あ な た と 融 合 し た い ・ ・ ・

 
<絶対忠誠!文学少女の邪悪なる変身>


 とある地方の、とある都市をオレンジ色に染めて、太陽が西へ沈もうとしていた。市内に点在するそれぞれの学校のそれぞれの学生たちは、放課後のそれぞれの時間を過ごすべく、ある者は家路に付き、あるものは部活動に、またあるものはアルバイト先へ向かう、そんな時間。別々の学校に通う、三人の少女たちもまた、各々の時間を過ごしていた。
 ぱたり、と本を閉じる音が、西日が差しこむ鳳凰寺学院高等部の図書室に静かに響く。茶系のブレザーにグレーのプリーツスカートという地味目なこの学校の制服に身を包んだ少女──池野屋あおいは、橙に染まる窓の景色を見て、もう家路に着かなければならない時刻であることに気付いた。
 
 「あ、もうこんな時間…」
 
 薄くブラウンが混じる三つ編みの長い黒髪が揺れる。夕日に目を細める容貌は誰もが振り向くほどの美少女、というほどではないが、理知的でありながら穏やかで優しげな雰囲気を持った、まさに文学少女といえるものだった。そんな出で立ちからクラスの男子にも隠れたファンの多い彼女は読んでいたハードカバーの歴史小説と、教科書などが詰まった学校指定の鞄を小脇に抱え、入り口近くの貸し出しカウンターへと向かう。そこに座る気だるげな2年生女子の図書委員から貸し出しカードに記入をもらい、本を鞄に仕舞い込んで図書室を後にした。
 図書室のある学院の別館は、生徒の姿もほとんどない。生徒が日々の大半を過ごす教室棟、いわゆる本館はこの時間でもにぎやかであろうが、化学実験室や家庭科調理室など、授業の時々でしか使わない教室が集まるここ別館は、ある意味不気味とも思えるような静けさだった。その気味の悪さに、彼女の足はいつも少しだけ速足になる。
 西日が染める静かな廊下に、あおいの足音だけが響く。丸渕の眼鏡の下の、どこか気の弱そうな伏し目がちの可憐な瞳にほんのわずかに不安の色が混じった。何か魑魅魍魎の類が出るとか、曰くつきの場所であるとかそんな話は聞いたことがないが、自分以外誰もいない空間というのはあまり気持ちのよいものではないものである。何度通っても、あおいはこの静寂だけは慣れることができなかった。
 少し速足で廊下を通り抜け、階下へ降りる階段に差し掛かるところで、不意にブレザーのポケットから振動を感じた彼女は右手をその中へと差し入れ、中に収めてあった白色の二つ折りの携帯電話を取り出した。小さなサブディスプレイにはメールの受信を示す便箋のマークが点滅し、淵の青いランプもそれを知らせていた。
 携帯を開き、受信メールフォルダを見る。受信したメールのアドレスは電話帳に登録されていないもののようで、送信者の名前ではなくアドレスそのものが表示されていた。

 「誰だろう…?」

 もしかしたら、友達がアドレスの変更をしたのかもしれない。そう思いメールを開いたあおい。

 その、次の瞬間だった。

 「…っ!?」

 どくん、と心臓が大きく鼓動を打つ。件名もないそのメールの本文欄には、正方形に収められたモザイクのような模様──一般にQRコードと呼ばれるものだけがあった。
 一見何の変哲もないその模様。しかし彼女はその模様から目を離すことができない。どく、どく、どく、と鼓動は徐々に早くなり、体の奥底から疼くような熱が生まれる。

 「あ、あ、ああ…っ」

 眼鏡の下の瞳が大きく見開かれる。大切な借りたばかりの本を仕舞った鞄が、彼女の左手から滑り落ちて床に落ち、横たわる。それでもあおいは、携帯の画面をただただ食い入るように見つめる。
 そして、彼女の視界がほんの一瞬、ブラックアウトする。瞳を閉じたわけでもないのに一瞬だけ黒く染まった視界が元に戻った時──いや、元に戻った、とは呼べなかった。視界は取り戻したが、そこには生身の人間の目に映るはずのないものまでもが羅列されていたからだ。

