今は亡き耳かきコリッの避難所

耳掻きは大好きで、
汁や血がでるのもしばしばの自分
そんな、ある日、やけに耳の中がゴソゴソいいだした。
前に掃除してから1週間も経ってないのに、と思いつつ
愛用の金属耳掻きで掻いてみる。
すると、耳の壁のどこもかしこもが、優しくなでるように掻くだけで
カリカリという音がする。
ああ、また力強くやってかさぶたを作ってしまったのか、と、
後悔しつつ、無理にはがして医者に行くのは嫌なので、
放置することにした。

それから1週間、音は増すばかり、さらに痒みもでてきた。
これは、もう、たまらん、と医者の世話になるのも覚悟で
耳壁を力強く掻き始めた。

しかし、耳壁はカリカリいうだけで、一向に何も取れない
5分、10分…と、格闘し続けたものの獲物は粉のようなもののみ。

とりもちでも使ったら取れるだろうか……
そんなことも考え始めた時、
以前2ch内で見た[粘着式耳掻き]の事を思い出し、
その日の内に買いに行った。

100円ショップでそれを見つけ、
家に着くや否や早速、捜索開始。
説明書には耳壁に強く当ててはいけないらしいが、
そんな事はおかまいなしに、グッと押し付ける。
そしてカリカリ部分にうまくくっついたと確信したところで
ゆっくりと耳掻きを持ち上げる。


べリッ!!

その瞬間、広範囲に何かがはがれる音がした。
一瞬ビクッとしてしまい、思わず耳掻きから手を離してしまった。
…が、耳掻きは落ちることもなく耳内で宙ぶらりんになっていた。
どうやら、耳の中のものと耳掻きはまだ繋がっているようだった。
こんなことは初めてだ。
わくわくしながら再び耳掻きを持つとゆっくりと回転させてみる。

ぺリ…ペリペリ……
耳掻きの動きに合わせてはがれていく何か、
不思議と痛みはない。
 
1回転、2回転、そして、3回転になろうとした時、
グッと頭ごと引っ張られるような感触と猛烈な痛みが走った。
何かがあるっていうより、埋まってる!
このまま引っ張ったら非常に危険な香りはしたが、
今までにない大物が取れるかもしれないというのに
ここで自らの意思で獲物を分断するのは気が引け、
2,3度深呼吸して、思いっきり引っ張ってみた。

うわぎゃうほあうえてょあうてゃ!!

そんな意味不明の叫び声をあげてしまうほどの
ものすごい痛みが耳どころか頭にも走り、
とっさに耳掻きを投げ捨て、耳を押さえながら部屋中を転げまわった。

どのくらい経っただろうか、
転がってるうちに少し痛みが治まり、気持ちも落ち着いてきたので
思わず投げてしまった耳掻きを探すことにした。

そうして部屋の隅で見つけた耳掻き、
拾い上げると、なんと、先端には新体操のリボンのようにらせん状の物体が!
さらに、物体の先には4ミリ×3ミリほどの塊が付いていた。

獲物を観察してみると、
らせん状の物体は髪の毛と粉耳がうまく重なりあい、
網目状になったものだった。
どうやら、こいつが耳壁全体をすっぽりと覆っていたよう…… 。

それから数年、あの痛みを味わうのは2度とごめんなものの
耳掻きするたびにあのような獲物を期待してしまう自分は
やっぱり変態でしょうねえ…… 。

このページへのコメント

癒しも糞も無い。

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Posted by  2016年11月10日(木) 12:42:50 返信

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