49 名無しさんだよもん sage 2012/01/04(水) 09:24:02.37 ID:bl45m/6B0
俺もまたss投下していいかな?
前スレ仲良し勘違い姉弟からの流れということで、ちょい長いが勘弁してくれ


土曜の朝、雪菜と激しい夜を過ごしてから気だるげにベッドでもぞもぞしていると、けたたましく電話が鳴り響いた
「一体誰だよ。まさか浜田さん、今週末はゆっくり休めとか言いながらまた無理難題押し付けてくるんじゃないよな…?」
「もう、春希くん。いっそ出ないで」
「いや、そういう訳にもいかないだろう。はい、北原で…なんだ。武也か」
「なんだとはなんだ!それより春希てめえ、見損なったぞ!」
「はあ?」
2人の朝をぶち壊したのは、武也のここ最近聞いたことがない程剣呑な声だった

そのただならぬ様子に、春希と雪菜は慌ててシャワーや朝食を済ませ顔を合わせていた
「雪菜、なんか武也が今すぐお前つれてこいとか言ってるんだけど、どうする?」
「それがね、わたしにも依緒からメールがあって。今すぐ春希くんつれてこい、だって。どうしよう」
「あいつらなんかあったのかな。でもなんで別々に俺たち2人とも呼んでるんだ?」
「とにかく春希くんは武也くんから話を聞いてあげて。わたしは依緒に会ってみるから」
「だな、何か分かったら連絡くれ。じゃあ先にいくよ」

「うわ、酒くさ。武也お前、朝っぱらから一体どんだけ飲んでんだよ」
「ちげーよ、馬鹿。昨日夜通しで飲んだのが抜けてないだけだ」
「いや、そっちだって全然威張れることじゃないから。それより何があったんだ?」
「俺に何かあったわけじゃねえ。問題は春希、お前だよ!また雪菜ちゃん裏切りやがって。それに、それに…」
「色々と釈然としないものはあるが、一応最後まで聞こう。それに何だ?」
「冬馬でもない他の女なんで、俺はぜってー認めねえからな!」
あらん限りの声でそう叫ぶと、武也はぷつんと糸が切れたように眠りこけてしまった


「というわけで、武也の話はまるで要領を得なかった。もっと話を聞こうにももう寝ちゃったしな。そっちはどう?」
「こっちも依緒がたったいま泣き疲れて眠ったところ。でも依緒は全部話してくれたよ。どうやら春希くんが浮気してるみたいだって」
「い、いや。雪菜違うからな?それは根も葉もない噂であって、俺は身に覚えがないからな?」
「怪しいなぁ、なんでそんなにキョドってるの?って分かってるよ。また孝宏がバカなことしたせいなんだから」
「え?孝宏君って…ああ、この前のあれか」
「そ、春希くんがわたしと孝宏に意地悪してたあれのこと」
ようやく合点がいって一息つきながらも、まだ拗ねてるのかと呆れたりもする春希だった

「別に意地悪じゃないぞ。亜子さんにちょっとした恋のアドバイスをしてあげただけ」
「効き目がありすぎたみたいね。孝宏はてっきり春希くんと亜子さんが出来てると思って、武也くんに相談したらしいの」
「それで武也は依緒を呼んで、二人して見当違いに暴れてたって訳か。そんなバカな…」
「それもこれも、あっちこっちにふらふらしてわたしを5年も待たせて信用を失った春希くんが悪いんだからね!分かった?」
「いくらなんでもそれは無理が…って、はいはい分かりましたよ。全部俺が悪うございました!」
「分かればよろしい。じゃあ今からわたしが言う通りにしてね。まずは…」

行き付けのグッディーズ、窓辺のテーブルに武也は苛々しながら陣取っていた
「春希のやつ、俺に自分の浮気相手会わせてどうする気だ?どんな理由でも、雪菜ちゃん捨てるのを俺が納得するわけないだろうに」
「え、武也?なんであんたがここにいるのよ。春希はどこいったの?」
「依緒?まさかお前が春希の浮気相手だったのか…?」
「寝言は寝てから言いなさい。あたしは雪菜が春希つれてくるっていうから一緒に追求してやろうとここに来ただけ」
「いや待てよ。俺は春希が自分の浮気相手と一緒に俺を説得するっていうから…」
「「…なんかおかしくない?」」

「お客様、ご注文はお決まりでしょうか」
「小春希!ひょってしてお前、春希のこと何か分からないか?」
「分かってますよ。飯塚先輩と水沢先輩が嵌められたってこと」
「「どういうこと!?」」
「ですからその春希さんの浮気相手はわたしの同級生なんです。ついでにそもそも浮気もしてませんから」
得意げに武也と依緒に言い放つ小春であった
(最初に小木曽に相談された時はわたしも北原先輩に思いっきり怒ってたけど。内緒にしとこう)

武也と依緒はグッディーズで夕食を食べるや否や、無言で春希のマンションに向かっていた
「春希お前、よくも騙してくれたな!」
「雪菜あんた、こっちがどれだけ心配してたかも知らないで、あんた最悪よ!」
「人聞きが悪いなぁ。別に騙してないぞ。そっちが勝手に勘違いしただけだし。な、お前?」
「はい、旦那様。わたしの旦那様が浮気などなさるはずがありませんのに、あの人たちは何を言っているんでしょう」
「ああ、俺の雪菜。あいつらはお前みたいに純粋でも、真の愛に目覚めたわけでもないのさ」(棒読み)
「まぁ、旦那様ったら。いくらわたしの愛らしさにあてられたからって、お客様が見ておりますのよ?」
「そんなことを言ってるお前の唇はなんて美しいんだ。このままでは俺、もう我慢など出来そうにないぞ。
 …って本当にあいつら見てるのにキスするのかよ?」(ひそひそ)
「またわたしの唇をお奪いになられるんですね。わたしは旦那様のものです、喜んで差し上げましょう。
 …早くキスしてよ。これも全部武也くんと依緒をくっつけるためだからね?わたしがキスしてほしいわけじゃないんだからね?」(ひそひそ)

「何だ、この三文芝居は。鳥肌が立ってとても見てられねえ」
「それに本人たち内緒話のつもりだろうけど、こっちに丸聞こえだし。…てか雪菜あんた、大正浪漫女給カフェのユニフォーム、まだ持ってたんだ」
「おい依緒、帰ろうぜ。こんな愛の巣に無粋な邪魔者は要らんだろ」
「だからそれやめてよ。でもそうね、もう2人だけの世界に入ってるみたいだし」
「こいつらのいちゃつきのダシに使われるのもなんかムカつくんだよなぁ。今日も俺の部屋で飲もう、行くぞ」
「えっ?ちょっと待ってよ武也」


「これでひと段落。誤解も解けて作戦成功だね、春希くん」
「いや、あれで本当にくっつくのか?ただ自棄酒飲んでるばかりなんじゃあ…」
「そうしながら段々本音でぶつかり合うんだし、結局くっつくよ。ね、旦那様?」
「いやもう演技は要らないから。まずは服を着替えような、雪菜?」
「そんな、酷いです旦那様。わたしを捨ててまたあの女のハウスにいくおつもりですね?」
「雪菜お前、作戦も何も絶対自分が楽しんでるだけだろ」
小悪魔的な上目遣いで見つめてくる雪菜に降参しながら、そんなことをつぶやく春希だった

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