 「あ、あ、あ、あ…」

 瞳と携帯のと距離。中心に浮かぶ緑色のQRコード読み取り枠。自分の心拍数。四肢と内臓の状態。その他いろいろな情報が、自分の視界に羅列されていたのだ。そして彼女の見開かれた茶色の瞳をよくよく観察すると──ほとんど聞き取れないほどに小さな駆動音とともに、まるで一眼カメラのレンズのように、瞳孔が大小に大きさを変えていた。
 彼女の目に映る四角い枠の中央に、読み取り中という表示が点滅する。視界がぼやけ、明瞭になり、焦点距離を調節している。そしてそれが終わり、四角い枠の中にコードがはっきりと見えると、「読み取り中」が「読み取り完了」へ変わる。

 それが、合図だった。

 「あ、あ、あああんっ!!?」

 感じていた疼くような熱が、彼女の下腹部から全身へ急速に広まった。鼓動はさらに早くなり、全身から汗がにじみ始める。揺さぶられる意識の中に、あおいは抗い難い衝動を感じ、唇から湿った吐息を漏らす。

 「な、なに、これ…っ!?だ、だめ、こんな、ところ、で…っ」

 その衝動に押し負けて、徐々に自分の両手が下がる。自分の目がおかしくなってしまったことへの恐怖さえも上書きしてしまったその衝動を、彼女はわずかに残った理性でなんとか耐え抜こうとしていた。両腕が震え、わずかな理性に従おうとしていたが、両手は少しずつ、下腹部──太ももの付け根の中心、そしてそのわずかに後ろへと向かっていった。

 「だめっ!だめ!いやっ!あ、ああっ…」

 両腕だけでなく、両の脚も震え始める。膝が文字通りがくがくと笑い、内股になった太ももを、明らかに汗とは違う滴が、つつ、と流れ落ちる。ひざが少し見える程度に長いグレーのプリーツスカートの奥、白いシンプルな下着はクロッチ部分がしっとりと濡れて、そこだけが色を変えていた。
 あおいが今、飲まれようとしている体の疼き、熱、興奮。それらは発情、あるいは劣情という名の、生殖行為という本能の一部分だった。それは、普段は厳重に封じられてあおいが思い出すことのない数か月前の記憶。突如拉致され肉体を作り換えられてしまった日。彼女の子宮、女性だけが持ち得る生命を宿す揺り籠の奥底に植え付けられたシステム──隷属装置(スレイバー・ドライブ)が起動したことにより引き起こされているのだが、改造されていることすら覚えていないあおいに知る由はなかった。
 その恐るべきシステムは子宮から血管や神経に絡み付いて全身に根を張り、特に今も蜜をとろとろと吐き出す彼女の秘めた部分、その内部には幾重もの「根」が張り巡らされている。今そこに、システムによって急激に高められた本能の疼きに負けつつあるあおいが、自らの手を、指を這わそうとしている。それがどういう意味を持つのか、どういう結果を引き起こすのか、「今」の彼女は知らない。

 「はぁ、ああぁ!だめっ、もう、わたし、がま、ん、でき、な…っ」

 最早劣情に耐えようとする理性も、意志も風前の灯となったあおいの両手は、ついにスカートの中に入り込む。大量に湧き出る秘蜜によって下着の用を成せなくなっている薄く白い布地に、細く白い指がくい込んだ。

 「んあああああああああっ!!!」

 その瞬間、全身を激しい雷撃が奔り、あおいは叫び声のような嬌声を上げた。隷属装置によって性欲の他に、全身の感度も高められていた彼女にとってあまりにも強すぎる刺激は、すでに掻き消えようとしていた理性を押し流すには十分すぎたのだった。

