DISK1-4

最終更新： rei_fun rei_fun 2016年01月22日(金) 23:00:46履歴

大灯台の灯が消える
【僧兵】
大灯台の頂上決戦！
ヴィアベルの英雄
DISK2-1?へ続く……

大灯台の灯が消える

商店街の噂話

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ヴィアベル商店街へ戻ると二人の男が話しながらやってくる。

大灯台の灯りが消えてしまったという話が聞こえてくる。

それを聞いていた剣士は、僧兵に話す。

少し気になるので、港へ行ってみましょう。僧兵も同じく、気になっていた……

ヴィアベル港の漁師

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ヴィアベル港に行くと、一人の漁師が警備の兵士に抗議していた。

「ヴィアベルの大灯台の灯りが消えたままでは、漁師は飢え死にしてしまう」

「国の役人を連れて来て、直接を話させろ」

しかし兵士は調査中であるとしか言わず、漁師は怒りながらも引き下がっていく。

なにやら緊急事態が発生しているようだ。詳しい話を聞く必要があるだろう。

兵士から話を聞いてみる。

灯台の灯りが消えてしまうと、海の目印が消えてしまうだけではない。

大灯台の灯りには魔力がこもっており、その魔力がなくなれば

島の周囲に霧が発生し、海に出られなくなってしまう。

ヴィアベルは漁業で支えられてる国であるため、本来ならば国も動くべきであるが……

私が行きます

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漁師が困っている……このままでは被害が大きくなるだろう。

剣士は、心がザワザワとして、言葉を……「私が行って、灯りのことを調べてきます」

と言いかけたとき、僧兵が遮る。「軽はずみに行くと言うな」

「お前は自分の目的を疎かにして、命をかけるというのか」

僧兵のその言葉に、剣士はシンプルに応える。

僧兵はそんな常識離れした剣士の姿勢に驚きながらも、心が動かされる。

「志半ばにして倒れるさまを見てやる！行くぞ！」

言葉は怒りながらも、僧兵の心が伝わってくる。剣士は仲間への感謝の気持ちで一杯になった……

大灯台の開かずの扉

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大灯台の６Fまでやってきた剣士たち。大きな扉を開けようとしても、どうにも開かない。

諦めて下の階に戻って別のルートを探そうとする。

僧兵がおもむろに扉の前に立ち、私に任せろ、という。

僧兵は体を光らせて魔力を放出した。すると……扉が開いた。

※この扉は特殊な扉で、【僧兵が念じなければ】開かないようになっている。

　つまり、この扉は【僧兵】にしか開けられない扉なのである。

【僧兵】

そっくりというにはあまりにも……

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扉をくぐり、中に入るとそこには普通の部屋が広がっていた……

