最終更新:ID:RX/kHwvHrw 2018年03月01日(木) 17:31:25履歴
またまた失礼します
ヤンデレ財閥ネタの双子兄ルートです
双子兄の設定が変更されていますが、おおまかなあらすじは前にあります
双子弟ルートを読んでおくと、兄弟間の確執が垣間見えます
兄は弟全部俺におしつけやがってゴルァ
弟は兄全部俺から奪いやがってゴルァ
というのが互いにあって、そこに自分を理解してくれる喪子が現れたことで、
二人はあいつにだけは絶対に渡したくない! とヤンデレへと変わっていくわけです
※相変わらず対象が従兄弟ですので、近親ものになります。苦手な方はスルーもしくはNGお願いします
喪子が転校した先には、屋敷の住人であるヤンがいた
病ヶ崎の一族の中でも、祖父の様に優秀だと期待される彼は生徒会長であり、全校生徒だけにあきたらず周りの教師からも信頼される模範的な生徒で
双子の弟とは違い、常に穏やかな笑みを浮かべている彼は学校中の人気者だった
同じ家の住人だから、そんな優しい気持ちで彼が喪子に特別目を掛けることで事態は悪い方向へと転がり始める
常に周りと適度な距離を置く彼が初めて気に掛ける女として、喪子は悪質な嫌がらせを受ける
原因である彼には強く言えず、喪子は話しやすい双子の弟へと相談を持ちかけたが、それが彼のプライドを傷つけた
実は喪子に対するイジメは、彼がわざとに仕組んだ事であった。喪子が自分を頼るのを、待っていたのだ
しかし喪子は自分ではなく、出来損ないの弟を選んだ
彼の中で知らずに少しずつ積み重なっていた喪子への好意が、一転して憎しみへと変わる
生まれて初めての欲しいという感情に振り回され、彼は不器用に喪子を傷つけることで喪子の感情を求めようとする
痛みと傷は、非常に簡単に人に感情を植え付けられる。
もちろんそれがもたらすのは、怒りと憎しみと、恨み。変わることのない負の感情ばかり。
それでいいのだ。いや、……それが、いい。
「ねえ喪子、痛い?」
俺は歌うように軽やかな声で訊く。
喪子は俺のベッドの上、力なく仰向けに寝てて、俺の言葉には答えない。
両手両足には荒縄で縛り付けた痕。表面の皮膚が縄で荒れて血が滲み、ちりちりとした痛みが襲っていることだろう。
顔は痛みと快楽による涙で濡れ、お世辞にも可愛いとか綺麗とは思えない。
きっと喪子が俺に向ける感情なんて、怒りと、憎しみと、それから恨み、そんなものだろう。
「俺は嬉しいよ。お前が傷ついてるの。お前が泣いてるの」
もちろん全て俺が与えた痛みに限るけれど。
喪子だけは俺の与えた痛みで、泣いていればいい。
傷跡を見る度、痛みに顔を顰める度、それが誰に与えられたものなのか、わずかな脳みその中を俺だけで埋め尽くせばいい。あの出来損ないの事を押し出してしまうほどに。
出来損ないの弟は、きっと母親の腹の中で自分が持つべきだった才能と責務を俺に押しつけた。
だから俺は二人分の期待を背負わされ、生きていかなければならなかった。
俺が全部を持っている? 違う。お前が俺に全部を押しつけたんだろう。
なあ、出来損ない。お前は、何も期待されたことなんてないだろう? 何をしても自由で、出来損ないだから何をしても誰もお前を見たりしない。
病ヶ崎の血にふさわしく優等生で、他人の求めるままに聖人のように優しい『僕』で有り続けなければならない俺の苦しさは、お前にはわからないだろう?