 「あ、あんっ!!あ、はぁ!ああ、ああああんっ!!」

 小刻みに震えていた足に力が入らない。がくりと床に膝をついたあおいは、とっさに左手を床について身を支えた。しかしその右手はスカートの中に潜り込んだままで、中指と薬指はショーツの布地の上から、ぐにぐにとその下に隠される密やかな部分をかき回すように激しく動く。それだけでも十分すぎるほどの刺激であったが、最早理性を失い快楽を求めるだけの牝と化したあおいに躊躇いはなかった。右手がぐしょぐしょになったショーツの中に突っ込まれる。

 「あああああああああっ!!だめぇぇぇっ!!きもぢいいのぉぉ!!!」

 布越しよりもさらに強い、痺れるような快感。濡れた、という表現では生易しいくらいに、粘り気のある汁でたっぷりと水気を含んだ秘裂は、自身の指をあっさりと受け入れた。指先が溶けしまいそうなほどの熱を感じながら、あおいはさらに激しく自分の中をかき回す。

 「くはぁぁぁんっ!!んんんんん!!ああ、あああああああんっっ!!!!」

 両ひざと左腕で体を支える体勢も、激しすぎる悦楽によって長続きはしなかった。支えていた左の腕がついに耐えきれなくなり、頭と肩が床につく。ほんの少し小ぶりな尻だけを両膝が持ち上げて、淫らに顔をゆがませて激しく喘ぎながら自慰にふける彼女の姿は、牡を誘う一匹の獣のようだった。

 「ふうっ、んうっ!あはぁ、だめ、た、りなああい!たりないのおぉぉ!!!」

 改造されカメラと化した眼球からの視界、いや、映像が激しく乱れる。その映像の隅の、四肢と内臓、全身の状態を示すインジケータが<強化シークエンス実行中>という表示と共に赤く点滅する。発情させ、全身の感度を増したシステムが、あおいの肉体そのものを作り変えはじめ、さらに上の、息絶えてしまいそうなほどの快楽を、あおいに求め始めた。

 「くはああっ、はあんぁつ、もっと、もっと、もっとぉぉぉっ!!」

 ぴくぴくと跳ねてだらしなく投げ出されていた左腕が、動く。左手が持ち上がり、ぐちょぐちょに恥部をかきまわしている右手の少し奥へ。そこに手を伸ばせば、さらなる快楽へ、そして絶頂に達することができるのだと、隷属装置によって刷り込まれた本能が、なんのためらいもなく、そこへ指を這わせる。本来は快楽を得るための器官ではなく、排泄物を放出するための器官、その入り口へと。

 「かはっ──────っ!!!!!!!」

 窄まりを、左の中指がずっぽりと貫いた瞬間、あおいの息が止まる。ただの人の身では狂ってしまうほどの、甘美で壮絶な感覚。全身が爆ぜてしまうような錯覚と、間を置かずに全身を駆け巡った激しすぎる快楽電流に、あおいは叫んだ。

 「っああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 びくびくと全身が跳ねる。五感のすべてが、快感に置き換わっている。それ以外何も感じることができない、性感のオーバーロード。目の前がチカチカと点滅し、だらしなく開け放たれた口の端から涎が垂れる。

 「んああああ!!!ひううううっ!!!しゅ、ごいのぉおお!!ゆびとま、とまりゃにゃいのおおおお!!!」

 秘裂の奥をぐちゃぐちゃと淫らな水音を立て、二本の指が激しく動く。菊門の奥に突き入れた指が、激しくピストンを繰り返す。前後からの快楽の大波に飲まれ、ひたすら自らを責めたてるあおいに、先ほどまでの可憐な文学少女の面影はない。そこにいるのは淫らに蕩けきった笑みを浮かべながら、学校の廊下で痴態を繰り広げる痴女そのものであり、あおいを痴女と化した体内の「隷属装置」は、最終段階へのカウントダウンを開始した。
 彼女の膣内と肛門の間に、網の目のように張り巡るシステムの「根」。前後の淫穴をかき回す度に、そこからの強い快楽の電気信号が隷属装置に送られる。その情報を一定数受け取った隷属装置は、その秘めたる機能を開放するための「鍵」を、自身の体内のネットワークを介して、あおいの脳に送り込む。

