39プロジェクト初公演数日前……
| プロデューサー | |
(本番に向けた全体練習が無事に終了した。 手ごたえは上々だ) |
| プロデューサー | |
(まあ、まだ少し特訓が必要そうなアイドルもいるが、きっと大丈夫だろう!) |
| 矢吹可奈 | |
(プロデューサー)さーん……! (プロデューサー)さぁぁん!! |
| プロデューサー | |
ん? どうした可奈、そんなに慌てて。 忘れ物でもしたのか? |
| 矢吹可奈 | |
違います、忘れ物とかじゃなくて。 私、聞きたいことがあるんですっ! |
| プロデューサー | |
ああ、なんでも聞いてくれ。 どうしたんだ? |
| 矢吹可奈 | |
はいっ! ……あの、全体練習のあと、 いつもひとりで居残りしてたんですけど……。 |
| 矢吹可奈 | |
みんなが、「一緒に練習しよう」って誘ってくるんです! 未来ちゃんも静香ちゃんも……。 |
| 矢吹可奈 | |
今日は志保ちゃんまで、「もうちょっと、 練習しておいた方がいいんじゃないの」……って! |
| 矢吹可奈 | |
よくないですよ〜! さっきの練習でも、 私だけ下手っぴで、たくさん怒られちゃったし……。 |
| 矢吹可奈 | |
だからみんな、きっと困ってるんですよね? 私……みんなの足、引っ張ってるんですよね!? |
| プロデューサー | |
よし、まずは深呼吸しようか。 ゆっくり時間をかけて、落ち着こう。 |
| 矢吹可奈 | |
え? は、はい。すぅ……はぁ……。 すぅ……すぅ……すぅ……。 |
| 矢吹可奈 | |
し〜んこ〜きゅ〜う〜〜〜♪ ……しました! |
| プロデューサー | |
可奈。たとえば思い荷物を持って、山の頂上を目指して登っている子を見かけたら、どうする? |
| 矢吹可奈 | |
山……ですか? ええと……、 どうしようかな〜、矢吹可奈〜……。 |
| 矢吹可奈 | |
そうだっ。その子が大変そうなら、荷物を持ったり 背中を押してあげると思いますっ。 |
| プロデューサー | |
ああ、可奈ならそうするだろう。 ……きっと、みんなも同じなんじゃないか? |
| プロデューサー | |
確かに可奈は、レッスンの先生によく怒られてた。 でも、居残りまでして頑張ってた。 |
| プロデューサー | |
そういう一生懸命な可奈を見て、 みんなも可奈の背中を押したくなったんだよ。 |
| 矢吹可奈 | |
そうなんですか? ……みんな私のこと、迷惑に思ってないですか? |
| プロデューサー | |
困ったときはお互い様だよ。 たまには堂々と助けてもらわないと。 |
| プロデューサー | |
遠慮なく、一緒にレッスンさせてもらうといい。 それとも、みんなとのレッスンは嫌か? |
| 矢吹可奈 | |
iい、イヤじゃないです! みんなといっぱいレッスンして、本番のステージに立ちたいです! |
| 矢吹可奈 | |
(プロデューサー)さん。 私、みんなとレッスンしてもいいですか!? |
| プロデューサー | |
もちろん。……よし、せっかくだから、 場所や曲の準備は俺にまかせてもらおうかな。 |
| プロデューサー | |
可奈はみんなのところに行って、伝えてきてくれ。 特別レッスンするぞーって! |
| 矢吹可奈 | |
分かりました! 私、今からみんなにお願いしてきます! |
| 矢吹可奈 | |
特別レッスンみんなといっしょ〜♪ お得な特訓、 可奈ファイト〜♪ みんみんみんな、ありがと〜♪ |
| プロデューサー | |
(可奈のいつものひたむきさが、きっと 周囲まで巻き込む熱意になっているのだろう……) |
| プロデューサー | |
(支えあって立つ、初のステージ。可奈のデビュー公演はきっと素晴らしいものになるに違いない) |
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