リリカルガオガイガープロローグ

 勇者王リリカルガオガイガー THE MYTHOLOGY

 プロローグ

 遥か銀河の彼方にある三重連太陽系。
 そこでは、勇気ある者たちとプログラムによる再生を行い続ける遊星主たちとの戦いが行われていた。
 地球の在る銀河系に存在する宇宙暗黒物質を消費する物質復元装置“パスキューマシン”によって、窮地に追い込まれて行く勇気ある者たち。
 しかし、地球の皆から送られてきた応援とGストーンのリンク機能によって逆転する勇気ある者たち。
「見せてやる…本当の勇気の力を!!」
 赤と青の竜は、己の限界を越えた技を使い大破しながら敵を討ち。
 緑と黄色の龍は、最終装置を使用し自爆し合い討ち。
 光と闇の竜は、己の内に眠る最終装置を使い半ば刺し違う形で敵を撃破する。
 霧の隠密は、空蝉による変わり身を使用し相手の隙を突き撃破する。
 音楽使いは、武器となる楽器を失いながらも周辺の構造物を楽器代わりにし、敵を粉砕する。
 Jの宝石を持つ者とGの宝石を持つ者が操る白亜の巨人は、ES爆雷を使用した奇襲攻撃で敵を撃破する。
 そして、生機融合体エヴォリュダーガイが操る傷ついた最強の破壊神ジェネシックガオガイガーと、
暴走状態の化学物質を扱う白き再生する医師パルパレーパを乗せたパルパレーパ・プラジュナーの激しい格闘戦は見る者を圧倒する。
「お前たちがGGGを封じようとしたのも!」
 破壊神は、倒れた敵の頭を踏みつけながら左翼を両手で掴む。
「Gクリスタルに近づけようとしなかったのも!」
 掴んだ左翼を引きちぎる。
「ガオフォイガーを孤立させたのも!」
 医師が左腕を武器へ変化させようとするも、破壊神の右拳に粉砕され吹き飛ばされる。
「俺たちの地球に直接攻撃に来なかったのも!」
 吹き飛ばされながら再生しようとする医師だが、再生前に捕まれ破壊神のヘッドパーツの突起物に頭部をぶつけられ吹き飛ぶ。
「お前らが恐れていたからだ!Gストーンの力を高め、ラウドGストーンを超える。勇気から生まれる、このエネルギーを!」
「神が恐れる者など…無い!」
 拳をぶつけ合う破壊神と再生する医師。
「っく…ゲム!ギル!」
 エネルギーを帯始めた両方の拳で相手を殴り倒す破壊神。
「ガン、ゴー!」
 破壊神は、右腕に攻性のエネルギーを、左腕に防御のエネルギー溜め、敵を殴りつける。
「グフォッ!」
 クロスカウンター気味に拳を互いの顔に受けながらも、破壊神は相手を殴り飛ばす。
「ハァァァッ!!」
 両手に巨大な漆黒のグローブを装着し、膨大な反発する二つのエネルギーを強引に融合させ爆発的な破壊の力を生み出し、
EMトルネードで再生するパルパレーパ・プラジュナーの動きを捕らえ、背中のスラスターを全開しに突っ込む。
「ウィータァァァ!!」
 両手を組み合わせた一撃が、敵のボディを捉え粉砕していく。
 だが、右側の額部分にあるラウドGストーンから脱出したパルパレーパは、ガオガイガーのコクピットに侵入しガイを串刺しにする。
 不意打ちに成功し、ほくそ笑むパルパレーパだったが、アイパッチ状にしたラウドGストーンにGストーンの輝きを放つ左甲を押し立てられる。
「これが、Gストーンを持つべき…勇気ある者の!絶対勝利の力だぁぁぁ!!」
 エヴォリュダーガイの放つGストーンのエネルギーの前に粉砕されるパルパレーパ。
 そして、ヘルアンドヘブン・アンリミテッドの破壊エネルギーによって爆発するパルパレーパ・プラジュナー。
 ラティオこと護少年も、父親のコピーを打倒す。
 遊星主のリーダーであるパルス・アベルは、目の前で仲間がソルダートJとルネに粉砕されるのを見て焦る。
「きぃぃぃ、ピサソール!」
 三重連太陽系の恒星に化けていたレプリションフィールド発生装置の最下層にパスキューマシンと共に居るピサソールは、
パルス・アベルに命令に従い倒された遊星主たちを大量再生していく。
 中破状態で膝を折るジェネシックガオガイガーの頭上に多数出現するパルパレーパ・プラジュナー。
「言ったはずだ。完全勝利…それは、神の力だとな」
 各地で大破しながら勝利した勇者ロボたちの所でも倒したはずの敵が大量再生し復活を遂げていた。
 多数の蜂の姿によく似た女性型遊星主ピルナスに包囲され満身創痍なJとルネを見て勝ち誇るパルス・アベル。
「あなた達の負けですね」
「…どうかな?」
「やっぱり、気付かなかったみたいだね」
 ソルダートJとルネの意味深な答えにイラっとするパルス・アベル。
 そう、彼らGGG機動部隊に活躍によってGGG本体は予定位置まで移動を完了していたのだ。
『今よ…凱!』
 リミピッドチャンネルによる頭へ直接話を伝える命。
「待ってたぜ…この瞬間を!!」
 命から作戦開始を聞き、ガジェットツールを使用しパルパレーパ・プラジュナーの大群の包囲を脱出するジェネシックガオガイガー。
「ボルティングドライバー!」
 軌道上に待機しているGGGは、予測通りパスキューマシンが大量再生を行った際、エネルギー不足で機能を停止することを予期していた。
 GGG機動部隊は、そのために再生する敵と戦い大量再生を行わせる作戦に出ていたのだ。
「我ら勇気ある者、最大の使命を果たす時が来た。総員、フォーメーションG発令!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
 大河長官の発令により動き出すGGGメンバーたち。
「スワンくん。国連事務総長から託されたキーを」
「イエッサー!」
 二人は胸にかけていたペンダントを手に取ると、それがキーへと変化する。それに合わせて、最終安全装置が足元に出現する。
「「人類の英知と勇気ある誓いと共に、ゴルディオンクラッシャー!発動…」」
「承認!!」
 安全装置が解除され、勝利の二文字が浮かび上がる。
「これが勝利のカギだぁぁぁ!!」

