最終更新:ID:RX/kHwvHrw 2018年03月01日(木) 17:37:15履歴
投下します
23スレ目>>365->>375あたり読んでたら書きたくなってきたので
366、367をネタにさせて頂きました ありがとうございます
そして本当に申し訳ございません(土下座)
世話焼き系です R18要素あり
ヤンがかなり気持ち悪い事をしているので嫌な予感がした方は読み飛ばすかNGをお願いいたします
うららかな春の昼下がり。
そんな外出日和ですよ外に出なさいといった天気の下、私はマンションの一室で頭を抱えていた。
「もう置き場がない…だと…」
視線の先にある押入れは「一時的な」収納場所だったはずだ。
だが目の前には段ボール箱がこれでもかとぎっしり積まれている。ちなみに中身はすべて本。
はあ、と溜息をついて振り返った先にあるものも机に山積みの本。
そのまま視線を横にずらすと本棚がある。当然並べられているものは本。
本。本。本。
「…少し売ろうか、管理人さんに箱ないか聞きに行っ、――…ッたあ…」
なんで足元に時計があるんだ。…私が其処に置きっぱなしにしたからだよ。
否、床に置かれたままにされているのは時計だけではない。
鞄。充電器。体温計。服。靴下。ストッキング。下着。
つまり私の部屋は汚部屋なのだ。泣きたいぐらいの汚部屋。
本を売ることよりまず先に片づけなければならないのはわかっている。
「わかってはいるんだけどさ…」
まあいいや。郵便受け見に行こう。そして管理人さんに箱をもらえないか聞いてみよう。
押入れの襖を閉じ、床に散らばったものから適当なものを着て簡単に身支度をしてから、玄関の扉を開く。
「…喪山さん? こんにちは」
「あ…どうも、隣田さん」
「疲れた顔してますよ。仕事大変な時期ですからね」
「ははは…そうなんですよ」
「ちゃんと食べてます? あ、そうだ。また残り物で申し訳ないんですが、もしよかったら…また、お裾分け持っていってもいいですか?」
「いえそんな…! 申し訳な……もらえます?」
「喜んで」
近所付き合いが少なくなったと嘆かれるこのご時世に声をかけてくれたのは、お隣の隣田さん。
夜遅くにふらふらになりながら帰ってきた時、深夜のゴミ出しに出かける隣田さんとばったり会ったことをきっかけに、ありがたいことにこうして色々と世話を焼いてくれているのだ。
こんばんは、この時間にいつも帰るんですか? ええまあ。
仕事大変なんですね。 ははは、お給料はちゃんともらってます。
…食事はこれから? まあ、適当に。
もしよかったら…その、お裾分けとかしましょうか? え?
いや、ちゃんとしたもの食べないと体に悪いでしょう。 そんな、申し訳ないです。
いいんですよ、…僕がやりたいんです。
――お父さんお母さん、私はこの冷たい都会の中で良縁に恵まれました。…いや、そんな意味じゃないけど。
そんなこんなで夜遅くに帰ってきた時にはお裾分けをもらっている。ありがたや。
「喪山さん、足」
「…え?」
「足くじいたんですか?」
「え? …ああ、さっきちょっと転んじゃって」
ずっと顔を見て話しながら歩いていたのにどうしてわかったのだろう、と思いながらもそう応える。
「何に躓いたんですか?」
「あはは…時計に。ちょっと部屋があんまり片付いてなくて」
「成程」
ふ、と隣田さんの顔に緊張が走る。
「喪山さん」
「は…はい?」
「手伝いましょうか? 片づけ」
「え? …え?」
いやそんな、あんな汚部屋に隣田さんを入れる訳にはいかない。
「いやあ…あの、えっと、今日はやりたいことがあって」
「え、何を?」
「ちょっと本の整理を。あ、そうだ。段ボール箱余ってないか管理人さんに聞かないと」
「…箱なら僕の部屋にも余ってますよ。仕事に必要なものとか通販で買ってますから」
後で箱持ってお伺いしますね、と綺麗に笑って郵便受けを覗きこむ。
「…えーと」
「僕がやりたくてやることなんです。…いいでしょう?」
…どうしようどうしよう。本当に大丈夫?
