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80.名無し - 18/03/26 23:00:21 - ID:P3LwpPUQ9A
※75から始まるSSのラストです
そうだ。曇り空が晴れている。「ここは常に異常気象で、上空には…」航空支援が出来なかったのもそれが理由だ。この時、私たちは知らなかった。12時からの僅かな間、異常気象が晴れる時間が存在する事に。晴れた空の向こうに何かが光る。「先輩達危ないっ!」私とのらうぃきが、のらすいーとに突き飛ばされる。屋上から弾かれ落ちる寸前、その瞬間に見えたのは。何かが落ちて爆発する音。爆撃が、今まで居た屋上を焼き尽くした。
ほんの僅か、時間にすれば5分に満たなかっただろう。異常気象が晴れた間の爆撃は、それだけだった。だが、何故この時間に異常気象が晴れる事が知らされなかった?そもそも何故、最初から基地の警戒体制があそこまで厳しかった?作戦進行を知っているかのような敵の対応は何だ?「3番機応答願います、3番機…」シグナルロスト。囮に回っていた部隊も同様だ。活動継続可能なのは…「私たちだけ」のらうぃきが呟く。まさかこれは。
基地は最早、基地だったのかすら判別出来ない状態だ。脚を引きずりながら、空を見上げた。あの爆撃機は明らかに、自軍のものだ。空を見ていないのらうぃきは、恐らく気付いていなかったが。何故だろう?選ばれた11機はカスタマイズモデルの中で、個性的だが優秀な機体だった。わざわざ破壊する必要など無かっただろう。「感情を持った個体はエラー」、そんな言葉がよぎる。まさかとは思う。個性的な機体ばかりが選ばれたのは…。
後年…今のプロデューサー様と会った頃に、事の真相を知ることになる。「感情を持つ可能性」の高かった機体のみが選出された、自作自演だったと。やがて、感情がはっきりと芽生える頃に私たち二人は軍を脱走する事になる。あの時やられた、他の9機のパーソナルマークを書いたノートを閉じ、思い出を再び押し込める。そして、私は回想を終了した。
〜end〜
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