アニメエロゲの概要
最終更新：ID:Ouv/p2fOsQ 2012年01月07日(土) 22:37:36履歴
概要 
アニメエロゲとは、文字通りアニメーションのあるエロゲーの事である。
その歴史はインターネットが普及する以前に遡る。現在では同人ゲームも含めて膨大なタイトル数となって、どこまでがアニメエロゲなのかの判断も難しくなってきた。昨今のアニメエロゲが発売されるに至った一連の流れは、歴史の項目で解説する。
また、単にアニメ処理をウリとしているエロゲーをまとめると膨大な数になるため、ここでは、エロシーンがアニメになっているエロゲーに限定して、まとめる事とする。
歴史
- 1992〜1995年 PC98 全盛期
「ソニア」ブランドから発売した『あにまーじゃんV3』では、中村が現役時代に培ったコネを活かして第一線で活躍中の現役アニメーターと有名声優を起用し、注目を集める。その開発姿勢は、同じくソニアからすぐ後に発売した『VIPER -V6-』を初めとする『VIPER』シリーズにも継承され、ヒットの要となった。
また、単に通常制作したアニメーションをパソコン（PC）性能に依存した不安定なムービーとして再生するのではなく、アーカイブに圧縮された動画データを事前に必要な分だけ引き出し、高速で連続表示していくことによりPC上で滑らかなアニメを実現させる独自開発の描画エンジン「SGS」も、注目された。
- 1996〜1998年 MS-DOS から Windows95 時代への移行
しかし、OS市場がMS-DOSからWindows 95へ完全移行し、更には次期バージョンのWindows 98の姿も見えてくるに従って、一般家庭用PCの性能も急速に向上。標準VGAサイズのムービーでも安定して手軽に再生できるスペックのPCが幅広く普及したことにより、『VIPER』シリーズの冠でもあるキャッチコピー「HYPER ANIMATION SERIES」（ハイパーアニメーションシリーズ）の存在意義は、皆無に等しいものへとなっていく。また、海月製作所の『パワースレイブ』や『ラブ・エスカレーター』など、他社にもサイレンス同様に現役アニメーターもしくはそれに準ずる技能を持った原画マンや、SGSに迫る描画エンジンを開発・運用できるプログラマを起用してセックスシーンをアニメで描く作品が登場し始めたことも、それに拍車を掛けた。
1998年、海月製作所の名をアダルトゲームファンに広く知らしめることになる『ラブ・エスカレーター』を発売。この頃になると、国内アダルトゲームのプラットフォームは1995年のWindows 95の発売によって、それまで国内を席巻していたPC-9800シリーズからWindows 95へとほぼ移行済みであったが、それでも本作はPC-9800シリーズのユーザーに対して高セールスを記録し、それまでの一ソフトハウス形態から有限会社化へと踏み切らせるきっかけとなる（あまりの人気に、プログラマが非公式ながらWindows 95上でもプレイできるようエミュレータを開発し、無償配布に踏み切ったほど）。これを期に、海月製作所は「ジェイ・ノード」や「シューティングスター」などの流通会社と親密で『ラブエス』の開発に直接携わった面々から構成される有限会社「ジェリーフィッシュ」と、そうでない一ソフトハウス「海月倶楽部」へと分裂した。しかし、後者は目立ったヒット作に恵まれず、数年後にはひっそりと消滅することになる。
- 1999〜2003年 Windows 全盛期
GREENは、『ラブエス』同様、基本的には静止画+口パクのコマンド選択アドベンチャーだが、劇中映画や一連のセックスシーンといった重要なイベントでは一転して、セル画調のアニメーションとなる。セックスシーンは全体の回数やバリエーションこそ減ったが、主人公・小野真治とメインヒロイン・水野真琴の1度目に至っては、時間にして約10分の尺に渡るほどの大ボリュームを誇る。前戯はもちろん途中の体位変更や視点変更など、一連の些細な動作もしっかりと描いているが、これについてはスタッフ曰く、実写アダルトビデオを参考にしたとのこと。ただ、あまりにも実写AV似の描写と手慣れた様子の膣外射精で締め括られるため、当時存在していた『ジェリーフィッシュ非公式サイト』の掲示板では、「童貞と処女のセックスには見えない」という、一連の描写と膣外射精への皮肉とも受け取れる辛辣な意見も出た。また、真琴との2度目以降の際にも、夜の湖畔における斜め煽り構図の駅弁や後背立位、真琴の自室における魚眼レンズ風な構図のフェラチオ、そこから移行してのパイズリや顔射、ハメ撮り構図の膣外射精など、開発当時に参考とした実写AV似の描写がサブヒロインとの際も含めてふんだんに盛り込まれており、1度目とほぼ同様のこだわりが見て取れる。
