なのはA's×ギアス15話

カレン達に捕らえられ、アースラに護送される朱雀・・・
その様を見守る二人の人物がいた・・・

「ちぃぃっ・・・!!この程度の状況すらクリア出来んとは・・・!!
だが”ヴィレッタ”、何故八神朱雀を助けに行くのを止める?」
「・・・必要だからだ」
「必要だと?管理局の連中に奴の素性が知れれば後々面倒に・・・」
「奴の素性などいずれは知れる。それよりも奴と我等が父との関係が知られる方が
問題なのだ・・・」
「だからっ・・・!!奴が父の事を連中に話すやも知れんのだぞ!!お前はそれを・・・!!」
「・・・いや、奴は父に対する恩義の手前、直ぐに話す事は無いだろう・・・
それよりも、アースラ内部に我等と父の行状を示す証拠が残されている・・・
それを滅する為にも、奴等が”捕らえられるという状況”が必要だったのだ・・・」
「・・・成る程、そう言う事か・・・。ちっ、面倒な・・・」
「”ジェレミア”、悪いが八神朱雀の救助と”後始末”を頼んでもいいか?
”私”という手札はまだ見せたくは無い・・・」
「・・・止むを得んな・・・全く、貴様はいつも面倒事を私に押し付ける・・・」
「ふっ・・・」

朱雀がアースラに収容されてから二時間程が経ち・・・
ルルーシュ・ランペルージ師団長率いる第一部隊がアースラに合流し
リンディやクロノ達の出迎えを受けた

「第四特務師団師団長、ルルーシュ・ランペルージです
本日付けを以って貴官と合同で任務にあたる事となりました。宜しく御願い致します」
「アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです。お待ちしていました。ランペルージ師団長。」
二人は互いに握手を交わす。そして互いの顔を見つめ合い穏やかに微笑んだ

「・・・ルルーシュでいいですよ、ハラオウン提督。貴方には俺やナナリーの事で
色々お世話になっていますからね・・・」
「じゃあ私の事もいつも通りリンディ、と呼んでくれるかしら?
カレンさん達にもそうして欲しいと言ってありますし、それに私自身階級で区別するのは
あまり好きではありませんから・・・」
「ふっ、相変わらずですね、貴方は・・・。ところでそのカレンから今回の事件の容疑者達の
内一人の拘束に成功したとの報告を受けているのですが・・・」
「ええ、現在、治療カプセルによる看護を行っているのですが、彼の怪我自体は
そう大したもので無く、じきに目を覚ますそうです。これから彼の尋問を
行う予定なのですが、ついてはルルーシュさん達にも尋問に参加して欲しいのですけど・・・
よろしいかしら?」
「・・・了解しました。その方がいいでしょうね・・・」
ルルーシュはリンディの提案を受け入れ、リンディの傍にいたクロノにも挨拶を交わす

「久し振りだな、クロノ。元気そうだな。活躍は聞いている。」
「お久し振りです、先輩。アカデミー以来ですね。先輩こそ、コーネリア提督の許で
活躍をされているそうじゃないですか。自分はまだまだです。
先程も、残る容疑者達の確保に失敗してしまいましたし・・・」
「・・・気に病むな。お前達が捕まえた男から情報を引き出せば、状況も進展するだろう
久し振りの共同作業になるが、共に事件解決に向け励もう。よろしく頼む」
「はい!こちらこそ、よろしく御願いします!」
ルルーシュとクロノは互いに握手を交わし、再会を喜び合う
そしてリンディはルルーシュ達をアースラの中へと案内するのだった

そして一方・・・
クロノ達の追撃を何とか振り切ったシグナム達は無事はやての許へと
辿り着いたのだが、はやての窮状になんら打開策が見出せず
ただ立ち尽くすばかりだった・・・

「シグナム、朱雀兄ぃは・・・?まだ帰って来ないん・・・?」
苦しみの中、はやてがシグナムに尋ねる
「・・・朱雀様から今こちらに向かわれているとの連絡を承ってます。もうしばしお待ちを。」
「そっか・・・」
シグナムは嘘をつき、はやてを落ち着かせる・・・
彼女はそんな自分自身に強い憤りを覚えていた・・・

「シグナムっ!!何であの時朱雀を見捨てた!?答えろぉっ!!」
一階のベランダで皆を集めて状況を説明しようとしたシグナムだったが
ヴィータの憤りに為すすべなく顔を背ける事しか出来ずにいた・・・

「やめろっ!!今シグナムを責めた所で事態が変わる訳ではないのだぞ!!」
ザフィーラがヴィータを両腕で羽交い絞めにする
「離せっ!!こいつが、こいつが朱雀をっ!!」
ヴィータは尚もシグナムに突っかかろうとするが、シグナムはそんな彼女の頬を叩く・・・
「・・・私ははやて様を護れという朱雀様の命を全うしただけに過ぎん・・・
それに納得出来ない様なら何時でも私を殺すがいい。だが私は自らの命に代えても
はやて様だけは護り抜いてみせる・・・それが私の意志であり使命だ。」

