リリカルスクリーム1話

全次元世界を震撼させたP・T事件…そして闇の書事件が終わって一年後…。
とある次元世界の宇宙空間を人魂のようにも見える光の球がふらふらと漂っている。その球体はまるで人間のように夢を見ていた。
「ハッハッハッ!スタースクリーム…貴様は所詮ナンバー2だ!リーダーになぞ永遠になれるものか!」
銀色の角ばったボディのロボット…忘れもしない。メガトロンがその球体に宿る魂…スタースクリームを罵った。
「スタースクリーム!貴様はトランスフォーマーの恥だ!」
黒い人型のロボット…ビーストコンボイもスタースクリームを罵った。
「あの時はよくも俺達を捨てやがったな…。貴様なんかがリーダーになれるもんかよ!」
スタースクリームによって切り捨てられ…戦死した彼のかつての部下…サンダークラッカーとスカイワープが呪詛の言葉をぶつけた。
「ハッ…?」
そこでようやくスタースクリームはこの数千年間まどろむたびにいつも見ている悪夢からさめた。
「リーダーの資格が無いだと!ふざけるなよ雑魚共め…俺様は…俺様は全てを支配してやる!ん…?」
スタースクリームは一つのポッドが宇宙に漂っているのを見つけた。
彼はそのポッドの形状にに見覚えがあった。
「こいつは…。やったぜ!デストロンのプロトフォームのポッドだ!しかも都合よくスパークが入ってないぞ!」
プロトフォームとは今は人間で言えば魂にあたるスパークだけになっているスタースクリーム達トランスフォーマーの体に当たる部分である。
この形態から動物や機械の形状をスキャン…つまり解析するかあるいは対象が機械の場合は直接融合するか
してトランスフォーマーは完全な姿となるのだ。
そのポッドに入っていたのはスパークの無いプロトフォーム…いわば抜け殻である。
スパークだけの存在となったスタースクリームが新たな入れ物として使うには格好の素材と言えよう。
間も無く今まで残骸として漂うのみだったプロトフォームの目に光が灯った。
「よーし動くぞ。しかもこのボディは俺様の在りし日の姿そのものじゃねーか!神が俺様に味方しているとしか思えないな!ハッハッ!」
高笑いするスタースクリーム。ところがである!
「うっ?!な…なんだあああ!」
突然スタースクリームが居た空間が光に包まれたのだ!
「次元断層が幾つか同時に発生しているだって!」
時空管理局の巡航艦アースラのブリッジで肩にスパイクのようなトゲが付いた服を来た少年…クロノ・ハラオウンが叫んだ。
「小惑星とかが転移してくる心配は無さそうだけど…数メートルくらいの大きさの何かが既に転移してきてるみたい。
こりゃ調べる必要アリだね。ひょっとしたらロストロギアって可能性も…。」
時空管理局の制服に身を包んだ女性…エイミィ・リミエッタが参ったという表情で答えた。

[目次へ][次へ]
2007年06月15日(金) 16:44:07 Modified by beast0916




スマートフォン版で見る