以上のことから、内容の多くが単に挿入から射精までを描くだけに留まっていた当時の他社作品（ソニアの『VIPER』シリーズなど）に欠けていたものが補完されたとして、それらに不満を持っていたファンをも取り込む形で好評を得た。
『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』は、2003年10月10日にジェリーフィッシュより発売された18禁恋愛アニメーションアドベンチャーゲーム。かつて海月製作所より発売されて高い評価を得た、『ラブ・エスカレーター』のリメイク作である。
注目された本作であったが、重ねた延期の果てに発売されてみれば、最大の注目を集めた崇と理恵のセックスシーンは、当初の触れ込みとは違ってフルに描き直されてはおらず、初体験シーンのみが完全新作。他は、大半が原画を『ラブエス』から流用してCG化のみをやり直しただけに留まっている。とはいえ、初体験シーンのアニメーションがそれなりに良い出来だったのは事実であり、『ラブエス』には実装されていなかった声優による音声も加わって、『GREEN』と共に、それなりの高評価を受けている。
ジャム・クリエーションは2000年9月22日に、『eye's ONLY その輝きは眩しさに満ちて』でデビュー。『ainos』（アイノス）、『AQNOS』（アクノス）、『でこポン!』の3ブランドを抱えているが、主に原画を担当していたJ.C.STAFF本社は2010年現在、テレビアニメ制作を多数請け負っている状態に在るため、2007年3月23日の『女経営者 絵里子』を最後に新作のリリースは止まっており、過去の作品がダウンロード販売されているのみである。
『eye's ONLY その輝きは眩しさに満ちて』は、キャラクターデザインや原画を担当したまきまきなるとが、業界内外から注目を浴びるきっかけにもなった。
アニメーション制作はジャム・クリエーションの親会社であるJ.C.STAFF、開発は後に『らぶフェチ』シリーズを独自展開することとなるゆい工房が担当。400カット超かつ総動画枚数8000枚超を費やしたアニメーション処理は総計1時間超にも及び、セックスシーンはもちろん通常の会話シーンですら、立ちポーズ中のヒロイン達の全身を動かすというこだわりようであった。
- 2004〜2007年 手書きアニメエロゲの衰退と、AE による部分的アニメ導入
アニメ・低価格・毎月販売・初巻にDVDBOXを付属させる・ゲームタイトルがターゲット層になっている、などといった販売戦略をとっており、他のアダルトゲームブランドとは一線を画している。 この販売方式はアダルトゲーム業界内に衝撃を与え、特に低価格帯のシリーズ化及び毎月販売というスタンスは、その後を追う形で数社が追従した。
2004年から2007年にかけて、らぶフェチシリーズ、まほ☆たまシリーズ、淫シリーズなどを短期間で次々とリリースしていった。
しかし、2008年、監督の遠藤汐と牧だいきちら主要スタッフが離脱してしまい、スケジュール、マーケティングアイデア、品質管理と言った側面を大きく彼らに依存している制作体制だったErogosは、今後の動向が危ぶまれるようになった。
Overflow(オーバーフロー)は、�襯好織奪�によるアダルトゲームブランド。
1999年に自主制作物のブランド名を現在のオーバーフローに定め、『ら〜じ・PonPon』でデビュー。8作目の『School Days』では、メロドラマのような壮絶な愛憎劇と、凄惨なバッドエンドが存在するという点が、本来の作品の特徴やコンセプトと違った部分でゲームファンに衝撃を与え、2005年のアダルトゲームの上半期セールス2位・年間7位の約3万2千本のセールスを叩き出した。また、本作は2007年7月にTVアニメ化されて再び注目を集めた上、オーバーフロー作品としては初めてコンシューマ化され、2008年1月17日にガンホー・ワークスからプレイステーション2版『School Days L×H』（-エルアンドエイチ、Love and Hate）のタイトルで発売された。
『School Days』の内容にはいわゆる「修羅場」と呼ばれるシーンが多く、バッドエンド時の陰惨な描写からも、プレイすると鬱な気分になる「鬱ゲー」として注目を集めた。こうした、それまでにないタイプの過激な内容やシナリオ自体の評判は高く、オーバーフローは、本作で一躍注目を集めることとなった。
