臨床検査技師 国家試験 DMR 試験 臨床検査技師 検査技師 - 臨床検査技師国家試験 2006年 第52回 午前 問10
問題 10

64歳の男性、進行性の労作時息切れを訴えている。喫煙暦40本/日。スパイロメトリーで%肺活量(%VC)81%、1秒率(FEV1.0%)59%であった。考えられるのはどれか
  1. 慢性肺血栓塞栓症?
  2. 肺線維症
  3. 過換気症候群?
  4. 慢性閉塞性肺疾患
  5. 肺結核

答え 4
たばこの量が多いこと、労作時息切れ、閉塞性換気障害に分類される状態であることから慢性閉塞性肺疾患(COPD)。




%VC?(%肺活量)実測肺活量が予測肺活量の何%にあたるのかを算出したもので、これを求めることによって肺活量が正常範囲かどうか分かる
%VC=実測肺活量/予測肺活量? ×100(%)
%VCが80%以下だと拘束性換気障害として扱われる

FEV₁%(1秒率):肺活量(VC)はゆっくっり吐き出させたときの量で、対して努力性肺活量(FVC)は一気に最後まで一生懸命吐き出させた量
初めの1秒間に吐き出された空気の量を1秒量(FEV₁)といい、努力性肺活量と1秒量から1秒率(FEV₁%)が求まる。 FEV₁%= FEV₁ / FVC ×100(%)
∴最初の1秒間にどれだけ多く吐けるか、すなわちどれだけ勢いよく吐けるかの指標になる

≪換気障害の分類≫
→%VC(%肺活量)とFEV₁%(1秒率)から、換気障害を上図のように分類する
閉塞性換気障害⇒FEV₁%が70%以下
拘束性換気障害⇒%VCが80%以下
閉塞性肺疾患では、初期は1秒率の低下のみがみられる
進行すると残気量が増大し、%肺活量も低下し、混合性換気障害となる