 GGGのリビジョン艦が合体し巨大なツールへと姿を変える。
 地球の重力を突破してきたジェネシックガオガイガーは、完成した最強ツールを見つける。
「凱!コネクターは元々ガオファイガー用に開発されておるんじゃがな」
「あとは、ガッツで補え!」
 獅子王雷牙博士と火麻激参謀に元気付けられる凱。
「了解!よっしゃー!!」
 ゴルディオンクラッシャーのコネクターへ右腕を突っ込ませるジェネシックガオガイガー。
「クラッシュゥゥゥ、コネクトォォォ!!」
 規格外の大きさの腕だったが、コネクターを砕きながら無理やりツールコネクトを成功させる凱。
「ゴルディオンクラッシャァァァ!!」
 ジェネシックガオガイガーによって起動するゴルディオンクラッシャー。
 全長1kmの超大型金槌型ツールで、展開される重力衝撃波フィールドは全長20kmに達する。
 Zマスター級の敵を迎撃するために開発された、人類最後の切り札である。
 ジェネシックガオガイガーを追ってきたパルパレーパ・プラジュナーの大群が現れる。
「きやがったぜぇ!」
「よぉぉぉし!」
 ゴルディオンクラッシャーのAIと成っているゴルディーマーグの報告に答える凱。
「どけぇぇぇ!!」
 パルパレーパ・プラジュナーの大群へゴルディオンクラッシャーを振り下ろすジェネシックガオガイガー。
 その一撃で消滅するパルパレーパ・プラジュナーの大群。
 その光景を見たパルス・アベルだったが、その表情は平然としている。
「これで勝ったつもりですか?もう間もなくピサソールの再生力は復活します」
「いや、もう遅い」
 突如後ろに現れたアルマこと戒道幾巳に驚くパルス・アベル。
「アルマ!?」
 ジェネシックガオガイガーが居る宙域にESウインドが出現しジェイアークが現れ、ESミサイルを発射しESウインドを出現させる。
「ジェイアーク!?」
「行け、ガオガイガー!」
 このESウインドで敵中核へ飛べと言うジェイアークのメインコンピュータ“トモロ”。
「頼むぞ、勇者!」
 ジェネシックガオガイガーに全てを託す大河長官。
 その行動を止めようとするパルス・アベルは、ペイ・ラ・カインの大群を向かわせるもジェネシックガオガイガーはESウインドへと飛び込んでいった。
「凱兄ちゃん!」
「ウォォォォォォォォ!!」
「遊星主の本体を!」
「ピサソールを!」
「ぶっ壊せ!!」
 ESウインドからゴルディオンクラッシャーとジェネシックガオガイガーが飛び出た先はピサソールが居るレプリションフィールド発生装置。
 その圧力に装甲にダメージを受けて行く。
「うぉぉぉ!?スゲェ圧力だ!捩じ切れっちまいそうだぜぇぇぇ」
「ウォォォォォォォォォ!」
 ピサソールは、侵入してきた敵に対しレプリションフィールドの出力を上げ破壊しようと動き出す。
「全ての…Gストーン」
「全ての…勇気を」
「受け継いで…下さい」
「がんばって」
「負けないで」
「勝利を…掴み取れ」
「ガッツ…だぜ」
 倒れて行ったGGG機動部隊のビークルロボたちは、Gストーンのリンクシステムを介して戦う凱へ力を託す。
 凄まじい圧力に負けそうに成るジェネシックガオガイガーだったが、精神体の命が彼に力を与える。
『凱…やっちゃえ!』
「はっ!俺は一人じゃ無い…俺たちは…一つだぁぁぁ!!」
 ゴルディオンクラッシャーを持ち上げ、ピサソールの居るレプリションフィールド内部へ向け振り下ろす。
「光に!なぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 超巨大グラビティショックウェーブを叩き込まれたレプリションフィールドは光にされ、内部にあったパスキューマシンも、
その出力の前に強度の限界を超えてしまい粉砕し、ピサソールも光へと還元された。
「俺達の勝利だ」
 装甲のあちこちにひびが入りながらも、自分たちの勝利を感じ取ったゴルディーマーグ。
 そして、力尽きた凱の横には命の姿があった。
 凱がクシナダに運ばれてから医療スタッフによってメディカルマシーンに入れられていた。
 現状での治療は不可能であり、彼自身の生機融合体である身体機能による回復を促進させてあげる以外になかった。
 その間に、護少年と戒道少年をESミサイルで地球へ返す事と成っていた。
 現状でジェイアークにはESミサイルの残弾が残り2発しか無いからだった。
 そして、彼らは木星へと飛び立った。
 勇気ある誓いと共に。

