し物足りない。唇が離れると今度は私が優を
抱き寄せ、さっきより深く唇を重ねる。
キスがこんなに気持ちいいものだったと気付いてからは
離れては重なって止まらなくなる。

その時お風呂が沸いたことを知らせるチャイムが鳴った。
私と優は同時に「お風呂入ろう」といい、顔を見合わせて笑った。



「お姉ちゃん、いつもより洗うの丁寧じゃない?」
「そうかしら? 恋人同士ならこのくらい普通よ」
「じゃあ僕もお返ししないといけないね」

あえて本当の理由は言わなかったけれど、優も私と同じことを
考えているなら気付いているかもしれない。
初めてそういう行為を知ったときは信じられないと思ったけれど
優の前に膝をついて洗っている今なら、すぐにでもそうしたいと
思えるのはそれだけ優が愛おしいからに違いない。

そして優の番のときにはその逆を感じることができた。
深夜こっそり愛撫される時とは違い、丁寧にやさしく洗うことに
集中しているようだけど気持ちよさはいつも以上かもしれない。
このあと、優がしてくれるであろう行為を期待するほどに。

風呂上がりはバスローブだけ身につけ髪を乾かして身支度する。
それが終わると部屋に戻ってベッドの準備。
部屋の明かりを消し、スタンドランプだけ灯すと壁をノックして
自分の部屋で待っている優に合図する。

「おまたせ、優。ここに座って」
「さっきは僕にリードしろっていったのに」
「そうだったわね。じゃああとは優の言うとおりにするわ」
「じゃあお姉ちゃん、僕の前に座って」

ベッドに座った優の足の間に膝をつくと、目で促されるまま
バスローブの前を開いて股間を剥き出しにする。
お風呂で勃起していたペニスも今は少し勢いを失っている。
それを下から手のひらで支えて顔を近づける。
こうして見ると綺麗で可愛らしい器官だけれど、その本性を現せば
女を蹂躙し雌として屈服させる逞しい雄の武器。
そして今の私はただの雌になりたかった。

「……優、これからどうしたらいい?」
「僕が言っていいの?」
「ええ、どうするか……優が命令して」

顔を上げると、私を見下ろす優の視線とぶつかった。
そこにあるのは気弱な弟の面影ではなく、獲物である雌を目の前に
舌なめずりする雄そのものだった。

「僕のおちんちんを口でくわえて」

返事の代わりに脈打ちながら大きさを増す先端にキスをした。
思ったより滑らかな肌の感触、そして清潔な石けんの香り。
だけどその向こうに優の肌の匂いと雄の発情が感じ取れる。
軽いキスのあと唇全体を密着されると、そのまま舌を伸ばして
ピンク色の先端に這わしてみると優の体はピクピクと反応する。

くすぐったいと思って唇を離そうとしたけれど、優の手で頭を
押さえられ、そのまま口を開いてペニスを飲み込んでいく。
その時は余裕があると思ったけど、根元まで口に含んでしまうと
すぐに勃起してガチガチになり、口いっぱいに広がったペニスの
先端は喉元まで達してまう。

「すごい、お姉ちゃんの口」

体の反応で気持ちよさそうだと分ったけれど、上ずった声を聞けば
それが確かなものだと理解できた。
ただ咥えているだけではだめだろうから、いつも手でする時のように
動かしたほうがいいと思ってゆっくり顔を上下させてみたのところ。

「痛っ……」
「ごめん、ダメだって?」
「大丈夫。歯が先に当たってちょっと痛かっただけ」

口いっぱいに頬張るだけで精一杯すぎて気が回らなかったけど
確かに敏感そうなところだから歯があたればいたいはず。
もう一度咥えなおすとできるだけ歯をすぼめるようにして
唇や舌で歯があたらないようにする。
そうしてゆっくり顔を動かしてみてコツをつかんでくると
唾液をからめて滑りをよくしてペースをあげてみる。

「あっ、いい、お姉ちゃん、あぁっ、やばいよ」

顔の角度、動かし方、舌での刺激、それと動かすだけでなく
唇をすぼめて吸ってみたり時には口から離して頬ずりしたり。
優の反応を確かめながら思いつく限りのことを試しながら
もはや男性器を口にしていることに抵抗を感じることはなく
ペニスの先端が滲ませる液体を唾液と一緒にすすりながら
手でする以上の快感を与えていることを確信する。

だけどそれは私自身の過小評価だった。
優自身が滲ませる液と私の唾液の潤滑させ、じゅるじゅると
下品でいやらしい音に自分も興奮しながら咥えたペニスを
リズミカルに吸い続ける。
優はもう言葉にならない喘ぎ声を出すだけになっていたのに
ペニスをしゃぶることに夢中になっていた私はそのあとに
何が起こるかすっかり忘れていた。

ずるりと飲み込んだペニスが喉奥に達した瞬間だった。

「お、お姉ちゃん、いきそう、あぁっ!」

射精する、と気付いたときにはもう始まっていた。
ペニスが大きく膨らんだと思うと根元からせり上がってきた
それが先端からはじけて私の口いっぱいに広がった。
その直後、喉奥から鼻にかけて生臭い匂いで満たされ
舌には苦くてしょっぱい刺激がもたらされる。
射精は一度だけでなく二度三度と続き、ようやく終わった時
私の口の中は大量の精液で満たされ呼吸もままならない。

