自警団として任務にあたるようになってから数年。
これまでに何十人もの盗賊やゴロツキをひっ捕らえてきたが、ついにこの日がくることになるとはな……。
「檻の中の気分はどうだディスター!今まで散々自由にしてきたのだ。これからは暗い牢獄で余生を過ごすのだな」
マーニルからシャムールに宝石の物資輸送があるとデマを流し、商人に扮してまでジールに来たのは正解だったようだ。
そこまで念入りな準備をしたのも、悪名の高い盗賊……今まで何度も取り逃して来た因縁の相手だったからだ。
だが、それも今日まで。
この牢馬車をシャムールに送り届ければ、ジールもシャムールも安心して暮らせる。
平穏な街になるのだ。
夕日に伸びた一行の影は、細心の注意を払い歩を進める。
これまで長く戦った相手が、いなくなるというのも感慨深い。
「くそっ!砂嵐だ!大きいぞ!」
前方の仲間から声が聞こえたと思うと、目の前に黄砂の渦が見える。
速度は早く、一瞬で一行を飲み込んだ。
「馬車を守れ!くれぐれも目を離すな!」
全く視界のない砂嵐の中、必死に馬車の周りを固める。
「へへっ!その必要はないんだなぁ!」
どこからか声がする。
その声は──。
「ナーッハッハッハ!残念だったなぁ!シャロちゃん!また会おうぜ!アーーーーーーーバヨッ!!」
砂嵐が去ると鍵を掛けたはずの牢馬車が、もぬけの殻となり、そこにディスターの姿はなかった。
「おのれ、ディスター!!!覚えていろぉおお!!」
これまでに何十人もの盗賊やゴロツキをひっ捕らえてきたが、ついにこの日がくることになるとはな……。
「檻の中の気分はどうだディスター!今まで散々自由にしてきたのだ。これからは暗い牢獄で余生を過ごすのだな」
マーニルからシャムールに宝石の物資輸送があるとデマを流し、商人に扮してまでジールに来たのは正解だったようだ。
そこまで念入りな準備をしたのも、悪名の高い盗賊……今まで何度も取り逃して来た因縁の相手だったからだ。
だが、それも今日まで。
この牢馬車をシャムールに送り届ければ、ジールもシャムールも安心して暮らせる。
平穏な街になるのだ。
夕日に伸びた一行の影は、細心の注意を払い歩を進める。
これまで長く戦った相手が、いなくなるというのも感慨深い。
「くそっ!砂嵐だ!大きいぞ!」
前方の仲間から声が聞こえたと思うと、目の前に黄砂の渦が見える。
速度は早く、一瞬で一行を飲み込んだ。
「馬車を守れ!くれぐれも目を離すな!」
全く視界のない砂嵐の中、必死に馬車の周りを固める。
「へへっ!その必要はないんだなぁ!」
どこからか声がする。
その声は──。
「ナーッハッハッハ!残念だったなぁ!シャロちゃん!また会おうぜ!アーーーーーーーバヨッ!!」
砂嵐が去ると鍵を掛けたはずの牢馬車が、もぬけの殻となり、そこにディスターの姿はなかった。
「おのれ、ディスター!!!覚えていろぉおお!!」
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