「さて、この宇宙が消える瞬間まで時間が少しある。最後の悪あがきでも考えるか」
「考えるって言ってもよぉ…どうするんだよ?」
「それを考えるのも勇気ある者の務めさ…最後の最後までな」
 大河長官の意気込みに「そうだな」と答える火麻参謀。
「凱の意識が回復してくれれば生き残る可能性もあるんじゃがなぁ」
「それは本当ですか、博士」
 雷牙博士の一言に皆が一斉に注目する。
「ガオガイガーのガジェットツールにギャレオリアロードと言うモノがあってのぉ。それが使えればあるいは…とな」
 凱が眠るメディカルマシーンを見つめる大河長官。
 傷つきボロボロな勇者が、そこに眠っていた。
「しかし、今の彼を起こす事は…」
「うむ、それにのぉ…ガオガイガー自体ガジェットツールが破損しておる部分が多くてのぉ、自己修復には時間がかかる…間に合うかは分からん」
 一同傷心な中、時間だけが立って行く。
 しかし、彼ら勇気ある者を救う一筋の光が現れた。
 クシナダのレーダーに新たな機影を発見したとのスタリオン・ホワイトとジェイアークのトモロからの報告に驚くGGGメンバー。
 スクリーンに映っているモノは、艦体が黒く塗られた大型艦船。
 その大型艦船から通信が入り出る大河長官。
「こちら、時空管理局本局次元航行部隊所属XV級艦船クラウディア艦長クロノ・ハラオウンだ。この空間は、もうすぐ消滅する。
君たちが、こちらの言うとおりに行動してくれるなら助ける事が出来ます」
「こちらは、Gutsy Galaxy Guard(ガッツィ・ギャラクシー・ガード)略してGGGだ。地球の防衛を行う組織だと思ってくれればいい。
そして私は、大河幸太郎。GGGの長官を務めている。今現在、こちらは地球へ帰還する手段が無くなっている。貴公の申し出を応じたい」
 今は生存第一を考える事を大河長官は選んだのだ。相手の所属が聞いた事がないモノだったとしても。
「では、こちらの言う事を守ってください。第一に、戦闘行為を行わない。第二に、一時的にですが、こちらの管理下に入って貰います。
危険性などが無いと見なされれば、元の世界へ返す事が出来ます。以上が、こちらの条件ですが」
「…了解した。乗組員の命の保証はしてくれると思ってよろしいですな?」
「当然です。時空管理局は、災害救助など人助けもやっていますから」
 話はまとまり、クロノ艦長が乗るクラウディアのトラクタービームに引っ張られる形で移動を開始するジェイアークとクシナダ。
「転移開始します」
 クラウディアの操舵手の合図と共にクラウディアとクシナダと勇者たちを乗せたジェイアークは、消え行く宇宙から姿を消したのだった。




 次回予告
 君たちに最新情報を公開しよう。
 我らが勇者たちは生き延びた。
 時空管理局という未知の組織に助けられたGGG。
 傷つき倒れた勇者たちの復活は可能なのか。
 そして、Gストーンに新たな変化が。
 勇者王リリカルガオガイガー THE MYTHOLOGY
 NEXT 魔法使いの国
 次回も、このチャンネルでFINAL FUSION 承認!

 これが勝利の鍵だ!
 【八神はやて】

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2007年08月08日(水) 09:38:41 Modified by beast0916




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