それまでのボロボロの塔の内部とは打って変わって、小綺麗な部屋である。

誰もいない……？と、しばらく見回していると、ガチャリと扉が開いた。

出てきたのは、ソックリというにはあまりにも似すぎている【僧兵】だった。

しかし、僧兵は掴みかからんばかりの勢いで、【僧兵】に怒りをぶつける。

理由を語ろうとしない僧兵……何を思うのか。

僧兵という存在

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立ち話ではなんだからと、テーブルへ促す【僧兵】。

席につくと、自己紹介をする【僧兵】。

彼の名前はなんと、パーティの僧兵と同じ名前であった。もはや偶然などではないだろう。

【僧兵】は衝撃的なことを語り始める。

「わたし（【僧兵】）とそちらの（パーティの）僧兵さんは、同一人物です。」

「（パーティの）僧兵さんは、別の世界から来た方です」

「この世界に、僧兵という人物は2人いるのです。」

あまりの荒唐無稽な話に、剣士とシーフは困惑する。

しかし僧兵はまだ憤慨していた。「こんな腑抜けと一緒にするな」と……

僧兵の怒り

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僧兵が怒っていた理由……それは

【僧兵】は強大な魔力をもっていて、それを使わずにいることであった。

僧兵は世界を壊してしまえ、と【僧兵】に言い放つ。

僧兵は、人を信じていなかった。理由は語らない。（未設定）

僧兵は、本当は自分で世界を支配し、壊してしまいたいのだ。

しかし、【僧兵】はこう答える。

僧兵と【僧兵】は、同一人物でありながら、歩んできた道は違う。そして、感じてきたことも違う。

【僧兵】にとって、この世界は憎むものではないのである。

そしてこう続ける。

僧兵は、過去に別の世界で受けた仕打ちはこちらでは受けることはなかった。

それ故、こちらの世界に渡った後少しずつ心は癒えていき、かつてほどの憎しみは薄れていた……、

黙ってしまう僧兵……　　　【僧兵】はさらにこう言う。

【僧兵】の過去

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【僧兵】は、これまでの人生を語り出す。

自らに宿った強大な魔力のせいで死ねない体であった【僧兵】は

人から恐れられ、または利用された。

生まれ育った国は、【僧兵】の魔力を調べて生まれた魔術によって滅びた……

一人残った【僧兵】は放浪の旅へ……

そしてとある村にたどり着き、そこで出会った女性と結婚した。

その妻の名は【ジュリ＝フラァ】　～可憐な花～

パーティの僧兵は驚く。僧兵もまた、別の世界で同じ名の妻をめとっていたからだ。

何も答えない僧兵……【僧兵】は続ける。

【僧兵】の無尽蔵に湧き出る魔力は、魔物や魔族のかっこうの標的であった。

襲い掛かってくる敵から、常に村を守り続けた。

そしてまた、懸命に守る【僧兵】の姿を見て、村人たちも彼の滞在を認めていた。

これまで人間の闇の部分ばかり見ていた【僧兵】にとって

初めて【生きたい】と思えた時間だった

しかし、幸せな刻は、たった３年しかもたなかった

現れた魔物に妻は人質に取られ、【僧兵】に投降を迫った。

僧兵にはわかっていた。例え投降したところで、妻は殺されるだろう。

何も出来ないでいる【僧兵】に、妻は言う。「魔物を倒して」

【僧兵】は妻の覚悟を悟ると、魔力を開放した。次の瞬間には

【僧兵】は自分の死ねない体を、運命を、呪った。

そして、自らを殺そうと、様々な手段を用いた。

しかし、あふれる魔力は彼の死を許さなかった……

そうして、自らの死を願いながら島国ヴィアベルへとたどり着く。

２００年前のヴィアベルの王は【僧兵】の魔力を知ると

国のために尽くせと、もちかけた。【僧兵】は断った。

【僧兵】はもう、己の魔力で何も壊したくなかったからだ。

すると国王は手のひらを返し、さらに恐れ、【僧兵】を幽閉するように命令を下す。

当時相当な力を有していたヴィアベルは、ほどなくして大灯台を建造する。

そして【僧兵】は自ら望んで塔に入る。もう何も壊さなくても良いように。

そして２００年が過ぎた……

僧兵の野望と、想い

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僧兵は、確信を持った口ぶりで言う。

「僧兵さん、あなたはこの世界に来るとき魔力のほとんどを失いましたね？」

驚く剣士とシーフ。僧兵は、２人に隠していたことを、少しずつ話し始める。

本来は強大な魔術師を有した魔術師であったこと。

【渦】にのまれ、世界を渡った引き換えに魔力を失ったこと。（なぜ渦に飲み込まれたかは未設定）