そう、隣田さんと別れて部屋に入ってからずっと頭の中で唱えている。
床に散らばった服類は椅子に掛けておいた。時計やらもちゃんと元の場所に置いた。
室内ワイパーも床が見える所はかけておいた。それから、それから…。
ピンポーン、とベルが鳴る。
「は、…はーい! すみません、隣田さん」
「いえいえ。…お邪魔します」
「散らかってますが…」
「それを今から片づけるんでしょう?」
くす、と笑いながら靴を脱いだ隣田さんを案内する。
――本当にいい人。いい隣人に恵まれた。
笑いかけてみれば、私よりずっと綺麗に笑い返す隣田さんを見ながら、私はそう思ったのだった。
「…お邪魔します、喪山さん」
返ってくる言葉はない。当たり前だ。この時間にこの部屋の主はいないのだから。
…知らないでしょう? 喪山さん。ここのマンション、部屋の鍵が全部同じなんですよ。
…まあ、既にちゃんと部屋に入れて案内してくれたし、こんな風に忍び込むことも少なくなるかもしれないけど、さ。
つ、と視線を上にずらす。
火災報知器。…を模したカメラ。
世の中便利ですよね。近場で売られていない仕事の道具も、こんなものだって通販で手に入る。
喪山さんおかえりなさい。さっき管理人さんが来て。 え?
火災報知器、勝手ながら取り付けさせてもらいましたって。 ああ、そうなんですか。
よく考えてみれば不審な所があるだろうに、喪山さんは簡単に信じてくれた。
モニター越しの喪山さん。
椅子の上で丸まりながら本を読む喪山さん。
服を脱ぎ散らかしながら着替える喪山さん。喪山さん。喪山さん。
可愛い、可愛いよ喪山さん。モニター越しに喪山さんを何度も何度も撫でた。
だが俯瞰の光景と実際に目にする光景は違う。
「喪山さん、せっかく片付けたのにもう散らかってますよ」
くすくす、と床に落ちている髪を拾い集めながら進んだ先は箪笥。
下から2段目。入っているものは靴下、ストッキング、下着。
きちんと順番に浸かっているようだ。擦り切れているものも、浮ついたものもない。
ゴミ箱のチェックも欠かせない。
お菓子の袋、本の売り上げカード、綿棒、それから髪の毛が数本とティッシュ。
念の為ティッシュを広げてみる。
隠すようにゴムが…なんてこと、ないみたいだな、よかった。
…まあこれはカメラを仕掛ける前からの習慣みたいなものなんだが。
それから洗面所を借りて手を洗ってから、喪山さんの使ったタオルで手を拭く。
…さて、今日はどれにしようか。
部屋に戻ってくるりと見渡す。
そうだ。あれ。あの時、喪山さんが部屋に入れてくれた時に着ていた服がいい。
後で元通りに見えるように、とスマホで写真を撮ってから、そっと喪山さんの服を手に取る。
ちなみに毎回撮っている写真は削除せずに全て残している。…使っている。
向かう先は喪山さんの使っているベッド。辺りに散らばる喪山さん、喪山さん、喪山さん。
「喪山さん…」
ぎ、と膝をベッドの上に立てると応えるように軋んだ音が聞こえる。
枕の上に雑に置かれたパジャマに顔を埋め、下を寛げて、とくとくと震え始めている欲望を手に取る。
すう、と喪山さんの香りを一息吸い込み、隣に置かれている箱ティッシュから2枚失敬した。
「喪山さ…喪子さん……も、こ」
…初めて見るタイプだと思ったのだ。引っ越しの時に珍しく挨拶をしてくれた隣人。
しかし目を合わせて笑いかけてみても、どこかぎこちなく笑い返した。
人と接することに慣れていない? でも管理人さんと仲良く話しているのを見かけたしな。
…なんで?
