最終更新:ID:RX/kHwvHrw 2018年03月01日(木) 17:47:55履歴
かつかつかつ。
石造りの階段を下りる。その足音は、彼女への合図である。
立派な屋敷のその地下、何代か前の当主が趣味で作ったという座敷牢。
その中に、彼女はいる。
「喪子」
下に降りると、すでに喪子は牢の前に立って私を待っていた。
喪子は私を見て子供のように無邪気に笑った。どうやら今日はご機嫌のようだ。
牢の鍵を開け、中に入りその冷たい身体を抱き寄せた。
「いい子にしていたか」
「はい」
従順に答えるその姿に私は満足する。こうなるまで、随分長かったように感じた。
閉じこめたときは大変だった。
大声を上げて出してと叫び、少しでも物を側に置いておけば、それで自らを傷つけようとする。
物を徹底的に排除し、身体の自由を枷で奪い、私の物であるという事を何度も何度も身体の中に刻みつければ、ようやく喪子は大人しくなった。
「いい子だ。お前はずっと、私の側にいればいいんだ。出ようなんて考えるな」
頭を撫でながら言えば、喪子は頷き、それから顔を上げて口を開く。
「いい子にするから、お仕置きはいや」
そう言って、まだ何か言おうとしたのか喪子は口を開けていたが、ゆっくりと口を閉じる。
「ヤンだ。何度も教えただろう」
喪子は私を呼ばない。何度教えても、名前を呼ぶことを極端に恐れている。
「もう何度も交わったと思っている。私とお前は、もはや兄妹ではいられないはずだ」
喪子の目が見開かれ身体が震えた。
そう、喪子は私のれっきとして血の繋がった妹である。
私は異端なのだ。実の妹に劣情を感じ、そうしてこの薄暗い座敷牢に閉じこめている。
「壊れてもいいと言っただろう。都合の悪いことを全部忘れて、そうして俺だけを愛すればいい」
何度も何度も身体を交えて、喪子は徐々に壊れていっている。
記憶が曖昧になり、今ではほぼ私と自身が兄妹であるという事実も忘れている。
家族は、兄と妹は元気かと訊ねたときは一瞬何事かと思った。私と喪子以外に、兄妹は存在しない。
喪子の言う兄妹は、恐らく身体を交える前の私達を指しているのだろう。
無意識に私の名前を呼ぶのを拒むのも、兄と呼んでいた記憶を呼び戻さない為。
兄ではない他人とまぐわっているという夢を見ている喪子に、時折こうして私達が兄妹であるという現実を叩きつける。
そうすれば喪子が壊れる速度は上がっていく。私を望み、愛してくれる喪子が早く欲しい。
「お前が私を愛してくれるのならば、私も壊さずに済むのだがな」
もはや籍は入れてある。あらゆる手段を使えば、それほど難しい事でもなかった。
「早く愛してくれ、喪子。私はもうお前に十分に狂っているのだ」
妹であるという事実すら戸惑わない程に。口づけも、交わりも、躊躇することは一度もなかった。
劣情を感じ、飽きることなくその身体に精を吐き出す私を、お前は狂っていると罵ったが、私は一欠片の罪悪感すら抱けなかった。
だがそれの何が悪い。
愛しているのだ。自身でもわからないほど、喪子の全てが欲しくてたまらない。髪の毛一本ですら、誰かにくれてやるのが惜しい。
「……あい、すれ、ば」
「そうだ。愛してしまえばいい。そうすればもう何も怖くない」
うつろな目をした喪子が頷く。
「あいす、れば。愛すれ、ば、愛し……」
壊れた人形のように言葉を垂れ流す喪子の姿に私は笑う。
「ああ。その為に、今日も愛し合おう。喪子」
そう言ってうつろな目の妹の唇に口付けた。
かつかつかつ。
いつかその足音がいらなくなる日を、私は待っている。
すみません、召喚スレ5です
enter名前入力したらレスしてしまいました
近親含むネタなので、苦手な方いたら本当にすみません
召喚スレでヤンデレじゃなく、喪子を呼び出したので、ヤン改めて呼ぼうと思った結果です