身体にのし掛かる、首を締め付けて言葉を奪う、『俺』を殺す重圧が、お前にわかってたまるものか。
お前は出来損ないだから、病ヶ崎の血の重さを知らないだろう。俺は、病ヶ崎の血に縛られて、『俺』を殺して生きているのに。
なのに自由を手にしただけにあきたらず、お前は愚かにも俺から喪子を奪おうとした。
化け物と呼ばれる病ヶ崎の血を引きながら、全くもって何一つそこらにいる女と変わらない、平凡もしくはそれ以下の女。
唯一違いがあるのなら、喪子は俺に何も求めなかった。
屋敷に初めて来たときも、不安で満ちていたお前に笑顔を向けてやったのに。いじめられたときも、何度も手を差し伸べてやったのに。
だけど、喪子は『僕』に何も期待しない。俺を見る眼差しはいつでも無色透明で、そこには誰もが持つべき病ヶ崎の血のフィルターは一切掛かっていなかった。
あの優秀な『病ヶ崎』の期待された人間。周りの人間はいつもそのフィルター越しに俺を見ていたのに。
珍しかっただけだ。
化け物と影で呼ばれ、同じ人として扱われない病ヶ崎の血に囚われない女が。
その喪子が、あの出来損ないに救いを求めた事を知った時、生まれて初めて俺は激しい怒りを覚えた。
頭の中が沸騰するような熱に浮かされて、俺の中から理性と道徳が消え去った。
そして俺は俺は喪子の部屋を訪れると、小さな身体を力任せに押さえつけて、男を知らない身体をさして慣らしもせずに抱いた。
その時に今まで答えが出ずにいた曖昧な感情を理解した。
この無色透明な眼差しで俺を見る喪子という存在を独占したい。
それも、愛や優しさなんて変わってしまう薄っぺらい感情などではなく、深く身体に刻み込まれて忘れられないほどの痛みと憎しみで。
これを愛と呼ぶにはあまりにも凶暴すぎる。
女達が求めて欲しいと強請る甘ったるい感情では、恐らくこの感情は足りていない。
別に喪子からの愛情なんて求めていない。俺が求めるのは、喪子の頭の中全てが俺で埋め尽くされて、俺しか考えられなくなるその瞬間だけ。
信頼も愛情も、何度も何度も繰り返して、そうして辛うじて芽生えてそれを大事に育てていかなければならない。
そんな長い時間も、たった一度の間違いで壊れてしまいそうな危ういものも、そんな不確かな関係も、俺を満足させてはくれない。
俺が欲しいのは、確固とした、ただただ俺だけを見ているという証拠に満たされるほどの揺るがない感情。
「どうして」
か細い声が訊く。
「お前が泣いてる間は、傷が痛む間は、そのちっぽけな脳みその中身は、全部俺の事しか考えられなくなる。俺が憎いだろ? 腹立たしいだろ?」
喪子は首を横に振る。
「矛盾、してるのに」
「……うるさい」
痛みは単純に人に感情を植え付けられる。
そう言いながら、俺は何度も何度も喪子の身体を無理矢理に拓いて、その身体に確かな痛みを残している。
簡単に植え付けられるのなら、何度も何度もする必要なんて、本当はない。
「俺は化け物じゃないんだよ」
「ヤン君」
無色透明の眼差しが、俺を見つめる。
「ねえ、早く全部俺のモノになって。その頭の中全部を俺だけにして、俺の事しか考えられなくなって」
不安、なのだ。
二人分の才能を持った化け物と呼ばれながら、俺は分かりやすく喪子を傷つけてその心を貪っているのに、それでも。
「喪子」
ベッドに座り、喪子の手首をそっと持ち上げて、赤くなった傷跡に甘く噛みつくと、喪子が顔を歪めた。
それに満足して、俺は喪子に聞こえるか聞こえないか分からないほどの声で呟く。
「俺以外を見ないで。俺だけを見て、……俺だけを、愛して」
お前だけは、俺を化け物にしないで。
お前の前だけは、情けない『俺』でいさせて。
痛みでたった一人の女を独占しないと、不安で仕方ない、そんな情けない男で。
呟きが聞こえていたのかは分からないけれど、喪子はじっと俺を見つめて、それから柔らかく微笑んだ。
他のものは全部いらない。元より俺が求めたものじゃない。だから神様、どうか……このちっぽけな女一人だけ、俺に下さい。
喪子の隣に潜り込み、俺はただ子供じみた祈りと、腕の中の確かな温もりを抱いて眠りに就いた。
とてつもなくわかりにくい愛情表現過ぎるので補足
双子兄は非常に繊細な人で、周りの期待を裏切ることが出来ずに常に優等生とした振る舞いをしています