どんな人なんだろう、と郵便受けを覗きこんだのが始まり。
喪山喪子さん。…へえ、名前、喪子さんっていうんだ。
もっともっと知りたい。宛先に書かれている情報では足りない。
そして喪子の部屋の鍵穴に自分の部屋の鍵をさし入れたのだ。
…ああ、あの時開かなければよかったのに。
…いや、開いていなかったら喪子に何をしていたかわからない。
「喪子、…う、ぁ…もこ、きもちー…?」
あの時の服に何度も口付けながら右手は忙しなく動く。
喪子の肌が触れた服。鼻を擦り付けてみるとまだ喪子の匂いが残っている気がした。
「――ッ、もこ、名前っ呼んで? ヤン、てッ、く…うぅ」
軋むベッド。辺りに散らばる喪子の服。
口元にも、頬に当たるものも、この空気も、全部喪子の匂いがする。
まるで喪子を抱いているみたいだ。
ヤンさん、ヤンさん。そんな声が妄想できてしまうほど、ヤンはこの行為に溺れていた。
「出すよッ? もこ、も、こ…ぉ、んぁッ…あ、! ッ…くぅ…! ―――ッ!」
ゆるり、と目を開ける。
「…戻さないと」
格好を整え、写真を見ながら元通りに見えるように服を置く。
ティッシュはここに捨てるわけにはいかない。
ふわふわとした足取りで靴を履き、自分の部屋へと戻る。
…喪子、いや、喪山さん、今日も遅いかな。
いつしか食事も多めに作るようになった。
少しでも助けになったらいい。少しでも受け入れてほしい。
少しでも彼女の中に居たい。ごめんね、飲み込んでね。
もう止められないのだ。郵便受けから始まって、今では白濁した欲望を彼女の分の「お裾分け」に入れて届けている。
いつか彼女の口で。そんな妄想までしてしまう。
「喪山さん…」
写真を眺めながらゆっくりと目を閉じる。
とても、とても幸せな時間だった。
以上です
誤字脱字は気を付けたつもりですが不自然な所があるかもしれません申し訳ない
23スレ目>>365->>375あたり読んでたら書きたくなってきたので
366、367をネタにさせて頂きました ありがとうございます
そして本当に申し訳ございません(土下座)
世話焼き系です R18要素あり
ヤンがかなり気持ち悪い事をしているので嫌な予感がした方は読み飛ばすかNGをお願いいたします
うららかな春の昼下がり。
そんな外出日和ですよ外に出なさいといった天気の下、私はマンションの一室で頭を抱えていた。
「もう置き場がない…だと…」
視線の先にある押入れは「一時的な」収納場所だったはずだ。
だが目の前には段ボール箱がこれでもかとぎっしり積まれている。ちなみに中身はすべて本。
はあ、と溜息をついて振り返った先にあるものも机に山積みの本。
そのまま視線を横にずらすと本棚がある。当然並べられているものは本。
本。本。本。
「…少し売ろうか、管理人さんに箱ないか聞きに行っ、――…ッたあ…」
なんで足元に時計があるんだ。…私が其処に置きっぱなしにしたからだよ。
否、床に置かれたままにされているのは時計だけではない。
鞄。充電器。体温計。服。靴下。ストッキング。下着。
つまり私の部屋は汚部屋なのだ。泣きたいぐらいの汚部屋。
本を売ることよりまず先に片づけなければならないのはわかっている。
「わかってはいるんだけどさ…」
まあいいや。郵便受け見に行こう。そして管理人さんに箱をもらえないか聞いてみよう。
押入れの襖を閉じ、床に散らばったものから適当なものを着て簡単に身支度をしてから、玄関の扉を開く。
「…喪山さん? こんにちは」
「あ…どうも、隣田さん」
「疲れた顔してますよ。仕事大変な時期ですからね」
「ははは…そうなんですよ」
「ちゃんと食べてます? あ、そうだ。また残り物で申し訳ないんですが、もしよかったら…また、お裾分け持っていってもいいですか?」
「いえそんな…! 申し訳な……もらえます?」
「喜んで」
近所付き合いが少なくなったと嘆かれるこのご時世に声をかけてくれたのは、お隣の隣田さん。
夜遅くにふらふらになりながら帰ってきた時、深夜のゴミ出しに出かける隣田さんとばったり会ったことをきっかけに、ありがたいことにこうして色々と世話を焼いてくれているのだ。
こんばんは、この時間にいつも帰るんですか? ええまあ。
仕事大変なんですね。 ははは、お給料はちゃんともらってます。
…食事はこれから? まあ、適当に。
もしよかったら…その、お裾分けとかしましょうか? え?