 「あひぃぃぃっ!!んんあああっ!!んあ!、くああああんっ!!!」

 刹那、彼女の脳裏にある言葉が浮かぶ。言葉の意味は分からないし、意味を考えられる思考すらまともに機能していなかったが、なぜかはっきりと分かることがあった。

 それを口にしなければいけないと。それを口にすれば、自分は快楽の高みへ昇り切ることができるのだ、と。
 ──快楽を求めるだけの本能に動かされるだけの存在となったあおいに、躊躇いはなかった。

 「あ、あひぃ!!らめ、らめ、がまん、で、ひな、いいいいいっ!!!!ああああああ!!!」

 それが、自らを根本から作り変えてしまうものであるとも気づかずに。

 「す、すれ、<スレイヴ・オンッッ!!>」

 叫んだ瞬間、彼女の周囲を突如旋風が巻き起こり、彼女の視界の中心に、<フルドライブモード・起動>の文字が明滅を始め──

 「ああああああ゛あ゛あ゛あ゛ア゛あ゛ア゛ア゛ア゛あ゛ア゛ア゛あ゛ア゛っッッ!!!!」

 絶頂の雄叫びと共に、池野屋あおいは、青色の閃光に包まれた。

 
 

 「あ、あ、ああ!!んあ、ひぅぅぅぅぅっ!!」

 周囲はすべて、青白い光に包まれている世界。床に寝そべって尻を突き出しているままのあおいは、求めていた性感の高みへ昇りつめ、そのまま絶頂を繰り返していた。

 「イイイイグググぐううっっ!!イグの、と、とま、とまりゃないのぉぉぉぉ!!」

 淫らに、だらしなく悦楽に浸る少女の笑顔。彼女に埋め込まれたシステムの機能が開放された何よりの証であり、彼女はシステムによって作り変えられていく。

 「ひぃ、ひい、んひぃぃぃぃっ!!!!」

 「隷属装置」からのパルスを、全身の「根」が駆け巡り、それを受け取った臓器が、筋繊維が、骨格が、神経が、細胞の一片に至るまでの全身が、人間のものではなくなっていく。
 だが、見た目には大きな変化は現れなかった。色白の細い手足も、同年代より少し華奢な体つきも、平均より少し小ぶりな胸も、端から見る限りでは大きく変わらない。
 しかしそれらは、人間を遥かに上回る力を得た。
 細い両腕は作り変えられた筋繊維と骨格によって自動車程度を軽く持ち上げる。両脚はチーターすらいなせる脚力と、高層ビル屋上からの着地にも耐える頑丈さを持ち、異常な運動量にも対応できるよう、臓器の機能が遥かに強化される。脳が異常に活性化し、人間を超えた計算能力と思考を発揮し始める。

 「あが、あぐ、んぎぃぃぃぃぃ!!!!!」

 あおいの女性器も、装置によって変貌していく。子を成し産む機能は削除され、代わりに貪欲に性感を貪るための強化と、人間にはありえない幾つかの機能が付加された。
 そうして全身の内部が作り変わると、ついにその外見に変化が訪れる。

 「はぁ、ひぃ、はあああ…!!む、むね、むね、きもち、い゛い゛い゛っ!!!」
 茶色のブレザーと、その下の白いワイシャツ、そしてブラを押し上げるように、小ぶりな胸が大きく実り始める。膨らむ風船のように、制服の上からでもはっきり分かるほど急激に育ったふくらみが揺れる。

 「んふぅぅぅ、ひぃぃぃ、ああああああ、あ、あ、あ、あ…!!」

 髪留めのゴムがぶつり、と切れて三つ編みがほどけ、長い黒髪が広がった。そしてその長さを増しながら、毛先からじわじわと青色に染まっていく。髪染め液や脱色ではない、色素そのものの変化によって、あおいの髪は透き通るような透明感を持った淡い青に変わっていく。