周りが寄せる信頼は仮面の自分つまり『僕』に寄せられるものだと信じ、ありのままの『俺』には全く自信がありません
彼自身が優秀とされる由縁はその大部分が才能に因るものであり、彼自身は自らの自信に至るほどの努力をしていないからです
故に、彼は痛みで無理矢理にでも喪子の感情を独占できると言い切りながら、矛盾して何度も何度も確かめるようにその身体を傷つけます
無意識下で『俺』が、愛される訳がない。けれど、『俺』のままで喪子に愛して欲しいと強く願っているためです
愛情は欲しくないと言いながら、めちゃくちゃ喪子の愛情を欲しがっています
ちなみに彼の傷つけるという行為は、あくまでも縄できつく縛り付けるとか、ちょっと無理矢理に抱いたりとか、苦しい体位をさせるとか、首を軽く絞めるとか、その程度です
痣を作ったり激しい出血を伴ったりという、過剰な暴力ではありませんのでご安心下さい
どうでもいい補足まで書いて長くなりましたが以上です
読んでいただきありがとうございました
ヤンデレ財閥ネタの双子兄ルートです
双子兄の設定が変更されていますが、おおまかなあらすじは前にあります
双子弟ルートを読んでおくと、兄弟間の確執が垣間見えます
兄は弟全部俺におしつけやがってゴルァ
弟は兄全部俺から奪いやがってゴルァ
というのが互いにあって、そこに自分を理解してくれる喪子が現れたことで、
二人はあいつにだけは絶対に渡したくない! とヤンデレへと変わっていくわけです
※相変わらず対象が従兄弟ですので、近親ものになります。苦手な方はスルーもしくはNGお願いします
喪子が転校した先には、屋敷の住人であるヤンがいた
病ヶ崎の一族の中でも、祖父の様に優秀だと期待される彼は生徒会長であり、全校生徒だけにあきたらず周りの教師からも信頼される模範的な生徒で
双子の弟とは違い、常に穏やかな笑みを浮かべている彼は学校中の人気者だった
同じ家の住人だから、そんな優しい気持ちで彼が喪子に特別目を掛けることで事態は悪い方向へと転がり始める
常に周りと適度な距離を置く彼が初めて気に掛ける女として、喪子は悪質な嫌がらせを受ける
原因である彼には強く言えず、喪子は話しやすい双子の弟へと相談を持ちかけたが、それが彼のプライドを傷つけた
実は喪子に対するイジメは、彼がわざとに仕組んだ事であった。喪子が自分を頼るのを、待っていたのだ
しかし喪子は自分ではなく、出来損ないの弟を選んだ
彼の中で知らずに少しずつ積み重なっていた喪子への好意が、一転して憎しみへと変わる
生まれて初めての欲しいという感情に振り回され、彼は不器用に喪子を傷つけることで喪子の感情を求めようとする
痛みと傷は、非常に簡単に人に感情を植え付けられる。
もちろんそれがもたらすのは、怒りと憎しみと、恨み。変わることのない負の感情ばかり。
それでいいのだ。いや、……それが、いい。
「ねえ喪子、痛い?」
俺は歌うように軽やかな声で訊く。
喪子は俺のベッドの上、力なく仰向けに寝てて、俺の言葉には答えない。
両手両足には荒縄で縛り付けた痕。表面の皮膚が縄で荒れて血が滲み、ちりちりとした痛みが襲っていることだろう。
顔は痛みと快楽による涙で濡れ、お世辞にも可愛いとか綺麗とは思えない。
きっと喪子が俺に向ける感情なんて、怒りと、憎しみと、それから恨み、そんなものだろう。
「俺は嬉しいよ。お前が傷ついてるの。お前が泣いてるの」
もちろん全て俺が与えた痛みに限るけれど。
喪子だけは俺の与えた痛みで、泣いていればいい。
傷跡を見る度、痛みに顔を顰める度、それが誰に与えられたものなのか、わずかな脳みその中を俺だけで埋め尽くせばいい。あの出来損ないの事を押し出してしまうほどに。
出来損ないの弟は、きっと母親の腹の中で自分が持つべきだった才能と責務を俺に押しつけた。
だから俺は二人分の期待を背負わされ、生きていかなければならなかった。
俺が全部を持っている? 違う。お前が俺に全部を押しつけたんだろう。
なあ、出来損ない。お前は、何も期待されたことなんてないだろう? 何をしても自由で、出来損ないだから何をしても誰もお前を見たりしない。
病ヶ崎の血にふさわしく優等生で、他人の求めるままに聖人のように優しい『僕』で有り続けなければならない俺の苦しさは、お前にはわからないだろう?