「お姉ちゃん、ごめん……でちゃった」

口の中のものをこぼさないよう、ゆっくりペニスから離れると
半泣きで謝る弟に笑顔を見せて首を振ってみせる。
謝ることなんてない、お姉ちゃんが口でして気持ちよかった
証拠なのだから。
そうして優をみつめながら彼の精液をゆっくり飲み干していく。
粘っこくて喉越しがいいとはいえないし、お世辞にも美味しい
とはいえない味だけど、愛する弟の大切なものだから。
それから唇に残ったものを舌で舐めとりそれも飲み干す。

「お姉ちゃん、大丈夫?」
「うん、優の大切なものだから平気よ。それより気持ちよかった?」
「凄すぎたよ……融けそうで、最後は真っ白になった」
「ふふっ、良かった。少し休憩しましょう」



優をベッドに残して洗面所に立つ。
べとべとの口をゆすいで綺麗にしたついでに自分の体を確かめておく。
思った通りそこはまだ刺激されていないのに、たっぷり愛撫された時の
ようにぐっしょり濡れそぼっている。
そこは優のためそのままにして部屋に戻った。

「大丈夫、優?」
「うん、まだちょっとふらふらするけど」
「もう少し休む?」
「ううん、今度は僕がお姉ちゃんを気持ちよくしてあげるから」
「そう、じゃあ……優に任せるわね」
「ねえお姉ちゃん。本当にいいんだよね、僕がしたいことして」
「いいわ……でも優しくしてね」

優は立ち上がると柔らかく私を抱擁する。

「約束するよ、お姉ちゃんは僕の大切な恋人だから」
「じゃあもう一回好きっていって」
「お姉ちゃん、大好き。愛してる」

抱き合ったままキス。
今までのような可愛らしいのでなく、唇をしっかり重ねると
舌を絡めあう大人のキスだった。
何度も何度もそれを繰り返してから優の唇が首筋におりてくる。
ぞくぞくするような感触に耐えながら、キスだけで反応した体は
中心が熱く疼いてもう一度濡れはじめるのが分る。

だけど優はまだキスをとめない。
バスローブの前を肌蹴けると乳房に顔をうずめ乳首を強く吸う。
崩れそうになるのを支えるため優にしがみつき愛撫に身を任せる。
バスローブがずりおちて全裸をさらしてしまうと、優の手が
お腹からお尻を這い回り、体中の快感から声が出てしまう。

「優、だめ、そんな強くすっちゃ……」

「あっ、やっ、そこ……いい、あぁ、優の手、いやらしい」

「お願い、焦らさないで……いつもみたいに触ってよ、ねえ」

「はぁ、そこ、んっ、入ってくる……優の指」

何度も私の体を弄んでいる優の手指は巧みだった。
私が感じる場所を知りながら、微妙にずらして私を焦らし
そうかと思えば不意に敏感な場所を責めて私を狂わしていく。
それでも優は私を立たせたまま、胸を吸いあそこを弄り
背中、お腹、腕、足を舐めまわしていく。
ただ一ヶ所だけを残して。

「お願い、優……もう許して」
「やめてほしくなった?」
「違う、違うの……分っているくせに焦らさないで」
「じゃあどうして欲しいのかお姉ちゃんの口でいってよ」
「………も、……めてほしい」
「聞えないよ」

「おねえちゃんのあそこも舐めてほしいの!」

次の瞬間、ふわりとベッドに押し倒されて。
足首を掴まれて強引に押し広げられて。

待ち望んでいたその瞬間、悲鳴のような喘ぎ声で叫びながら
頭が真っ白に弾けて絶頂していた。



私が優を口でいかせたとき、快感がどれほどのものか思い知った。
手や指でされるときとは桁外れの気持ちよさ。
あれから何度目になるのかも分らない失神から覚め頭を上げると、
おなかの向こうにはあそこを舐めている優の頭が見える。
体中の力が抜けて身動きすらままならず、もし動けたとしても
快楽に支配された私に理性などなく、私の意識はあそこを這い回る
優の舌や唇だけを求めていた。

その時、ふと優が愛撫をやめて顔をあげた。

「お姉ちゃん……」

どうしたの、優? そう思いながら、言葉にならない。

「いいよね」

顔をあげ立ち上がった優の下半身に目がいく。

「お姉ちゃんは僕のものだから」

その言葉の意味を理解したのは心でなく体だった。
のしかかってくる優の体を柔らかく抱きしめる。
固いペニスがあそこに当たっては滑って逸れてしまう。
無意識に腰を動かして迎え入れようとする努力が実ると
ついにその先端がゆっくり私の中に沈んでいく。

「これからもずっと一緒だよ、お姉ちゃん」
「本当に?」
「うん。勉強して僕がお姉ちゃんのプロデューサーになる」
「嬉しいわ、優」

目を閉じてその時に備える。
鋭い痛みは一瞬だけ、優のものが全て私の中に入ってしまうと
ついに一つになれた喜びに満たされ涙が零れてくる。

「好きよ、優……大好き」
「お姉ちゃん、好き、だからずっと一緒にいるよ」
「来て、優……お姉ちゃんのなかに、あぁ、すごく気持ちいい」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、あぁ、僕も気持ちいいよ」

抱きしめあい、キスを交わし、動きが激しくなっていく。
まもなく来る、優のものが私の中に。
優が好き、優が欲しくてたまらない、だから来て
お姉ちゃんの中に……いっぱい、優のを。

あなたと一緒に、これからずっと。



おしまい。 またはつづく?

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