 「あひ、ひゃ、ひゃあああんんっっ!!!」
 
 腰を超え、お尻にまで達する長い青髪へ変貌すると、身に着けていた衣服が青く輝き始める。眼鏡も、ブレザーも、スカートも、ソックスも、内履きも、ブラも、ショーツも、すべてが光に包まれると、ぱりん、と砕けるように小さな光の粒子になり、裸身をさらす彼女の周囲を浮遊する。
 きらきらと輝く青い光の粒に包まれる、あおいの裸身。大きく育った二つの膨らみ、その先端はぴん、と立ち、自慰を止められないままの両手の指は今だ激しくかき回されたままだった。秘所の茂りは抜け落ちて、つるりとした綺麗な恥丘を晒す。
と、そこで、浮遊していた光の粒子が、ふたたび着衣となるべくあおいへと集まっていく。

 「くぅぅっ!!あ、はぁあああああ!!」

 集まって、両のつま先から膝までを、腰回りを、お腹から乳房までを、指先から二の腕までを、両耳を覆い尽くすとわずかの間一際強く光り、自慰にふける両手をはじくようにして新たなコスチュームを形成した。

 「ああああああああんんんんんんっっっ!!!!」

 制服や下着だったものは全く異質のものに成り変わった。両脚は高いヒールの編み上げブーツに包まれ、両腕も編み上げの手袋が覆った。大きな胸と臍までの腹部は、コルセットがきつく締め上げ、ぐしょぐしょに濡れたあおいの恥部を覆い隠すのは、深く切れ込むハイレグカットのパンツ。両耳は左右非対称で、彼女の左側のみがアンテナ状に長く伸びるヘッドホンのようなものが装着され、それらのすべてはにぶいエナメルの光沢を放ち、色はすべてが深い青色に染まっていた。
 肉体も、着衣も「隷属装置」によって作り変えられたあおい。そして最後に、理性、人格といった彼女の根幹をなす形のない情報が、いびつに上書きされていく。

 「あ、はぁ…わ、わた、しぃ…」

 すべては……のために。
 ……の命令が、絶対。

 「わた、し、はぁぁぁぁぁぁ…っ!!」

 ……の命に従うことが、私の喜び。
 ……こそが全て。
 ……こそが絶対。

 すべては…
 全ては…

 クラウメス帝国のために!

 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」




 再びの絶頂と共に、周りを包んでいた青白い世界が砕けた。再び西日が差しこむ、静かな廊下の風景があった。
 その中に、あおいは佇んでいた。──しかしそれは、あおいと呼べる存在ではないかもしれなかった。
三つ編みの髪は青いロングヘアに。制服はボンテージ調のコスチュームに。胸は大きく、豊満に育ち。そして何より、以前の彼女では全く考えられない、口元をゆがめる邪な笑み。
 ブウウ…ンと重低音を響かせて、閉じられた瞼を青く透き通るガラス状のバイザーゴーグルが覆い隠す。
 そして、彼女の瞳が見開かれた。

 「私はサイバネティック強化試験体A001、スレイバー・ブルー」

 書き換えられた情報を、彼女の軽やかな声が読み上げる。

 「四肢、内臓、身体の強化シークエンスは正常に終了」

 そこに立つのは、最早池野屋あおい、という優しい文学少女ではなかった。

 「──すべては、クラウメス帝国のために」

 彼女は、世界征服の尖兵として自身を改造した組織──クラウメス帝国に絶対の忠誠を誓う、操り人形。共に改造され、今それぞれの場所で、共に作り変えられた2人の少女と共に、クラウメス帝国とその最高指導者のためにその身を捧げる、邪悪な強化戦士。
 彼女は今日も組織のため、送られてきた命令情報を忠実に実行する。
 クラウメス帝国が、その野望を達するまで。
 
 あるいは──彼女を打ち倒す、正義の存在が現れるまで。



※この作品は、todo氏http://www.pixiv.net/member.php?id=1159899原案の<淫虐戦隊・スレイブスリー>を元にした二次創作です。
画像は作者のtodo氏の許可を得て掲載しています。無断転載はおやめください。

                                 (了)

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