身体にのし掛かる、首を締め付けて言葉を奪う、『俺』を殺す重圧が、お前にわかってたまるものか。
お前は出来損ないだから、病ヶ崎の血の重さを知らないだろう。俺は、病ヶ崎の血に縛られて、『俺』を殺して生きているのに。
なのに自由を手にしただけにあきたらず、お前は愚かにも俺から喪子を奪おうとした。
化け物と呼ばれる病ヶ崎の血を引きながら、全くもって何一つそこらにいる女と変わらない、平凡もしくはそれ以下の女。
唯一違いがあるのなら、喪子は俺に何も求めなかった。
屋敷に初めて来たときも、不安で満ちていたお前に笑顔を向けてやったのに。いじめられたときも、何度も手を差し伸べてやったのに。
だけど、喪子は『僕』に何も期待しない。俺を見る眼差しはいつでも無色透明で、そこには誰もが持つべき病ヶ崎の血のフィルターは一切掛かっていなかった。
あの優秀な『病ヶ崎』の期待された人間。周りの人間はいつもそのフィルター越しに俺を見ていたのに。
珍しかっただけだ。
化け物と影で呼ばれ、同じ人として扱われない病ヶ崎の血に囚われない女が。
その喪子が、あの出来損ないに救いを求めた事を知った時、生まれて初めて俺は激しい怒りを覚えた。
頭の中が沸騰するような熱に浮かされて、俺の中から理性と道徳が消え去った。
そして俺は俺は喪子の部屋を訪れると、小さな身体を力任せに押さえつけて、男を知らない身体をさして慣らしもせずに抱いた。
その時に今まで答えが出ずにいた曖昧な感情を理解した。
この無色透明な眼差しで俺を見る喪子という存在を独占したい。
それも、愛や優しさなんて変わってしまう薄っぺらい感情などではなく、深く身体に刻み込まれて忘れられないほどの痛みと憎しみで。
これを愛と呼ぶにはあまりにも凶暴すぎる。
女達が求めて欲しいと強請る甘ったるい感情では、恐らくこの感情は足りていない。
別に喪子からの愛情なんて求めていない。俺が求めるのは、喪子の頭の中全てが俺で埋め尽くされて、俺しか考えられなくなるその瞬間だけ。
信頼も愛情も、何度も何度も繰り返して、そうして辛うじて芽生えてそれを大事に育てていかなければならない。
そんな長い時間も、たった一度の間違いで壊れてしまいそうな危ういものも、そんな不確かな関係も、俺を満足させてはくれない。
俺が欲しいのは、確固とした、ただただ俺だけを見ているという証拠に満たされるほどの揺るがない感情。
「どうして」
か細い声が訊く。
「お前が泣いてる間は、傷が痛む間は、そのちっぽけな脳みその中身は、全部俺の事しか考えられなくなる。俺が憎いだろ? 腹立たしいだろ?」
喪子は首を横に振る。
「矛盾、してるのに」
「……うるさい」
痛みは単純に人に感情を植え付けられる。
そう言いながら、俺は何度も何度も喪子の身体を無理矢理に拓いて、その身体に確かな痛みを残している。
簡単に植え付けられるのなら、何度も何度もする必要なんて、本当はない。
「俺は化け物じゃないんだよ」
「ヤン君」
無色透明の眼差しが、俺を見つめる。
「ねえ、早く全部俺のモノになって。その頭の中全部を俺だけにして、俺の事しか考えられなくなって」
不安、なのだ。
二人分の才能を持った化け物と呼ばれながら、俺は分かりやすく喪子を傷つけてその心を貪っているのに、それでも。
「喪子」
ベッドに座り、喪子の手首をそっと持ち上げて、赤くなった傷跡に甘く噛みつくと、喪子が顔を歪めた。
それに満足して、俺は喪子に聞こえるか聞こえないか分からないほどの声で呟く。
「俺以外を見ないで。俺だけを見て、……俺だけを、愛して」
お前だけは、俺を化け物にしないで。
お前の前だけは、情けない『俺』でいさせて。
痛みでたった一人の女を独占しないと、不安で仕方ない、そんな情けない男で。
呟きが聞こえていたのかは分からないけれど、喪子はじっと俺を見つめて、それから柔らかく微笑んだ。
他のものは全部いらない。元より俺が求めたものじゃない。だから神様、どうか……このちっぽけな女一人だけ、俺に下さい。
喪子の隣に潜り込み、俺はただ子供じみた祈りと、腕の中の確かな温もりを抱いて眠りに就いた。
とてつもなくわかりにくい愛情表現過ぎるので補足
双子兄は非常に繊細な人で、周りの期待を裏切ることが出来ずに常に優等生とした振る舞いをしています
周りが寄せる信頼は仮面の自分つまり『僕』に寄せられるものだと信じ、ありのままの『俺』には全く自信がありません
彼自身が優秀とされる由縁はその大部分が才能に因るものであり、彼自身は自らの自信に至るほどの努力をしていないからです
故に、彼は痛みで無理矢理にでも喪子の感情を独占できると言い切りながら、矛盾して何度も何度も確かめるようにその身体を傷つけます
無意識下で『俺』が、愛される訳がない。けれど、『俺』のままで喪子に愛して欲しいと強く願っているためです
愛情は欲しくないと言いながら、めちゃくちゃ喪子の愛情を欲しがっています
ちなみに彼の傷つけるという行為は、あくまでも縄できつく縛り付けるとか、ちょっと無理矢理に抱いたりとか、苦しい体位をさせるとか、首を軽く絞めるとか、その程度です
痣を作ったり激しい出血を伴ったりという、過剰な暴力ではありませんのでご安心下さい
どうでもいい補足まで書いて長くなりましたが以上です
読んでいただきありがとうございました