この世界の僧兵に残されたものは、僅かな【聖なる力】と呼ばれるもの……

僧兵にとっては忌々しいとさえ思える力だった……人を癒すなどと……

僧兵の願いは、憎い世界を壊し、人類を全て創り変えること……

そのために、彼には力が必要だ。かつての魔力を取り戻す研究を、長年続けていた。

だから、力を持ちながら何もしないこの【僧兵】を、もう一人の自分とわかって尚、許せないのだ。

いや、もう一人の自分だからこそ、許すことが出来ない。

僧兵の葛藤

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僧兵にとって、人間は創り変えるべき存在……

なのになぜ、剣士とシーフを滅してしまわないのか？

【僧兵】のその問いかけに、僧兵は答えられない。僧兵の中で、新しい感情が生まれつつあったからだ。

【なぜ、ワシは、この２人と共にいる……？ワシは世界のすべてが憎いのではないのか……？】

黙りこむ僧兵……

大灯台の灯りを戻すには

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沈黙をやぶり、【僧兵】は灯台の灯りを戻しに来たのではないかと３人に問う。

肯定すると、灯火を守っている精霊に話しかけ、灯りを戻すように説得しろ、という。

炎と光の精霊で、多少クセのある性格ではあるが、悪い存在ではないらしい。

あともう一歩だ。頂上の灯火台へ向かおう。

まだ動かずに考えこむ僧兵に、シーフは呼びかける。

剣士とシーフにとっては仲間であることには変わりがない。

例え世界征服を口にしようとも、何か理由があってのことだと感じているからだ。

僧兵が自ら悪へ染まってしまわない限り、いや、例え染まったとしても

仲間のために、心を元に戻すために全力を尽くせる。それが仲間同士じゃないか。

僧兵にもその心が伝わっているのか……何も話さないが、僧兵は合流した。

大灯台の頂上決戦！

炎と光の精霊

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灯火台の前に立つ３人。

精霊に問いかけろと言われたものの、どうすればいいのだろう……

考え込んでいると、また僧兵が魔力を使う。

しかし今度は何も起こらない……？

そう思った刹那、なんと何もない空間から、光と炎をの力をもつ精霊が姿を現した。

僧兵は魔力を放出することでこの場の魔力の流れに乱れを生じさせたのだ。

原因を確認しに精霊がやってくると踏んでおり、その予見は当たった。

お願い！精霊さま！

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現れた精霊に灯りを灯すことを頼んでも、拒否されてしまう。理由は単純であった。

先日、灯台に飛来したドラゴンがまた来てしまうのではないかと、怯えていたからである。

何度頼んでも拒否されることに腹を立てるシーフ。

ついに限界に達した精霊は、モンスターで仲の良いセンター試験という名前の巨大な鳥を呼び出す。

非常に動きの素早い強敵だ！

※攻略法ネタバレセンター試験

僧兵の心の変化

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センター試験と精霊モンたおに勝利したパーティ。しかし、それでも精霊は灯りを灯さない……

……僧兵が前に出る。そして、精霊に魔法をかける。

それは、ドラゴンから姿を隠すというものだった。これでもう、精霊は怯えなくて済むだろう。

大喜びする精霊。そして剣士は僧兵の心に変化が生じていることを感じ取る。

僧兵が誰かに優しく接するようなことは、これまでに無かった……なぜ変わったのだろうか。

そして精霊は快く灯台に灯を灯す。これでヴィアベルの漁師たちは救われるだろう……

僧兵と【僧兵】

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僧兵は灯台に灯りが灯ったことを確認すると、剣士とシーフに話す。

「あいつのところへ寄っていく」　　あいつとは、【僧兵】のことである。

下に降りると、【僧兵】が待っていた。

僧兵は言いにくそうに、【僧兵】に感謝を述べる。しかし、次の一言は……

僧兵は、世界が憎くないわけではない。過去を忘れたわけではない。

だが、中には壊したり、殺したりしなくてもよいものもある……そう思うようになっていた。

事情を知らない人が見れば、それはわずかな変化に思えるかもしれない。僧兵を悪人だと思うだろう。

だが、僧兵本人にとっては、生まれて初めての「自ら許す」という感情であった。

そしてこの場にいる誰もが、僧兵の変化を喜んでいた。

そんな僧兵に、【僧兵】は贈り物を贈るという。

【僧兵】の体からまばゆい光が発せられ、それは僧兵に宿った。