シグナムは鬼気迫る表情でヴィータを睨みつけていた
それに恐怖を感じたヴィータは泣きながら反論する・・・

「でも・・・、はやてには朱雀が必要なんだ・・・朱雀の事待ってんだ・・・
俺ははやてを助けたくて・・・朱雀を・・・くっそぉっ・・・、くっそぉっ・・・!!」

(朱雀様・・・。我等は、我等は一体どうすれば・・・!!)
4人は自身の無力さに只絶望する事しか出来ずにいた・・・

その頃、アースラ内部では、朱雀が目を覚ましたとの連絡を受けて
ルルーシュ、リンディ、カレン、クロノの4名による彼の尋問を行おうとしていた

「ここは・・・?」
目を覚ました朱雀がリンディに尋ねる
「ここは時空管理局が所有する艦船”アースラ”の中です。
貴方は我々の警告に逆らい逮捕、拘束されました。」
「・・・そう、ですか・・・」
ベッドの上で四肢をバインドで繋がれ、拘束されている状況を見て
朱雀は今の自分の立場を認識し受け入れる・・・

「・・・私はこの船の艦長、リンディ・ハラオウン提督です。
これから貴方に幾つか質問を行います。貴方は私の問いに正直に答えて下さい。いいですね?」
「・・・」

リンディは彼がどのようにして闇の書を手に入れたか、彼がどの世界の出身か、等
様々な質問を投げかけた。だが朱雀はそれらの問いに対し黙秘を貫き、
口を開こうとはしなかった・・・

「お前っ・・・!!いい加減に、しろぉっ・・・!!」
朱雀の黙秘に業を煮やしたクロノが怒りを顕にして朱雀の胸座に掴みかかる
「止めなさい!!クロノ!!」
リンディとカレンは慌ててクロノを取り押さえようとするが・・・

「止めろっ!!」
ルルーシュの一喝でクロノの手が止まる

「・・・拘束中の捕虜への虐待は時空管理局法で禁止されているっ!!
それを忘れ私情に走るとは・・・!!」
ルルーシュの苦言でクロノはその場に立ち尽くし、手を震わせ怒りを堪えていた
「・・・リンディさん、尋問は我々が行います。よろしいですね?」
「・・・分かりました。お願いします・・・」
ルルーシュの提案を受け入れ、リンディはクロノを外に連れ出す。

「・・・クロノ、お前は既に管理局執務官としての責任を負っているのだ・・・
何時如何なる時も私情を捨て、常に冷静な対処を行う様心がけろ。頭を冷やせ。いいな?」
「・・・済みません、先輩・・・」
ルルーシュの忠告に対し去り際にクロノが謝罪し、部屋を後にする・・・
二人が去ったのを確認したルルーシュは尋問を再開しようとしたが、
意外にも朱雀の方から質問を投げかけてきた

「貴方は・・・彼の様に力による恫喝は行わないんですか?」
「先程も言ったろう、不当な暴力は禁止されていると。それにお前は無闇に
他人を傷つける行為を行わないを聞いているからな。そう言う相手には
極力説得で応じたいと、そう考えている。」
ルルーシュは朱雀の問いに対しそう答えた
「・・・私は時空管理局第四特務師団師団長、ルルーシュ・ランペルージだ。
今からお前への尋問は私が引き継ぐ。お前は私の問いに正直に答えてもらいたい。」

ルルーシュはリンディと同様朱雀に質問を投げかけるが、朱雀はまたも
それを無視し、黙秘を続ける・・・

「黙秘、か・・・。だが、いつまでもそうしていた所で事態が変わるわけでは
無いのだぞ・・・まぁいい、時間はまだ有る。質問を続けるぞ」

その後もルルーシュは朱雀は質問を投げかけるが、朱雀は黙秘を貫き通していた
そして一方・・・
朱雀を撃った事による精神的ショックで倒れたなのはだったが
リンディやフェイト達による介抱で目を覚まそうとしていた

「・・・ここは?」
なのはが目を覚まし安堵するリンディ、エイミィ、クロノ、フェイト、アルフの五人。
「・・・アースラの医務室よ。御免なさい。あなたにはいつも辛い思いばかりをさせて・・・」
なのはに対し謝罪するリンディ
「よかった・・・。なのはが倒れたって聞いた時はもう本当に不安で・・・
ごめん、なのは。朱雀さんを撃った事がそんなにも辛かった・・・」
フェイトが朱雀の名を出した直後、なのはは血相を変えてフェイトに問いただす
「す、ざく、さ・・・!フェイトちゃん、朱雀さんは!?」
「えっ!?今、ランペルージ師団長による尋問を受けてるけど・・・」
なのはの突然の発言に困惑するリンディだが、記憶の混乱だと思い込み
とにかくなのはを落ち着けようと努める

「なのはさん落ち着いて。今はゆっくり休んで・・・」
「リンディさん。”彼”に、朱雀さんに会わせて下さい!!
あの人は・・・私の・・・、幼馴染なんです・・・!!」
「えっ・・・!?もしかして、今尋問を受けている”彼”が!?
なのはさん、それは本当なの!!?」
リンディの問いになのはとフェイトが頷き驚愕するリンディ、クロノ、そしてエイミィの三人
そしてリンディはそれが真実かどうかを確かめる為に
ルルーシュに連絡し、朱雀となのはとの面会の場を設けるのだった・・・

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2007年06月15日(金) 16:39:00 Modified by beast0916




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