ゼノブレかるた

シュルク ：皆

　　　　　　 無事――？

フィオルン ：ええ――

ライン ：何とかな――

　　　　　 しかし

　　　　　 あんだけの攻撃を
　　　　　 受けたってのに

　　　　　 俺達よく助かったな

ダンバン ：全くだ

　　　　　　 運がいいといえば
　　　　　　 それまでだが

　　　　　　 それだけで片付けられる
　　　　　　 ものとも思えんぜ

ヴァネア ：それは

　　　　　　 メイナス様の
　　　　　　 お力によるものでしょう

ダンバン ：誰だ!?

メリア ：機神界人か？

フィオルン ：あなたは――

　　　　　　　 ヴァネア？

ライン ：ヴァネア？

　　　　　――ってことはあんた

　　　　　もしかしてミゴールさんの？

ヴァネア ：ご無事で何よりです

　　　　　　 メイナス様

シュルク ：メイナス様？

ヴァネア ：あのフェイスはあなた方を
　　　　　　 抹殺するために差し向けられた者

　　　　　　 本当に無事でよかった

カルナ ：嘘よ！
　　　　　 ガドが私達を殺そうとするはずないわ！

ヴァネア ：あの者にホムスであった頃の記憶は
　　　　　　 恐らくありません

　　　　　　 今のフェイスは――
　　　　　　 巨神界の生物を殺戮する単なる兵器

カルナ ：そんな!!

ヴァネア ：フェイスとは 捕らえたホムスの脳幹部や
　　　　　　 代謝に必要な臓器を機神兵に直接組み込んだ兵器

　　　　　　 兵器として完成させるためには
　　　　　　 記憶や感情は妨げとなる

　　　　　　 ですが 初期に製造されたフェイスは
　　　　　　 実験的な意味合いもあり
　　　　　　 生前の記憶を残したままのものが多く

　　　　　　 それ故に 任務遂行に支障を来たすことが多々あった

　　　　　　 現在のフェイスは 生前の記憶情報を完全に
　　　　　　 削除されています

フィオルン ：それは―― もしかして私のせい？

ヴァネア ：いいえ あなたのせいではありません

ダンバン ：ムムカ―― とかだろうな

　　　　　　 ヤツは俺達に対する執着心が強すぎた
　　　　　　 それ故に身を滅ぼしたとも言える

ライン ：ゾードって奴もそれっぽかったよな

ヴァネア ：ええ その通りです

カルナ ：嘘―― 嘘よ――
　　　　　 ああ―― ガド――

ライン ：カルナ――

シュルク ：説明して欲しい
　　　　　　 なぜあなた方 いやエギルは僕達を機神兵に？
　　　　　　 目的は何なんですか？

ヴァネア ：あなたの持つそのモナド それに対抗するため

ライン ：やっぱり――

ヴァネア ：モナドは ハイエンターやホムス
　　　　　　 つまり巨神界の人族に対して効力を発揮しません

　　　　　　 一年前の戦闘でモナドに煮え湯を
　　　　　　 飲まされたエギルは

　　　　　　 その生体を組み込むことで
　　　　　　 対抗しようと考えたのです

ダンバン ：そうだ モナドは最初 人を斬れなかった

ライン ：だが今は違う

ヴァネア ：ザンザの血に連なるものは斬れない それが唯一の弱点
　　　　　　 ですが その枷はザンザによって外された

ダンバン ：ザンザに連なる者？
　　　　　　 あの巨人は一体何者なんだ？

ヴァネア ：あなた方 ホムスの始祖

ダンバン ：あいつが!?

ヴァネア ：そして 我が兄 エギルの友であり 最大の仇敵

　　　　　　 機神界を滅ぼしたのは―― ザンザなのです

シュルク ：なっ!!