いや、ちゃんとしたもの食べないと体に悪いでしょう。 そんな、申し訳ないです。
いいんですよ、…僕がやりたいんです。
――お父さんお母さん、私はこの冷たい都会の中で良縁に恵まれました。…いや、そんな意味じゃないけど。
そんなこんなで夜遅くに帰ってきた時にはお裾分けをもらっている。ありがたや。
「喪山さん、足」
「…え?」
「足くじいたんですか?」
「え? …ああ、さっきちょっと転んじゃって」
ずっと顔を見て話しながら歩いていたのにどうしてわかったのだろう、と思いながらもそう応える。
「何に躓いたんですか?」
「あはは…時計に。ちょっと部屋があんまり片付いてなくて」
「成程」
ふ、と隣田さんの顔に緊張が走る。
「喪山さん」
「は…はい?」
「手伝いましょうか? 片づけ」
「え? …え?」
いやそんな、あんな汚部屋に隣田さんを入れる訳にはいかない。
「いやあ…あの、えっと、今日はやりたいことがあって」
「え、何を?」
「ちょっと本の整理を。あ、そうだ。段ボール箱余ってないか管理人さんに聞かないと」
「…箱なら僕の部屋にも余ってますよ。仕事に必要なものとか通販で買ってますから」
後で箱持ってお伺いしますね、と綺麗に笑って郵便受けを覗きこむ。
「…えーと」
「僕がやりたくてやることなんです。…いいでしょう?」
…どうしようどうしよう。本当に大丈夫?
そう、隣田さんと別れて部屋に入ってからずっと頭の中で唱えている。
床に散らばった服類は椅子に掛けておいた。時計やらもちゃんと元の場所に置いた。
室内ワイパーも床が見える所はかけておいた。それから、それから…。
ピンポーン、とベルが鳴る。
「は、…はーい! すみません、隣田さん」
「いえいえ。…お邪魔します」
「散らかってますが…」
「それを今から片づけるんでしょう?」
くす、と笑いながら靴を脱いだ隣田さんを案内する。
――本当にいい人。いい隣人に恵まれた。
笑いかけてみれば、私よりずっと綺麗に笑い返す隣田さんを見ながら、私はそう思ったのだった。
「…お邪魔します、喪山さん」
返ってくる言葉はない。当たり前だ。この時間にこの部屋の主はいないのだから。
…知らないでしょう? 喪山さん。ここのマンション、部屋の鍵が全部同じなんですよ。
…まあ、既にちゃんと部屋に入れて案内してくれたし、こんな風に忍び込むことも少なくなるかもしれないけど、さ。
つ、と視線を上にずらす。
火災報知器。…を模したカメラ。
世の中便利ですよね。近場で売られていない仕事の道具も、こんなものだって通販で手に入る。
喪山さんおかえりなさい。さっき管理人さんが来て。 え?
