今は亡き耳かきコリッの避難所

我輩はうさぎである。
名前は「ぴょんちゃん」だ。
毛は白くて目は赤いキュートな
外見をしている。
我輩は純白で血統がよい。
馬の世界でいう「サラブレッド」といったところだ。
「かわいい〜」と人からよく言われる。
当たり前だ。

ご主人様が我輩を呼んだ。
「ぴょんちゃーん、耳かきのお時間よ。」
ピョンピョンとはねていく。
「...(ウズウズ)。」
我輩は耳かきがたまらなく好きなのだ。

「まぁっ、こんなに溜まって!」
ご主人様が我輩専用の竹の耳掻きを取り出した。
そして、おもむろに我輩の耳を掻きはじめた。

最初のうちは、
層のように耳垢が重なっているので
「掻く」というより「掘る」に近い。
ホリホリ....ホリホリ.....ホリ.....ホリ.ホリホリ........


ホリホリ.....ホリ......ホリホリ....ホリホリホリ
....ホリホリホリホリ..ホリ...ホリホリホリ....

ようやく皮膚にたどり着いたようだ。
大量の垢が我輩の頭の上に発生した。

コリコリ.....コリコリコリコリコリ....
コリコリ...コリコリコリコリ...

我輩は赤い目を細めた。
とても気持ちがいい…

コリコリコリコリコリコリ....

カリッ!
痛っ!
耳の奥のデリケートな部分に触れられた。
我輩はぴょんと飛び跳ねた。
「こらっ!」
ガリッと自慢の前歯でご主人様の手を噛んだ。
「いたっ!」
ぴょんぴょん、我輩は部屋の隅に逃げた。
「ぴょんちゃーん出ておいで。」
「…。」
にんじんをフリフリ動かされると
出て行かざるをえない。
我輩はにんじんをカリカリ食べた。
なんせ、我輩は記憶力があまり良くないのである。
つかまってしまった。

ご主人さまは指にガーゼを巻きつけた。
それを、ミントの香りがする液にひたした。
フキフキ..フキフキフキフキフキ...フキフキフキフキフキフキフキ.....
スーッとするミントの香りが
我輩の鼻にきた。

フキフキ...フキフキフキフキ...フキフキフキフキ
すごく汚れているらしい。

一瞬、耳の中がスーーーーーーーーッと涼しくなった。

我輩はびっくりして体をひねって逃れようとした。
しかし、ご主人さまにムンズと掴まれていて
身動きがとれない。

ご主人様はペンライトで我輩の耳をジーッと覗いた。
「うん、キレイになった。」
ご主人さまはご満悦だ。

「あら、毛もそらなきゃ!」
ご主人様は小さい剃刀で、我輩の耳を剃る。
ショリショリ...ショリショリショリ..ショリショリショリショリ..
チョリチョリチョリ..チョリチョリチョリチョリチョリ...

我輩の耳の中は、ツルツルピカピカになりそうだ。

ショリッ ショリッ..ショリッ..ショリッショリッショリッ..
ヂョリ゙ッ..ヂョリ゙ッ..ヂョリ゙ッ..ヂョリ゙ッヂョリ゙ッヂョリ゙ッ...
ジョリ゙ッジョリ゙ッ...ジョリ゙ッジョリ゙ッ..ジョリ゙ッジョリ゙ッ...
硬い毛も剃っていく。

コリッ..
「あら、まだ耳垢が溜まっていたのね…」
...コリッ..  コリッ  コリッ..コリッ...コリッ..カリッ..
...カリッ...

耳から背筋がビクビクするほど、
快感が伝わってくる。

...コショリ...コショリ..

「あらら、ぴょんちゃん、
 鼻をヒクヒクさせて…おひげも剃っちゃおうかしら?」
それだけは勘弁して!!

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