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| | ルームシェア1日目 |
芳乃 | | きゅっきゅっきゅー……。 はい、きれいになりましたー。 |
アナスタシア | | ヨシノー。キョウコー。 オフロのお掃除、終わりましたー。 |
芳乃 | | アーニャさん、お疲れさまですー。 お風呂はぴかぴかになりましてー? |
アナスタシア | | ダー! ヨシノの拭いた窓も、ピカピカですね♪ アー……キョウコはどこに行きましたか? |
芳乃 | | 響子さんでしたら、先に1階へ向かわれましたよー。 |
アナスタシア | | アー、そうでした。 次の仕事に行くプロデューサーを見送って、 そのままお店のお掃除をするって言ってましたね。 |
芳乃 | | えぇー。 さて、こちらも区切りがつきましたのでー。 わたくしたちも、下へ降りるといたしましょー。 |
響子 | | ふんふんふん、ふーんふふーん………♪ あっ、いらっしゃいませ! なーんてつ。あはっ♪ |
アナスタシア | | フフフ、おじゃまします♪ やっぱり、雰囲気のいいお店ですね。 なんだか落ち着きます。 |
響子 | | 素敵ですよね。 温もりを感じるっていうか……。 |
響子 | | あ、言い忘れてました! そこの椅子、座るときには気をつけてくださいね。 ちょっとだけ脚の高さが合ってないんです! |
芳乃 | | どれどれー。 あらー、確かにぐらぐらと。 |
アナスタシア | | きっと、この椅子はドラマで使うものですね。 アーニャが、こういう椅子に座るとスツィナーリー……。 アー、脚本の中にありました。 |
アナスタシア | | お店の役作りは、もうできていますね。 ドラマのスタッフさん、すごいです。 |
芳乃 | | そのようでしてー。 この場を与えてくださった方々の想いに応えられるよう、 務めを果たさねばなりませんねー。 |
響子 | | そうですね! このルームシェアがお芝居に活かせるように、 いろんなことを勉強しましょう! |
アナスタシア | | 勉強……フフ、なんだかドラマの予習をするみたいですね? |
響子 | | あはっ、確かにそうかも! 自分の役の子がすることを、先にやっちゃうんですもんね。 |
芳乃 | | ふふふー、予習は大事なことでしてー。 もちろん復習もー。 |
芳乃 | | 自らが過去に経験したことは、得てして思いもよらぬところで 役に立つものですー。まったく同じとは言わずとも、 役を知る上での足がかりにはなるでしょー。 |
アナスタシア | | そういえば、私たちの役は出身地が違いますね。 みんな理由があって、ひとりでこのお店にやってきました。 アーニャたちがアイドルになったときも、そうですね? |
響子 | | 言われてみれば……。 じゃあ、このお店は、私たちの場合だと事務所なんですね! そっか……あのときの気持ちを思い出せば……。 |
芳乃 | | ふふふー、良い参考資料を見つけましたねー? |
響子・アナスタシア | | はい! ダー! |
響子 | | ……よし! 最後のテーブルも拭き終わりました! |
芳乃 | | お疲れさまでしたー。 思っていたよりも早く終わりましたねー。 |
響子 | | 途中までプロデューサーさんが手伝ってくれましたからね! それに、前もってスタッフさんたちもお掃除してくれてましたし。 |
アナスタシア | | プロデューサー、言ってましたね? お掃除しなくても、きれいになってるよって。 それを聞いて、キョウコは怒ってました。 |
響子 | | だって、これからお世話になるお家ですよ? それなのに、お掃除しないなんて絶対ダメです! こういうのは気持ちが大事なんですから! |
アナスタシア | | フフフ。 キョウコ、ママみたいです。 |
響子 | | ま、ママ? |
アナスタシア | | ダー。アーニャが日本からロシアに行ったときも、 最初にグランパたちの家をお掃除しました。 そのとき、ママがキョウコとそっくりなことを言ってましたから。 |
芳乃 | | ほほー、それはそれはー。 でしたら、響子さんも良いお母さんになるでしょー。 |
アナスタシア | | ダー! きっとなれます。 キョウコママですね? |
芳乃 | | ふふふ、響子ままー。 |
響子 | | も、もうっ、ふたりとも〜! |
響子 | | えっと……お洗濯も済みましたし、 これからどうしましょうか。 |
アナスタシア | | それなら、外に出てみたいです。 ここに来るときも、すぐに通り過ぎてしまいましたから。 それに、近くにある商店街のこともよく知りたいです。 |
芳乃 | | どらまの撮影でも、そちらの商店街の方々が協力してくださる とのことでしたねー。 お買い物の場面などで、店頭を貸してくださるとかー。 |
アナスタシア | | ダー。 私たちのルームシェアについても説明してあると、 プロデューサーが言ってました。 |
響子 | | そうでしたね。 じゃあ、まずは商店街のみなさんに 引越しのご挨拶をしましょうか! |
八百屋 | | へえ、お嬢ちゃんたちがあそこを使うのかい。 嬉しいもんだ! |
パーマ屋 | | 若い子が来ると華やいでいいねえ。 しかもアイドルだなんて! |
酒屋 | | カ仕事が必要ならいつでも言ってくれよ! |
アナスタシア | | よろしくお願いします。 |
響子 | | よろしくお願いしますっ! |
芳乃 | | よろしくお願いいたしますー。 |
アナスタシア | | 商店街の人たち、みなさん優しかったですね。 困ったことがあったら、手伝ってくれるって言ってました。 |
響子 | | ご挨拶に行ってよかったですねっ。 それにお借りしてるお店の、昔の名前も教えてもらえましたしね。 |
芳乃 | | どらまの設定では『さくら』という名前のお店でしたが、 元々のお店は『すずらん」という名前だったのですねー。 |
アナスタシア | | 勉強になりましたね。 アー、この後はどうしますか? |
響子 | | うーん……。 夕ご飯のお買いものをするには、まだ早いですね。 |
響子 | | じゃあ、この辺りをお散歩してみませんか? どの道がどこに繋がってるのか知りたいですし。芳乃ちゃんは何かしたいことありますか? |
芳乃 | | わたくしは、この地を守る神仏にもご挨拶を一。 みなが無病息災の内に撮影を終えるためにも、 一度赴いたほうがよいかとー。 |
芳乃 | | あぁー。 それと、こんびにの場所についてもー。 とても便利なお店ですのでー。 |
アナスタシア | | じゃあ、みんなでこの街を探検ですね♪ |
響子 | | あはっ、そうですね! なんだか子どものときに戻ったみたい♪ |
芳乃 | | ふふー。 それでは、探検の旅にいくとしましょー。 せーの、しゅっぱーつ。 |
響子・アナスタシア | | おー! おー! |
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