火災報知器、勝手ながら取り付けさせてもらいましたって。 ああ、そうなんですか。
よく考えてみれば不審な所があるだろうに、喪山さんは簡単に信じてくれた。
モニター越しの喪山さん。
椅子の上で丸まりながら本を読む喪山さん。
服を脱ぎ散らかしながら着替える喪山さん。喪山さん。喪山さん。
可愛い、可愛いよ喪山さん。モニター越しに喪山さんを何度も何度も撫でた。
だが俯瞰の光景と実際に目にする光景は違う。
「喪山さん、せっかく片付けたのにもう散らかってますよ」
くすくす、と床に落ちている髪を拾い集めながら進んだ先は箪笥。
下から2段目。入っているものは靴下、ストッキング、下着。
きちんと順番に浸かっているようだ。擦り切れているものも、浮ついたものもない。
ゴミ箱のチェックも欠かせない。
お菓子の袋、本の売り上げカード、綿棒、それから髪の毛が数本とティッシュ。
念の為ティッシュを広げてみる。
隠すようにゴムが…なんてこと、ないみたいだな、よかった。
…まあこれはカメラを仕掛ける前からの習慣みたいなものなんだが。
それから洗面所を借りて手を洗ってから、喪山さんの使ったタオルで手を拭く。
…さて、今日はどれにしようか。
部屋に戻ってくるりと見渡す。
そうだ。あれ。あの時、喪山さんが部屋に入れてくれた時に着ていた服がいい。
後で元通りに見えるように、とスマホで写真を撮ってから、そっと喪山さんの服を手に取る。
ちなみに毎回撮っている写真は削除せずに全て残している。…使っている。
向かう先は喪山さんの使っているベッド。辺りに散らばる喪山さん、喪山さん、喪山さん。
「喪山さん…」
ぎ、と膝をベッドの上に立てると応えるように軋んだ音が聞こえる。
枕の上に雑に置かれたパジャマに顔を埋め、下を寛げて、とくとくと震え始めている欲望を手に取る。
すう、と喪山さんの香りを一息吸い込み、隣に置かれている箱ティッシュから2枚失敬した。
「喪山さ…喪子さん……も、こ」
…初めて見るタイプだと思ったのだ。引っ越しの時に珍しく挨拶をしてくれた隣人。
しかし目を合わせて笑いかけてみても、どこかぎこちなく笑い返した。
人と接することに慣れていない? でも管理人さんと仲良く話しているのを見かけたしな。
…なんで?
どんな人なんだろう、と郵便受けを覗きこんだのが始まり。
喪山喪子さん。…へえ、名前、喪子さんっていうんだ。
もっともっと知りたい。宛先に書かれている情報では足りない。
そして喪子の部屋の鍵穴に自分の部屋の鍵をさし入れたのだ。
…ああ、あの時開かなければよかったのに。
…いや、開いていなかったら喪子に何をしていたかわからない。
「喪子、…う、ぁ…もこ、きもちー…?」
あの時の服に何度も口付けながら右手は忙しなく動く。
喪子の肌が触れた服。鼻を擦り付けてみるとまだ喪子の匂いが残っている気がした。
「――ッ、もこ、名前っ呼んで? ヤン、てッ、く…うぅ」
軋むベッド。辺りに散らばる喪子の服。
口元にも、頬に当たるものも、この空気も、全部喪子の匂いがする。
まるで喪子を抱いているみたいだ。
ヤンさん、ヤンさん。そんな声が妄想できてしまうほど、ヤンはこの行為に溺れていた。
「出すよッ? もこ、も、こ…ぉ、んぁッ…あ、! ッ…くぅ…! ―――ッ!」
ゆるり、と目を開ける。
「…戻さないと」
格好を整え、写真を見ながら元通りに見えるように服を置く。
ティッシュはここに捨てるわけにはいかない。
ふわふわとした足取りで靴を履き、自分の部屋へと戻る。
…喪子、いや、喪山さん、今日も遅いかな。
いつしか食事も多めに作るようになった。
少しでも助けになったらいい。少しでも受け入れてほしい。
少しでも彼女の中に居たい。ごめんね、飲み込んでね。
もう止められないのだ。郵便受けから始まって、今では白濁した欲望を彼女の分の「お裾分け」に入れて届けている。
いつか彼女の口で。そんな妄想までしてしまう。
「喪山さん…」
写真を眺めながらゆっくりと目を閉じる。
とても、とても幸せな時間だった。
以上です
誤字脱字は気を付けたつもりですが不自然な所があるかもしれません申し訳ない