| プロデューサー | |
(春香が帰った後も、未来はうつむいたままだ。 少し、考える時間が必要かもしれないな……) |
| プロデューサー | |
その前に、ふたりにメールを送って…… うん、これでいいな。 |
| プロデューサー | |
未来、ちょっと散歩に行こう。 何か食べたいものはあるか? |
| 春日未来 | |
えっ……いいんですか!? じゃあ私、コンビニの生クリームまんじゅうが食べたいです! |
| 春日未来 | |
はあーっ、おいしかった〜。 (プロデューサー)さん、ごちそうさまでした。 |
| プロデューサー | |
どういたしまして。……さて、そろそろ練習に戻らないとだけど……今度は大丈夫そうか? |
| 春日未来 | |
あっ。そ、そうでした。 うう……私、どうしたらいいんだろう? |
| 伊吹翼 | |
あ! いたいた。 未来、(プロデューサー)さ〜ん! |
| 最上静香 | |
未来ったら、買い食いなんかして……。 でも、思ったより元気そうね。 |
| 春日未来 | |
あれ? 静香ちゃんに、翼? どうしてここにいるの? |
| 伊吹翼 | |
だって(プロデューサー)さんが、未来が落ち込んでるっていうから〜。 |
| 春日未来 | |
ええっ!? いつの間に……。 もしかしてふたりとも、私を心配して来てくれたの? |
| プロデューサー | |
とりあえず、ここじゃなんだから、みんな、別のところに移動しようか? |
| 最上静香 | |
それで……せっかくドラマ出演が決まったのに、琴葉さんと春香さんに叱られたんですって? |
| 春日未来 | |
うん……。私が本気じゃないと、ダメなんだって。 琴葉ちゃんたちまで、ニセモノに見えちゃうって……。 |
| 春日未来 | |
琴葉ちゃんや春香さんの言ってること、なんとなくわかるんだけど。私には、難しいよ〜……。 |
| プロデューサー | |
(素直な未来には、お芝居で『別人』と思い込む事のハードルが、人より高いのかもしれないな……) |
| 最上静香 | |
でも、お芝居ってそういうものだし。琴葉さんや可奈のことを、今は本気でライバルだと思えば……。 |
| 春日未来 | |
うう〜ん、それはわかるんだけど……。 琴葉ちゃんのこと、嫌いになんてなれないよ〜! |
| 伊吹翼 | |
え? 別に琴葉さんは、嫌いになれなんて言ってなくない? |
| 春日未来 | |
でも、本気で怒りをぶつけろ、って……。 起こるのって、嫌いだからじゃないの? |
| 伊吹翼 | |
怒ってるのは、お芝居の役に、だよね? 琴葉さんの役と、琴葉さんは別の人でしょ。 |
| 伊吹翼 | |
違う人の役なのに、いつもみたいに仲良くしてるほうがわたしはヘンだと思うけどな〜。 |
| 春日未来 | |
琴葉ちゃんの役と、琴葉ちゃんは別……? でも、目の前にいたら、琴葉ちゃんだって思っちゃうし。 |
| 春日未来 | |
どうしてみんな、そんなふうにわけて考えられるのかなぁ……? |
| 最上静香 | |
もう、仕方ないわね……。 だからって投げ出すつもりじゃないでしょ? 未来。 |
| 春日未来 | |
う、うん! それはしないよ。 だって、せっかくオーディションに受かったんだもん! |
| 最上静香 | |
……よかった。なら、もうちょっとがんばって。 練習相手が必要なら、いつでも付き合うから。 |
| 伊吹翼 | |
どういたしまして♪ お礼はアイスでいいからね、未来! |
| プロデューサー | |
よかったな、未来。 静香と翼が来てくれて。 |
| 春日未来 | |
はい! (プロデューサー)さん、ありがとうございました。私、すっごくうれしいです! |
| 春日未来 | |
静香ちゃんと翼が来てくれて、元気が出ました♪ 練習、がんばらなくちゃ……! |
| プロデューサー | |
そうだな。でも静香や翼に練習を付き合ってもらうなら琴葉や春香と同じように、ふたりとぶつかるって事だ。 |
| プロデューサー | |
琴葉も春香も、静香も翼も。みんな未来の仲間だ。 けど仲間は、一番身近なライバルでもあるんだよ。 |
| プロデューサー | |
うん。ライバルだからこそ、力を合わせた時…… ひとりじゃ見られない景色を見る事ができる。 |
| プロデューサー | |
琴葉はきっと、未来たちとそれを見たいんだ。春香も。それからきっと、静香や翼もな。 |
| プロデューサー | |
(誰かと競い合う事は、相手を嫌いになることじゃない。……その事が、未来にも伝わるといいんだけど) |
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