注意書きが出来ず、本当に申し訳ありませんでした
石造りの階段を下りる。その足音は、彼女への合図である。
立派な屋敷のその地下、何代か前の当主が趣味で作ったという座敷牢。
その中に、彼女はいる。
「喪子」
下に降りると、すでに喪子は牢の前に立って私を待っていた。
喪子は私を見て子供のように無邪気に笑った。どうやら今日はご機嫌のようだ。
牢の鍵を開け、中に入りその冷たい身体を抱き寄せた。
「いい子にしていたか」
「はい」
従順に答えるその姿に私は満足する。こうなるまで、随分長かったように感じた。
閉じこめたときは大変だった。
大声を上げて出してと叫び、少しでも物を側に置いておけば、それで自らを傷つけようとする。
物を徹底的に排除し、身体の自由を枷で奪い、私の物であるという事を何度も何度も身体の中に刻みつければ、ようやく喪子は大人しくなった。
「いい子だ。お前はずっと、私の側にいればいいんだ。出ようなんて考えるな」
頭を撫でながら言えば、喪子は頷き、それから顔を上げて口を開く。
「いい子にするから、お仕置きはいや」
そう言って、まだ何か言おうとしたのか喪子は口を開けていたが、ゆっくりと口を閉じる。
「ヤンだ。何度も教えただろう」
喪子は私を呼ばない。何度教えても、名前を呼ぶことを極端に恐れている。
「もう何度も交わったと思っている。私とお前は、もはや兄妹ではいられないはずだ」
喪子の目が見開かれ身体が震えた。
そう、喪子は私のれっきとして血の繋がった妹である。
私は異端なのだ。実の妹に劣情を感じ、そうしてこの薄暗い座敷牢に閉じこめている。
「壊れてもいいと言っただろう。都合の悪いことを全部忘れて、そうして俺だけを愛すればいい」
何度も何度も身体を交えて、喪子は徐々に壊れていっている。
記憶が曖昧になり、今ではほぼ私と自身が兄妹であるという事実も忘れている。
家族は、兄と妹は元気かと訊ねたときは一瞬何事かと思った。私と喪子以外に、兄妹は存在しない。
喪子の言う兄妹は、恐らく身体を交える前の私達を指しているのだろう。
無意識に私の名前を呼ぶのを拒むのも、兄と呼んでいた記憶を呼び戻さない為。
兄ではない他人とまぐわっているという夢を見ている喪子に、時折こうして私達が兄妹であるという現実を叩きつける。
そうすれば喪子が壊れる速度は上がっていく。私を望み、愛してくれる喪子が早く欲しい。
「お前が私を愛してくれるのならば、私も壊さずに済むのだがな」
もはや籍は入れてある。あらゆる手段を使えば、それほど難しい事でもなかった。
「早く愛してくれ、喪子。私はもうお前に十分に狂っているのだ」
妹であるという事実すら戸惑わない程に。口づけも、交わりも、躊躇することは一度もなかった。
劣情を感じ、飽きることなくその身体に精を吐き出す私を、お前は狂っていると罵ったが、私は一欠片の罪悪感すら抱けなかった。
だがそれの何が悪い。
愛しているのだ。自身でもわからないほど、喪子の全てが欲しくてたまらない。髪の毛一本ですら、誰かにくれてやるのが惜しい。
「……あい、すれ、ば」
「そうだ。愛してしまえばいい。そうすればもう何も怖くない」
うつろな目をした喪子が頷く。
「あいす、れば。愛すれ、ば、愛し……」
壊れた人形のように言葉を垂れ流す喪子の姿に私は笑う。
「ああ。その為に、今日も愛し合おう。喪子」
そう言ってうつろな目の妹の唇に口付けた。
かつかつかつ。
いつかその足音がいらなくなる日を、私は待っている。
すみません、召喚スレ5です
enter名前入力したらレスしてしまいました
近親含むネタなので、苦手な方いたら本当にすみません
召喚スレでヤンデレじゃなく、喪子を呼び出したので、ヤン改めて呼ぼうと思った結果です
注意書きが出来ず、本当に申し訳ありませんでした