陽炎

名前陽炎ふりがなかげろう
出演作品甲賀忍法帖
属性忍者所属甲賀
能力淫心を催すと息が毒(青酸ガス?)に変じる

 甲賀名門、頭領に次ぐ家柄の娘。華麗な緋牡丹の如き妖艶な美女。その体質ゆえに彼女と交わる男は死ぬが、それでもこの華麗な食虫花を犯し死ぬのを望む忍者が後を絶たぬと言う。
 彼女は幼い頃より甲賀弦之介と添い遂げんと願っており、それが叶わぬこと、そして彼が仇敵の娘である朧と婚約したことに絶望感を抱いている。彼女は時折、弦之介に抱かれるという叶わぬ望みを胸に抱くが、そんなとき彼女の息は甘酸っぱい香りをさせているのであった。
 それゆえ甲賀伊賀争忍の禁が解かれた時、最もそれを喜んだのは彼女であったろう。彼女は弦之介に思いの丈を打ち明け、朧を斬るよう強く願った。弦之介が承諾したことに彼女が暗い喜びを抱くも、やがて彼の心の底には朧への慕情があることを知り、ますます絶望感と朧への殺意を強くするが――。

 淫術を駆使する女忍者として、まさしく元祖といえる存在。山風作品における哀しき情念の女、そして性を武器とする女の原型とも言える存在である。皆悲惨な死を遂げる二十人の忍者の中でも際だって悲惨な死に様を見せつけたのもまた彼女だ。

  • 『くノ一紅騎兵』
2005年11月01日(火) 21:36:29 Modified by yamafu




スマートフォン版で見る