『Summer Days』では前作にあった陰惨な描写はなりを潜め、淡い恋心から始まるひと夏の物語をテンポ良く描いている。更に今まで公開されなかった様々な人間関係が明らかになり、オーバーフローの他作品との関連性も見て取ることができるファンディスク的な意味合いも強い。前作と比べED数は抑えられているが、これはEDタイトルの存在しないEDが多数存在するためである。
前作同様に期待感も大きかったが、物語以前に前作を遥かに上回るバグの多さと作り込みの甘さが目立ってしまい、ファンの顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまったことから、前者の修正及び後者の強化を図ったリニューアルパッケージ版（リニューアル版）が2006年10月27日に発売された。
また、2004年頃からエロシーンにAEを導入したエロゲーが多数見られるようになった。
AEとはAfter Effects（アフターエフェクツ）の略。アドビシステムズが販売している映像のデジタル合成やモーション・グラフィックス、タイトル制作などを目的としたソフトウェアである。After Effectsは主に映画の映像編集、CM制作、テレビ、ゲーム、アニメ、Webなどのコンテンツ制作に広く利用されている。
この頃から、『SQUEEZ』や、�襯螢─璽屮�移行後の『May-Be SOFT』などは、エロシーンにのみAEを使ったエロゲーを次々と発売していき、AE(アニメ)エロゲーのスタイルというものを、ある程度確立させていった。
手書きアニメーションのエロゲーが衰退していく中、部分的にAEを導入したエロゲーが多数発売されるようになったのは何故か。その理由の一つに開発費用の問題がある。
商業エロゲーとして開発していく為には、会社の人件費・維持費等のコストがかかる。当然、１作品に何千枚もの動画枚数をかけてアニメを作っているようでは、開発時間に対する採算が合わず、報酬にも影響してくる。
PC98時代・Windows95時代に比べ、それほど爆発的に売れるゲームが少なくなってきた商業エロゲー業界では、コストの問題が最重要項目であり、苦肉の策を強いられるようになった。
- 2008年〜 アニメエロゲの区分化と、開発の個人化
過去の作品をリニューアルし、『〜The アニメ』と付けたゲームも各社から見られるようになった。もはや、『AEアニメを追加した作品』を販売する行為は、関連グッズを作って販売する行為と同じ、商業エロゲーとしての一つの販売戦略と化してしまったのである。
手書きアニメエロゲの衰退に伴い、商業ゲーム会社からの脱退者たちは、別の会社に就職したり、同人サークルを立ち上げたりしていった。
手書きアニメほど労力がかからないAEアニメエロゲーは、同人エロゲーとしても普及していき、現在では全てを網羅しきれないほどの作品数となった。そして、これらのエロゲーは年々増えてきている。また、同人エロゲーでは、Flashを使ったアニメエロゲーも登場し、専門のサークルも作られるほどとなった。
しかし、家庭菜園やbrabustersystemなど、いくつかのサークルは、コストの面での有利さを生かし、手書きアニメエロゲーを作り続けてきた。
こうして、AE登場前は単に「アニメエロゲー」だったものが、各社（各サークル）が各々主張するアニメーション方法をとっていき、「手書き」「AE」「Flash」…など、アニメエロゲーの中でもいくつかのジャンルに区分されるようになった。
今後の展望
（草稿）
・独自アニメーションToolを使った、新ジャンル
・どこまでがアニメエロゲか
・「アニメーション」の定義、モーション（AE、3D）
・タイムリープ等（Toon）、 3D→2D、2D→3D の見せ方
・ゲーム化する意義、エロアニメとの違い
・PC以外の新たな媒介
・ネットゲーム
関連用語
- AE
参考
- Wikipedia 「サイレンス（ゲーム会社）」
- Wikipedia 「ジェリーフィッシュ (ゲームメーカー)」
- Wikipedia 「GREEN 〜秋空のスクリーン〜」
- Wikipedia 「LOVERS 〜恋に落ちたら…〜」
- Wikipedia 「ジャム・クリエーション」
- Wikipedia 「eye's ONLY その輝きは眩しさに満ちて」
- Wikipedia 「Erogos」
- Wikipedia 「オーバーフロー(ブランド)」
- Wikipedia 「School Days」
- Wikipedia 「Summer Days」
- Wikipedia 「Adobe After Effects」
sakuga999
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