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118.エビ、O、りぜ - 18/04/28 22:56:04 - ID:ZFTxhO47+Q
もし、我々がかの王の真実を知る日が来たら?その時が来るかすら、まだ分からない。ただ、人の想い、思考、そういうものは、記録には残らない。記憶というメモリーは、研究には不適切なものだ。だからこそ、後世に生きる我々には、かの王を知る意味がある。それを知りたいと願う魅力がある。1つの国を、ここまで動かした者の存在も。そして、かの王は恐らく…。
『これ以上はやめておこう。それは、私の語るべき物語ではない』
そう言って、教授は静かに手元の帳面を閉じた。ふわりと静かに埃が舞い、それが窓に切り取られた夕陽にきらきらと輝いていた。私は教授にありがとうございましたと礼を言い、頭を下げた。その拍子に、彼の机の下から除く、幾つかのファイルが目に入った。日に焼けて黄ばみ、擦り切れたぼろぼろになった紙束―
―そのどれもに付箋が貼ってあるのは、きっと彼もまた、古代の恋の物語に魅了された一人ということなのだろう。
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