名前ふりがなおぼろ
出演作品甲賀忍法帖
属性ヒロイン、聖女所属伊賀
能力一切の忍法を無効にする破幻の瞳

 鍔隠れの太陽ともいうべき無垢な娘。婚約者である甲賀 弦之介との祝言を夢見る日々を過ごしており、里の者からは首領の孫である姫君として敬愛されている。甲賀弦之介の懇願を受けて、彼女の祖母であるお幻は彼ら二人の婚約を許したが、それは朧が忍術はおろか体術すら会得できないため弱気を起こしたからだとも言われている。すべての忍法を難なく破る「破幻の瞳」は忍法ではなく彼女が生まれつき身につけていたものだ。無力で無垢な光こそが、異形の闇の力ともいうべき忍法を破るというモチーフは神話的である。

 伊賀と甲賀の間に争忍の禁が解かれたと知ったとき、彼女はその破幻の瞳を自らふさいでしまった。その瞳で味方の足を引っ張りかねぬことを危惧したのもあったが、なにより彼女の純粋な心は忍者の争いと己の運命を目にすることが耐えられなかったのである。彼女はただ愛する弦之介の手によって斬られることを望み、旅についていくこととなる。

 そんな運命に引き摺られてきた彼女だが、物語終盤においては確固たる意志をもって愛する者を守ることとなる。閉じられていた瞳がふたたび開いたとき、彼女は無垢な姫君から強き聖女へと変貌を遂げていたのだ。彼女は山風作品中でも至高最強に分類される、聖女たちの元祖といえる存在だ。
2005年11月01日(火) 21:37:06 Modified by yamafu




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