ゼノブレかるた - 01

機神と巨神

遥か昔
この世界がまだ
どこまで行っても果てない海と
どこまで行っても尽きない空だけだった頃
二柱の巨大な神が生まれた
巨神と機神
神々は
互いの存亡をかけて戦い
そして
骸となった
それから
幾万の昼と夜を経た今
僕らの世界――
巨神の骸の上に広がる大地
巨神界は
機神兵によって
蹂躙されていた

大剣の渓谷

ホムス兵 :退け 退けー
    来るな 来るなー
    七八型対人機神兵の数は
    測定不能

ダンバン :右翼の乱れに乗じて進軍たぁ

    機械のバケモンにしちゃあ
    知恵が回るじゃねえか

    けどな――

ディクソン :ダンバン!

    全軍に撤退命令だ

    戦線をコロニー6まで後退

    そこに最終防衛戦を張るぞ!

ダンバン :なるほど

    そいつは賢明だ

    このままじゃ俺たち
    皆あの世行きだからな

ムムカ :ちげえねえ

    そいじゃとっとと退いちまおうぜ!

ダンバン :なぁんて言うとでも思ったか?

ムムカ :何ぃ?

ダンバン :退かなきゃ死ぬが

    退けば未来は掴めない

    なら掴もうぜ未来

    なぁに

    俺たちにはこのモナドがある

    掴めるさ

    絶対にな!

ディクソン :このイノシシが!

    これ以上は貴様の身体が
    モナドに付いていけん

    動きを見ていればわかる!

ダンバン :その年でもう老眼か?
    ディクソン

    俺は平気だよ

    まだこいつは握れてる

ディクソン :ふん

    イノシシにゃあ
    言葉が通じない――か

    よかろう

    俺も付き合うぜ!

    貴様の死に顔

    拝んでやろう

ダンバン :アンタに拝まれるのだけは
    勘弁願いたいね

ムムカ :おいおいおい!

    撤退命令が出たって
    言ってたろ!

    俺は御免だぜ!

ダンバン :だめだめ

    お前も来るんだよ!

    そいつだって頼りにしてるんだ


ホムス兵 :敵の第二陣が
    侵攻を開始しました!

ディクソン :さぁてダンバンよ

    奴らに見せてやろうぜ

    俺達ホムスの
    生き意地ってやつをよ!

ダンバン :承知!

ムムカ :何が生き意地だよ?

    バカじゃねえのか?

    死んじまっちゃ
    冗談にもなんねぇぜ

    仕方ねえ――

    こうなったら
    ダンバンの野郎を囮にして

    適当に隙を見て――